第162回国会 財政金融委員会 第7号
平成十七年三月二十九日(火曜日)

○委員長(浅尾慶一郎君) 関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

(中略)

○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いします。
 二法案に関連して質問をさせていただきます。
 まず、関税定率法等の法案に関してでございます。
 今議論にもなりましたけれども、通関手続の迅速化の観点から、コンプラに優れた業者については一部検査手続を簡素化するということが盛られておりますけれども、今想定されているその通関手続で優遇できると見込んでいる対象の業者数若しくは対象数量、そしてそれによって、迅速化、簡素化によって輸出税関職員がどのぐらい、何というんですか、ほかの部署に配置できるというか、迅速化によって仕事を軽減できるか、その辺のところを、見込みをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(上田勇君) 私どもとしましてはできるだけ多くの者に利用してもらいたいというふうに考えているところでございますけれども、このやはり制度を利用するか否かというのは輸出者の判断もありますので、現時点で利用者がどの程度になるかというのは正確には把握できないところでございます。
 ただ、今の制度の下で法令遵守の高い輸出者に対する包括事前審査制度がございますが、その制度の適用を受けているのが三百六十三社でございます。その中の一部がこの新しい通関制度の利用の対象になっていくものではないかというふうに考えております。
 また、今御指摘にありましたように、この審査、検査が相当程度省略できるというようなこともございまして、私どもとしましては、平成十七年度におきましてはそうした審査、検査のための要員を二十人削減することとしているところでございます。
○富岡由紀夫君 ちょっと、もう少し多い人数の人が、要員が新たに、何というんですか、確保できるのかと思ったんですけれども、まあそんなに極端に変わらないということですね。いずれにしろ、そういう要員を、本来もっと強化しないといけない、武器とか麻薬とか、そういったものの水際チェックに重点配分するという方向で動いているというふうに認識させていただきます。
 そして、次に、今いろんな国際貿易の中でWTOの動きとFTAの動き、二つがございます。そして、そのWTOの中では、委員の中では、理事の中では、FTAの行き過ぎた二国間だけの若しくは特定の地域だけのそういった貿易の、関税の進め方についてはちょっと問題であるというような指摘もされております。そういった中で、日本はどちらに重きを置くのか、若しくは両方に重きを置くのか、その辺のスタンスを、国際貿易の中での日本のスタンスをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員が指摘されましたように、WTOの諮問委員会報告書では、FTAが無原則に拡大していくということになるとWTOの基本精神が空洞化していくんではないかという懸念を表明しておられるわけですね。それで、WTO新ラウンドというのは、関税引下げ等の貿易自由化という観点だけじゃなくて、アンチダンピング措置であるとか、あるいは貿易円滑化といった貿易ルールの明確化、これも対象としておりまして、私は基本的に極めて大事なものだと思っております。
 財務省としては、こういう多角的貿易体制の維持強化であるとかいうことによって、我が国の経済あるいは世界経済の発展に向けて、開発途上国の懸念も十分考慮しながら、WTO新ラウンドに積極的に取り組んでいくということが大事だと思います。
 しかし、他方、今FTA等々が、FTAを含む経済連携協定が進んでまいりますから、進んでおりますから、やはりここのところを全然傍観しているわけにはいかない状況だろうと思います。WTOを中心とするその多角的貿易体制を補完する、そういう観点から貿易自由化や経済活性化を迅速に推進していくという観点は捨てるわけにはいかないわけですが、WTO新ラウンドと並行してFTAも推進していかなきゃならぬと、こういうことではないかと思っております。
 昨年の十二月に経済連携促進関係閣僚会議で基本方針を決定いたしましたので、それに基づきましてFTAを含む経済連携、頑張っていかなきゃいかぬと思っております。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
 そして、この関税の中で今話題となっている米国牛を輸入する話が今出ております。そして、昨日、食品安全委員会のプリオン専門調査会で合意がされたという報道を今日のいろんな新聞の報道等々で拝見させていただきました。ちょっとその点について幾つか確認をさせていただきます。合意内容については昨日の新聞で確認させていただきましたので省かせていただきまして、幾つか私の感じた疑問点をちょっとお伺いしたいと思います。
 まず第一に、二十か月以下の牛について検査をしなくてもそれほど危険性はないという答申の内容というか、合意の内容だったというふうに理解しておりますけれども、どうして二十か月以下はいいかというと、プリオンというもととなる病原体が蓄積が少ないだろうというふうに言われておりますけれども、二十か月以下の牛が発症しない、潜伏しているだけで絶対に発症しないということは科学的に証明できているんでしょうか。食品安全委員会委員長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(寺田雅昭君) お答え申し上げます。
 二十か月以下は発症しないという証拠はございません。しかし、蓄積しているプリオンの量が非常に少なくて、定性的、定量的なリスク評価をやった結果、リスクはほとんど無視できる、あるいは二十か月以上だけを検査をしても、プリオンの、異常プリオンを持つ牛のリスクは無視できるかあるいは大変少ないと。したがって、人に対する危険性も無視できる程度であるという結論に、プリオン専門調査会が昨日結論が出たわけでございます。
○富岡由紀夫君 今、微量なんで人間に対する影響は少ないというふうにおっしゃっておりましたけれども、人間にどのぐらいの量が、人間が摂取したら危険になる、人間が影響を受けるのか、その点の科学的な、何というんですか、基準となる数値というのは解明できていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(寺田雅昭君) それは大変大事な問題でございますが、幾ら食べたら人間がいわゆるバリアントフォームのCJDになるかということは分かっておりません。ただ、牛では実験がございまして、一番最少の濃度が一ミリグラムで十五匹のうち一匹が発症したということで、それから猿ではそれの大体、種間のバリアというのがございますけれども、七十倍ぐらい量が要るだろうという結果が出ておりますが、本当に人間どれだけ食べたらいいのか、食べたらいいじゃなくて、CJDになるのかとか、そういうことは分かってないんです。
○富岡由紀夫君 ちょっと今のお話聞くと矛盾が感じられるんですね。分かってない、人間に危険を及ぼす量が分かっていないのに、二十か月月齢以下の牛については極めてリスクが少ないだろうというお話ありましたけれども、危険な数量が分からないのになぜそういうことが言えるんでしょうか。
○政府参考人(寺田雅昭君) 検査法が、現在の方法では検出できる限界があるわけです。ですから、二十か月以下のものを検査をやりましても、今までの経験とかヨーロッパの経験からいきましても検出することはできないと。もしか検出できるようであれば、今議員が言われたとおりのことが考えられますし、それからまた、検出法が例えば〇・〇一ミリグラムを検出できるということがありましたら、非常に若いときのごくごくわずかの異常プリオンを検出することができますが、今の方法ではできません。ですから、それは二十か月以下のものをやってもやらなくても分からないということなんです、本当のこと言いまして。
○富岡由紀夫君 検査できないから、やってもやってもしようがないと。だけれども危険性は分からないと、危険性も分からないと。それでやらないというのはちょっとおかしいんじゃないかと。私が思うのは、分からないんであれば、検査でできないからやらないというんじゃなくて、もしそうであれば、二十か月以上ならば検査ができるわけですか。それであるんだったら、二十か月以上待って検査をして肉を食べるというふうにするとか、それが科学的知見に基づいた安全基準じゃないかと思うんですよ。分からないから検査を、検出できるかどうか分からないから検査をしなくていいと、危険度、人間に対する影響度合いもどれだけだか分からない、だけれども多分大丈夫だろうという、これが科学的知見と言えるのかどうか、ちょっと疑問に思うんですが。
○政府参考人(寺田雅昭君) 検査のことに話が出ましたのであれですが、それ以外に危険な部位というのは、脳とか脊髄とか、いわゆる危険部位というのがあるんですね。そこの部分を完全に除く方が絶対的に大事であるということで、全体、世界じゅうを見ましても、そこのところのSRMを除くということを一義的に考えて、しかし検査もそれを補完するという形で必要であると。それは例えば、がんの場合に、検査しても分からないがんもある、それと同じように考えていただければいいと思います。
○富岡由紀夫君 今、危険部位のお話出ましたので、ちょっとそこも後で触れようと思ったんですが、危険部位の除去の仕方についても国際間でいろんなやり方があって明確じゃないと。アメリカは、脳に針か何か刺して、そして牛をおとなしくさせてからいろんな解体作業をするとか、いろいろやり方があるみたいですね。そうすると、脳とか脊髄にあるそういった病原体がほかのところに散らばる可能性もあるとか、そういった、何というんですか、話をちゃんと一個一個明確にしていかないといけないと思うんですね。だから、検査については分からないからやらないのか、それで危険部位についてはちゃんと除去できるのかできないのか、そういったところをちゃんと分けて私は検証しないといけないというふうに思っています。
 そして、これがすぐアメリカの牛肉を輸入することになるかどうかということは関係ないというふうに言っていますけれども、何というんですか、これによって、実は私そもそも疑問に思ったんですけれども、二十歳以下の牛というのは、二十か月以下の牛というのは、日本の国産の牛、日本で育った牛というのはどのぐらい出回っているのか。そして、今回アメリカで、日本に輸入されようとしておりますけれども、その二十歳以下の牛を今対象としているわけですけれども、アメリカの中では二十か月、二十歳じゃなくて二十か月以下の牛がどのぐらい出回っているのか、どういうふうに現状を認識したらいいのか教えていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) お答え申し上げます。
 まず、国内で屠畜される牛のうち二十か月以下がどのぐらいかということですけれども、それは大体一二%ぐらいになります。それから、米国の中でいわゆる肉牛で屠畜されるもののうち二十か月以下の割合は、これは八割から九割は二十か月以下ではないかと思います。
○富岡由紀夫君 ちょっとよく分からないんですね。
 ちょっと私は危険な、何というか、消費者に対して不安を助長する要因がここにあると思うんですね。日本の国内の牛だけでも、今の話だと一二%のやつはこれから検査の対象外になるだろうと。だけれども、各自治体は自主的に検査すると言っていますけれども、やらなくてもいいと、検査しなくてもいいと。そういう食肉が一二%が出回る可能性が十分あるということが一つ大きな問題点。そしてもう一つ今聞きたいのは、アメリカの八割から九割の牛がどうして、日本はわずか二十か月以下の牛が一二%なのに、アメリカは八割から九割の牛がそんなに出回っているのか。この違いを二点、ちょっとそれぞれお伺いしたいと思います。
○政府参考人(伊地知俊一君) お答えいたします。
 アメリカの月齢が若い理由といたしましては、日本の場合には肉質を重視をした肥育がなされていると。したがいまして、和牛であれば三十か月齢ぐらい飼わないといい肉が、おいしい肉ができないと。脂肪交雑を入れて高級な牛肉を作ろうというのが日本の農家の肥育の一般的なやり方でございます。アメリカは、それに対しまして、脂肪交雑、サシをたくさん入れていい肉を作ろうというの、は一部はございますけれども、日本ほどでなくて、経済効率を重視して肥育をやっているということで、若い月齢で肥育、屠殺されているという状況でございます。
○富岡由紀夫君 今のお話もそうなんですけれども、違う、何というか、いろんな物の本によりますと意見も出ております。アメリカの牛はいわゆる成長ホルモン、大きくなるのを早くさせるようなホルモンを使っていると。成長ホルモン若しくは肥育ホルモンというんですか、を使っているというお話がございます。だから二十か月以下の牛が早く大きくなって食肉として流通するような話があると伺っているんですけれども、そういう要因もあるんでしょうか。
○政府参考人(伊地知俊一君) お答えいたします。
 肥育効率を高める、増体を良くするという目的で使われるのは事実でございます。ただ、それだけが原因で肥育期間を短くできるということではございません。日本でも、肉質を重視しない乳用種につきましては、先ほど言いましたように、二十か月齢以下で出荷されるものもかなりいるわけです。乳用種の場合は大体二十一か月から二十四か月齢ぐらいで出荷されています。一方、肉質を重視をして、いい肉を作ろうというものは肥育期間を長くして、いわゆる黒毛和種というものは平均で約三十か月齢ぐらいで屠殺されているというのが実態でございます。
○富岡由紀夫君 ちょっといろいろと、BSEの問題のほかに、関連していろんな記事見させていただくと、その肥育ホルモン、成長ホルモンについての危険性についてもいろいろと議論になっています。WTOなんかでは、ある安全基準を作って、その基準以下であればその肉を安全とみなして流通してもいいというふうに報告されているようですが、ヨーロッパはその肥育ホルモン、成長ホルモンを使った牛は一切輸入をしないというふうにやっているらしいんですね。WTOの条例に違反してでも、ヨーロッパの国内の安全を確保するために、それは危険だという可能性が少しでも残っている場合は輸入しないというふうにやっているんですというふうに報告を受けているんですが、それは本当ですか。
○政府参考人(外口崇君) いわゆる牛の生産段階で使用される肥育ホルモンについてでございますけれども、これはEUの方では、先生御指摘のように、EUの中でも使っておりませんし、それから米国から輸入されるものについても、これは、エストロジェンの発がん作用等が問題であるという意見の下にこれを輸入をしておりません。
 それで、我が国の国内のお話も一緒にしておきますけれども、我が国の国内では、これは食品衛生法に基づきまして、人の健康に影響を与えない量として食品中の残留基準を設定しております。その基準を超える残留が認められる牛肉の輸入、販売を禁止しているところであります。平成七年に残留基準を設定いたしまして、その後、毎年計画的に輸入時のモニタリングをしておりますが、現在まで残留基準を超えた事例というのは認められておりません。
○富岡由紀夫君 要は、WTOとか国際的な基準があるんだけれども、ヨーロッパは独自の安全基準を設けて規制しているということが行われていると。自分たちの安全を守るためにやっているということです。
 あともう一つ関連してお伺いしたいんですけれども、アメリカは他国から牛肉もちろん輸入していたと、今もしていると思いますが、アメリカが輸入、アメリカが他国、要するにBSEの発生した国から牛肉は輸入しているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(伊地知俊一君) お答えいたします。
 アメリカは、近年、年間約百万トン前後の牛肉の輸入をしております。主な輸入国といたしましては、豪州、カナダ、ニュージーランドでございまして、BSEの発生国でありますカナダからは、三十か月齢未満の牛の骨なし牛肉について、一定のリスク軽減措置を条件に輸入が行われている状況でございます。
○富岡由紀夫君 一定の条件を基に輸入は少しやっているということですか。
○政府参考人(伊地知俊一君) 輸入は少しでなくてかなりの量でございまして、これは、今申し上げましたように、三十か月齢未満であるということと、骨を除いているというリスク低減措置をとってやっているということでございます。
○富岡由紀夫君 日本からアメリカに輸出していた牛があったと思うんですけれども、それは今BSEが発生したということで止められているわけですか。
○政府参考人(伊地知俊一君) 日本から米国に輸出をしておりましたのは、平成十二年に日本で、日本の国内で口蹄疫という病気が発生をいたしまして、それで輸入が停止をいたしております。その後、継続してまたBSEが出たものですから、引き続きアメリカへの輸出は止まっているという状況でございます。
○富岡由紀夫君 そういうことだというふうに報道でもされております。
 そしてもう一つ、日本が全頭検査を要求しているわけでございまして、それに対してアメリカのある民間業者は、牛肉の輸出業者は全頭検査を受け入れてもいいよというふうに報道がされました。実際、インタビューなんかで、日本の消費者が望むのであれば当然それは生産者としてやるべきだということでやったんですが、それがなぜだか今抑えられているというか、何というんですか、駄目だということでやられておりますけれども、これはどういったいきさつでそういう状況になっているのか。わざわざアメリカが、全頭検査してもいいという人がいるのに何でその人の意見がちゃんとそうされないのか、教えてください。
○政府参考人(伊地知俊一君) お答えいたします。
 民間企業によります自主的なBSE全頭検査につきまして、米国政府は昨年の四月九日にこの申請は認めない旨の通知をしたということを承知しております。
 その理由でございますが、米国農務省は、BSEの検査というのはサーベイランスのために行われるものであって、消費者の安全確保のために行うものではないということを挙げております。
○富岡由紀夫君 じゃ、アメリカと日本の考え方は全然違うんですね。消費者の安全のためにやるというんじゃないんですね、そもそもね。
 それで、ちょっと私、今までのことを総合してちょっと感想を述べさせていただきますと、要は、安全基準というのは自分たちの国でそれぞれ作ってしかるべきものだと。それは、やっぱりどこを一番目を向けるべきかというと、やっぱり消費者だと思うんですよね。消費者が少しでも疑問に思うのであれば、それを、疑問を排除できるような方策を、施策を取るのが国の安全施策だというふうに思っております。
 さっきのお話でありますと、二十か月以下の牛は微量だから、若しくは検査しても発見できないからやらない、そして危険部位を除去するから大丈夫だというお話だと思うんですけれども、私は、やっぱりそれをやるんであれば、やっぱり二十か月以下の牛は絶対に発症しないということを科学的に証明して、かつ二十か月以下の牛が持っている病原体の量であれば人間に絶対に影響を及ぼさないということを科学的に証明できない限り、それを、検査を除外、しなくていいということは認めるべきではないと私は思っているんですけれども、こういった、これはちょっと素人の私の考えなんですけれども、こういった考えについて、ちょっと酷かもしれませんけれども、酷というか、余り専門的な分野とはちょっと、何というんですか、専門的な分野になり過ぎてあれなんですけれども、谷垣財務大臣に、これは貿易という観点からどのようなお考えを、今までの、今のお話を、議論を聞いてどういう御感想をお持ちになったか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 直接の所管というわけではないわけでございますが、私は、食品安全基本法を作り、食品安全委員会がスタートしたときの担当閣僚でございました。そういうこともございまして、こういう米国産牛肉の輸入再開について食品安全委員会が果たすべき立場というのは、やはり科学的知見に基づいて適切に、一体何が危険なのか、リスクというのは一体何なのか、これをきちっと評価していただくということだろうと思います。
 その中身がこういう、先日、プリオン専門調査会で報告案ができたわけでございますが、私は中身は専門的知見を動員して結論を出していただいたんだというふうに思っておりますが、これを今後恐らく、私のかつての理解によりますと、パブリックコメントに掛けて、リスクコミュニケーションみたいなものも行って、その上でもう一回、リスク管理をやる農水省なり、そういうところが、あるいは厚生労働省ですか、判断をされるということになると思いますが、私は、今まで十分時間を尽くして、科学的知見を尽くしていただいたものと信じております。
○副大臣(七条明君) 私、実は金融担当だけではなくして、今食品安全委員会の副大臣でもありますから、私の方からも答えさせていただきますが、今財務大臣の方からお答えいただいたとおりでございまして、今あるべきことを一つの科学的な見地として食品安全委員会が出したのは諮問を受けて出したことであると。その出した答えが、そのまま米国からの輸入を解禁するという答えとはまた別問題でございますから、この科学的な見地を出したことを検討して次の段階に入っていくというふうにお考えいただければと思っておるところでございます。
○富岡由紀夫君 今のお話をちょっと、もうこの話このぐらいにしたいので、最後ちょっと総合させていただきますと、そのとおりだと思いますけれども、要は不明な点がまだ一杯残っているわけですよね。
 そして、私、一番心配しているのは、消費者に非常に大きな不安を起こさせる可能性が非常に強いと。要するに二十か月以下の牛は検査しないと。といっても、日本の国内の各自治体はやるといったときに、アメリカから検査しない肉が入ってきたときに、肉全体、ちゃんと検査している日本の国産牛の消費に対しても、そのものに対しても危険性の疑い、安全性の懸念というか、そういったものが消費者心理として起こるんじゃないかというふうに思っているんですね。ましてや、アメリカの肉が入ってきて、加工されてハムとかソーセージとか、若しくはミンチみたいな形になってハンバーグになったりスープのだしに使われたり、そうしたときに、それが本当に検査した肉を使ったものなのか、そうじゃないものを使ったのかというのが全く分からない。そういった商品の、食品の、何というんですか、対する信頼感というのか、それも全部損なってしまう可能性が非常に大きいんですね。
 だから、今回の一部検査をしなくていいということは、やっぱり消費者にとっては非常に大きな影響を及ぼす、日本の国内のメーカーとか生産者に対しても非常に大きな影響を及ぼすということを十分やっぱり、これはさっき言った科学的な知見に基づいて最後は政治的判断をされるんでしょうけれども、その政治的判断をするときにそういった観点を是非よく考慮していただきたいというのが私の思いでございます。
 今のお話を聞かせていただきますと、科学的な一〇〇%の証明というのはないということでございますので、私は、ないんであれば、やっぱり予防原則に基づいて、やっぱり検査ありきだというふうに思っております。検査ができない、二十か月以下はできないというのであれば、二十か月以上まで待って、検査できる範囲だけ、何というんですか、検査して、それで安全を確認した上で食品を流通に回すとか、そういった手段をやっぱり講じないと、やっぱり国民は安心して肉を食べられないということになってしまいますので、そのことだけは十分考慮していただきたいというのが私の思いでございます。
 そして、ちょっと次の議題に入らさせていただきます。
 IDAに関連してでございますけれども、よく分からないんですが、これもこの間、特別会計も分からないというふうにお話しさせていただいたんですが、これはODA予算だというふうに理解しているんですが、ODA予算といっても、何かよく聞くと、よく見ると二つあるんですね。一般会計のODA予算というのと事業予算のODA予算というのがありまして、一般会計は七千八百六十二億、そして、それに対して事業予算というのは一兆四千六百五十八億、やっぱり倍以上の開きがございます。この中身をやっぱり理解しておかないと日本のODAの在り方についてやっぱり是非を判断できないんだというふうに思っております。
 この違いの要因は、いろんな御説明聞いた限りでは、一般会計にプラスされて財投機関からの資金流入、他の特別会計からの資金流入、出資国債による資金流入等々があるというふうに伺っておりますが、この明細、内訳についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 委員おっしゃるように、ODAにつきましては、一般会計のODA予算、これを含んだところの全体として我が国ODA事業の姿を示すODA事業予算という二つの数字が確かにございます。
 十七年度予算におけるODA事業予算の事業規模の総額は、今お話がありましたように、一兆四千六百五十八億円でございます。その主な内訳は、一般会計予算で見ておりますのが七千八百六十二億円、それから円借款、これは一部は国際協力銀行に対する出資金で見ておりますが、他方、財政投融資を財源としておりますので、こうした円借款等のうち財政投融資等を財源とするものが五千二百六十五億円ございます。それから、IDA、アフリカ開発基金、こういった国際開発金融機関等に対する出資国債で対応しているもの等、これが千五百十一億円ございます。さらに、特別会計予算で見ておりますものが二十億円ございまして、今申し上げた数字を合計いたしますと一兆四千六百五十八億円になるものでございます。
○富岡由紀夫君 やっぱりその今ODA予算等々、今回も出資に関連して税金が投入されるわけでございますから、どれだけ、どういうところから調達されているのかというのがやっぱり我々はちゃんと理解しなくちゃいけないし、やっぱり政府としてもそれを説明しないといけないというふうに思っておりまして、もう少し分かりやすく説明資料というか、そういうのも作成をお願いしたいと思います。そして、それに基づいて、いいか、判断というのはまたこれは別問題で、そこをちゃんとやっていけるようなまず体制をつくる必要があると思います。一兆四千億円も事業予算が組まれているというのは、なかなか、余り理解していなかったものですから、非常に驚いております。
 そして、今回のIDAの出資国債というのは一般会計の中でも織り込まれているというふうに理解しているんですが、これは予算書の中のどこに幾ら入っていらっしゃるんでしょうか、確認したいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 一般会計の中に国債費という項がございまして、その項、国債費の中に出資国債償還財源国債整理基金特別会計への繰入れという目がございます。これが二千三百二十八億円でございまして、国際開発協会、IDA分のこの償還費が千八百七十四億円というふうになっております。
 そのほか、アジア開発銀行の償還費が九億円、アフリカ開発基金の償還費が四百二十億円、アフリカ開発銀行の償還費が六億円、欧州復興開発銀行の償還費が十九億円でございまして、これを合わせて二千三百二十八億円となっております。
○富岡由紀夫君 IDAの、今、何というんですか、基金の繰入れの金額が一千億円ちょっとというふうに言っておりましたけれども、今回の出資の分はそのうち幾らなんでしょうか。
○政府参考人(杉本和行君) IDAの分も前回からの分と今回からの分がございまして、今回の分の償還費は六百九十四億円でございます。
○富岡由紀夫君 これは分割して、毎年、何年度かに分けて繰り入れるという理解だというふうに思っておりますが、今言ったIDA以外の予算の繰入れについて、ほかの、今、アジアとかアフリカのそれぞれの地銀ですか、国際地銀、国際機関の地銀がありますけれども、これらについての予算というのは毎年どのように審議されているんですか。
○政府参考人(杉本和行君) それぞれの国際機関の増資交渉、それから拠出交渉等を含めましてそれぞれコミットしているものがございまして、それにつきまして国債等で出資させていただいております。そのもののうちから、各国際機関におきましてそれぞれ、各国際機関においてもその現金の所要等の必要がございますので、そういった要望を踏まえまして必要額を現金償還とするということで計上さしていただいているものでございます。
○富岡由紀夫君 IDA以外の出資についてはこういった法案がなくて、毎年予算が計上、そのODA予算の一環、一部として計上されているということですか。
○政府参考人(杉本和行君) 増資につきましては、いわゆるグローバル機関といいますか、全世界的に対応している世銀等の機関でございますが、こういったものにつきましては法律において総額の出資額等を記載させていただいて、法律でお願いしているところでございます。
 その他の、地域国際開発金融機関と言っておりますが、アジアとかアフリカとかを対象とするものにつきましては予算総則において全体のコミット額を計上させていただいておりまして、それに必要なものにつきまして、出資国債で出させていただいているものにつきましては現金償還分につきまして国債費で措置させていただいているという構造になっております。
○富岡由紀夫君 ちょっと、だから私の疑問点は、IDAについてはこういう個別の法案で出資額についてちゃんと審議して、幾ら出しますよということが議論されているんですけれども、その他の地銀については、総則ですか、この一番最初の方にちっちゃく書いてありますけれども、今回、今年も幾らか出ていますけれども、ここを見なくちゃ分からないということなわけですね、この総則のこの一部だけを見ないと分からないと。その違いは何なんですか。地銀は予算総則の中でちょっと入ってるだけで、何というんですか、十分議論されないで予算がちゃんと見積もられちゃうと。だけど、IDAについてはちゃんとこういった法案で出資額が議論されると。その違いを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 国際開発金融機関に対する出資額の授権方式には、今御議論になっていますように、法律によりまして出資額の限度を規定する法律方式と、予算総則で限度額を規定する予算方式とがございます。これにつきまして、世界的規模の国際開発金融機関の増資については、その規模、それから世界全体の経済協力における地位の重要性、こういったものにかんがみましてその都度法律改正を行うと。
 それから、地域的な国際開発金融機関、これにつきましては、その地域性、増資等の頻度にかんがみ、一番最初の出資、設立された一番最初の出資は法律によるものとしておりましたが、二回目以降の出資、いわゆる増資等でございますが、これについては予算によることとしております、という整理にさしていただいておりまして、これは経緯がございまして、昭和五十三年度までは出資についてはすべて法律方式としておりましたが、昭和五十四年度の米州開発銀行の第五次増資及び特別業務基金の補充並びにアフリカ開発基金の増資に当たりまして予算方式とすることが認められまして、現在はそのようなやり方にやっているものでございます。この点につきましては、五十六年四月九日の衆議院大蔵委員会の理事会、六十年六月六日の参議院の大蔵委員会の理事会による了解事項となっておると了解しております。
○富岡由紀夫君 そういった経緯がなければこういうことはできないと思うんですが、要は、さっき言った国債費の特別会計への繰入金額の半分ぐらいがそういった個別法案じゃないところで、つまり一般総則という形で、ここだって、多分ほとんどの人、見ても気付かないんじゃないかというところでさらっと一般会計の中に入ってしまうというところでございまして、これだけODAの出資についていろいろ議論されている中で、もう少し、そういった個別の法案じゃないところでも半分ぐらいはお金が出ているんだよというところはちゃんと国民に説明する義務が、責任があるというふうに思っておりますので、そのことも是非今後考慮していただきたいというふうに思っております。
 そして、IDAに関連して、やっぱりODAの予算がどうやって使われるべきかというところがやっぱり非常に重要な観点になってくるんですが、そのIDAにお金出すのはいいけれども、出したお金がどういうふうに使われているのかというところをやっぱりしっかりとフォローしないといけないと思うんですね。出したはいいけれども、今国連だっていろんな問題があって、ちゃんと適切に国連の出資が利用されているかどうか、非常に今国連改革と叫ばれるぐらい問題が起きているというふうに思っておりまして、IDAに対するチェック、IDAにお金を出したんだけれども、それがどのように使われているか、これ、ちゃんとチェックしないといけないと思うんですね。
 そういった中で、IDAにもいろいろ評価機関、業務評価局、OEDというんですか、あるというふうに思っておりますけれども、ここの評価について日本はどのように、何というんですか、理解しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(井戸清人君) ただいま委員から御指摘ございましたとおり、最近、世銀の業務についてどのように評価していくかということは世界的にも非常に関心が高くなっておりまして、こういった観点から、世銀の中に業務評価局というのが置かれてございます。これは理事会に直接報告をいたす独立の評価部門でございまして、ちなみに我が国の理事はこの業務評価局を担当いたします開発効果委員会のメンバーとして積極的にいろいろと世銀の業務の評価に関与をいたしているところでございます。
 ちなみに、最近の御議論の一端を御紹介いたしますと、例えば、世銀のプロジェクトの質の向上、このためにはプロジェクトの準備及び執行の各段階におきまして達成目標の明確化、あるいは実行に当たっての明確かつ十分なリスクの分析、こういったものの重要性が指摘されておりまして、こういったものを踏まえて世銀のプロジェクトが実施されていくことが重要ではないかというような指摘が行われております。
 また、この評価におきましては、政策環境、例えば政府の透明性とか健全性とか、こういった政策環境の悪い国への世銀の貸付けはやはり必ずしもうまくいっていないというような点も指摘されておりまして、私どももその点については全く同意いたしております。そういった観点から、政策環境を改善するような支援を行っていくことも必要であるというふうに思っております。
 なお、今般のIDAの第十四次増資交渉におきましても、IDAによる支援の進捗状況の管理、結果計測を更に強化する必要があるんではないかということが議論になりまして、具体的には各国の貧困削減に関する指標、これをまず決めて、そういった指標の改善にどれくらいIDAによる支援が貢献しているかと、こういったものを二段階にわたって評価するというようなことが提案されておりまして、私どもとしてもこうした点も踏まえてIDAの活動については十分配意をしてまいりたいというふうに思っております。
○富岡由紀夫君 今回の出資の是非を審議しているわけですけれども、そのときに事前にIDAがどうやって使われているか、その評価を一緒に我々しないと、その出資がいいかどうかというのは判断できないと思うんですね。事前に一応資料をいろいろと要求、取り寄せさせていただいたんですけれども、この中にOEDの評価ということで、概略、今言った概略しか書いてないんですね。個別の評価についてどうやって、これがいいのか悪いのか、どれぐらいが効果あって、どれぐらいが悪いのか、全体の、パーセントは出ていますけれども、個別の案件について全然出てないというのはやっぱり問題だと思うんですね。
 こういったお金、日本の税金を、国民の税金を使う審議ですから、そのお金がどのように使われていて、その最貧国に対してちゃんと効果的に使われているのかどうか、その結果も一緒にやっぱり議論していかないと、私は議論する意味はないというふうに思っております。これは別に今回の予算だけじゃなくて、すべてのことに通ずることなんですけれども、そういった観点が日本のこの予算審議の中では非常に少ないんじゃないかというふうに思っております。ですから、これから是非、今言った評価の内容についても、ちょっといろんな明細についてもし資料があれば要求をさせていただきたいと、教えていただきたいというふうに思っております。
 そして、ちょっとIDAに関連して、幾つか今政策評価の中でいろいろありましたけれども、ちょっとこれは衆議院の委員会の中でも議論されましたけれども、ラオスのナムトゥン2ダムというんですか、これが今世銀の中で融資をするかしないか議論、今月末ぐらいに世銀のいろんな理事会の中で議論されるというふうに伺っておりますけれども、衆議院の方でこれは十分議論されたというふうに私も理解しているんですが、ちょっと最後、要点だけ確認したいと思うんですけれども、今言った政策環境、その国の政策、政府がどのような状況になっているのかと、あと、貧困削減につながるのかという観点から、私はその観点を十分考慮して審議していただきたいと思います。
 日本の、今言ったように、日本もその世銀の理事になって、その融資を判断する責任ある、二番目に出資している国ですから、非常に責任ある国だと思いますので、日本のそういった判断というのが非常に大きく物を、融資判断に左右すると思いますので、今言ったことをしっかりと私は考慮していただきたいと思います。
 ラオスは社会主義国でしたっけ、そういった国の中で、国のGDPの七割に近い予算をつぎ込んで大型ダムを建設するということで、それが本当に最貧国の貧困を救うことになるのか、発電した電力も隣のタイにほとんど売電してしまうというようなことだというふうに伺っております。大量の水没地域が発生して環境破壊にも非常に大きなものがあるというふうに伺っております。この環境アセスメントがちゃんとできているのかどうか、環境に対する影響、そういったものができているのか、そして、その国の、最貧国の、何ていうんですか、国民のそういった貧困削減に本当につながるのか、政府の一部官僚だけがその利益を自分の懐に入れてしまうようなことにつながらないのかどうか、その辺の観点を、今、日本が、政府が今認識している内容をちょっと、概略で結構でございますので、お聞かせをいただきたいと思います。どのような方針でその世銀の融資判断に日本は臨むのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えをいたします。
 プロジェクトの概要等につきましては省略をさせていただきますが、このプロジェクトは東南アジアでも非常に最貧国の一つでありますラオスに貴重な外貨をもたらすということから、経済成長に寄与をし、貧困撲滅に重要な役割を果たす可能性があるというふうには考えてはおります。
 他方、今御指摘がありましたとおり、プロジェクトの検討過程におきまして、環境への影響とか住民移転の面などでもいろんな懸念が表明をされたところでございますし、また、今御指摘のあったように、その外貨の収入が生活水準の向上のために本当に有効に使われるのかどうか、そうしたラオス政府の財政管理、適切になされているかどうかといったことについてもいろんな懸念も表明されているところでございます。
 そうしたことから、このプロジェクトが非常に期待される効果は大きいということがありますので、このラオス政府がプロジェクトを円滑にやっぱり実施することが必要でありまして、そのためには、特に世界銀行あるいはアジア開発銀行等が関与をいたしまして、そうした知見のある外部機関からの支援が必要であろうというふうに考えております。
 こうした観点から、こうしたことも踏まえまして、財務省といたしましても、このプロジェクトに関して、環境、社会面の問題に十分な対応がされているのか、あるいは公共財管理体制の整備が十分なのかといったことを、これまで二年間にわたりまして、世銀の事務局や、またNGOなど外部の独立機関の御意見も十分に聴取をしてきたところでございます。
 今委員からいろいろと御提起をいただきました点も踏まえて、今後とも、世銀の事務局あるいはその他機関からの説明も踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○富岡由紀夫君 IDAに関連して最後もう一件お伺いします。
 今度、世銀の総裁ですか、ウルフォウィッツ氏という方が推薦されたということで、なるんですが、この方がいいか悪いかというのは、日本政府は支持ということでもう早々と表明されていらっしゃいますけれども、この方は、新聞の、たくさんの報道を見ると、ネオコンの、何というんですか、いわゆるネオコンの本当の中心人物だとされております。そのネオコンについていろいろな懸念がされています。イラク戦争のときもいろんな議論がございまして、これについていろんな見方があるし、断定的な見解は出せないと思うんですが、ちょっと谷垣財務大臣に御感想というか、ちょっと御意見を確認したいと思うんですけれども。
 今ネオコンに対して、いろんな危険性とか、いろんな批判というか、負の、マイナスの批判がかなり出ているんですけれども、それに対して、日本政府というか、谷垣財務大臣はどのように、これは個人的な御見解でもいいんですけれども、どのような御認識をお持ちなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ウォルフォウィッツ氏を世銀の新総裁に推薦をするというお電話、これはアメリカの大統領から小泉総理にもお電話がありましたし、私のところにもスノー長官からそういうお電話がございまして、まあウォルフォウィッツさんは今まで国防副長官として大変広範なマネジメントの経験、能力があるし、それからインドネシア大使や東アジア・太平洋担当国務次官補という経験もあって、アジアの開発問題にも通じておられると、だから是非支持してほしいというのがスノーさんから私へのお電話でございました。恐らく総理とのお話でもそういうようなお話が出たんじゃないかと思います。
 それで、私どもは、そういったことに加えまして、実際問題、やはり第一の出資国のアメリカの推薦であると、アメリカの指定席というふうに思っているわけではありませんけれども、アメリカの推薦であるというような、第一の出資国の推薦でもあるというようなことを勘案してウォルフォウィッツ氏を支持するということにしたわけでございますが、そこで、今委員がおっしゃったようなネオコンであるとか、まあ私はウォルフォウィッツさんの個人的な思想信条をとやかく論評する立場にはないわけですが、要するに世銀総裁としてきちっと職務を果たしてくださるかどうかというのが論点だと思うんです。
 それで、ウォルフォウィッツさんと各世銀理事との間で非公式な意見交換がこの間も相当何回も開かれておりまして、そうした場でウォルフォウィッツ氏は、世銀は経済開発を主たる業務とする機関である、あるいは世銀理事会の在り方というのはいわゆるコンセンサス方式で物事を決めていくということが基本なんですが、そういったことを尊重すると、等々明らかにされております。
 したがって、そういう十分世銀の機能とか役割というものを理解して御就任ということになるのではないかと、こう思っております。
○富岡由紀夫君 その、何というんですか、思想、背景にある信条は余り関係ないといえば関係ないというか、そこは切り離して考えるべきだといえばそうかもしれませんけれども、やはりいわゆるネオコンの中心人物ということで、間違ってもその考え方が世銀の運営に対して反映されるようなことのないように、出資第二番目の国として日本はその辺はしっぱりとグリップを握っていただきたいというふうに思っております。
 そして、ちょっと、もうやや余り時間がなくなってきましたので、次の議題に移らしていただきます。
 いよいよ四月一日からペイオフの解禁がされようとしております。かなり今回は預金シフトも少ないだろうと、余り影響ないだろうというふうにいろいろと報道されておりますが、とはいっても、やっぱり最終段階でございますので、絶対に気を引き締めて掛からなくちゃいけないと。厳格にちゃんとその辺を、施策を推進していかなくてはいけないと思うんですが、今、ペイオフに当たりまして、最終段階で、今まで保護対象だった普通預金がどれぐらい、何というんですか、保護の対象から外れるのか、今把握している金額ですね、それをもしお分かりになればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 済みません。今の点、ちょっと通告をいただいていなかったので、今、私のちょっと手元には持ち合わせていないものですから、後ほどお届けをさせていただくことができればと……
○富岡由紀夫君 通告しておいたんですけれども。
○国務大臣(伊藤達也君) 申し訳ございません。ちょっと今私の手元には数字を持っていないものですから、後ほどすぐにお届けをさせていただきたいと思います。
○富岡由紀夫君 昨日打合せした中で、二百五十三兆円ぐらい普通預金があるということで伺っておりまして、その分が一千万円を超えると対象になるということでございます。
 今回、ちょっと確認しないといけないのは、普通預金だけが対象になるんじゃなくて、今度は銀行全体として名寄せしてトータルの金額が、決済性預金以外は保護の対象から外れるということでございますので、今まで定期預金例えば一千万円持っていた人がいて、普通預金、そのほかにまた幾らか持っていた人がいて、普通預金が例えば三百万円の人でも、その人は今度トータルで一千三百万円になるわけですからやっぱり預金保護の限度を超えてしまう。保護の限度を超えてしまうということになりますので、要するに、普通預金だけが注目すればいいというんじゃなくて、トータルですから、そのほかの定期預金とか、そういったところも影響をするということでありますので、その点はしっかりとフォローしていただきたいというのが私の思いでございます。
 そして、もう一つ、今、預金からいろんな投資へ、貯金から投資へということで、その流れも今回に乗じて進められようとしておりますけれども、そのときやっぱり注意しないといけないのは、投資信託なり外貨預金なり国債なり、いろんなところにお金が行くんですけれども、そういうとき、やっぱりいろんな投資に対するリスクがあるわけですね。その辺のところをしっかりと説明しないと、どこかのシティバンクみたいに顧客をだましてリスク商品を売ってしまうようなことに結果としてつながらないかどうか、その点はしっかりと改めて確認したいと思いますけれども、今回のペイオフの解禁、全面解禁に当たって金融庁さんの御決意を改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から重要な御指摘を幾つもいただきました。そういう意味からいたしますと、私どもとして、ペイオフ解禁拡大が円滑に実施できるように万全を期していかなければいけないというふうに思っております。
 もうペイオフ解禁拡大は、市場規律の下で預金者の選択というものを前提にして、そして金融機関が緊張感を持って経営基盤の強化に取り組むと、そのことによって金融システム全体としての安定性が持続的に確保される、こういう観点から、予定どおり本年の四月より実施をすることといたしております。
 これを前提として、各金融機関における諸準備も含めてペイオフ解禁を拡大する環境は整っていると考えておりますけれども、やはりそのペイオフ解禁拡大に向けて、預金保険制度にかかわる誤解でありますとかあるいは認知不足による無用の混乱が来すことのないように、引き続き私どもとして広報活動をしっかりやっていかなければなりませんし、また金融機関の方々におかれましても、自らの健全性について、あるいは業務の内容について利用者の方々にわかりやすく丁寧に説明をしていくということが極めて重要でございます。
 いずれにいたしましても、私どもとして、ペイオフ解禁拡大が円滑に実施できるようにしっかり対応していきたいというふうに思っておりますし、また、今後、預金者の方々が様々な金融商品を選択をしていくに当たって、安心感を持って、信頼感を持って選択をしていく、そのために利用者保護ルールというものを整備をし、徹底をさせていくということもとても重要なことでありますし、金融改革プログラムにおいてもその旨明記をさせていただいたところでございますので、そうした観点からも私ども行政としての対応を進めていきたいというふうに思っております。
○富岡由紀夫君 しっかりとお願いしたいと思います。
 そして、ちょっと次の、時間の関係で手短にちょっと説明させていただきますと、前回のときにちょっと議論として積み残してしまったところがございまして、これは政府税制調査会さんで出していただいている資料なんですけれども、「所得税・個人住民税の税率ブラケット毎の適用人数」というのがちょっと誤りがあるんですね。これ、正しい数字の資料を是非いただきたいというふうにお願いしておりましたけれども、それは出していただけるんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の資料は、本年一月二十五日に開催いたされました政府税制調査会の総会・基礎問題小委員会合同会議におきまして総務省の方から提出されました地方税関係の資料の中にある「所得税・個人住民税の税率ブラケット毎の適用人数」のことと思われますが、この資料は、平成十八年度において行うこととされております所得税から個人住民税への税源移譲の参考資料としてお示ししたものと理解しております。
 御指摘のとおり計数が合わないところがございますが、これは資料にも注記しているとおり、主として所得税と個人住民税におきまして使用した統計資料のカバーする範囲が異なることによるものでございます。
 具体的に申し上げますと、所得税におきましては、御案内のように、納税者の大宗が給与所得者であること、あるいは統計上の制約が存在いたしますので、給与所得者に係るブラケットごとの人数の推計値を民間給与の実態によるデータから納税者数を推計しております。したがいまして、そこにも、注意書きにもございますように、一年間を通じて勤務した納税者に係る給与収入別の人員分布から推計しているわけでございまして、一年間就業していない方は外れております。それから、公務員あるいは自営業者も外れております。他方で、個人住民税についてはそういったものが入っているということで、横の数字を合わせていただきましても総計合わないところでございます。
 その合わないところを一致させられるかどうかという御質問だと思いますけれども、これから来年にかけましていろいろと御審議をいただかなければなりませんので、私どもいろいろ努力はしたいと思っておりますが、今申し上げましたような統計上の制約等もございますので、努力はいたしますけれども限度があるということは御理解いただきたいと存じます。
○富岡由紀夫君 最後の質問をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 内閣府さんにお願いしたいんですが、いわゆる「改革と展望」ですか、あの中で、二〇一二年度までに財政バランス、プライマリーバランスを黒字化するという、この表なんですけれども、事前にちょっと昨日お伺いしていたんですが、その中で、二〇一二年の国の、国と地方でプライマリーバランスが黒字になるんですけれども、国のプライマリーバランスの赤字金額、これは依然として幾ら残るのかお伺いしたいのと、あと二〇一二年時点での利払い費の金額、あとOECDベースの国の債務の残高。OECDの基準がございます。今現在は一七〇%、GDP対比一七〇%というふうに伺っておりますけれども、二〇一二年のときにはその数字が、残高とGDPに対する比率がどれぐらいになっているのか、最後お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(大守隆君) お答え申し上げます。
 「改革と展望」のまず二〇一二年度の国の基礎的財政収支でございますが、この参考試算では、国、地方の財政の姿として、いわゆる国民経済計算ベースの数字を提示してございます。これによりますと、二〇一二年度の国の基礎的財政収支はGDP比で一・四%、金額で申し上げますと約九・三兆円の赤字となります。
 それから、利払い費でございますが、これもこの試算では貯蓄投資差額と基礎的財政収支両方お示ししておりますが、これの差がネットの利払い費に相当するわけでございます。表に出しております係数から計算しますと、GDP比で三・四%、金額では約二十二・一兆円程度になります。
 OECDベースではどうかという御指摘でございますが、OECDが公表している数字を私どものベースの数字と比較してみますと、彼らの数字の方が大きくなっております。その理由につきまして、OECDは具体的な計算方法を公表しておりませんので厳密に分析することはできませんが、彼らの数字は幾つかの範囲の違いがあるというふうに思っております。社会保障基金の債務を含むこと、事業性の特別会計の債務を含むこと、短期の債務を含むことといったことがこの差になっているというふうに思っております。
 で、私どもの参考試算におきましては、その範囲が事業性のある特別会計ですとか短期の債務などを推計しておりませんので、将来の数字をOECDベースの数字で申し上げることはできない状況にございます。
 以上でございます。