第162回国会 法務委員会 第23号
平成十七年六月十四日(火曜日)

委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。
 ふだんは財政金融委員会にいるもんですから、今日、法務委員会で初めて差し替えで審議をさせていただくんですが、非常に張り詰めた雰囲気の中で質問させていただくので私もやや緊張しておりますが、是非お手柔らかにお願いしたいと思います。
 今回の会社法案の改正の、いろんな項目にわたっていろいろと改正されております。そして、株式会社、有限会社から株式会社に統一されて、株式会社という制度についてかなりいろいろな面で改良が、改正が加えられているというふうに思っております。その中で、やはり一番根本にあって一番重要なものは何かという点についてまずお尋ねしたいと思います。
 会社の経営方針とか、あといろんな再編の問題とか、いろんな利益の配分の状況とか、あといろんな内部監査機構のいろんな問題とか、そういったものがいろいろ会社の中では問題になってくるんですが、最終的にそこをだれに判断を、承認をいただくかというところでございますけれども、そこはやっぱり一番ベースになっているのは株主総会だというふうに思っております。株主総会が健全に機能して初めてこの株式会社制度自体、全体が私は機能するものだというふうに思っています。
 そういう前提でこの分厚い法案も作られているというふうに認識しているんですが、果たして実態はどうなのかという点について、関係省庁の皆さんがどれだけ御理解というか認識していらっしゃるのか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
 事前に通告させていただいておりましたけれども、まず、株式持ち合い制度というのが日本には独特の制度としてございますけれども、ややいろんな持ち合い制度の解消ということで進んではきているんですが、まだまだ持ち合いの状況というのはかなりあるんじゃないかというふうに思っております。この実態についてどのように今とらえていらっしゃるのか、経済産業省さんにまずお尋ねしたいと思います。
政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。
 株式の持ち合いについての御質問でございますが、民間における調査の結果でございますが、これによりますれば、日本企業におけます持ち合い株式等の安定保有比率は、一九九四年度には四五%でございましたが、二〇〇三年度には二四%と大幅に低下をしてきているという状況でございます。
富岡由紀夫君 その持ち合いの二四%というあれなんですけれども、持ち合いの定義というのはどういう定義ですか。
政府参考人(舟木隆君) 持ち合い株式の定義でございますが、この調査を行いました際にこの持ち合い株式をどういうふうにとらえたかと申しますと、二社間で相互に相手方株式を保有していることが確認された株式のことを指しているというふうに理解しております。
富岡由紀夫君 それでは次に、金融庁にお伺いしたいんですが、法人株主の実態を教えていただきたいと思います。あわせて、お伺いできれば、機関投資家の実態についてお伺いしたいと思います。
政府参考人(振角秀行君) それではお答えさせていただきたいと思います。
 お尋ねにありました法人株主でございますけれども、これにつきましては、東京証券取引所から公表されている株主分布状況調査というのがございますけれども、それにおきます事業法人等という株主保有比率で見ますと、平成十六年三月末現在の時価ベースで二一・八%となっているところでございます。
 続きまして、機関投資家については、その範囲をどこまでとするかにもよりますけれども、同じ調査によります金融機関を仮に機関投資家としてとらえた場合、その金融機関の株式保有比率で見ますと、同じ平成十六年三月末現在で時価総額ベースで三四・五%となっておるところでございます。
富岡由紀夫君 機関投資家の方が多いんですか。
政府参考人(振角秀行君) そうです。
富岡由紀夫君 機関投資家の中に法人株主があるという……
政府参考人(振角秀行君) いやいや、違います。
富岡由紀夫君 そういう認識なんですか。その辺のあれはどういう区分なんですか。
政府参考人(振角秀行君) それぞれ別でございまして、全体を一〇〇とした場合、機関投資家が三四・五%、そのほかに事業法人等というものが二一・八%となっていると。それで、機関投資家としてはっきり分かりませんので、この場合、金融機関というところでとらえていますが、金融機関が三四・五、事業法人等が二一・八となっているということでございます。
富岡由紀夫君 ちょっと詳しい内容はまた後でお伺いしたいと思いますが。
 次に、法務省さんにお伺いしたいんですが、安定株主と言われているものがございます。その実態についてお伺いしたいと思いますが、今実態はどのような状況になっているんでしょうか。
国務大臣(南野知惠子君) 法務省といたしましては、これは上場企業における株主の分布の状況等については特に把握はしておりません。
富岡由紀夫君 民間の調査機関の結果であればお答えできるということで先日お話ししたときに伺ったんですが、その結果を教えていただきたいんですが。
政府参考人(寺田逸郎君) これは私どもで必ずしも責任を持ってお出しした数字ではございませんけれども、民間の調査の結果によりますと、安定保有比率は現在、二〇〇三年度は分かっておりますけれども、二四%、十年前は四五%でございましたので、かなり低下しているというように認識いたしております。
富岡由紀夫君 先週通告させていただいたときに、商事法務のアンケート調査、これについてお答えしていただけるということで私、お願いしていたんですが、安定株主として五〇%以上の会社がこのアンケート調査では何%を占めているのか、そして三〇%以上の安定株主として持っている会社が全体の何%を占めるのか。事前に通告させていただいていたと思うんですが、いかがですか。
政府参考人(寺田逸郎君) 申し訳ありません。ちょっと連絡の行き違いかもしれませんが、私どもでは承知いたしておりません。
富岡由紀夫君 これが分からないと次の質問というか、全体の質問構成が成り立たなくなってしまうんですけれども、まあちょっとこれは後でお示ししながらお話をしたいと思います。
 それでは、社員株主というものが株主総会にはあるんですが、これは一体、具体的にどういったものを指すんでしょうか。具体的な何というんですか、社員株主の機能についてお伺いしたいと思います。法務省さんです。お願いします。
政府参考人(寺田逸郎君) 社員株主は、一般的には、従業員の持ち株団体、グループというようなもので持たれている場合、あるいは会社が一種のストックオプションとして与えている場合、様々ございますので、一種の安定株主として機能しているというように私どもは理解をいたしております。
富岡由紀夫君 株主総会での役割はどういう機能を果たしていらっしゃるんですか。
政府参考人(寺田逸郎君) これは様々で、私どもは具体的にそれがどういう機能を果たしているかと申し上げる立場にはございませんが、一般には、会社の経営陣に基本的には同じ立場をお取りになっておられるというように理解をいたしております。
富岡由紀夫君 それと、これもちょっと事前にお話ししていたんですが、会社側がいろんな議案、株主総会において議案を提案しますけれども、それが一般的に否決される比率、若しくは株主提案が承認される比率というのは実態としてどのぐらいだというふうにとらえていらっしゃるんでしょうか。
政府参考人(寺田逸郎君) これも詳しくは承知いたしておりませんけれども、ほとんどないという実態であろうかと私どもは推測いたしております。
富岡由紀夫君 ほとんどないというのは多分正解だと思います。あと、非常にちょっと残念だったのは、実態についてもっと詳しく皆さん御理解していただいているのかなというふうに思ったんですが、余りそうじゃないというのが私の受けた印象です。
 さっき質問しました安定株主の比率でございますけれども、商事法務というところが調査した結果によりますと、五〇%以上の安定株主を持っている企業というのが大体全体の企業の半分、約五〇%以上あるんですね。ほとんどの企業が安定株主をもう持っていると、半分以上の。議決権の五〇%ですよ。ですから、何でももうこれで決定できちゃうということです。さらに、その三〇%ぐらいまで下げると、八割以上の企業が安定株主を持っているというような状況でございます。
 私の知っているある会社では、これは上場もちろん企業でございますけれども、上位五十社の議決権を全部集めると、それだけで全体の議決権の七割、八割簡単に集まってしまうというのが大きな上場企業の中の株主総会の実態でございます。ですから、会社側提案が否決されるなんということはあり得ないんですね。いろんな経営方針を出しても、その経営方針が否決されるなんということはあり得ない、役員が解任されるなんということはまさしくあり得ない、こういう実態でございます。ですから、これはもう株主総会が全く機能していないと言わざるを得ないというふうに思っております。
 後ほど質問させていただきますが、MアンドAの防衛対策について経済産業省さん、何かいろいろ指標を出しましたけれども、大前提となっているのはやっぱり株主総会が機能しているということなんですが、それが機能していないんです。これについて実態を皆さん余りよく御存じない中で今回会社法の改正を行いましたけれども、この形骸化している株主総会を具体的に機能させるにはどのような対策を考えていらっしゃるのか、この法案の改正の中で織り込んでいらっしゃるのか、具体的に法務大臣にお伺いしたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 通告をいただいておりませんので、今ここでお話しするとちょっと正確を欠くと思いますので。
政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、株主総会というものの機能というのが今非常に重要になるわけでございます。
 今回、この会社法を作るに当たりましては、基本的に、株主総会の権限というのが、二百九十五条でございますが、一切のものにわたるというようにいたしております。また、基本的には取締役会というもので代替せざるを得ないところが大会社についてはあるわけでございますけれども、そのような大会社においてもやはり株主総会というもののチェックというのが大事でございますので、これは取締役を選任するという形で一番機能するわけでございます。
 そこで、取締役の解任の要件というのを、従前は三分の二の特別多数決でございましたけれども、会社の御意向によってはこれを半分、過半数で解任することができるというようにして株主総会における株主の取締役に対する権限の強化というものに努めているわけでございます。
富岡由紀夫君 大臣に昨日通告した紙をお見せさせていただきたいと思うんですが、形骸化の対策についてお尋ねするということでお話ししていたんですが、答弁、事前に聞いてないということはどういうことなんですか。まずちょっと教えていただきたいと思います。
委員長(渡辺孝男君) 南野法務大臣、じゃ、答えますか、手違いなら手違いで。南野法務大臣。
国務大臣(南野知惠子君) 済みません。何か内部でのミスであるのかも分かりませんが、今ちょっと答弁探しております。
富岡由紀夫君 済みません。先週金曜日ですね、皆さん、部屋に来ていただきまして、この内容については具体的にお答えをいただくようにお願いしています。さっきの法人、安定株主の問題と、あと形骸化対策についての問題、これが前提で議論今しようと思っているんで、それが聞いてないということになると質問ができないんですが、委員長、ちょっと対応をお願いしたいと思うんです。(発言する者あり)
委員長(渡辺孝男君) じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
 それでは、南野法務大臣。
国務大臣(南野知惠子君) 申し訳ありません。通告を受けていなかったというのはこちらの手違いでございましたので、取り消させていただきたいというふうに思います。
 株式会社の形骸化ということについてのお尋ねで、株主総会の形骸化に関するお尋ねということでよろしゅうございますか。
富岡由紀夫君 はい。
国務大臣(南野知惠子君) 株主総会におけます意思の決定やチェック機能は、安定株主、一般株主の区別なく、株主全体の意思が反映されることが重要であります。したがいまして、現時点において安定株主が多数を占めていることがあるということが直ちに株主総会の形骸化につながるとは考えておりませんけれども、株主総会の形骸化の防止は会社法制の重要な課題の一つでありますので、今後とも必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
富岡由紀夫君 済みません、その本会議での答弁をそのまま読んでいただいて、二度も聞かせていただいてありがとうございます。
 私は、その本会議の答弁を受けて今日質問させていただいております。具体的な中身が国会、本会議での答弁でなかったものですから、今日、具体的にお伺いしたいということで事前に通告を申し上げて、それで法務大臣にいろんな実態を調べてもらって、それを教えてもらった上でそれについての対策をお伺いしたいというふうに思っています。
 先ほどちょっと論点ずれたんですけれども、取締役の解任決議が三分の二から二分の一になったというんですが、これは定款の変更によってまた三分の二に上げたりすることはできるんですか。
政府参考人(寺田逸郎君) これはその会社がどういう考え方を取るかという定款自治の一環として今回導入したものでございますので、当然のことながら、会社は従前と同じ三分の二を要求するということも定款上できる、そういう定款を作ることもできるということでございます。
富岡由紀夫君 要は、その一部だけを取り上げて、これが形骸化防止対策になったと、しているんだという答弁はまやかしだと私は思っております。実態は、定款が変更によって今までと同じようにもできるし、そもそもそんなことは問題じゃなくて、さっき言ったように、安定株主がどれだけいて、五割以上の安定株主持っている会社が、半分以上の会社がそういう会社だという中で、今のような議論、たとえ三分の二から二分の一にしたって余り意味ないんですよね。実際に株主総会なんて出てきている定足数というか、その問題を考えると、安定株主比率なんてもっと低くたって会社側提案というのは何でも通ってしまうというのが実態なんです。そういったことも、土台となるところを無視していろんな議論しても何の意味もないというのが私の思いでございます。
 本当に、一般株主が全然、何というんですか軽視されたままで、それが今回の改正で少しは改善されているのかと、その点を私はお尋ねしたいというふうに思っているんです。
 改めてお伺いしますけれども、今後、株主総会の形骸化、要するに安定株主がいて社員株主がいて法人株主がいて、本当に一般投資家の個人株主の権利というものが守られるのか、どのように守っていくつもりなのか、南野法務大臣、そして関係、経済産業省の関係の皆さんにも私はお伺いしたいと思います。本当にMアンドAの防衛策が取締役の保身のために取られるんじゃないか、それが本当にどうやって一般株主軽視につながらないということが言い切れるのか、お伺いしたいと思います。安定株主対策を取らないでそれが本当にできるのか、安定株主対策を根本的にどういうふうに考えているのか、お伺いしたいと思います。
政府参考人(寺田逸郎君) まず、各省にお尋ねでございますが、私の方からまず最初にお答えさせていただきます。
 この安定株主対策というものを法律のレベルで考えますとなかなか難しい問題があるわけでございます。先ほど申したのも一つでございますけれども、私どもとしては、基本的にはやはり会社の株主の方々に関心を持っていただくというのが第一でございます。そのためには、やはり会社の情報をできるだけ外に出していくというのが一つの方向だろうというふうに考えておりまして、今回、会計に関しまして会計参与を導入いたしましたり、あるいは決算公告を義務付けたりいたしますが、そういう会社の情報開示というものがこの会計の分野に限らず多く行われていくというのが今後の一つの、株主総会あるいは株主の権利の擁護のために必要なことだろうというふうに考えております。
政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。
 私どもで企業価値研究会を設置いたしまして買収防衛策について検討をしたわけでございますが、その検討の中で、やはり先ほど申しましたように、持ち合い株式等の安定保有比率、これがこの十年で四五%から二四%に大きく下がっていると、こういったことを背景に、やはり友好的な買収のみならず敵対的な買収も生じるような環境になってきているんではないかという認識を持っておりまして、それで、いわゆる敵対的買収に対します防衛策をどういうふうに取っていくのかという検討をしてきたわけでございます。その際に、やはり先生おっしゃいましたように、株主の意思というのが極めて重要であるという結論に達したところでございます。
 この企業価値研究会のレポートを基に経済産業省と法務省で作りました指針の中にも、この三原則の一つとして企業価値それから株主共同の利益の確保、向上の原則というものを示しておるわけでございます。
 それで、この具体的な防衛策を個々の企業で決める場合にも、やはり株主総会の決議によりこの防衛策を導入するというのをまず具体例として第一に勧めているわけでございます。また、株主総会の決議によらずに取締役会の決議により導入する場合も、株主の意思を、株主の意思が十分に反映されるようないろいろな工夫をするべきであるというふうにしておるところでございまして、この買収防衛策の措置の導入につきましても株主の意思というのが極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。
富岡由紀夫君 済みません、今二つ、お二方からお伺いしたんですけれども、私、本会議でも質問させていただいたんですが、今の株主総会の形骸化対策について情報公開が必要だということで会計参与の導入と決算公告の話いただきましたけれども、これは全くお門違いの話であって、それはどっちかというと閉鎖会社というか譲渡しない会社であって、そっちの問題なんですね。
 それと、今議論しているのは、公開会社、要するに経営者と資本家、投資家が違う会社の場合の今話ししているんですけれども、今言ったのはどっちかというと小規模な投資家と経営者がイコールの会社についての今お話いただいたんで、そういうまやかしの答弁というのは私は本当に納得できないというのがつくづくこの中で思いました。
 具体的な公開会社、株式をちゃんと公開して、要するに具体的に言うと東証一部、二部上場とか大証の上場会社、こういった会社の株主総会の形骸化についてどう考えているのかということをお尋ねしているんです。
 南野法務大臣に、もう私見で結構でございますので、どのように対応を考えたらいいのか教えていただきたいと思います。(発言する者あり)私見じゃいけないんですか、済みません。大臣としてのお考えを的確にお答えいただきたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 株式会社が形骸化するということは、これはもう一番いけないことであろうと。もっともっといい形の中で株主が総合的に力を出し合いながら会を盛り上げていくというような、株式会社を盛り上げていくということが一番いいことであろうと思いますけれども、複数の会社が提携するときに信頼関係を築くために株式の持ち合いをすることもございますから、株式の持ち合いがすべて悪いことであるというわけではありませんけれども、経営者の保身のために株主の持ち合いが使われるということであれば、それも企業価値の面から望ましい、いろいろな形を整えながら株主の在り方というものを高めていってほしいと思っております。
富岡由紀夫君 ちょっとお伺いしたいんですが、株主総会、公開会社、上場会社の株主総会に出席されたことはございますでしょうか。
国務大臣(南野知惠子君) 行ったことありません。
富岡由紀夫君 先ほどお答えいただいた寺田さんはいかがですか。
政府参考人(寺田逸郎君) 私はフィルムで拝見したことはございます。
富岡由紀夫君 やっぱり、問題となっている安定株主対策というか、株主総会の形骸化について私は今議論させていただいているんですけれども、まず実態を皆さんに知っていただきたいというふうに思っております。しゃんしゃん株主総会がどれほど多いのか。具体的には、議案の決議のされ方、社員株主が異議なしと言う株主総会を実際見てください。そういうのを見ないと、多分議論をしても意味ないと思います。そういった実態を知らないでこういう法律、分厚い法律作っても、全く実態と懸け離れているんですね。
 さっき、経済産業省さん、企業価値研究会の方が研究するに当たってヨーロッパ見てきたというふうにおっしゃっていましたけれども、何を見て来たかというと、もう株主総会の、機能をしているかしていないか、それはもう前提で行っているわけですよね。違うところだけ見ているんですよ。まさしくここに書いてある。どういうレポートをまとめたかというと、株主総会、株主の意見を最大限反映しないといけないと、株主がやっぱり中心になって、やっぱりその企業の利益について株主に問うて、それで判断を仰がなくちゃいけないということになっているんですけれども、その実態のベースのところがそういう状況だということを是非理解した上でレポートを作っていただきたいと思います。こんなに立派ないろんな意見書を出されても、そのベースとなるところがぐちゃぐちゃであれば全く意味を成していないというのが私の実感でございます。
 是非、実務というか、現場をごらんいただいた上でいろいろと対策を練っていただきたいと思います。せっかくこんな分厚い立派な法案を作っているわけですから、そのベースとなるところをちゃんと機能させるような具体的な対策を取っていただかないと、これはもう議論が進まないというのが私の意見でございまして、これ以上お伺いしても多分もう進まないと思うんで、次の質問に行きたいと思います。
 これも、余り言うともう嫌らしくなるんで、どうしようかな、どうしようかと思うんですが、内部統制システムについてのお尋ねをさせていただきたいと思います。
 具体的な内容について、内部統制システムを義務化しておりますが、やはりこれは独立性というか、経営陣に対する独立性が必要だと思うんですが、具体的な内容を、国会の本会議のときにもお答えいただいておりますけれども、具体的内容はお答えいただいておりませんので、改めてこの場で具体的な内容についてどのようにお考えしているのか、お伺いしたいと思います。
政府参考人(寺田逸郎君) この点は、本会議でのお尋ねに対しまして、現在の委員会等設置会社における省令事項を参考に決めると申し上げました。
 具体的に、じゃ、どういうことになるかと申し上げますと、現在の、例えば委員会等設置会社においては監査委員会の職務の遂行のために必要なものといたしまして定める事項でございますが、実際には監査委員会の職務執行を補佐する使用人というものをどういうように独立させるかということに非常に注意を払っているわけでございまして、例えばその任命や解任については監査委員会の同意を必要とする等の定めが置かれているわけでございます。そういう今回の委員会等設置会社以外の監査役会設置会社においても、このような内部統制システムについて基本的に今委員会等設置会社とパラレルの事項を決めるつもりでおります。
富岡由紀夫君 今監査委員会のお話ありましたけれども、監査委員会のメンバーの選任の具体的な基準というか、そういうのはあるんですか。監査委員会のメンバーになる、具体的な独立性を何か定めるような基準はいかが、どういう状況でしょう。
政府参考人(寺田逸郎君) これについても、今の委員会等設置会社においていろいろと定めているところでございます。メンバーの選任そのものについて定めるというよりは、むしろ職務執行を補佐する使用人について定めるというのが今の決め方でございますが、その内部統制システムとしてはそういう決め方になろうかと理解をいたしております。
富岡由紀夫君 よく分からなかったんですけれども、監査委員会が使用人を決めるというお話なんですが、その監査委員会のメンバーはどういう基準で定められるのかということをお伺いしたいんですが。
政府参考人(寺田逸郎君) この監査委員会のメンバー自体は、今の委員会等設置会社でも法律レベルで決まっておりますけれども、社外のメンバーが多数を占めるということになっております。
富岡由紀夫君 その社外の基準というか、あと、取締役とそれは兼任もちろんするわけですか。取締役と兼任してもよろしいんですか。
政府参考人(寺田逸郎君) 監査委員自体は、これ取締役でございますが、その取締役を今の会社とつながりがない社外の者という者を過半数用意しなきゃいけないという、そういう規定でございます。
富岡由紀夫君 その社外の基準というのはどういう基準なんですか。
政府参考人(寺田逸郎君) 新しい社外取締役の定義といたしましては、その会社、株式会社又は子会社の業務執行取締役、執行役支配人その他の支配人ではなくて、過去にそういう使用人となったことがない者をいうということになっております。
富岡由紀夫君 アメリカのエンロンとかワールドコムでいろんな企業不祥事が起きたんですけれども、そのときにやっぱり社外の規定に、基準の見直しが企業改革法によって行われたんですが、それと比べて今回の改革というのはどういう状況ですか。パラレルな、全く同じ基準なのか、お伺いしたいと思います。
政府参考人(寺田逸郎君) 私どもが理解している範囲では、アメリカでは例えばその取締役の姻戚関係の者等を排除する等、幅広い者を排除できる、そういう社外取締役の規定だと理解しております。
 私どもも、この社外取締役につきましては、委員会等設置会社を設置いたしました際に導入した概念でございまして、施行後まだ間もないところでございます。もう少しこの実務の運用を見て、しかしながら、それに不都合があればもちろんその範囲をより狭めていく、つまりそうなれない者を広げていくというような方向が考えられるわけでございます。
 ただ、問題は社外取締役をやってくださる方、これについての資質という面もございまして、現状ではなかなか多くの上場会社すべてに、言わば経営の専門家である人で、かつ社外取締役になれる方というものの層が非常に薄いところが実情として指摘されておりますので、そういう面も考慮いたしておりますけれども、しかし、これはやがて改善されるところでございましょうから、そういう状況も見てまた検討したいと、このように考えております。
富岡由紀夫君 社外取締役についても、是非実態を調査していただきたいというのが私の思いです。
 今の社外取締役とか社外監査役も結局だれが決めているかというところなんですが、結局はその会社の社長が個人的な関係、知り合いを引っ張ってきてやっているわけですね。そこから社外監査料、社外取締役に対する報酬が払われているわけですよ。ですから、本当の意味でのチェックというのは働かないんじゃないかと私は懸念しているわけです。要するに、会社がもとより自分の、社長がもとより自分の意に沿わない人を社外監査役とか社外取締役に入れるわけないんです。それが今の実態なんです。
 ですから、そういう、何ていうんですか、なれ合いでイエスマンばっかり集めていろんな企業統治というか、内部統制システムを作ったといっても全く機能しない。さっきの株主総会が形骸化しているのと一緒で、社外監査役、社外取締役制度が形骸化しているんじゃないかというのが私の思いでございます。そういった実態を把握してチェックしないと、同じような企業不祥事というか、倫理に違反するようないろんな事件がたくさん起きているというのが私は実態だと思います。
 ですから、いろんな法案の改正というか、機構の改正はいいんですけれども、やはりその実態がどういうふうになっているのか、実態をどうやって合わせていくのか、そういった実務の現場を中心になってやっぱり対策を練っていただかないと、何にも先、効果を発揮することができないというふうに思いますので、その点はしっかりととらえていただきたいというふうに思っております。
 時間がなくなりますので、次の質問へ行きます。
 企業結合法制の整備についてお尋ねするということでお話しして、事前に通告をさせていただいておりますが、その中でちょっと具体的な例を出して議論をさせていただきたいと思います。
 UFJ銀行が三菱東京フィナンシャル・グループに対して優先株を発行しました。これは、取締役の選任とかいろんな定款の変更とか企業の再編とか、重要な株主総会での決議事項を拒否権が持てるという、そういう条項の付いた優先株を発行しました。これによってどういうことが起きたかというと、これはもういろんな雑誌の中で、いろんな新聞の中で議論になっておりますけれども、今までUFJ銀行の株主であった人が企業再編、持ち株会社制度によってUFJホールディングスの株主に移行したわけでございますけれども、そのUFJホールディングスでいろんな株主総会で決議をしても、それが三菱東京フィナンシャル・グループが議案を否決してしまえば、全くそのUFJホールディングスの株主総会での決議が意味なくなってしまうという状況が生じているわけでございます。要は、今までUFJ銀行の株主だった人たちは、自分たちの持っていた会社の経営について何にも関与できないというような状況でございます。
 私は、これは公開企業、上場会社の公開企業において株主総会が全く否決されていると、否定されているということになるんじゃないかというふうに思っているんですが、この点について南野法務大臣、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
国務大臣(南野知惠子君) 先生御指摘のその優先株式の発行に際しては、会社、発行会社である子会社の定款変更が……(発言する者あり)
委員長(渡辺孝男君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
 南野法務大臣。(発言する者あり)よろしいですか。
国務大臣(南野知惠子君) じゃ、済みません。
委員長(渡辺孝男君) じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
国務大臣(南野知惠子君) 拒否権条項が付された種類株式は平成十三年商法改正により導入されたものでありますが、この種類株式は、議決権の過半数を取得することができない少数派の株主が自己の利益を守るために、出資額は少なくても一定の重要な事項については自己の意見を反映させることができる株式を用意するために導入されたと。そして、拒否権条項付き株式はその発行に既存の株主の意欲が十分に反映される制度となっておりますし、少数派株主の保護という観点からも有用な制度であると認識しており、すべての会社に適切かどうかは別として……(発言する者あり)
委員長(渡辺孝男君) ちょっと静粛に、ちょっと静粛に。
国務大臣(南野知惠子君) 法律の規定の上でこれに制限を加える必要はないというふうに考えております。(発言する者あり)
委員長(渡辺孝男君) ちょっと静粛に。
富岡由紀夫君 お尋ねしたことじゃないことを、次に聞こうとしたことをお答えいただいて驚いているんですけれども、今の話について、回答になってないんで、もう一度お願いいたします。
 具体的に説明すると、親会社の株主は子会社の、何というんですか、やったことに対して何も議決権が持てなくなってしまうということが発生しているわけですね。今回、具体的なさっきお話ししましたけれども、UFJ銀行が三菱に対して優先株を発行したことによって、今までUFJ銀行の株主だった人たちはその親会社の株主に移行したわけですけれども、今まで自分たちのUFJ銀行のいろんな決議したことについて決定権を持っていたわけなんですけれども、三菱銀行が拒否権を持っちゃったわけですから、自分たちで、UFJホールディングスの方でいろんなことを決めても全くそれが拒否されちゃって、何の効果も持ってないと、持たなくなってしまっているというのが実態でございます。
 これで本当に株主総会と言えるのか、もっと言うと、株式会社と言えるのか、本当に疑問だと思うんですが、その点についてどういうお考えを持っているのかということをお尋ねしたわけでございます。
国務大臣(南野知惠子君) 今お尋ねのそういう種類株式とかいろいろな問題点につきましては、そういう状況にあるというふうにも思っております。
富岡由紀夫君 答弁になっていないんで、もう一度しっかりとお答えいただきたいと思います。大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 今お話しになられたことについて、事務方より答弁させて……
政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、いわゆる黄金株、つまり拒否権付きの種類株というものの性格は非常に難しいところでございまして、これが不特定多数の株主が株主である上場会社において導入されるべきかどうかということについては、これはもう専門家の間でもいろいろ争いがあるところでございまして、現に特定の市場においてはこういうことが不適当であるという市場開設者の方の判断もあり得るところでございます。
 ただ、実際に、この個別の事件について直接コメントすることは避けたいとは思いますけれども、特定の株主がある企業の窮状を救うために非常に特殊な地位に立つ、それによって全体の企業のファイナンスが成り立つという場面において、そういった判断も一つ企業としてはもちろんあり得るというふうに私は考えているわけでございます。
 ただ問題は、親会社がどうかということでございますが、親会社は株主としてその黄金株を導入した際の企業の判断というものについて一定の機能は持っていたわけでございますけれども、それを少数株主が、親会社の少数株主がどう保護されるか、そこのところは今後の課題になろうかというふうに私どもは理解をいたしております。
富岡由紀夫君 親会社の少数株主だけじゃなくて、親会社の大株主もみんな同じことだと思うんですよね、今の話ですと。これ、具体的な例じゃなくて、そういうことが実際に、具体的な例で挙げましたけれども、実際にそういうことが起きている以上、こういった法整備の、持ち株会社制度の矛盾点、これについて対策を講じないというのはどうなのかということを私は問題提起させていただいているんです。
 そういうことが実際に起きていて、そういう株主が自分たちの株主としての権利が剥奪されたような状況が起きているんです。これが今回、会社法の改正によって手当てされていないんですけれども、その点についてどのようにお考えなのかということをお伺いしているわけでございます。
 改めて、法務大臣、今のような欠陥状況、持ち株会社制度の欠陥状況についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 企業結合法制の課題については、今後検討を行ってまいりたいと思います。
富岡由紀夫君 至急お願いしたいと思います。
 結合法制について、さっき話、御回答の中で黄金株の話言われましたので、ちょっとその点お伺いしたいと思うんですが。
 黄金株というのはまさしくそういうことなんですよね。持ち株会社制度だけじゃなくて、この黄金株の存在、これは非常に一般株主が本当に不利益を被る可能性がある極めて危険な種類株主だというふうに思っているんですが、この点について、今のままで、現状でもいいのかどうか、法務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。さっき法務大臣から黄金株の話があったから、お尋ねします。
政府参考人(寺田逸郎君) 先ほども申し上げましたように、この黄金株、つまり拒否権付きの種類株というのは、一つの機能としては有用なところも持っているわけであります。ただし、委員も今御指摘になられたように、一つの副作用というものもあるわけでございまして、なかなかこの使い方の適当なバランスがどうかということについては、専門家の間でもいろんな御意見があるところでございます。
 私どもは、この拒否権付きの種類株を導入した際に、その有用性について合理的な側面というのを十分認識してこの会社法の中にこういうものを入れたわけでございますけれども、その使い方、特に上場会社における使い方については慎重でなければならないところももちろんあろうかということを意識しているわけでございまして、その点はまた関係省庁とも十分御協議申し上げまして、これの使い方の濫用についてはウオッチしてまいりたいというふうに考えております。
富岡由紀夫君 濫用というか、それも前提、さっきの株主総会でちゃんと機能して、濫用できないようなチェックが働かないとできないというのが私の考えでございますので、総合的に是非とらえていただきたいと思います。
 あと、その企業結合法制に関連して、今これから具体的に整備、検討いただくというお話だったんですけれども、取りあえず親会社の株主が子会社の役員を、そういう黄金株を発行しちゃったとか、そういったことに対して代表訴訟できるようにしないといけないんじゃないかと。せめてそのぐらいは手当てしないといけないと思うんですが、いわゆる多重的代表訴訟でございますけれども、この点についてだけでも早急に手当てを取るべきだと思っているんですが、この点について、先ほど南野法務大臣、結合法制については具体的にこれから検討されるとおっしゃっているんですけれども、その中でのこの多重的代表訴訟についての検討についてどういうお考えを持っているのか、お伺いしたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 関連省庁とも検討しながら、その問題についてはまた検討してまいりたいと思っております。
富岡由紀夫君 もうお時間、時間も迫ってまいりましたので、(発言する者あり)まだまだありますけれども、行きたいと思います。
 これは金融庁さんにもちょっとお伺いしたいんですが、今回のようなUFJホールディングスの株式が今上場されているんですが、これについて一般投資家は、今度UFJホールディングスの株を買おうとしたときに、どういうことをどういうふうにちゃんと注意されているのか。間違って買って、実は買ったけど全く株主総会では議決権が効力を発生しないような株式を売っちゃうことになると思うんですが、その点について、何というんですか、証券市場ではどのようなちゃんと説明義務が果たされているのか、お伺いしたいと思います。金融庁さんにお伺いしたいと思います。
政府参考人(振角秀行君) お答えいたします。
 基本的には、東証とか市場開設者が株主にいろんな影響が与える事項についてはきちっと開示するように開示規則を定めておりまして、そういうことによりまして開示されているというふうに承知しております。
富岡由紀夫君 具体的にどういった書面によって開示されているんですか。
政府参考人(振角秀行君) 済みません、それについては事前に通告いただきましたでしょうか。ちょっと、後日、それは必要があればちょっと御説明に伺いたいと思いますけれども。
富岡由紀夫君 MアンドAじゃなくて防衛手段の話の中でお話はしたと思うんですが、まあ準備されてないということであれば結構でございますけれども。
 要は、目論見書とかそういった中で説明がしてある話になっていると思うんですが、具体的にそういう黄金株を発行されているということは説明はされていると思うんですが、具体的にそういう議決権がないということまでちゃんと一般投資家に対して説明がされているのかどうか、これを私はお尋ねした次第でございます。その点について、分かる範囲で結構でございますので、お答えいただければと思います。
政府参考人(振角秀行君) ちょっと今手元に資料がございませんので、ちょっと、至急確認してお答えしたいと思います。
富岡由紀夫君 次に、経済産業省さんに改めてお伺いいたします。
 やはり同じような事例でベルシステム二四という会社が第三者割当て増資をしまして、そのとき、これもやっぱりいろんな問題が起きました。要は、どういうことかというと、第三者割当て増資をして既存株主の持ち株比率を半分以下にしちゃって、第三者がいきなり筆頭株主、五〇%以上の筆頭株主になったという事例でございます。
 これは裁判になって、著しく不公正なる方法によるものとは認められなかったという形でその発行が認められたわけでございますけれども、これ、一般の中では非常におかしいんじゃないかということで議論になっているところでございますけれども、お伺いしたいのは、これちょっと法務大臣にお伺いしたいんですが、そういった、これからは原則自由になってきて、いろんなことが司法判断にゆだねられることが多くなってくると思うんですが、その司法判断というものが限界というものがないのか、すべて今の法制の中で堪え得るものなのか、MアンドAの防衛に関連してちょっとお伺いしたいと思います。
政府参考人(寺田逸郎君) 必ずしもちょっと御質問の趣旨を正確に理解しているかどうか分かりませんが、新株予約権あるいは新株の発行による企業防衛といいますのは最終的に争われ得るものでございまして、それは不公正な発行ということになりますと、その差止めを受けるということ等によって、司法判断の場で、司法の場で判断を受けるわけであります。
 その際に、今のスキームがそれで十分かということでございますが、私どもといたしましては、基本的にやはり司法の判断の積み重ねとしてあり得るところを事前に企業の方にいろいろお考えいただく必要があるということで、経済産業省の方でガイドラインを企画されまして、私どもの方と共同で、一定の現在の理論的な到達水準のごく最大公約数的なところをお出ししたところでございまして、やはりそういうものが具体的にないと、企業の方で御判断の上で非常にお迷いになる、実際の企業防衛について機能としては限界があるという、そういう思いからでございます。
 しかしながら、最終的にもちろんそれは司法の場で争われ得るわけで、その場合に不公正な発行という抽象的な概念だけでいいかどうかということは非常に難しいところでございます。しかし、これはこれまでの積み重ねもあり、今後の積み重ねもあり得るところでございますので、そういう司法の判断ということを前提にいろいろ考えてまいりたいと思っております。
富岡由紀夫君 済みません。ちょっとよく分からなかったんですけれども、経済産業省さんにもお答えいただく予定だったんですけれども、ちょっとお時間がないので、今ので分かったということにします。しますというか、次の質問にさせていただきます。
 決算公告について是非ちょっとお伺いしたいんですが、法務大臣さんに、事前にこれもお伺いしていますが、今まで決算公告についてちゃんとしなかった場合は過料が科せられる、これは本会議でもお答えいただいておりますけれども、百万円以下の過料が過ち料として科せられるというお話があったんですけれども、今までこれ具体的に科せられたことはあるんですか。
国務大臣(南野知惠子君) 件数ははっきりと、過料でございますね、これは商法違反事件に係る過料の執行の件数、またそのうち決算公告義務違反件数に係る過料の執行の件数については把握しておりませんけれども、過料事件全体の執行の件数としては、平成十四年五万八千四百十八件、平成十五年六万六千五百九十九件というようなことが示されております。
政府参考人(寺田逸郎君) これは、決算公告義務違反ということの統計は取られておりませんけれども、東京地裁の商事部、民事八部で商事過料事件全体を統計ございます。これは約それぞれ一万件から数千件の間で推移しておりますが、決算公告の義務違反というのはほとんどないというのが私どもの認識でございます。
富岡由紀夫君 ほとんどないというふうに私も事前に伺っていたんですが、ゼロだということで伺っておりました。要は、過料ということがこの中でうたわれているんですけれども、これはもう改正する前からうたわれていたんですが、実際にそれが執行されたことは全然ないというような実態でございます。
 今後もそれでいいのかというところが私の質問の趣旨でございまして、要は、最低資本金制度がなくなって、今まで、株式会社では少なくとも一千万円以上の資本金は持っているだろうということで取引の相手方はその会社の信用度の判断にある程度、一千万円以上あるんだということで少しはそれが役に立っていたと思うんですが、これから最低資本金制度がなくなって、取引する相手にとっては、やっぱりその会社の信用度を判断する上で決算公告の重要性というのは非常に高まってくると私は思っております。
 それに対して、こういう状況の変化に対して、過料の執行というか、過料を科す、その適用をこれからはやるようにならないのか、具体的に法務省さんが非訟事件手続法に基づく申立てをする予定はないのか、お伺いしたいと思います。
国務大臣(南野知惠子君) 決算公告の重要性につきましては、これは現段階においてまだ関係者における認識が十分ではなく、その履行も十全なものではないというふうに承知いたしているところでございますが、したがいまして、このような状況の下では、直ちに決算公告義務違反があれば必ず罰則を掛けるとの扱いをすることは関係者に無用の混乱を生ぜしめるおそれがあると、必ずしも適切ではないというふうに考えますけれども、したがいまして、まずは関係者が決算公告の重要性に対する認識を深めて、各会社が自発的にこれを行うような環境をつくることに努め、その後の状況に応じて決算公告義務を怠る者に対して過料規定の実効性の確保も含めて適切な措置をとるように図ってまいりたいというふうに現時点で考えております。
富岡由紀夫君 非常に、質問がちょっと十分できなくて残念なんですけれども、以上、これで時間になりましたので、質問は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。