64-参-財政金融委員会-17号 平成18年05月30日
平成十八年五月三十日(火曜日)
午前九時三十一分開会
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本日の会議に付した案件
○金融商品取引監視委員会設置法案
○証券取引法等の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴
う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出
、衆議院送付)
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○委員長(池口修次君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
○富岡由紀夫君 民主党・新緑風会の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いいたします。
まず、今回の法案ですが、まず第二条で有価証券の定義を民法上の組合、そして商法上の匿名組合など、あらゆる形態を含めた投資集団スキームによる権利を包括的に対象とした点は非常に画期的であり、これは高く評価したいというふうに思っております。
ちょっと最初は、法案の事務的な中身について質問をさせていただきたいと思います。
金融商品取引業、今回の法案における業の定義をまずお伺いしたいと思います。現行の証券取引法では、営業の定義として、一般的な解釈として、営利目的があり、反復継続性のある行為で対公衆性の認められる行為であり、単に自己のポートフォリオの改善のために行う投資目的での売買等は、利益を目的として頻繁に行っていても証券業には当たらないとの一般的な解釈がされておりますが、金融商品取引業における業の定義もこれと同様とされることが望ましいというふうに思っておりますが、この点についてどう解釈したらいいのかお答えいただきたいと思います。
と申しますのは、とりわけ今回規制対象に加えられたデリバティブ取引等々について、自己のポートフォリオ改善のために行う売買等が金融商品取引業に該当するか否かが個別に判断することになると実務上の混乱が非常に大きくなるおそれがありますので、そういう観点から確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
御指摘のとおり、現行証券取引法でございますが、証券業につきまして「次に掲げる行為のいずれかを行う営業」と定義しておりまして、この営業の概念につきましては、御指摘のとおり、営利目的、反復継続性、不特定多数の者を相手とすること、対公衆性、これを要件とするものと解されているところでございます。
この中で、事業会社が行う自らのポートフォリオの改善のための取引につきましては、これも御指摘のとおり、利益を目的として反復継続して行っていても、通常は不特定多数の者を相手とするという対公衆性の要件を満たしませんことから、証取法の業規制の対象である証券業には該当しないものと解されているところでございます。
今回の法案でございますが、業概念の明確のために業規制の対象となります金融商品取引業につきまして、これを「いずれかを業として行うこと」と定義しまして、営利性は要件としないこととしているところでございます。
しかし、今回の法案におきましても引き続き反復継続性、対公衆性については必要としているところでございまして、事業会社が行います自らのポートフォリオの改善のための取引は、通常は対公衆性が認められませんことから業規制の対象であります金融商品取引業には該当しないものと考えられるところでございます。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
次に、今回、行為規制におけるプロとアマの区分がされておりますけれども、そのプロとアマの区分の、内閣府令で、詳細は内閣府令で明示されることになっておりますが、その時期はいつごろになるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
と申しますのは、これ実務レベルなんですけれども、そういうプロとアマの顧客管理を金融機関はする上でいろんなシステムの開発等々ありまして、準備開発期間が必要となります。この法案が施行される直前に政省令で示されたんではそういった実務的な時間が足りないおそれがありますので、その観点からそういったことを考慮して早めにそういった政省令で明示していただきたいことを要望しつつ、いつごろになるのか教えていただければというふうに思います。
○副大臣(櫻田義孝君) 今回の法案では、特定投資家制度を導入し、顧客がいわゆるプロに当たる特定投資家か一般投資家であるかによって規制の適用を区別することにより規制を柔構造化しているところであります。特定投資家の範囲においては、法律上、適格機関投資家、国、日本銀行、投資家保護基金その他の内閣府令で定める法人と規定されておるところでございます。
このように、特定投資家の範囲の具体的内容について内閣府令に委任されている部分があることから、議員御指摘のとおり、業者が顧客の情報管理やシステム対応といった施行に向けた対応を行う際には内閣府令の内容にて明らかになっていることが必要であると考えているところであります。内閣府令につきましては、国会での御審議を踏まえた上で、行政手続法に基づく意見公募手続、いわゆるパブリックコメント手続を経て定めていくことになりますが、施行前の業者の準備の必要性も勘案し、特定投資家の定義についてもできるだけ早期に明示できるよう努めてまいりたいと思っております。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。できるだけ実務上弊害のないようにお願いしたいと思います。
続きまして、今回の法案の目的の一つとして、金融資本市場の国際化への対応というのがうたわれております。しかしながら、ちょっと法案の中身を見てみますと、とりわけ銀行と証券の業務の問題、この問題は余り国際化が図れてないような感じに読み取れます。具体的には、旧証券取引法の六十五条がそのまま三十三条にほとんど変わらず残って今回の法案に記されているというような状況がございます。
こういった点を踏まえて、今後、金融市場の国際化をどういうふうに考えていくのか、お示しいただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 現行の証券取引法においては、銀行等の金融機関について同一法人内における融資業務と証券業務の間の利益相反への懸念等から、証券取引法第六十五条による銀証分離を図ってきたところでございます。金融機関による証券仲介業務の解禁について提言した平成十五年十二月二十四日の金融審議会第一分科会報告、「市場機能を中核とする金融システムに向けて」という文書の中においても、依然として金融システムにおける資金仲介の大宗を担っているのは銀行であり、第六十五条の根拠となった利益相反や銀行の優越的地位の濫用の可能性は今なお重要な論点であると指摘されておりまして、なお証券取引法第六十五条の意義が失われていないとの現状認識を踏まえて、金融商品取引法案においても銀証分離の考え方を維持して金融商品取引法案第三十三条において同じ趣旨の規定を整備しているところでございます。
欧州においては、ユニバーサルバンク方式により銀行、証券の兼業が可能となっておりますが、米国においては、一九九九年、グラム・リーチ・ブライリー法により金融持ち株会社制度が創設されて、銀行持ち株会社に比べてその業務範囲が拡大されたものの、銀行、証券の直接的な兼業は引き続き禁止されております。このような国際的な動向を踏まえれば、金融資本市場の国際化への対応として銀行、証券分離の廃止が必要との御指摘は当たらないものと考えております。
今後、金融審議会の中で中長期的な金融制度の在り方等に関する議論が進められる際に、仮に銀証分離規定に関する議論が行われる場合には、当該規定の意義を十分に踏まえて行われることになるのではないかと考えております。
○富岡由紀夫君 この点についてはいろいろと議論もありますので、今後の課題としてまたいろいろと質問させていただきたいと思います。
続きまして、与謝野大臣に引き続きお尋ねしたいと思います。
最近、与謝野担当大臣が金利と成長率に関してへ理屈をこねるどこかの大臣に対して一蹴したというような報道があったり、あとサラ金業者に対する的確なCMに関する発言とか、あと業務停止を処分をした三井住友銀行の元頭取である西川さんに対する経営責任を明確に認めたという発言とか、あと大手金融機関、先ほども質問にもありましたけれども、好決算を上げていますけれどもまだまだ半人前だと、法人税も納めていない半人前だというような発言等々、非常にダイレクトな発言は、私は、非常に分かりやすくて国民の多くの皆さんも好感を持っているところがあるんじゃないかというふうに思っております。そういった意味で、与謝野金融担当大臣は次期総理大臣候補として私は非常にふさわしい人ではないかというふうに思っております。そういった前提を踏まえてこれから質問させていただきたいと思います。
担当大臣がまた、報道によりますと、村上ファンドについて発言をされております。村上ファンドは今回シンガポールに移転したわけですけれども、それに伴って、投資活動はまだ日本で行っているわけですけれども、シンガポールに移転したからといって日本の法令が適用されないということはないというような趣旨の発言をされておりますけれども、これは、投資顧問業を廃止したけれども、新しい金融商品取引業の登録、届出は必要になってくるというような認識でよろしいんでしょうか。お答えいただければ、お願いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) シンガポールにはシンガポールの法律があって、シンガポールの国内で活動をされる場合には当然シンガポールの法律が適用されるのは当然であるわけですが、シンガポールというのは実に法律が厳しくて、麻薬を何グラムか持っていただけで死刑になってしまうという大変厳しい国であるというのはよく知られているわけでございます。
仮に、シンガポールに本拠を置くファンドが日本の市場においていろいろな取引を行う等々の言わばファンドとしての活動をやった場合には、日本国内において活動をされる場合には当然日本の国内の関連法案が適用されるということは当然でございまして、外人であろうが日本人であろうが、外国籍の企業であろうが日本籍の企業であろうが、法律の適用については全く差異はないということを申し上げたつもりでございます。
○富岡由紀夫君 個別の話になるとお答えできない部分もあろうかと思うんで、一般論としてお尋ねしたいと思いますが、外国人が日本の資金を日本株で運用する場合、今回の法案の改正によって運用業としての登録は必要になってくるのかどうか、教えていただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
個別事案にもよるわけでございますが、一般論として申し上げますと、日本国外で組成、設立されましたパートナーシップや法人等につきまして、日本の居住者から出資を募る行為は金融商品取引法案の適用対象となり得るところでございます。
具体的には、金融商品取引法案におきましては、投資家保護の観点から、いわゆる集団投資スキーム持分の自己募集、これは当該スキームの設定者自らが募集する行為でございますが、これを新たに規制対象としていることから、一つには、投資運用を行う業者が日本国内の居住者に対して出資の勧誘を行う場合、二つ目は、外国でパートナーシップ等を組成しました業者が日本国内の居住者に対して出資の勧誘を行う場合、こういった場合にも金融商品取引法案の規制が適用されまして、同法に基づく登録又は届出を求めることになると考えているところでございます。
○富岡由紀夫君 ちょっと個別の事案という話ですけれども、まあ一般論としての今御回答ありがとうございます。
続きまして、この村上ファンドなんですけれども、阪神の星野仙一シニアディレクターも、このファンドは好ましくないとはっきりテレビで発言しておりました。天罰が下る、村上ファンドが許されるなら日本も終わりだと、経営に関与するなら私は辞任するとまで発言、おっしゃっております。そして、昨日の報道にありましたように、阪急が阪神株をTOBを掛けるということで、まさしく会社の屋台骨がもう本当に崩されようと今しているところでございます。
こういうお金を大量につぎ込んでその会社の株価を上げて、経営権を乗っ取っちゃうぞと、それが嫌だったらちゃんと配当上げろとか、そういったことを使って、乗っ取られるの嫌だったらTOBでほかのところに高く買ってもらう交渉をしろとか、まさしく、何というんですか、利益だけを追求して、その会社の従業員の気持ちとかその会社を全く考えないような行動だと私は思っているんですけれども、こういうずる賢いやり方でまじめにやっている人たちをばかにするような行為、これが法律の中では違反ではないということでまかり通っているんですけれども、こういったことが本当に許されていいのか、私は非常に疑問に思っております。
こういった観点、こういった点について、与謝野大臣のお考えをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 何年か前から会社は株主のものという伝説のような話が流布されて、それを信じた方がたくさんいるわけですけれども、会社という存在は、株主が確かに所有権を持ち、議決権を持っておりますけれども、会社というものはやはり従業員のものであり、取引先のものであり、またお客様のものであるんだろうと私は思っておりまして、商法の規定から会社はだれだれのものと、商法限りにおいて言えばそうですけれども、社会的な存在としての会社というのは従業員、顧客、納入先、下請、そういう関係を持っている方々のものであるというのが常識的な考え方であると私は思っております。
○富岡由紀夫君 私もそう思っております。配当ばっかり要求して、会社の経営自体が本当におかしくなってしまう、長期的な会社の成長が見込めなくなってしまうという弊害が非常に今危惧しているところでございます。
そういった今、与謝野大臣のお考えも伺って、私もそうだというふうに思っているんですけれども、しかしながら、今言ったように村上ファンドみたいに、そういったことと全く違う方向でアクションを起こすファンドがあるということは、これは私は非常にゆゆしき問題だというふうに思っております。
こういったところをやっぱり何らかの形で規制していかないと、本来であれば、こんなの人間としてのモラルとしてやっぱり当然持っていないといけない部分だと思うんですけれども、それが通用しない人間がこの市場の中に入ってきているわけですから、それを何らかの形でやっぱり規制するなり、そういったことを統制していかないといけないと思うんですけれども、そういった観点から、今後どういったことが市場を監視する上で必要になってくるか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 非常に難しい御質問なんで、どうやったら規制できるのかということでございますが、やっぱり社会的評価というものも言わば投資家たちの行動をある程度コントロールするものではないかと私は思っております。
ただ、ファンドがいろいろ自由にやったとしても、やっぱり現にある法律あるいは東証の規則を含めて、すべてのルールにのっとってやっていただかなければなりませんし、また法律の範囲内であると同時に、やっぱり社会的に評価を受けられる活動を希望としてはやっていただきたいと、私はそう思っております。
○富岡由紀夫君 本当に、そういったことを理解して市場の中でいろんな人が活動していただければ本当はいいんですけれども、そうじゃない人がいるんで、これは本当に今後の課題として、そういう考え方のない人をどうやってそういう正しい考え方に持っていくかということは非常に難しい問題だと思いますけれども、これからいろいろと議論をさせていただきたいというふうに思います。
続きまして、今回、TOBの規制の改正も含まれておりますけれども、これ新聞報道で出ていたんですが、TOBをやらないといけないケースで三分の一超の株を取得する場合ってありますけれども、ただ、具体的な中身については政省令でお示しされるというふうになっていると思います。ただ、新聞報道では、その具体的な中身というのは、三か月間に市場外で五%、市場内外合計で一〇%超を取得するケースはTOB規制に引っ掛かるというような報道もされていますけれども、政省令でこの辺はどういうふうにお示しされるお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 三分の一のルールの趣旨から御説明申し上げたいと思いますけれども、現行制度におきましては取引所市場外における買い付けの場合で著しく少数の者から買う場合には公開買い付けによらないことも可能でございますが、その場合であっても、買い付け後の所有割合が三分の一を超えるような場合には公開買い付けをしなければならないと、これがいわゆる三分の一ルールと言われているものでございます。
しかしながら、この三分の一のルールにつきまして、例えば市場内外を組み合わせまして三二%ぐらいまでは市場外で買い付けまして、その三分の一を超えるところだけ市場内で買うというようなことがあり得まして、そのような場合に、態様によりまして、公開買い付けによらなくても三分の一超の株券等を実質的に所有する、そういうようなこともあり得るのではないかといった問題があったわけでございます。
本法案におきましては、このような態様の取引に対応するために、市場内外におけます買い付けなどの取引を組み合わせまして、急速な買い付けの後、所有割合が三分の一を超えるような場合、これは公開買い付け規制の対象となることを明確化しているものでございます。
御質問の政省令の件でございますけれども、これにつきましては、その期間と、それから急速に買い付ける幅と、それからその際、市場外でどれだけ買っているかと、この三つがあるわけでございますが、現在、その期間につきましては、これは現在の公開買い付け期間の上限、これが六十営業日でございますので、これは月に直しますとおおむね三か月程度ではなかろうかと、これが一つの基準でございます。
また、その期間内に行われる大量の取引等でございますけれども、これもいろいろな実務者等の意見、あるいは国会の御審議、そういったものを踏まえながら決定していくことになるわけでございますけれども、御指摘のとおり、全体として一〇%超の取得を行うような取引であって、市場外における買い付けが五%を超えるような場合には取引の規制の対象とすることが基本ではなかろうかということで、今後更に検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。具体的に決まり次第、早めに御明示いただければと思います。
続きまして、与謝野大臣にまた引き続きお伺いしたいと思います。
新聞報道によりますと、週内に、財政・経済一体改革会議の下部組織である実務者会議が開催されると伺っております。その中で、経済財政の担当大臣としていろいろとお考えをお示しいただけると思いますけれども、一つお伺いしたいのは、今いろんな歳出削減を政府はいろいろと行っております。これ自体は非常にいいことなんですけれども、その中で、今問題になっているいろんな、この委員会でも議論になりましたけれども、日米両政府が試算した在日米軍の再編に伴う経費、これは莫大な、何兆円、数兆円というふうに言われておりますけれども、これから今算出されるというお話ですけれども、この取扱いがやはり日本の歳入歳出の改革をしていく上でやっぱり大きなポイントになってくると私も思っております。
これについて、防衛費も聖域としないというお話ありましたけれども、そういう発言が報道されていますけれども、通常の防衛予算内でこの経費についても賄うというふうに、聖域を設けないということはそういうふうに考えてよろしいのかどうか、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、歳出削減は与党の方で、どこまで切り込めるのかというのを今必死になって作業をしております。しかし、委員御指摘のように、米軍再編に伴う経費というのは当初考えていなかった経費でございます。
まず問題は、例えば今後五年間で、年にして一体幾ら要るのかという数字もまだ出てきておりませんし、これをどう取り扱うのかというのは課題でありますけれども、現在はまだ議論が始まっておりません。今後の課題としては、委員御指摘のとおり重要な課題であると、これは財政再建ということよりは予算編成の基本的な考え方の問題として重要になってくるんではないかと私は思っております。
○富岡由紀夫君 財政再建に余りというか、予算編成というお話ですけれども、やっぱり数兆円といっても財政再建に非常に大きな影響力があると思いますので、やっぱりそういった観点で、先ほどちょっと言いましたけれども、聖域を求めない考え方を貫いていただいて、本当の財政再建を目指していただきたいというふうに思っております。
続きまして、歳入の点でお伺いしたいと思うんですが、先日、NHKの番組で与謝野大臣は、二〇一一年、一五年、二五年で必要な税率が違うということで、段階的な消費税の引上げを示唆するような発言がありましたけれども、やっぱり今後、こういった歳入の面から消費税の引上げ、増税というのが具体的に検討していかないといけないと思うんですけれども、今、与謝野大臣の描いている青写真というか、お考えをお示しいただければというふうに思います。
○国務大臣(与謝野馨君) プライマリーバランスを到達するというのは、それはほんの第一歩でございまして、プライマリーバランスは達成できたけれども、その後、公債残高が発散的に増えていくということはやっぱり避けなきゃいけない。そのためにどういう歳入構造をつくっていくのかというのは、まだ政府の中でも党内でも本当の議論は始まっていないと思っております。
しかし、直面する困難とか難題をやっぱり政治は逃げてはいけないんだろうと思っておりまして、歳出削減がどこまでできるのかと、あるいは、例えば二〇一一年に本当に足りないお金は幾らなのか、こういうことを計算してまいりますと、どの程度の規模の歳入が必要になってくるかということが分かってまいります。分かってまいりました段階で、これを税制全体の中でどうやって消化していくのかと。これはどの党であれ多分避けて通れない議論であるというふうに私は思っておりまして、そのときには勇気を持って物を言わなきゃいけないと思ってはおりますけれども、やっぱりどの党も選挙は怖いというのは共通しているんじゃないかと思っております。
○富岡由紀夫君 選挙が怖くて増税の話ができないというのはどの党も同じというふうにおっしゃいましたけど、まあ分かったような分からないような、確かにいろんな難しい問題をはらんでいると思いますが、ただ本当に、今、日本の置かれている現状は、財政赤字の問題を考えると、本当にそういったことも言っていられないんじゃないかというふうに思っております。
ただ、今財政赤字が、この間、私が質問さしていただいたとき答弁で、国と地方を合わせると、短期も合わせると千兆円を超えているというお話でした。だから、今言ったようにプライマリーバランスの問題、均衡を図って財政再建をやっていかないといけないと、歳出歳入の改革をやっていかなきゃいけないというお話ですけれども、是非、国民の皆さんには、どうしてこういうことになったのかということをまず冷静に判断していただいた上で、今の現状をこれからどうやって切り抜けていったらいいかということを考えていく必要があると思います。
やはり、そういった意味で、まあ、与謝野大臣が悪いわけじゃないですけれども、いろんな歳出をたくさん無計画にいろいろやっていった結果が今の日本の財政じゃないかというふうに思っております。まずその責任を明確にした上で、国民の皆さんにこれから増税のお話をさしていただいて御理解を求めるという、そういう私はステップが必要になってくるんじゃないかなと思っております。今は財政大変だから増税という、単純に言っただけじゃ納得していただけないと思います。今まではこういうことで過った、過ったというか、こういう形で借金を膨らませてしまったんで、これはこれとして反省しなくちゃいけない。新たに、したがってこれをこのまま放置するわけにいかないんで、増税を皆さんに御理解いただくという、そういうやっぱりステップが必要じゃないのかなと私は思っております。
そういった意味で、是非、これから避けて通れない課題として増税の問題が来るんですけれども、今言った財政赤字、千兆円を超えている借金があります。今、先ほど低金利で、日銀の福井総裁もありましたけど、まだ何とか、何というんですか、利息の負担も、政府の負担も少なくて済んでいるんですけれども、これから景気も回復してゼロ金利も解除をして、金利も既に、長期金利も二%近くまで上がってきております。
金利もかなりこれから変動すると思いますけれども、この財政赤字の、債務残高の観点から金利の動向についてやはりいろいろと注意されていらっしゃると思いますけれども、ただ、そうはいっても適正な経済成長を行っていく上では適正なそういった利息の引上げもやっぱり当然のことながら付いてくることだというふうに思っておりますけれども、その辺のバランスを与謝野大臣はどういうふうに見ていらっしゃるのか、お考えを持っていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 確かに、財務省的に考えますと国債の金利負担が大きくなるのは嫌だと、低金利がいいと。例えば、借換債を含めて市場に出ていく国債というのは毎年百五十兆あるわけですから、一%長期金利が上がれば確実に一兆五千億利払いが増える。これ二年目になりますとそれがまた累積しますから、ということで、これだけ債務残高が大きくなりますと、利率というものがえらい財政に効いてくる構造になってしまっております。
ただし、一方では、委員よく御承知のとおり、金利というのは経済の中で資源配分を適正化するための重要なツールなわけでして、そういう経済の方の考え方からすれば、余りにも金利が低い水準にあるときに資源が適正に配分されるのかどうかという問題を指摘してくださる方もおられます。
これは、もう一つ、政府の中で議論している話の一つに、長期金利はだれかがコントロールできるのかという問題があって、我々はできないと。それから、いや、できると言う人ももちろん政府の中におられるわけですけれども。多分、長期金利は市場で決まってくるもので、人工的に長期間にわたって政府ですらコントロールできないものだろうと、私はそのように思っております。
○富岡由紀夫君 金利はなかなかそういう難しい面を持っていまして、一概にこうだと言うことは言えないと思うんですけれども、これは是非一般論でお伺いしたいんですけれども、今の日本の日銀がゼロ金利、そして量的緩和という極めて異常な形で金融政策を取ってきましたけれども、量的緩和を解除してゼロ金利のタイミングもこれからいつになるのかというふうに言われております。
この日銀の問題はあれとして、本来であれば、金融政策、金利を使った、金利政策を中央銀行としては一番ツールとして使っていくべきだというふうに思っているんですけれども、一般論として、中央銀行の金利政策が有効に機能するためにはそういった金利水準というのがどの程度あれば適当であるか、そういった、何というんですか、成長とその辺を踏まえた上で適正なる金利水準というのはどのぐらいなのか、もし御所見があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) そのレベルは分かりませんけれども、常識的な金融政策をするためには金利を上げて引き締める、インフレを抑制する、金利を下げて景気を加速させるという、そういう両方向の選択があるんですけれども、今のような水準では、日銀は中央銀行として片肺飛行になっているんじゃないかなと、私はそう思っていまして、下げる余地のない金利水準というのは、金利政策の手段を完全に奪ってしまっていると、そういう状況だろうと思っております。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
ちょっと話題を変えまして、最近、金融庁は様々な業者を処分しております。三井住友、中央青山、損保ジャパン等々あります。
私は、処分するのはやっぱりせざるを得ないような背景があるんだというふうに思っておりますけれども、ただ今回、例えば中央青山を処分するときに、業務に支障がないように、お客さんが決算を迎える時期等々を考慮しながら処分の時期を配慮するというふうなことがされていますけれども、これはある意味やや本末転倒な私はことじゃないかなというふうに思っているんです。
余り市場に処分しても影響がなければ処分してもいいんですけれども、今処分するにもそういった配慮をしなくちゃいけないというのは、やっぱり四大監査法人とか、あと銀行であれば三大金融グループとか、そういった業界の寡占状況がやっぱり大きな私は意味合いを占めているんだと思うんですね。三つのうち一つを処分しちゃったら、これは金融市場に影響は多大ですし、四つのうち一つをやっても大変です。私は、こういった寡占状況というのは経済の流れとして進んできて仕方ない面もあるかと思うんですけれども、そういった何か不祥事があったり、若しくは何か不測の事態があったときに国全体の市場というか経済に大きな影響を与える可能性が非常に大きくなったというふうに思っておりますので、私はそういった点も今後危惧していかないといけないのかなというふうに思っているんですけれども、この行き過ぎたというか、今の日本の状況というか、国際的にもそうなんでしょうけれども、こういった市場のいろんな業界の寡占化についてどういうふうに、何かお考えがあればお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 昔は大蔵省の銀行局と相談しながら各社ともいろいろやっていたということですが、ある時期から事後チェック型ということでやってきたわけでございます。
処分が相次いだわけですけれども、これは事務的に淡々とやったことでございまして、相手の大きさとか歴史とか知名度とか、そういうこととは関係なく、そこに事実があり、そこに法令があればそれを淡々と適用してきたというのが今までの処分でございます。
そういう意味では、中央青山につきましては、一方では刑事事件の裁判の進行状況、あるいは顧客の数が二千とも言われる中で、中央青山を処分したとしても、そこの顧客に想定外の損害や迷惑、これは及んではやっぱりそれはお客様が気の毒ということももちろん当然考え、ただ処分の目的は達成しなければならないと。そこはやっぱり一定の社会的な配慮というものは、処分を行うについても、許された範囲ではそういう配慮を行ったということは事実だろうと思います。
ただ、この二千社にも及ぶ顧客の数を考えますと、そういう配慮をするということも処分の本来の趣旨を失わない限り私は許されることだろうと思っております。
○富岡由紀夫君 いろいろと様々なことを考慮しながら処分されたというふうに思います。ただ、今言ったように、そういったことを考えながらやらないといけない状況というのもやっぱり放置しておいていいというわけではないかと私は思っております。こういったこともちょっと、どうやったらいいかということはすぐには出てこないんですけれども、やっぱり考えていかないといけないのかなというふうに思っております。
続きまして、為替に関連してちょっとお伺いしたいんですけれども。先々週も谷垣財務大臣にお伺いしたんですけれども、余り御明快なお話を伺えなかったんで与謝野大臣にお伺いしたいんですけれども。
今、円高もやや一服してちょっと落ち着いているような状況、小康状態というか、のような状況にあるかと思うんですけれども、ただ私は、日本の経常収支等々を見ますとやはり円高は避けて通れないんじゃないかなというふうに思っております。二〇〇五年の経常収支も、黒字額は過去最高を計上しております。また、所得収支が、所得の黒字が貿易黒字を上回ってしまったというようなことも、現象も起きております。もう本当に貿易だけじゃなくて、そういった資本政策の面でも日本の円がかなり世界に広がってきているんじゃないかなというふうに思っております。
この日本とアメリカの円とドルを見た場合の経済のファンダメンタルズの観点からどのように見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 長期的には円というものの水準というのはファンダメンタルズで決まってくるんだろうと思いますが、短期的には日米の金利差で今皆さんが買ったり売ったりされているんではないかと私は思っております。
いずれにしても、為替の場合には急激な変化というのは望ましくないわけでして、なだらかに高くなったり安くなったりするというのは、それはファンダメンタルズを反映することですから、それはやむを得ないことであると思いますが、急激な変化、特に東南アジアで何年か前に経験したような投機的な資金が入ってきて一国の通貨をめちゃくちゃにしちゃうと、こういうものに対しては戦わなきゃいけないわけですけれども、円ドルの関係は市場で自然に決まってくるものだろうと私は思っております。
○富岡由紀夫君 市場で自然に決まるべきだと私も思うんですが、その一方で日本はこれまで為替介入をされてきました。その残高も八千六百二億ドルぐらい行っていまして、約九十五兆円くらい、百兆円弱ですか、九十兆円を超している金額であります。私は、これは今言った市場の本来あるべき為替水準をゆがめている要因の一つじゃないかなというふうに思っているんです。
日本の短期証券の財政的な負担もありますけれども、そういった、何というんですか、為替水準をゆがめる要因であるこの外貨保有高というのは、外貨準備高というのはやっぱりある時点で少し減らしていくとか、そういった対応を考えていかないといけないと思うんですけれども、この保有高について、外貨保有をしていることについて大臣はどう思われるのか、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 貿易で黒字を積み重ねてきたわけですから、当然膨大な外貨準備を持つことになったわけでございます。そのほかに、円売りドル買いという、世間では介入と言われているものも相当やったわけでございまして、多分これ、その当時やった方になぜやったのかということは一度私は個人的に聞いてみたいと思っておるんですが、二十兆も三十兆も介入をしたわけですが、しかしあの介入の特徴は非不胎化の介入であって、言わば円資金を市場に流したという効果も実はあったんではないかと私、個人的に思っていまして、それをちょっとその当時の責任者に聞いてみたいと思っております。
○富岡由紀夫君 是非聞いていただいて、御報告いただければというふうに思います。
私は、この外貨準備、介入して積み上がった分については、やっぱりいつかは売るんだというふうに思っているんですけれども、これはどういう場合に売るのか。想定ですけれども、どうやったら、どういう状況であれば売れるのか、どういうケースで売るのか、ちょっと私もよく分からないんで、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
この外貨準備をそのまま放置するわけにはいかないと思うんですね。いつかは売ると思うんですけれども、どういう場合に売るのか、どういうケースで売るのか、教えていただければと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) これ、谷垣さんを呼んで聞いていただいた方が的確な答えが出てくるんじゃないかと思います。
外貨準備というのは外為特会にあるお金、プラス民間の方も一杯持っておられるわけでございまして、外為特会だけの話に限定すれば恐らく百億ドルちょっとじゃないかと思うんで、日本の外貨準備、八千五百億ドルぐらいありますから、外為特会の分というのは全体から考えれば実はそんなに大きくないんです。これは谷垣さんのお財布の中に入っていますので、谷垣さんに是非聞いていただきたいと思っています。
○富岡由紀夫君 谷垣さんもそうですけれども、やっぱり経済、財政全体をつかさどる、担当される与謝野大臣にもかなりそういった、何というんですか、政府の方針について決定権はあるんじゃないかと私は思っておりますので、是非指導力を発揮していただいて、総理大臣候補にふさわしい振る舞いをしていただければと思っております。
ちょっとなかなかお答えづらい質問だったんで、ちょっと先ほどの、何というんですか、TOBについて私聞くのを忘れてしまった項目が一つありまして、是非ちょっと聞いておきたいんで、戻ってしまうんですけれども、お願いしたいと思います。
先ほど、三分の一を超える場合はTOBの規制に掛かってしまうということなんですけれども、例えば三分の一以下に持っていたんですけれども、例えばその株が自己株取得等々によって市場に出回っている株が減ってしまった場合、結果として三分の一超になってしまうようなケースもいろいろあろうかと思うんですね。そういった場合にはこの規制はどういうふうにかかわってくるのか。処分の対象になるのか、損害賠償とかそういった発生するケースも民事上起きる可能性もあるかと思うんですけれども、そういったことをこの場合、そういったケースはどういうふうに想定していらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 公開買い付け行為は、基本的に買い付け行為が対象でございますので、買い付け行為をしないで自然に保有割合が単純に増加したということだけでは規制の対象にはならないということになろうかと思います。
○富岡由紀夫君 あと、念のためにお伺いしますけれども、転換社債とか株式交換等々によって三分の一を超える場合もこの規制の網に引っ掛かるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(三國谷勝範君) 一般的な考え方といたしまして、公開買い付けは潜在的な議決権を持っている株式、そういったものも対象となりますので、例えば転換株式とかそういったものも買い付ける段階では所要の計算式に従いましてこの対象になり得るところでございます。ただ、その行使とか、あるいは新株予約権のそういった転換権の行使とかそれ自体はこの規制の対象にはならないということでございます。
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
ちょっと軟らかい話をお伺いしたいんですけれども、事前にちょっと通告していたんですが、今いよいよワールドカップが始まろうとしております。今回は日本じゃなくてドイツで行われるわけですけれども、この効果、ワールドカップもどのぐらいか分かりませんけれども、経済的な効果があろうかと思うんですが、このワールドカップの与える経済的な効果をもし算定されているようであれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 幾ら幾らという話はなかなか分からないわけですけれども、ワールドカップの中継を見るために薄型テレビを買ったり、スカイパーフェクトと契約をしたり、もろもろのことはあるでしょう。また、ドイツに旅行される方も出てくるんではないかと思いますし。ただ、最初の方をみんな負けちゃうと余り経済効果がなくて、勝ち進んでいくと結構盛り上がるんじゃないかなと思っております。
○富岡由紀夫君 是非、日本が予選を突破して、本当にどんどんどんどん勝ち残って、本当に決勝戦出れるぐらいまで行っていただければ、日本の直接的な経済の効果だけじゃなくて、日本の、何というんですか、活力も、元気も上がってきますので、そういったことを是非祈念したいと思っております。
ワールドカップで日本が勝ち進むことを祈念いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。今日はありがとうございました。