○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
信託業法案を議題といたします。
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。大塚議員、尾立議員に続きまして質問させていただきます。
信託受益権の販売業者が取扱いする受益権の中で不動産信託受益権というものがございます。この不動産信託受益権の売買というのは具体的にどういうものなのか、ちょっと簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 一般的に申し上げれば、不動産をある人が信託会社に信託をするとそれに対する受益権が発生するわけでございますけれども、その不動産自体がいろんな形で、賃貸されていればそこからいろんな収入が入ってくるわけですが、それが具体的に受益権になっていくと。その受益権を販売をするという業者、それは業として反復継続して販売をする、そういった営業をする者が不動産の信託受益権の販売業者ということではないかと思っておりますが。
○富岡由紀夫君 不動産信託受益権を買った人は、その受益権を元にその不動産、当該不動産の所有権を移転することは可能ですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 不動産を何することが可能とおっしゃいましたか。
○富岡由紀夫君 不動産の名義を変更することは可能ですか、買った人が、不動産信託受益権を買った人が。
○政府参考人(増井喜一郎君) 信託というのは元々信託の委託者がおるわけでございますが、委託者が信託財産を受託者に移転をすると、そのときに名義が変わるということはございますが、それから先にその名義が変わるということでそれは受益権という形で転々売買されることはありますけれども、不動産自体の名義が変わるということはないと思います。
○富岡由紀夫君 私、いろいろと業界でお伺いしたんですけれども、受益権を持っている人が、例えばその信託契約を解除、やめると、信託契約やめると言ったときには受益権を持っている人が不動産の名義を自分のものにすることができるというふうに伺っているんですが、実際、その不動産信託の委託者が最初からそういう権利でやっていればそういうことが可能だというふうにいろんな方から聞いているんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 最後に信託を終了する際に、その元に、元の状態に戻すということにもなりますし、受益権を持っておられる方が最後にその当該不動産を自分の名義にするということはあり得る話だと思います。
○富岡由紀夫君 ということは、実質的に、信託受益権の売買によって不動産の売買が実質的に行われることが可能だということですね。
○政府参考人(増井喜一郎君) 極めて限定されたといいますか、そういうケースもあるというふうに思います。
○富岡由紀夫君 私もその業界の、同じグループの中に業界の人がいていろいろとヒアリングしたんですが、極めてレアケースじゃなくて、そういうことが可能なんです。
それで、お伺いいたします。
国土交通省の方にお伺いしたいんですが、不動産を売買するときに、例えば仲介業者が入ります。仲介業者の方はどのような責任があるか、どのような規制を受けているか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(守内哲男君) お答えいたします。
宅地建物取引業者が例えば宅地建物の売買、交換などを行うときには、その際に重要事項を説明しなければならない、買主に対して重要な事項を説明しなければならないという規定がございまして、その説明しなければならない事項というのは、当該宅地又は建物の上に存在する登記された権利、あるいはその登記の名義人でございますとか、あるいはその宅地や建物、特に土地の上に都市計画法あるいは建築基準法といった各種の法令の制限が付いている場合にはその制限の内容、それから例えばその建物がまだ完成していない場合、青田売りと言われるような場合には、造成あるいは建物の工事が完了した場合のその構造でございますとか形状でございますとか、そのようなのを図面で説明しなければならないというようなことを説明する義務があります。
○富岡由紀夫君 宅建業法で不動産を仲介する場合には今の重要事項説明が必要ですと、そして仲介するときには宅地建物取引業者の登録というか、それも必要ですということですよね。
○政府参考人(守内哲男君) さようでございます。
○富岡由紀夫君 ということは、今まで土地の取引については宅建業法で重要事項説明が必要ですと、そしてその販売する人については登録、業者の登録が必要ですということになっているんですが、今、先ほどお話しいただいたように、今回の不動産信託受益権の売買、これによって実質不動産の取引ができるとさっきお答えいただきましたけれども、これは不動産取引の、要するに宅建業法を逸脱した脱法行為に当たるんじゃないかと私は思っております。
先ほど明確に実質的な売買、名義の変更はできるとおっしゃっていました。で、今回、それを扱うのは不動産の信託受益権業者、これはもう本当に登録だけでできちゃうということですね。その辺、非常に私は問題があるんじゃないかと、脱法行為が今回の信託業法の改正によって行われることができてしまうということになると思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(浅尾慶一郎君) どなたに御答弁求めますか。
○富岡由紀夫君 金融庁。
○政府参考人(増井喜一郎君) 先ほど御答弁申し上げましたように、名義の移転ということはあり得ると思いますが、通常、信託受益権というのはそれなりの期間を受益をするために、例えば、先ほど申し上げましたように、不動産賃貸の場合にはそういった賃貸料がいわゆる一つの収益になって返ってくるということでございますから、それなりの期間を持って行われるものだと考えます。
したがいまして、非常に、何といいますか、まれに短い期間ということも考えられなくはないと思いますが、通常の取引としてはやはりそういったそれなりの期間があって、最終的にその契約期間が切れた、あるいは信託が終了したときに名義が変わるというようなことになるんではないかと思います。
○富岡由紀夫君 まれかどうかは別として、そういうことは可能なわけです。信託受益権の売買によって実質的な不動産の売買が可能になっていくんです。それは今まで宅建業法で絞られていた重要事項の説明義務とか、登録、不動産取引、宅地建物取引主任の取引ですか、そういった登録が必要なんですけれども、それがなくてできることになってしまうんですね。これは非常に私は大きな問題点だと思っております。
今回の信託業法改正によって、悪いことをしようと思えば、悪いことをしようと思えば宅建業法の抜け穴をついて本当は瑕疵のある不動産を不動産信託受益権という形で売ることが可能になってしまうんですよ。私がもし悪徳業者だったら、そういうふうにやろうと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 信託の、この信託受益権という形でのスキームを作るのにはそれなりの当事者、相手がおりますし、それなりの、何といいますか、コストも掛かることだと思います。
したがいまして、基本的に売買というのは、確かに結果的に見れば、それでかなりのある期間を置いてある面が移転をしたという意味では移転をしたということは言えるかもしれませんが、普通の意味での売買という形にはならないんではないかというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 済みません。先ほど実質的に売買だとお答えいただいたのに、今はそんなまれなケースないと。まれなケースでもあるんですよ。やろうと思えばできるんです。悪いことというのはまれなケースを利用してやるのが通常なんですね。
このようなことで本当にこの業法を通していいのか。通すには、非常に私は、いや、反対じゃないですけれども、ここをちゃんとクリアしておかないと、抜け道を作るための法律を、何というんですか、賛成するわけにはいかないと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今の先生の御指摘は、現行制度でも、別に、不動産受益権販売業者という制度は今ございませんけれども、今回新しく作ったわけですが、現行制度でも同じようなことが起こり得ると思います。したがいまして、この今回の信託業法で新たに、何といいますか、そういった問題が起こるということではなくて、今でもそういうことではないかというふうに考えております。
○富岡由紀夫君 済みません。今、今でもそういうことがあるというのはどういうことなんですか、具体的に教えてください。今でもそういう宅建業法の脱法行為が行われていると今明言されましたよね。(発言する者あり)本当にこっちの方が問題だと私は思うんですが、お答えをお願いします。
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
度々御答弁をいたしまして恐縮でございますが、今のように実質的に不動産の売買を業として行うということが、仮にそういう形で、今のような形で名義が何回も変わるというような業を行うということであれば、それは宅建業法との関係でその登録なりなんなり所定の手続というのは必要になってくる可能性はございます。
○富岡由紀夫君 何か今よく分からないんですけれども。
今やっているのは、J―REITの不動産投資信託委託者が同じくやっているんですよ。そのときは、J―REITのその中で、宅建業法、宅地建物取引業のちゃんと資格を取ってくださいということがあって、それに基づいて不動産投資信託受益権の売買をやっているんですね。だから、そこはまだ担保されているからいいんですけれども、今回の、不動産、投資信託受益者、投資信託受益権の販売制度というのはそういうのは規定されていないじゃないですか。そこが法の抜け道になるんじゃないかという御指摘です。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今の先生の御指摘の部分は基本的に宅建業法のお話だと思います。信託業法に書くというよりも、必要であれば、実質的にそういったことが必要であれば宅建業法のそれなりの資格を持つということではないかと思います。
○富岡由紀夫君 じゃ、国土交通省の方、今のような答弁でいいんですか。信託業法の変更によって実質的な不動産取引、不動産売買が行われてしまう、宅建業法の網をくぐってできてしまう、こういう金融庁の見解について、どうお考えですか。
○政府参考人(守内哲男君) 現在議論されています法律のスキームのその主体がどのような形かということは国土交通省としては詳細には理解しておりませんけれども、一般的に宅建業と申しますのは、宅地建物の売買、交換、それから宅地建物の売買、交換、貸借の代理、媒介を行う行為、業として行うものというものを宅建業と位置付けておりまして、このようなことを営もうとする場合には、まず先ほど登録、先生に登録というお話がございました。それも必要でございますが、その前提として、第三条で免許を取得することが必要になっていると。二つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣、一つの都道府県の区域で活動する場合は都道府県知事の免許を取って活動すると。免許は基準がございまして、それに合致すれば免許が与えられて登録をして活動をすると、そういう規定になっております。
○富岡由紀夫君 これ以上、多分今ここで議論しても明確なお答えいただけないということですけれども、先ほど明確にお答えいただきましたとおり、不動産投資信託の受益権の売買によって実質的な不動産も、まれではありますが、できるとおっしゃった。それを不動産信託受益権制度で認めてしまうことになりますから、このことを踏まえた上で、この信託業法の、何ていうんですか、審議を行わなくちゃいけないというふうに私は思っておりますので、その点については明確に、皆さん共通認識を持っていただきたいと思います。
ちょっと次の質問、入らさせていただきます。
信託受益権のうち、先ほど来お話しありましたけれども、今回の信託業法で、取り扱われない信託受益権のうち、取扱いができない信託受益権がありますが、これはどういったものが具体的にありますか。教えていただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 法律の規定上、取り扱われない信託受益権というような形にはなっていない、そういう規定はございません。
○富岡由紀夫君 あれ、二条の第十項、この法律における信託受益権の販売ってあるんですけれども、その受益権の販売の、この法律で取り扱わないものとして、証券取引法第二条第一項に規定する有価証券に表示されている権利及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を除く、これ具体的には貸付債権信託だと思うんですけれども、これは取り扱いできていないというふうに書いてあるんですが、今の答弁とはちょっと違うんじゃないでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 失礼いたしました。
販売業者が、受益権は、今もおっしゃったように、証取法二条一項に規定する有価証券に示されている権利、あるいは二項により有価証券とみなされる権利を除くと書いてございまして、その受益権の中にはそれが除かれているということでございます。
○富岡由紀夫君 この除かれている、有価証券とみなされて、証取法で有価証券とみなされている受益権については、どういう取扱いについての規制があるのか教えていただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 今申し上げましたように、証取法の規定でございまして、証取法上の規制が適用されるということでございます。
○富岡由紀夫君 具体的には、その取扱いについては証券外務員の登録が販売員には求められるということでよろしいですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) そういった規制もございます。
○富岡由紀夫君 今の話ですと、今回の信託業法の改正の一番の大きなポイントとして、受託財産の範囲の制限をなくすということで、どのような財産も信託財産として取り扱うことができるという趣旨からいたしまして、ある特定の貸付信託、貸付債権信託については証取法の規制が掛かっているにもかかわらず、それ以外のは掛かっていない。この取扱いの違いの理由を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 証取法の方の規定でございますが、これは転々流通をする、一般の投資家が売買をする、そういった形での証券ということでございますので、そちらの方の規定体系に入っているということでございます。
○富岡由紀夫君 その違いの理由を、どうしてこういう違いがあるのか教えてほしいと思いますが。
○政府参考人(増井喜一郎君) 今申し上げましたように流通性の問題があります。
信託業法上の信託受益権というのは、基本的には、転々流通するということではなくて、民法上の指名債権譲渡の方式を取るということでございますので、基本的には転々流通を余りしないということでございます。そういったものと、それから今申し上げました流通性のある、非常に流通性のある証券との規定の違いということでございます。
○富岡由紀夫君 あれ、何か今のお話だと、今回の業法案の改正の目的が、信託受益権販売業者を作って、業者制度を作って流通を促そうというふうに私は目的として受け止めていたんですけれども、その目的と反すると思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 今回の信託業法の目的の一つは販売チャネルを拡大しようということでございます。したがいまして、受益権を分割をして、いろんな方々がその受益権を購入するそのチャンスといいますか、チャネルができるということでございます。
○富岡由紀夫君 ちょっと後で、最後にまとめて御指摘というか、お話ししたいと思うんですけれども、それ以外にもちょっと疑問点があるので確認をさせていただきたいと思います。
管理型信託業、これは登録制でございますけれども、なぜこれは登録制なのか、簡単に御説明、お願いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 信託業というのはいろんな形があると思います。その中で、基本的には、信託というのは他人の財産を預かるという意味で非常にその要件を厳しく、厳しくというか、一定の参入要件を設けて、しっかりしたその主体が信託を受けるということでございますので免許という形になっておるわけでございます。
ただ、その同じ信託の中でも、その信託財産を預かる上で、ある特定の指図によって、ある意味で非常にその裁量性の低い信託業というのもあり得るわけでございます。そういったものにつきましては、参入制限を免許という形で厳しく設けるよりも、より柔軟な形での登録制度という形にして新たな参入を促進すると、そういった形がいいのではないかという、そういう御議論がありましてこういった形になったということでございます。
○富岡由紀夫君 参入をしやすくするのと、あとはあれですか、余り投資者の被害、損害を与える可能性がないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるような御議論もあると思います。
○富岡由紀夫君 これ、六十六条に出ていることだと思うんですけれども、信託財産に、何というんですか、受益者とか、いろんな人を保護するために、それを一定の条件での範囲内での指図であればその指図に従ってやっていいということになっているんですけれども、指図に、仕方によってはかなり裁量権が出てくるんじゃないかと私は思っております。
不動産を例えば、さっきのまたあれに戻りますけれども、不動産信託受益権の売買でも、何というんですか、例えば不動産信託でも、その不動産をいつ売るかとか幾らで売るかとかですかね、それ例えば幅を持って指図することも可能だと思うんですね。例えば有価証券の指図でもいろんな指図の仕方あると思うんです。その指図の範囲の中ではある程度裁量権が出てくるケースもあると思うんですけれども、それについてはどういうふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) おっしゃるようにいろんなケースがあると思いますけれども、先ほども申し上げましたように、私ども裁量権がどれだけあるかということに注目をしております。
したがいまして、指図の仕方が非常に裁量権があるということであれば、それは管理型信託ではないということになるんではないかと思います。ある程度その実態に応じて考えなければいけないというふうに考えます。
○富岡由紀夫君 その規制は今回はしていないわけですね、裁量権の範囲をどこまでにするかと。それによって投資家が、受益者が損害を被った場合はどういうふうに対応できるんですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
今の御質問でございますが、管理型の信託というふうに称して実は非常に裁量権の大きい信託をやっていて損害を与えるというようなケースというのは、先生もおっしゃるようなことがあり得るかもしれませんが、私どもといたしましては、その管理型の信託をする際にも登録の申請をいたします。その際にどういった業務をするかということをチェックをいたしますので、そこの部分は、仮に何かそういった大変裁量の大きい管理型信託を売るなどということであれば、そこは登録要件に合致しない、むしろその免許を取るということになるんではないかと思います。
○富岡由紀夫君 今の関連して、自己取引についてもちょっとお伺いしたいと思います。
今回は二十九条で一定の要件の下で自己取引が認められております。しかし、信託法、現行の今の信託法では認められていないという御説明を午前中伺ったんですけれども、その辺の関係についてちょっと御見解を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
信託におきましては、その自己取引というのは、信託会社が信託財産を取得する場合、あるいは信託会社の固有財産を信託財産の方が取得する場合、さらに、信託会社が信託財産についての権利を取得する場合などの行為を意味するというふうに思っております。この法案におきましては、いずれにも忠実義務に反するおそれのある行為ということで規制の対象としているところでございます。
具体的な例を申し上げますと、例えば、その信託会社が信託財産たる賃貸ビルにテナントとして入居するといったことや、あるいは信託会社が特許権の実施権を取得する行為などがこれに該当するものというふうに考えております。
○国務大臣(伊藤達也君) さらに、御質問は、信託法との整合性の問題の御指摘があったかというふうに思います。
その点につきましては、信託法においては、第二十二条において、「受託者ハ何人ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス信託財産ヲ固有財産ト為シ又ハ之ニ付権利ヲ取得スルコトヲ得ス」と規定され、基本的には自己取引は禁止をされているわけであります。
これは、利益相反行為を防止する趣旨によるものと考えられておりますが、利益相反行為の禁止は受益者の利益を保護することを目的とすることから、受益者の利益を害さない場合にまで行為を一律に禁止することは相当でないものと考えられております。
そこで、本法案においては、信託契約において、自己取引を行う旨及び当該取引の概要について定めがあり、かつ信託財産に損害を与えるおそれがない場合に自己取引を可能としているところでありまして、このように、信託業法の規定は信託法の基本的な考え方と相違をするものではないと考えております。
○富岡由紀夫君 今のおそれがない場合は認めていますよということなんですけれども、おそれがないけれども損害を与えてしまった場合はどうなりますか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 仮にそういった形で損害を与えた場合、その管理失当責任を負うという、そういう可能性があるわけでございます。したがって、そういった場合には損害賠償の責めを負うということでございます。
○富岡由紀夫君 済みません。あと聞きたいこともまだあるんですけれども、ちょっと時間ですので、ちょっと今のお話の中の論点を整理したいと思います。
要は、今までは不動産の取引については宅建業法の縛りがあって、重要事項の説明書とか、宅地建物業者の許可、認可を得て登録された人じゃないと取扱いができなかったのが、今回の不動産信託受益権の売買という形で実質的な不動産取引が、不動産の売買が行われてしまう、宅建業法の網をくぐって行われてしまうということでございます。
この点の矛盾点がありますので、これを是非、統一見解をまとめて委員会に提出を求めたいと思っております。委員長にてよろしくお取り扱いをいただきたいと思います。
○委員長(浅尾慶一郎君) 富岡君から御指摘のありました件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○富岡由紀夫君 済みません。ちょっと時間があるので、じゃ説明させていただきます。
要は、投資者保護が、さっきの答えも明確になっていないんですけれども、受益者保護が十分でないと思っているんですね。さっき信託受益権販売業者制度のところでも営業保証金が一千万という話がありましたけれども、不動産の取引が一千万で担保できるとは思わないんです。金額がすごい大きな金額の取引があって、その中で、例えば重要事項の説明がなくて取引がされてしまって、そして買った人が、瑕疵、瑕疵担保が、瑕疵があって、それを損害として請求した場合、一千万円じゃ全然足りないケースが一杯出てきます。取扱いが増えれば増えるほど出てきます。ですから、今回のこの、何というんですか、受益者保護の観点から営業保証金を一千万とか、あと信託業務、信託会社の資本金一億というのも、これは規模の大小によって全然意味のない、取扱いが大きくなれば意味のないことになってしまうと、私はそう思っております。
したがって、こういう規定を設けて、これですべて投資者保護が図られているからこの業法はすばらしいんだということじゃないと思いますので、この点についてもちょっと御見解をお願いしたいと思います。
これで、私、以上の今の御返事をいただいて、私の質問を終えたいと思います。