第161回国会 財政金融委員会 第4号 2004年11月04日


○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 財政及び金融等に関する調査を議題とし、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。

○国務大臣(伊藤達也君) 本年六月十一日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十五年十月一日以降十六年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。
 初めに、足利銀行に係る特別危機管理について申し上げます。
 足利銀行については、昨年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特 別危機管理開始決定がなされております。その後、同年十二月十六日及び二十五日には、預金保険法第百十四条第一項に基づき、足利銀行の取締役、監査役の指 名及び選任が行われ、本年二月六日には、新経営陣の下、経営に関する計画が提出されております。
 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。
 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。
 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
 報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については六件で、債権額は二百八十五億円、支払額二百七十六億円であり、あおぞら銀行については十三件で、債権額百六十六億円、支払額百四十五億円となっております。
 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百六十二億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆三千六百六十三億円となっております。
 これらの預金保険機構による資金援助等について、本年三月三十一日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。
 一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証付借入れ等の残高は、各勘定合計で十九兆八千七百九十一億円となっております。
 最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取組のうち主なものについて申し上げます。
 りそな銀行においては、昨年六月十日に経営健全化計画が公表されましたが、新経営陣の下で改めて策定した数値目標等を含む新しい経営健全化計画が、昨年十一月十四日、提出、公表されました。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところでありま す。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○富岡由紀夫君 私はさきの参議院選挙で群馬県選挙区から初当選をさせていただきました富岡由紀夫と申します。本日は、委員会、初めての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、西武鉄道、コクド等の違反についてお伺いいたします。
 西武グループの一連の不祥事、法令違反については、コクドの前会長の記者会見、西武鉄道の情報開示、マスコミ等の報道で明らかになっております。
 具体的に申し上げますと、まず、西武鉄道の有価証券報告書の大株主の持ち株比率の虚偽記載がされておりました。これは証券取引法に違反する行為でございます。
 二つ目に、西武鉄道の上位株主十社の持ち株比率が八〇%超の状態が三十年以上続いていたのではとの疑いが持たれております。少なくとも、関東財務局に提 出された有価証券報告書の訂正報告によりますと四年以上は確定しております。これは、東京証券取引所の基準では、一年以上続いた場合には上場廃止となると いうところに引っ掛かってくる事件、案件でございます。
 三つ目に、上場廃止の可能性があるにもかかわらず、その事実を知らせず、ワコール、小田急電鉄、三菱電機、関電工等に西武鉄道株式を売却したという事実でございます。証券取引法では、インサイダー情報を隠しての相対取引、売買は禁止されております。
 そして四番目に、西武鉄道の監査を行っていた二人の公認会計士の担当期間が二十九年と十八年となっております。これまた公認会計士法では、公認会計士は原則七年で交代するということが義務付けられております。
 これらの一連の不祥事について、金融庁の現在の調査状況及び対応方針について金融担当大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 西武鉄道は有価証券報告書の訂正報告書等を財務局に提出をいたしておりまして、訂正する理由といたしましては、個人名義株式の中に関係会社等が実質的に所有する株式が存在していることが判明したため等の説明を行っていると承知をいたしております。
 一般論として申し上げますと、有価証券報告書の訂正報告書等の提出があった場合、管轄の財務局において訂正等の内容及び経緯について必要に応じて確認を 行うこととなるわけでありますが、これは個別事案にかかわることでございますので、子細についてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思っ ております。
 また、虚偽記載の問題につきましては、もし虚偽記載の疑いがある場合には、これは証券取引等監視委員会において法令に基づいて適切に対応することになります。
 また、インサイダー取引についての御指摘もございました。一般論として申し上げれば、証券取引法は、第百六十六条におきまして、上場会社等の役員等の会 社関係者又は当該会社関係者から当該上場会社等の業務に関する重要事実の伝達を受けた者、これは第一次情報受領者ということになりますが、当該上場会社等 の業務に関する重要な事実を知りながら、当該重要事実が公表される前に当該上場会社等の株式等の売買等を行うことを違法な取引、インサイダー取引として禁 止をいたしておりまして、インサイダー取引に該当する事案については証券取引等監視委員会において厳正に対処されるものと承知をいたしております。

○富岡由紀夫君 個別論ということで余り詳しくはお答えいただけないというのは大体想定していたんですが、私は、一般論として、今回のこの事件が、日本の証券市場においてこのような事件が起こるというのは、私は日本にとって本当に恥ずべきことだというように考えております。
 情報開示というのは一般投資家の投資判断の一番の根拠であろうかと思っております。その情報が虚偽であるということは、これはもう日本の証券市場全体のレベルが疑われても仕方がない、このような私は大問題だというように考えております。
 そして、その虚偽の内容が極めて問題です。上場廃止につながるような重要事項の虚偽でございます。西武鉄道という会社自体が東京証券取引所に存在しなく なってしまう可能性がある、そのような重要な問題でございます。余りにも低レベルな、しかし重大な違反であろうかと考えております。
 証券取引所を管理監督されています金融庁、その長である伊藤担当大臣、今後、投資家は何を根拠に投資判断を下したらいいのか教えていただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 今先生からの御指摘がございましたように、証券市場の信認を確保するためには、これはもう適切なディスクロージャーというもの、そして公正な取引というものが確保されるということは極めて重要なことだというふうに考えております。
 今、監視委員会は、御承知のとおり、私の指揮権の中に入っているわけではございませんけれども、金融庁として本当に市場の信頼を確保するための適切な処置というものをしっかりやっていかなければいけないと、そうした認識を強く持っているところでございます。

○富岡由紀夫君 私は、今回の事件発生を許した一番の原因は、子会社上場に関する情報開示の抜け穴があることが原因でないかと私は思っております。
 今回は、コクドについて、親会社、上場会社の親会社であるコクドについては情報開示がなされておりません。どういった場合に上場開示が必要とされて、どういった場合に必要でないのか、その法令、根拠をお教えいただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) 東証からは、一般論として、適時開示規則に基づいて、上場会社の親会社の事業年度にかかわる決算の内容が固まった場合やあるいは子会社の異動に伴う事項などについて、当該内容について開示を行わせることを要請しているというふうにお伺いをしているところでございます。

○富岡由紀夫君  私が調べた限りなんですけれども、今の東京証券取引所の基準では、持ち株比率が五〇%を超える上場企業の親会社は財務諸表など経営データの公開を義務付け られております。しかし、これは平成八年ぐらいですか、にできた基準らしいんですけれども、それ以前にあった上場企業については、その親会社、今言った五 〇%を超える企業の親会社であっても、その情報開示の適用がされないというようなことになっております。すなわち、どういうことかというと、コクドには情 報開示の義務が付加されていなかったということでございます。
 同じ、今、東京証券取引所に上場している会社でありながら、ある企業は親会社を、ちゃんと五〇%以上保有していても、その親会社の情報を開示しなくちゃ いけないんですけれども、ある企業は開示しなくてもいいという、そのような不公正な状況が、不平等な状況が情報開示のレベルにおいて存在しているというふ うに言わざるを得ないと思っております。
 これこそ、私は証券市場の公正取引を阻害する大きな要因、適正な市場価格形成を阻害する大きな要因であると考えておりますが、これについて伊藤担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  先生の御指摘は、その平成七年以前の上場会社に対しても親会社にかかわる開示義務をこれは課すべきではないかと、そうした御趣旨に基づいての御質問ではな いかというふうに思いますけれども、東証からは現在においても要請は行っているところでありますが、親会社にかかわる開示義務に関しては今後必要な検討を 行っていきたいと、このように私どもとしてお伺いしているところでございます。

○富岡由紀夫君 是非検討をしていただいて、公正な証券市場の形成、本当に平等な、そういった情報のある市場に、目指していただきたいというふうに思っております。
 そして、私は、今回の事件発生を許した二つ目の大きな原因として、公認会計士法に問題があるというふうに考えております。
 平成十五年度の改正公認会計士法では、公認会計士は原則七年で交代することが義務付けられました。それに対しまして、西武鉄道の監査を行っていた二人の 公認会計士は、二十九年と十八年という長きにわたって同じ人が二人でずっと会計を見ていたというような状況でございます。
 去年の改正公認会計士法でそういうふうに七年ということが義務付けられたんですが、実際に適用を受けるのは、今年から施行されて、実際にだからこれから その罰則を受けるのは七年後、今から七年間は今の状況が続いていても何のそういった交代義務がないというような状況になっているかと思っております。この 点について、伊藤大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  公認会計士法の改正については当委員会でも様々な議論がなされ、そして今回の法律の改正が行われてきたところであります。そうした法の趣旨というものを私 どももしっかり尊重していかなければなりませんし、一方で、一番重要なことは、公認会計士に対するやはり信頼あるいは公認会計士に対する信用というものを しっかり確保していくということにあろうかというふうに思います。
 そうしたものを担保していくために公認会計士審査会というものも立ち上がって、そして今、その審査会においてもしっかりとした対応がなされているところ でありますし、また、私どもにおいても、公認会計士法上必要があると認められる場合には調査を行うということになっているわけでありますので、個別の事案 について私どもはコメントすることはできませんが、法令に基づいて適切に対応していかなければいけないというふうに思っております。

○富岡由紀夫君  今回の事件発生に関しまして、そのまた原因の一つに、監査役、社外監査役の問題を挙げる方もおります。西武鉄道の場合は、監査役は二十年以上、西武との関 係のあった人物が担当しておりました。そして、社外監査役も顧問弁護士や関係会社の西武建設である、そこの取締役の方等々、非常に形骸化していた可能性が 非常に高くなっております。
 私は、この監査役制度、企業統治の在り方について非常に疑問に思っておりますけれども、担当大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  この問題については所管外のところもございますけれども、一般論として申し上げれば、コーポレートガバナンス、ガバナンスというものをしっかり充実をさせ ていく、内部管理体制というものを強化していくに当たって監査役が果たすべき役割というのは非常に大きいものがあるんではないかというふうに思います。
 そうした意味からも、監査役に与えられた使命をしっかり果たしていくことがその企業に対する信認というものにつながっていくわけでありますので、その使命というものをしっかり果たしていただきたいと、このように考えているところでございます。

○富岡由紀夫君 済みません、私はこの企業統治の在り方、監査役、社外監査役、あと社外取締役、こういったことをやっていれば企業統治が、コーポレートガバナンスがうまくいくんじゃないかというような今見方が蔓延しているんですけれども、本当にそうかと私は疑問に思っております。
 実際は、社外監査役とか監査役、社外取締役も含めて、その企業から報酬をもらっている人がやっているんですね。実際問題、やっぱり関係のある人とか報酬 をもらっている関係上、本当にその経営の核心について重大な問題であっても、経営に弓引くような、自分から自分に報酬をいただいている方々に対して反対を 言うようなことは、私、できていないんじゃないかというのが実態だと思っております。
 私もそういう社外取締役、社外監査役とか、そういったいる会社にいた経験があるんですけれども、本当にイエスマンばかりで、なかなか、そこをやっていれ ば企業統治ができているというようなことを信じていては私は絶対にいけないんだと思っております。ですから、まあ御答弁いただけなくても結構なんですけれ ども、そういった迷信に対してやっぱり多くの皆さんはそろそろ気付いていただきたいと思っております。社外取締役、そういったものをやればコーポレートガ バナンスができているんだと、大丈夫なんだというようなことは私は絶対ないと、やっているところもありますけれども、それをやっていれば絶対大丈夫だとい うことは絶対言えないと思っておりますので、そのことをちょっと申し述べたいと思います。
 次に、この西武の問題でございますけれども、西武グループと取引をしている金融機関への影響についてお伺いしたいと思います。
 東京証券取引所は、上場廃止理由、事由に該当するおそれがあるということで、投資家にこれを周知徹底するために、西武鉄道株式を監理ポストに割り当てました。
 西武鉄道の連結借入残高、これは有報で見ますと八千億弱あります。それと、いろんな情報機関によりますと、コクドを始めとするグループ全体の借入残高は一兆円を優に超して、一兆五千億とも言われております。
 今回の不祥事に関連しまして、グループへの融資方針を、投資、取引している金融機関は、その貸出し方針、貸出し条件の見直しを考えざるを得なくなってい ると思っております。これによって債務者区分の変更とか貸出し債権の分類区分の変更、見直し、こういったことによって不良債権、新たな不良債権が発生する おそれが非常に高いと私は思っておりますが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  西武鉄道につきましては、平成十六年三月期有価証券報告書、これは単体のものでありますけれども、主な資産及び負債の内容において、短期の借入金、一年以 内返済長期の借入金及び長期借入金、合計総額として七千二百三十七億円となっていることが示されておりまして、このうち、民間銀行からの借入金を明示され ているものについては、みずほコーポレート銀行が一千四百二十三億円、中央三井信託銀行が六百五十億円、三菱信託銀行が五百四十七億円、東京三菱銀行が四 百六十億円、みずほ信託銀行が百九十五億円、三井住友銀行が九十億円というふうになっております。
 これは企業の側より公表されたものでありますが、これ以上の個別金融機関の個別取引先に関する事項については、これはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。

○富岡由紀夫君 私がちょっと御質問をさせていただいたのは、それらの債権が不良債権化するおそれがあると思っているんですけれども、それに対して金融庁は銀行に対する監督官庁としてどのように見ているのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) この点につきましても、その個別の企業の問題が融資を行っている金融機関に対してどのような影響を与えるかについて私どもがコメントすることは差し控えさしていただきたいと思います。
 その理由は、当該企業の持つ権利あるいは金融機関の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがありますので、そうした理由からコメントは差し控えさしていただきたいと思います。

○富岡由紀夫君 分かりました。
 今の西武グループに出している融資残高だけではなくて、今回整理ポスト、監理されることになりました西武鉄道の株式とか伊豆箱根鉄道の株式、これを担保 にして融資をしている債権、貸出し債権、これも多々あろうかと思っております。これらについても、当然のことながら、債権分類の対象に、見直しをせざるを 得ない状況になる可能性もあると思っております。
 こういったことを含めて、不良債権比率の今どんどんどんどん引下げを目指して金融システムの安定化のためにやっているんですけれども、こういった影響が 私は、個別論ではお答えできないということですけれども、一般論として、今回の問題がそういったことに波及してくる可能性は非常に高いと思っておりますの で、そのことについては是非考慮をしていただいて、新たな不良債権比率の引下げの考え方というか、もう一度そこのところの、どういうペースで下がっていく のか、そういったところを考慮していただきたいというふうに思っております。
 それで、ちょっと次に、シティバンクの問題についてお伺いしたいと思います。
 シティバンクの一連のこの不祥事、法令違反については先般の金融庁の行政処分でも明らかになりましたが、この処分を受けるに至った違反行為の内容が私は極めて悪質で、日本国民に対して多額の損害を与えて、公益を大きく害するものであったと思っております。
 明らかになったものを具体的に幾つか挙げてみます。
 まず、マネーロンダリングの問題でございます。組織的犯罪、そしてその犯罪から上がる収益を規制させるために、米国は、同時多発テロ発生以降、世界の金 融機関に対して、マネーロンダリングに対しては厳しく対処するように求めております。しかし、その米国の最大の銀行であるシティバンクが自らその規制を犯 しているのでございます。このことがまず一番大きな問題点の一つ。
 次に、特に日本の高齢者に対して、正しい金融情報を知らせないで投機的な商品を売り付けております。元本が割れるリスクのある商品を、あたかも元本が保証されていたかのように顧客をだまして販売、そして多額の不健全な収益を上げていたという事実。
 そして三つ目に、有価証券の相場操縦等の罪で起訴された被告人たちに対して、多額の資金流用を許す貸出しを行っておりました。また、同被告人の依頼に よって、地方公共団体から公的資金を引き出すための見せ金融資、これを実行しておりました。そしてさらに、銀行が業務として禁止をされている不動産の取扱 い、美術品の取扱いを行っておりました。そのほかにも、私募債販売と融資実行の違法な抱き合わせ販売の実施、税金逃れの架空口座の開設等々があります。
 私も銀行に十六年ちょっと勤務しておりましたが、これらの犯罪は銀行に就職すると最初に教育を受ける内容でございます。言ってみれば、銀行業務の初歩中 の初歩。こんな違反が、こんなレベルの違反がこれほど同時に大量に発生すること自体、私としては信じられません。多分、銀行にお勤めいただいている新入社 員の、新入行員の方々も同じ感覚だろうと私は思っております。
 この余りにも低レベルな違反、金融庁の方々にお伺いいたしますと、これらに対する処分は厳しい処分をしたというふうに伺っております。私はこれはとんで もないことだと思っております。あのUFJの処分と比較しても、訴訟したり、そういった比較としても非常に軽過ぎるんじゃないかと思っております。一部の 報道なんかではアメリカの圧力に屈したのではというような憶測も流れておりますけれども、そういう憶測が出るのも致し方ない私は処分の内容だと思っており ます。金融機関に勤めていた一員として、これほど基礎的分野での悪質極まりない違法行為の連発に対する処分は、それこそ免許取消し、国外退去でも足りない ぐらいだと認識しております。
 そこで、金融庁、金融担当大臣にお伺いいたします。
 このような初歩的レベルでの法令違反の再発防止についてどのようなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  今先生からも御指摘がございましたように、今般、シティバンク、エヌ・エイ在日支店に対する立入検査及び報告徴求によって、公益を害する行為、そして先生 からも数々御指摘がございましたが、重大な法令違反等が確認されたところであります。また、在日支店が行う証券業務についても法令違反が認められたとし て、九月十四日に証券取引等監視委員会から行政処分を求める勧告がなされました。
 これらを受けて、九月十七日に、在日支店のプライベートバンク部門に属する四拠点の認可の取消処分並びに個人金融本部の外貨預金業務にかかわる新規顧客との取引の一か月間の業務停止処分を含む行政処分を行ったところでございます。
 今回の行政処分は、重大な問題が認められたプライベートバンク部門の在日四拠点すべてについて認可の取消しを行ったものであり、実質的には免許取消処分 に相当するものであります。その決定に当たっては、事案の悪質性、そして重大性、過去のほかの金融機関に対する処分との相互性を慎重に吟味したところで あって、私どもとしては適切かつ妥当な処分であるというふうに認識をしているところでございます。
 こうした行政処分に基づいて、今シティバンクにおいては業務の改善計画が提出をされました。私どもは、その中身を精査をして、そしてその改善の実効性を しっかり担保していくことが重要でありますので、その改善計画を適切にフォローアップをしていきたいというふうに考えております。

○富岡由紀夫君 この改善計画のフォローアップ、二度と同じ間違いを起こさないというようなことについて今お話ありましたけれども、先ほど若林議員からも同じ趣旨で質問させていただいたんですが、私は本当にそのやり方で再発が防ぐことができるか、甚だ疑問に思っております。
 というのは、先ほど言いました銀行の他業禁止に引っ掛かる不動産の取引とか美術品の取引、これは四年前にも同じ過ちをシティバンクはやっております。そ して、それに対しても行政処分をして、業務停止をそこの分野に対して行ったと、下したということになっておりますけれども、その下した後、その部門は、部 署は解散にはなったんですけれども、その同じ業務を、今回、業務停止を掛けたプライベートバンキング部門が引き継いで、同じ他業禁止業務をやっているんで すね。
 これでまた同じことが起きないか、同じようなフォロー体制で本当にチェックできるのか、非常に疑問に思っております。この点についてお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  委員からの御指摘でございますけれども、そうした意味からも、私どもも検査とやはり監督の連携の強化、そして効率の高い、実効性を確保できる行政というも のをしっかり展開をしていかなければいけないというふうに思っております。また、シティバンクにおいても、これだけの法令違反をし、そしてシティバンクそ のものの信用が大きく傷付いたわけでありますから、信認回復に対する努力というものをしっかり行っていかなければいけないというふうに考えております。
 そうした意味からも、今回提出された業務改善計画の中身というものを私どもしっかり精査をさせていただいて、その実効性というものが確保されているのか どうか、またそれが着実に行われていくのかどうか、そのことを適切にフォローアップをしていきたい、法令に基づいて厳正に対応していきたいというふうに考 えております。

○富岡由紀夫君 適正なフォローというのはまあ一般論で、私よく分かんないんですけれども、具体的にどういうふうにお考えなのか、私、お伺いしたいと思います。
 前回処分した後、業務停止、改善命令を出してそういう処分をしましたと、で、改善計画が出てきたと、で、それをフォローしていたとおっしゃっております けれども、具体的に立入検査というのは、さっきのお話ですと、停止を解除してからしか入っていないというような状況であろうかと思っています。
 私は日本の銀行に勤めていたんですけれども、日本の銀行の場合は検査はほとんど毎年入っています。もうある意味、私の感覚で言うと一年じゅう入っているような感覚でございます、日銀等も、いろいろ含めてですね。(発言する者あり)いやいや、そういう状況です。
 それに対して、シティバンクに対する前回の処分以降、そういった立入検査というのは何回、何年の間に何回やっていらっしゃったのか、教えていただきたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君)  まず、業務改善命令を発出をして、そしてそれに基づいて業務改善計画というものを提出をしていただいているわけでありますけれども、そのフォローアップに ついては、そこに書かれている改善策というものがしっかり行われているかどうか、それを私どもとして監督上、確認をさせていただいているわけであります。
 そして、検査の問題についてお尋ねがございました。主要行については通年・専担検査の体制の中でこれは検査が行われているわけでありますが、私どもとい たしましては、この限られた人員、そして限られた組織の中ですべての金融機関に対してしっかりとした検査を行っていかなければなりません。そうした中で、 各金融機関の状況に応じてしっかりとした計画を立て、そして検査を行わさせていただいているところでございます。
 今回のこうした問題も踏まえて、先ほどもお話をさせていただいているように、検査と監督の連携を強化をし、そして私どもとしての金融行政の効率化、ある いはその実効性というものをしっかり確保できるように、適切な対応というものを真剣にこれからも行っていきたいというふうに思っております。

○富岡由紀夫君  今お尋ねした、前回の違反からこれまでの間に何回立入検査を行ったかというお尋ねをしたんですけれども、それにはお答えいただいておりませんが、おりませ んが、それはちょっとお答えいただければお答えいただきたいんですけれども。今言った、限られた資源を投下して検査を行っているというのは分かりますけれ ども、業務違反をする、若しくはした実績のある、もう二度もやっている、全然言うことを聞かない、それも初歩的な違反を行っていると、そういう危険極まり ないところに対しては私は重点的に検査を行う必要があると思っております。一般の何もやらないところであれば、それこそ適正な物理的な人員の問題で検査を 行えばいいんですけれども、そういう過去に実績のあるところについては、フォローアップをきちんとする意味でも絶対に重点的な配分を、検査に対する体力配 分を行わないといけないというふうに思っております。この点について、いかがでしょうか。

○国務大臣(伊藤達也君)  検査の状況でありますけれども、平成十三年の一月十七日に立入検査を開始をいたしまして、三月二十一日に立入検査が終了をしております。その後、平成十五 年の十一月四日に立入検査を開始をして、そして平成十六年の四月十二日に立入検査が終了をしているということであります。
 また、重点的にというお話がございましたけれども、私どもの検査というのは、先ほど来お話をさせていただいているように、限られた人員と組織ですべての 金融機関の業務の適切性あるいは健全性というものを確認をしていかなければなりません。その中で、いかに効率良くそうした私どもの使命が果たすことができ るのか、そうしたことを勘案をして検査に対する計画というものを立てさせていただいているところでございます。

○富岡由紀夫君  今のお話ですと、二年ちょっと入っていないということです。で、これからもうそういった適正の、そういった基準でやるということなんですけれども、何のた めの検査をやるかと。不正を防止するためにやるわけですから、不正を行う可能性のあるところには重点的にやるというのは、これは当たり前だと私は思ってお りますので、その辺のバランス感覚を是非失わないでいただきたいというふうに思っております。
 あと、もう最後、時間がないのであれなんですけれども、シティグループは日本だけでなくて海外でも同じような事件を起こしております。例えば、ロンドン で、今年の八月二日、アメリカシティグループは、ユーロ国債を二分間の間に百十億ユーロ、これは日本円にして一兆五千億円相当です、その国債を一気に売却 して、国債の価格を急落させました。これは相場攪乱ということでヨーロッパでは大変問題になっております。そうして、そのわずか三十分後には、急落した国 債を四十億ユーロ、安値で買い戻しております。わずかな間に二十六億円もの利益を上げたとされております。
 シティグループがこのようなことをやっている事実、これは皆さん御存じだと思うんですけれども、これに対しても、イギリスの当局は調査をして何らかの制裁を下すと、ではないかという見方がされております。
 このことに関しまして、このシティグループ全体、各地でのこの不祥事に関して、金融担当大臣の御感想をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(伊藤達也君) シティグループの関連会社が英国においてユーロ国債の取引に関連して英国FSAの指摘を受けていることは承知をいたしております。しかしながら、個別金融機関の海外における業務の状況についてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
 一般論で申し上げれば、世界じゅうで営業活動を展開している多国籍の金融機関については、国際的な金融監督の枠組みにのっとって、母国の監督当局と海外 の現地の監督当局が必要に応じて相互に協力連携しつつ、各国における業務運営の状況をしっかり監督、監視していくことが大変重要なことだというふうに考え ております。したがって、海外の金融監督当局とも適時適切に私どもとしても情報交換を行っているところでございます。

○富岡由紀夫君 済みません、一般論じゃなくて御感想をお聞きしたかったんですけれども、伺えなくて大変残念でございますけれども、もう時間が参りましたので、これで質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。