第162回国会 憲法調査会 第4号

○会長(関谷勝嗣君) ただいまから憲法調査会を開会いたします。
 日本国憲法に関する調査を議題といたします。
 本日は、これまでの調査を踏まえ、日本国憲法について、委員相互間の意見交換を行います。
 まず初めに、各会派からそれぞれ御意見をお述べいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

(中略)
○会長(関谷勝嗣君) 富岡由紀夫君。
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。
 改憲の議論の中で一番よく出てきている集団安全保障、集団的自衛権の問題でございますけれども、今こういう議論がたくさん出ております。そして、イラクに自衛隊を派遣して、イラク特措法との関係で、イラクに派遣した自衛隊が違憲か合憲か、法律に違反しているか違反していないか、いろんな議論がありますけれども、そもそも、その前に国際貢献の在り方というものをもう一度国民の間で改めて私は議論する必要があるんじゃないかと思っております。
 国際貢献の在り方というものが議論されないままに、集団安全保障を憲法に入れるのか入れないか、権利行使できるようにするのかしないか、集団安全保障を日本も行使できるようにした方がいいんじゃないか、そうじゃないんじゃないか、いろんな意見がありますけれども、そもそも国際貢献の在り方というものがまだまだ国民の間で私は十分議論されていないと思っております。
 国際平和、世界平和の在り方、どうやったら実現できるのか。憲法にありますように、例えば具体的な専制と隷従、圧迫と偏狭、これらをなくす方法はどういうやり方があるのか、これを改めてしっかりと議論する必要があると思います。何も、世界じゅうから戦争をなくして平和をつくり上げるためには、武力行使、軍事的な介入だけが国際平和を築ける唯一の方法ではないと私は思っております。非軍事的な国際貢献の在り方もあると。
 日本がその中で軍事的な貢献をするのか非軍事的な貢献をするのか、私は改めて国民の間で議論をして、そして認識を一つにする必要があると思います。その上で、非軍事的な貢献だけじゃ足りない、軍事的な貢献もすべきだといったときに初めて憲法の改正の話が出てきて、そしてその中で集団安全保障の行使、集団的自衛権の行使が可能にできるかできないか、そのような議論が私は順番としてなってくるんじゃないかというふうに思っております。
 日本は、その中で考えなくちゃいけないのは、どうしてもやっぱり世界で唯一の被爆国ということでございます。そして、平和憲法というものを持ってきた国、こういった立場を考えて、本当に国際貢献の在り方、国際平和の在り方、世界じゅうから戦争をなくすにはどうしたらいいか、そのやり方を、日本の役割をしっかりと国民の間で議論する必要があると思います。
 私は、基本的に日本の今までの立場、日本の今までの憲法を考えますと、やっぱり非軍事的な分野で貢献するのが、日本の国際的社会の中で名誉ある地位を占めるやり方の一つの方法ではないかと私は思っております。工業技術の世界へのいろんな移転、科学技術、そして農業技術、教育、医療、そして金融制度や社会構造のいろんなノウハウを国際社会の中で広めていくと。そして、先ほど来からお話、議論ありましたけれども、環境問題、まさしくCO2の削減、温暖化の防止、これらについて日本は先進的な役割、技術的な開発を行って、国際社会の中で先進的な役割をする、これこそまさしく国際貢献、平和貢献のすばらしい私は在り方じゃないかと思っております。
 そして、私は、やっぱりこの世界の貧困の、戦争状態というか、先ほど来ありました専制と隷従、圧迫と偏狭、これらの一番大きな原因は、私はやはり貧困にあるんじゃないかと思います。先ほど言いましたような非軍事的な分野、いろんな科学的な分野、いろんな食料問題の問題とか医療問題とか、こういったことをクリアすることによって貧困をなくして、そして一番のそういう争い事のもめ事であるものをなくしていくというやり方をやるのも、私は、立派な国際貢献の私はやり方じゃないかというふうに思っております。
 あと、集団安全保障、集団的自衛権の行使、これを議論するときに、私はやはり具体的にいろんなケースを想定する必要があると思っております。
 例えば、日本が集団安全保障に参加できるようになって、国連軍なり多国籍軍に日本の軍隊が行きますと。そうしたときに、その行った軍隊の軍人が外国の人を殺す、若しくは日本の派遣された軍人が殺される、こういったことが想定されます。
 そういったことが起きた場合に、これはあくまでも想定されるケースでございますけれども、その軍隊に派遣する人を募集したときに集まらなかった場合はどうするのか。国際貢献で日本の人を国連軍なり多国籍軍に出すんだけれども、人が集まらなかった。そのとき、政府として徴兵制ということを考える可能性はないのか。そういったことも私は十分国民の間で議論してもらって認識してもらう必要があると思います。ありとあらゆるケースを想定してリスク管理を行ってやるのが我々、いろんな憲法を改正するに当たっての我々の責任でもありますし、国民の皆さんにそれを理解してもらうのも我々の責任であると思っております。
 したがって、安易に多国籍軍の参加、国連軍の参加、本当にいいのか、国民に本当にそこまでの覚悟ができているのか、このことをしっかりと私は国民の間で議論していかなくてはならないと思っております。徴兵制もいとわないのか、本当に自分たちの子供とか、若しくは我々自身が軍隊に派遣される、徴兵されて派遣される、そういった覚悟が本当できているのか、このことをしっかりと国民の間で私は議論するべきだと思っております。
 まず最初に、日本の国際貢献の在り方、世界から紛争や戦争をなくす在り方、日本がどうやってやっていくのか、これをしっかりと国民の間でもっともっと議論をすべきだと思っております。そして、その後に憲法の改正、いろんな自衛権の行使ができるようにするかしないか、そういった議論にすべきだというのが私の意見でございます。
 以上です。
(略)