165-参-財政金融委員会-9号 平成18年12月12日 平成十八年十二月十二日(火曜日)    午前十時開会        本日の会議に付した案件 ○貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正す  る法律案(内閣提出、衆議院送付)      ○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。よろしくお願いいたします。  早速、質問に入らさしていただきたいと思います。  この委員会でもいろんな参考人質疑とか地方公聴会等実施いたしまして、様々な方からいろんな御意見をちょうだいいたしまして、そういった、あとこの委員会の中で議論あったことも踏まえて質問させていただきたいと思います。  まず、都市銀行が貸金業に参加しておりますけれども、まずその実態といたしまして、都市銀行と貸金業者との関係をお伺いしたいと思います。  網羅的にすべてお答えいただかなくて結構でございますので、重立った都市銀行と重立った貸金業者との関係について、資本、天下りの問題とか、バックファイナンス、融資の問題とか、そういった観点で関係をちょっとお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(佐藤隆文君) 一部の銀行で、御指摘のとおり、出資あるいは役員の派遣、あるいは融資というような形で貸金業者、消費者金融業者との関係がございます。  十八年三月期における大手消費者金融各社の有価証券報告書に基づいて申し上げます。  主なところということで、まず資本関係につきましては、十八年三月末現在で、三菱UFJフィナンシャルグループがアコムの株式を一二・九九%保有しております。また、三井住友銀行がプロミスの株式を二〇・二二%保有しております。  次に、融資でございますが、アコムに対しまして三菱東京UFJ銀行が百十億円、プロミスに対しまして三井住友銀行が五百六十億円、三菱東京UFJ銀行が百四十九億円の融資を行っております。  また、人的関係でございますが、アコムにおいて、三菱東京UFJ銀行の出身者が取締役となっております。また、プロミスにおきましては、三井住友銀行の出身者が取締役となっております。 ○富岡由紀夫君 最近はテレビのコマーシャルもかなり自粛されて、少しは目立たなくなってきているんですけれども、一時は貸金業者のテレビコマーシャルに都市銀行の名前が堂々と出ていたりしておりまして、一般の消費者が見れば都市銀行がそういう形で資本提携なりいろんな提携をしているわけですから、そこに安心感というか、ある意味信頼を置いて、より安易に借りやすくなってしまったということもあるというふうに私は思っております。  今回、いろんな社会問題が契機となってこの法案の改正に至ったわけでございますけれども、この貸金業協会の、いろんな社会的な問題を引き起こしたわけでございますけれども、それこそ人の命を融資の返済に見込んだり違法な取立てを行ったわけで、非常に大変な問題でございますけれども、そういった業界に対して、ある意味信用第一の都市銀行がそういった業界に進出した、資本提携なりしているということ、事実に対して、山本金融担当大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますか。お伺いいたしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 民間企業たる金融機関の融資、提携というのは、個々の金融機関の経営判断に属する事柄であることは申し上げるまでもありません。一方、金融機関の経営におきましては、収益性だけではなくて、金融機関としての業務の適切性や健全性、社会的責任といった観点も重要であります。特に、消費者金融につきましては、多重債務者の発生や増加といった社会問題が起きている状況等を踏まえ、各金融機関におきましては消費者へ提供されるローンのあるべき姿につきまして真摯に検討し、適切に取り組んでいただきたいと思っております。  三メガのうち、みずほファイナンシャルグループは消費者金融業界との提携を絶っておるわけでございまして、そのことからしましても、区々ばらばらにやっている中でもその経営判断において見るべきものがあろうと思っております。 ○富岡由紀夫君 銀行がやっている融資と貸金業者がやっている融資というのは、かなり色合いが違うというふうに思っております。そういった意味で、銀行が貸金業業者といろんな形で関係を深めて、消費者からすると銀行がやっているのか貸金業者がやっているのかよく分からないということが、これは大きな問題点の一つだと私は思っております。  銀行を監督している立場の金融庁として、銀行に対して何らかの指導なりいろんな助言なりしていくおつもりはあるのか、お伺いしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 先ほど申し上げましたように、貸金業者と提携するかどうかにつきましては経営判断に属するわけでございます。その意味で、消費者金融について融資をしてはならないとまで具体的な指導はできませんけれども、先ほどから申し上げているとおり、社会的責任、昨今の多重債務問題、消費者金融の在り方、さらにこの法改正後の多重債務対策本部として各銀行にお願いする向きというようなこともございますので、今後、各金融機関におきましても多重債務問題に真っ向から取り組んでいただけるような、そんな体制づくりもお願いしたいと思っておりますので、その意味で当然、銀行、各金融機関も、業務の適切性、健全性、社会的責任という観点からおのずから御判断いただけるだろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 山本大臣は、与謝野前大臣と違いまして、金融機関、銀行の独自の判断にゆだねるということでよろしいんですか。 ○国務大臣(山本有二君) 恐らく、与謝野大臣も経営の独自の判断にゆだねられていることは間違いないだろうと思いますが、こうした多重債務問題というのは、御審議いただいている貸金業法の改正並びにその後つくられるであろう多重債務対策本部、こういったことで与謝野大臣時代以上に具体的に取り組むわけでございますので、御理解をちょうだいしたいと思います。 ○富岡由紀夫君 この社会問題を引き起こしました貸金業協会を金融庁は監督しているわけでございますけれども、この社会問題に対して、さきのような貸金業協会が起こした社会問題に対して、金融庁は責任をお感じいただいているのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(佐藤隆文君) これまで私ども金融庁といたしましては、法令にのっとりまして、問題のある事例、悪質な事例等を把握いたしました場合には、事実関係を確認の上、法令に基づいて厳正な処分等を行ってきたということでございます。  また、この実態をできるだけ広く把握するために金融庁に設けられました利用者相談室に寄せられる相談、苦情等の情報、あるいは検査を通じて確認いたしました実態、さらには報告徴収によって確認されました実態、こういったものをできるだけふだんから広く確認するように努め、それに基づいて、先ほど申しましたような、必要がある場合には厳正な対応をすると、こういう取組を行ってきたところでございます。 ○富岡由紀夫君 今の取組のお話でございますけれども、今のお話を受けて、山本大臣、金融庁の責任を改めてどのようにお感じいただいているのか、お伺いしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 貸金業者としてのモラルあるいはコンプライアンス、そういったものに対して今までも十全を果たしてきたというように思っておりましたが、しかし、結果からすれば貸金業界における市場の不健全というものが結果あるわけでございまして、その意味におきましては、時代時代に応じて更に前進をしていく金融庁でなければならないということを考えるときに、今までがよかったかということを考量してまいりますと、今までももっと早めにこうした対応を取ればよかったということは言えなくもないだろうと思いますけれども、我々としましては、職員一同一丸となってこの法案の作成そして審議に邁進してきたつもりでございますので、是非御理解をちょうだいしたいというように思っております。 ○富岡由紀夫君 はっきり責任については、意味合いはよく理解しましたけれども、述べられなかったということで、ちょっと残念なんですけれども、次の質問に行きます。  セーフティーネットの議論がいろいろと出ておりますけれども、ややちょっと明確になっていない部分が私なりにございまして、ちょっとお伺いしたいんですけれども、整理の意味を込めてお伺いしたいんですが、多重債務者に既になっている人に対するセーフティーネットと、まだ多重債務者にはなっていない、これからそういう予備軍みたいな人たちに対するセーフティーネット、これらにこの二つは分けて考える必要があると思うんですけれども、具体的にどのようなセーフティーネットを今考えていらっしゃるのか、お伺いできればというふうに思っております。 ○国務大臣(山本有二君) 既に多重債務者になっている方々につきましては、まずは心理的な強固なお考えを持っていただくためにカウンセリングしていくことが大事だろうと思いますし、そうした中で、延長で、その債務の整理、過払いがあれば返還というような法的な手段を取らなければならないと思います。そして、その後は、今後自立していただきたいと思いますので、就職支援だとか自立等々の支援が必要だろうと思っております。  今後、多重債務になろう人である者に対しましては、多重債務者にならないように、今までの学習効果でしっかりと経験を生かした措置をとっていきたいと思っております。その方々に対しましても、陥る前の教育、陥る前の啓蒙、陥る前のこうした知識の周知を徹底してやってまいりたいというように思っております。 ○富岡由紀夫君 午前中の質問の中でも議論ありましたけれども、いろんなそういった方を救う融資制度みたいなのも検討されているところがあると思うんですけれども、今もう既にいろんな制度融資みたいな形で生活に困窮されている方を救う制度があると思うんですけれども、そういうのが十分に活用されていらっしゃるという御認識でおりますでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 十分機能しているかと問われれば、むしろ、ああ、そういう制度があったのかというように思う方の方が人口的には多いだろうと認識しております。  その意味では、既存の制度を周知徹底すること、そしてさらには、今回の内閣府にできます多重債務対策本部において、その制度を、既存制度を拡充することができないかどうか、それを検討し、なお足らざるところがあり必要と認められれば、新たな新規の施策ということも十分考えていかなければならない問題であろうというように思います。  また、衆参で御議論いただきましたNPO法人の貸付け、小口貸付けの善良な皆さんの御協力ということも不可欠であろうと思っておりますし、そんな意味で、官民合わせてこの問題に対応する、そういうタスクフォース的なものができれば幸いだというように思っております。 ○富岡由紀夫君 民にもそういう協力を求めるというお話なんですけれども、具体的に金融機関にはどういった形で求めていこうというふうにお考えでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 既に接触のある金融界の団体には、この問題につきましての私の感想なりお願いをさしていただいているところでございます。そしてまた、今後におきましては、私が単に感想を述べる、あるいは個人的にお願いするという形ではなくて、多重債務者対策本部でオーソライズされましたきちっとした施策の下に、そうした民間の御協力をお願いをしていくということになろうかと思っております。 ○富岡由紀夫君 民間の金融機関に協力をお願いするというお話なんですけれども、具体的に協力を求めるとなると、例えば無担保の融資とか保証人を立てない融資とか、民間の金融機関に求めていくという議論もあったかと思うんですけれども、そういったことを中心に、柱としてお願いしていくということでよろしいんでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) どういった形が好ましいのかも含めまして、多重債務対策本部で専門家の御意見も聞きながらやっていきたいと思っております。  午前中の質疑の中で、岩手県にございましたああいう生協のいい事例もございますので、そういったいい評価のある仕組みをベースとしながら検討を重ねていく所存でございます。 ○富岡由紀夫君 これまでの議論の中で、今、先ほど申しました担保を取らない融資、金融機関に対してですね、あと、保証人を取らない融資を求めていくというお話ありましたけれども、それも柱の一つとしてお考えでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 当然、多重債務者の皆さんは、恐らく担保といいましてもなかなか取れる状況にはないと思いますので、そういった制度、特にグラミン銀行の例のように、カウンセリングと一緒になりました小口貸付けというようなことも視野の中に入れているところでございます。 ○富岡由紀夫君 担保によらない融資とか保証人を取らない融資というのは、言うのはやすいんですけれども、貸金業者ができないそういった融資を都市銀行なりそういう民間の金融機関が本当にできるのかなというところで私は非常に疑問に思っているんですけれども、さっきの岩手県の午前中のような制度であれば、またいろんな考え方ができると思いますけれども、単純に金融機関に対して無担保無保証人の融資をやれというふうに言っても、これは非常に難しい部分があると思うんですけれども、そういう議論も確かに今まで議論あったと思うんですけれども、その点についてはどうお考えですか。 ○国務大臣(山本有二君) 富岡委員おっしゃるとおりで、私が感想なりお願いなりしましても、当然、各金融機関、実務経験のある方々ばかりでございまして、自分の金融機関でやろうという形を取る人はむしろ少ないのではないかというように思います。むしろ、融資のやり方、あるいはそういう設計、システム設計等についてのアドバイスやら、あるいは今後そうした融資、小口融資をしているところへの貸付けというようなことになろうかと思っております。 ○富岡由紀夫君 はい、分かりました。  次に、総量規制についてお伺いしたいと思います。  午前中、平野議員からもいろいろと、ローンの残高を除外するのはおかしいじゃないかといういろんな議論ありましたけれども、まさしく私もそのように思っておりまして、本来、総量規制の目的は、返済がちゃんとできるかどうか、これを確かめるために一つの手段として総量規制を導入しているんだと思いますけれども、返済能力を見るときに、残高というのは私は関係ないんじゃないかなというふうに思っております。ローンの残高とかほかの融資の残高を区分してあえて分ける必要はないと私は思っております。  年収と比較するのであれば、今あるほかの、既存の借入分の年間の返済額、それとの比較すれば簡単に返済能力というのはある程度の判断はできるんだというふうに思いますけれども、その辺のやり方は、なぜそんな残高にこだわったのか。年間の返済額を、本来であれば、年収で比較するんであれば、返済能力を見る上で比較の項目とすればいいというふうに私は思っているんですけれども、なぜそうされなかったのか、ちょっとお伺いしたいと思います、改めて。 ○政府参考人(三國谷勝範君) 今回の改正では、借り手の返済能力を超える過剰貸付けを禁止する枠組みといたしまして、一つは指定信用情報機関の制度、それからこれを利用した情報の把握とともに、年収等を基準にその三分の一を超える貸付けを原則禁止する総量規制を導入することとしているものでございます。  これは、平均的な利用者増を前提といたしまして、そういった方々が無理のないペースでおよそ三年程度で返済できると、こういったことで考えているわけでございまして、その平均的な利用という場合に、いろいろな考え方があろうかと思いますが、年収、そしてその三分の一ということを基準にしているものでございます。 ○富岡由紀夫君 大臣に是非お伺いしたいんですけれども、これからいろいろこの法案も見直しをされていくということが議論されておりますけれども、是非私は、残高で返済能力を判断するんじゃなくて、既存の借入れプラス新規に借入れしたらどのぐらいの年間の返済額になるのか、それとの比較で、年収と比較していただいて返済能力を見てもらうような、そういう内容に改めていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 今後、検討させていただきます。 ○富岡由紀夫君 よろしくお願いいたします。  次に、参考人質疑でいろいろと議論になった件についてお伺いしたいと思います。  貸金業協会の会長なりアコムの社長さんなり、いろいろな方が口をそろえておっしゃっていたんですけれども、金利がこういう形で上限金利が下がってくると、出資法の金利が下がってくると、信用収縮が起きるんじゃないかといった議論が参考人の方々からたくさん議論出ました。  その中で、ちょっと質問の中で私も質問させていただいたんですけれども、要は、信用収縮で返済能力のない人に対して、低い人に対して融資ができなくなってしまう、若しくは融資額が減ってしまうというお話でございましたけれども、じゃ逆に考えると、今はそういう返済能力の低い人たちに対しても融資を行っているわけでございますよね、現状は、逆に考えると。  しかも、そういう返済能力の低い人に対して融資を行っているだけなくて、高い金利で融資を行っているということでございますから、高い金利であるということは、余計、返済能力の低い人に対してまた強い、更に厳しい返済を求めているということになっておりまして、何か非常に論理的な矛盾が私は感じているんですけれども、この点について金融担当大臣はどういうふうにお考えでしょうか、その業者の言い分に対して。御意見をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) まあ何といいますか、それは今までのマーケットのゆがみという形で表現ができるかもしれませんし、今回、金利規制をすることによりましてそういったゆがみを是正することができるだろうというように思っておりまして、より健全化する方法、今まではなかなかこれ、借り手も貸手もいびつな姿、いびつな心理状態があったと思いますけれども、だからこそこういう、このドラスチックとも言える上限金利を思い切り二〇%まで下げて、しかも実効金利以下にするという考え方でございまして、言わばこの業界の再編成もにらみながら考えていくわけでございますので、その点におきましては富岡委員の御指摘になるところの影響は十分あるだろうと思いますけれども、またそれが健全化につながるというように確信をしておりますので、御理解を賜りたいと思います。 ○富岡由紀夫君 何を言いたいかというと、業界の人たちが信用収縮が起きるという議論をうのみになかなかできないところがあるのかなというふうに思っておりまして、そういう趣旨でお伺いいたしました。  金利を下げたら借りられない人が一杯出てきちゃうよなんていう話ですけれども、そういう人は返済能力元々低い人ですから、そういう人たちに今は高い金利で貸しているわけですからね。これが返済ができなくなるのは、確率が高くなるのは当然だというふうに思っておりまして、そういったところを議論しないで、貸金業界なりそういったいろんな議論が進むことに対しては私はおかしいんじゃないかなというふうに思っております。  したがって、これからまた、さらにこの出資法の金利とか利息制限法の上限金利、これの見直しなんかも、何というか、そういう観点で私は議論してもいいんではないかと、弾力性を持って議論してもいいんじゃないかなと、そういう趣旨で質問をさせていただきました。だから、業界の言いなりになって、そのとおりだということで議論は進めてほしくないなという趣旨でございます。  あと、また業界のいろんな言い分に対して私もどうも納得いかない点がまだ幾つかあるんですけれども、なぜ貸金業者は返済能力のない人に対しても一杯貸そうとするのか。大門議員なんかもわざわざいろんな内部資料、どっかから入手されて議論されておりましたけれども、わざと個人の年収が高いような改ざんを行ったり、返済能力があるかのような内部資料を集めて過剰な融資をするということが行われているわけでございますけれども、なぜ貸金業者は一杯お金を貸そうとするのか、ちょっと私は疑問なんですけれども、その点、担当大臣はどういうふうにお考えでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 私もその心理状態を考えたことがありますが、働いて十万円を得る、しかも実働で十万円を得るというのはかなりの年月と努力が必要でございます。しかし、無人貸出し機で簡単に十万円が手に入るというようなそういう経験を一度すると、最初は生活費に充てておっても、そうした依存性といいますか心理状態の虚をつかれたような日常がやってきて、やがて多重債務になるという、そんな一つの人間の弱さの一面でないかなというように思っております。しかし、それを弱いとして放置することが現代の社会で許されるかというと、絶対に許されない観点であろうと思います。  そこで、貸す方はリスクがある、確かにそうでございます。リスクがあって金利が高くなければならない、それもそうでございます。しかし、それ以上に、利用者たるそうした依存性の強い方々を放置するということ自体において、保護の観点からすれば、当然、その自由の規制というものも、私はそれ以上の規制をすることが、正に営業の自由以上のものが現在生じてきているというように思っております。そのことを是正することが今日、市場の回復、健全な市場の回復につながり、また貸手と借り手の友好な、市場の当事者として運営いただける将来を考えたときに、今正にどうするかということは大変重大なことであろうと思います。  借り手の心理状態やそうしたメカニズムにつきましては、また富岡委員から御示唆いただきまして検討したいというように思っております。 ○富岡由紀夫君 期待していた内容とちょっと違うんですけれども、貸金業者はどうして多く貸すのかと。しかも、返済能力の低い人に対して融資をたくさんするのかということなんですね。返済能力の低い人に融資をすれば焦げ付く確率というのは非常に高くなってきますと。貸倒れになる確率は非常に高くなってくる。これは普通の融資するサイドからの考え方でいうと、本来あり得ない話なんですね。貸金業協会の一番の問題点は、そのあり得ないことがなぜ行われているのかというところが私は一番問題だと思うんですね。  返済能力のない、貸倒れとなる、不良債権化する可能性の高い人に対して貸していると。それをどんどんどんどん貸し込んでいくと。それで営業が成り立っているということは、貸倒れにならない何か秘密があるんじゃないのかなというように思うんですね。その秘密が何なのか、そこをつかまないと、この業界の健全性、先ほどおっしゃいました市場の健全化というのは私は実現できないんだというように思っております。  返済能力のない人に対して過剰に貸す、それだけど、この業界やっていける秘密、そこは何なのか、山本大臣はお考えでしょうか、何なのかということをどういうふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。 ○副大臣(渡辺喜美君) 確かに、いろいろなこの業界のまずい面はあろうかと思います。例えば、午前中も議論になりましたが、A社から借りたお金をB社に肩代わりして返済をさせる、あるいは子供が借りたお金を親が借り直して返済をさせる、そういった事例が報告されているのは承知をいたしております。  したがって、そういったインセンティブを排除するための仕掛けが必要であろうと考えまして、総量規制、それから金利の規制、そして商品設計において期間の規制というものを今回の法案で考えたところでございます。 ○富岡由紀夫君 まあちょっと、私の考えと半分ぐらいは合っているんですけど、ちょっと足りないところもあるのかなという感じを私は持っています。  今言った問題を、確かに総量規制でそういう、どっちかというとばばの引き合いみたいな、ばばを最後つかんだ人が大変なことになると。ばばをつかまないように最後は、何でしたっけ、違法なやみ金ですか、に最後は引き受けてもらうような形にもなっているかもしれませんし、最後のばばを決済するために生命保険を掛けてやったりしていたというところがあると思うので、最後のそのばばのところをしっかりと押さえ込まないとこの問題は、過剰貸付けの問題はクリアできないんじゃないかなというふうに思っております。  今回はそういう形で、金利を下げて、返済能力以上の、何というんですか、そういうことに陥る人を防ぐという意味ではかなりな一歩を、大きな一歩を踏み出したというふうに思っておるんですけども、そういったところもやっぱり引き続きやっていかないといけないと思っているんですね。  やはり、貸金業者にしてみると、これからは健全な市場ということですから、自分がちゃんと融資した分はお客さんの返済能力に従って回収してもらうような制度にしないといけないと思うんですね。ほかの、他社の肩代わりとか、やみ金業者に肩代わってもらったりとか、生命保険でやってもらうと、そういうんじゃなくて、自分が融資した分はしっかりと融資したお客さんの返済能力によって返してもらわなくちゃいけないと。それが働けば過剰な融資は私はなくなるというふうに思っております。  それが働かない要因の一つとして、私は違法な取立てはやっぱり注意しなきゃいけないと思っております。ある程度審査甘くて融資をしちゃっても、取立てすれば、厳しい取立てをすれば何とか回収できるやというところがあれば、私はその甘い融資判断による過剰融資というか、そういうのはなくならないというふうに思っております。そういった意味で、違法な取立てを厳しくなくすような政策をちゃんと組み入れることが、私は、融資をちゃんと健全な融資にして、過剰な融資がなくなって、この貸金業協会の健全化につながるんだろうというふうに思っております。  そういった意味で、違法な取立て、これを私は非常に厳しく監視してチェックする必要があると思うんですけども、この違法な取立てに対するこれからのお考えについて大臣にお伺いしたいというふうに思っております。 ○政府参考人(佐藤隆文君) まず現状について御報告申し上げたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一般に貸金業者の監督に当たりましては、当局に寄せられた苦情相談の内容あるいは貸金業規制法に基づく立入検査及び報告徴収等で得られた情報を集約、分析をいたしまして、事実関係の正確な把握に努め、取立ての問題を含む違法な事例、行政処分を行うに足る事実関係認められた場合には、貸金業規制法に照らして厳正かつ適切に対処しているところでございます。  最近の取立て規制にかかわる行政処分の例を二、三紹介をさせていただきたいと思いますが、本年四月にアイフルに対して処分をいたしましたときのケースはこんなものでございまして、正当な理由がなく債務者の勤務先へ架電を行い、さらに債務者から勤務先への架電をやめるよう改めて申出を受けたにもかかわらず執拗に電話を掛けたといったケース、それから本年七月のアエルという業者に対する行政処分のケースでございますが、債務者の自宅に架電した際、応対した債務者の家族が債務者は不在であると回答しているにもかかわらず、これから自宅に向かうことを強い口調で示唆したと、こんなケースがございました。  いずれにいたしましても、引き続き当局といたしましては違法な取立てなどの情報収集・分析に努め、必要がある場合には厳正な対応をしてまいりたいというふうに思っております。 ○富岡由紀夫君 取立ての規制をもっと強化していただきたいという趣旨なんですけども、今回は規制の強化も確かに盛り込まれているんですけども、罰則の変更はないというふうに伺っているんですけども、是非、大臣にはこの罰則の強化も、厳罰化もこれから検討していただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 今回の改正におきましては、現行の貸金業規制法第二十一条で列挙する禁止行為には該当しないが、不適切と認められる取立て行為が発生していること等を踏まえまして、これらを禁止行為の類型として追加するとともに、必ずしも債務者の困惑がなくても二十一条違反となる等の修正を行ったところでございます。  今後、こうした新たな禁止行為類型の追加ということも視野に入れながら頑張っていきたいと思っております。 ○富岡由紀夫君 是非、取立ての規制の強化とともに罰則の強化も議論していただきたいなと思っております。違法取立てがなくなれば、この業界もかなり健全化に早く到達できるんじゃないかというふうに思っておりますので、是非そういう観点で御検討をお願いしたいというふうに思っております。  あと、次に、ちょっと時間もなくなりましたので、ちょっと飛んで違う質問させていただきたいと思います。  この多重債務者の問題は、やはり生活に困難な人が多いというこの社会の状況が根底には原因としてあるんだというふうに思っております。生活が苦しくて、今格差が非常に拡大してきているというふうに言われておりますけども、その中で、お金がある人はちゃんと運用なり投資ができているということで、今、金融庁さんは貯蓄から投資へということで議論しておりまして、政府もそれを推進しているわけでございますけども、この貯蓄から投資へというところは、多分アメリカのいろんな部分も、実態の部分もお手本としているところがあると思います。  金融庁さんからいただいた資料にも、アメリカの貯蓄、投資の、何というんですか、資産構成というのが比較されておりますけども、この貯蓄から投資へというお考え方のベースとなっている考え方についてお伺いできればというふうに思っております。 ○国務大臣(山本有二君) 日米の家計等の金融資産の内訳を比較いたしますと、二〇〇六年六月時点で、貯蓄につきましては、現金預金が日本では五一・四%と過半を占めているのに対しまして、アメリカでは一三・三%でございます。一方、投資につきましては、日本では株式が七・二%、投資信託が三・六%で、合計で一〇・八%でございますが、アメリカでは株式は一三・六%、投資信託が一三・八%の、合計で二七・四%となっております。このように、アメリカでは日本と比べ家計がより多くを直接金融に振り向けた資産運用を行っているわけでございます。  そのときに当たって、今、日本で貯蓄から投資へという向きは、正に間接金融のみでいわゆる新しい事業、新規事業に対処しよう、あるいはこれから再チャレンジしようというような考え方になっているわけでありまして、もしこれが直接金融の世界、リスクマネーを受け入れられる社会というものを考えましたときに、よりそれぞれやる気のある人たちにおける資金調達が容易になるだろうというような活力ある社会を目指しているわけでございます。  さらに、もう少し申し上げれば、このリスクマネーというものがもっと広く渡ることによりまして、株式市場も今の低迷の段階から更に活性化することによってそれぞれの資産価値が上がっていく、企業資産も上がっていくことによって広く多くのまた外資の投入も予測されるわけでございまして、いわゆる国際的な金融マーケットとしての位置付け、日本における金融機関のサービス業としての新しい産業への展開というようなことも広くこれから期待するところでございます。 ○富岡由紀夫君 今お話しいただいた、その日本とアメリカの家計のそういった資産の保有の構成が違うということも踏まえて、日本の、何というんですか、株式とか投資信託の比率が低いんでそれを増やしていこうというお話だというふうに思っているんですけれども、という説明だったんですけれども。  このアメリカの比率が二七・四%ということで高いというお話なんですが、ちょっとその前に、このアメリカの資産の構成がどうなっているのか、私は、そこが議論されないでこの貯蓄とか投資の比率がアメリカは高いから日本も見習うべきだという話になっているんですけれども、その足下のところのアメリカの資産がどういう形で偏在しているのか、あるのかということを私はちょっと抜きにしては議論できないと思っております。  ちょっと、今日資料として出させていただいたペーパーをごらんいただきたいんですが、これはアメリカの社会における富の分布を調査したものをグラフにまとめたものでございます。  一番の上のグラフは、アメリカ全体の全世帯、約一億一千万世帯あるそうでございます、三億人ぐらいあるそうでございますけれども、それを資産の多く持っている人の順に並べた図です。  一番上の@とあるのは、資産を一杯持っている人の上位から並べたときの一%の世帯の幅を示しております。Aというのは、その次に来る一%の次から来る五%までの資産を持っている上位の世帯の比率ですね。一〇%までの階層、二〇%までの階層、四〇%まで、六〇%まで、ボトムの残りの四〇%ということでこれを分類しているわけでございますけれども、それぞれこの資産構成の中でどこの部分にその富が偏っているかというのを示した図でございます。  二番目のアメリカにおける富の所有比率というふうにございます。この富というのは、不動産とか金融資産とかすべての資産から負債を除いた純資産を言っているわけでございますけれども、これをそれぞれの階層の人がどれだけ持っているかということを表した表でございます。  これを見ると、上位一%、@ですね、の人がアメリカ全体の富の三三・四%を持っているということでございます。要は、大金持ちの人がかなりの部分のアメリカの富を占有しているということでございます。Aのところ、一%の次から五%までのところの人たちが、その四%の階層の人たちが持っている比率が二五・八%、上位一%のよりは減っておりますけれども、全体から見るとまだかなり多いと。次の上位一〇%まで、Bまで含めますと、Bの部分が一二・三%でございますから、この上位一〇%の世帯の人たちでアメリカ全体の富の、これ足すと七一・五%です、七割以上の富をわずか一〇%の人が持っているということなんですね。それで、C、二〇%まで入れると八四・四%、上位二〇%の人がアメリカ全体の富の約八五%、八四・四%を占めているということでございます。残り八割の人が残った一五%を分かち合っているという状況でございます。これは極めて富が偏っていることを示しているんじゃないかと思っております。  その一番下の表に行くと、更にこの状況は顕在化してきます。金融資産だけに絞って見てみた表でございます。今二番目にあった富の部分から不動産資産を除いた、同じく負債を除いた純資産でございますけれども、この金融資産のところで見ると、上位一%の人が三九・七%のアメリカ全体の金融資産を持っているということでございます。上位五%まで、Aのところまで含めると六七・五%、一〇%までにすると七九・八%、約八割、八割の金融資産を上位一〇%の人が持っているといったことでございます。  これを見てみますと、先ほどおっしゃられたアメリカの家計の中で金融資産がどういう比率を持っていると、株式、投資信託で二七%アメリカは占めているというふうにお話ありましたけれども、これを持っているのはアメリカの本当にごくごく限られた一部の人が持っているということなんですね。  アメリカ全体の人たちが株式投資、投資信託にそういう投資をしていれば、貯蓄から投資へということをアメリカを倣って言ってもいいと思うんですけれども、アメリカの資産構成を見ると本当に偏った人が、一部の本当にわずか一%とか一〇%ぐらいの人がほとんどの金融資産を持っていて、そのお金持ちが運用しているのがたまたま株式とか投資信託だと。その比率を見て日本の国民全体にあたかもアメリカがそうなっているから日本の国民もみんな投資、株式投資をしないといけないよと、直接投資しないといけないよというふうに働き掛けるということは、私は国民に大きなミスリードをしてしまうことになるんじゃないかなというふうに思っております。  アメリカの一部の大金持ちの人たちの資産構成を見て日本全体の金融資産の資産構成を貯蓄から投資へすべきだという議論は、非常に私はベースのところが違うんで、誤った方向に結び付く可能性があると思うんですけれども、今のお話を聞いていただいて、山本金融担当大臣はどういうふうに御感想をお持ちでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) アメリカが、一面、格差社会であることは承知しております。また、預金のない層ができるだけ小さくなるような施策を取らなきゃならないということもそうでございます。労働分配率が高ければ高いほど、やはり中産階級が増え安定社会になるということも事実でございます。  ただ、金融資産を持つときにおきまして、偏った構成をすることによってかえってリスクが高くなるというようなこともまた言われているところでもありますし、まさしくその意味におきましては、株式や投資信託への投資が世界的な水準、特に、アメリカではなくてドイツから見ましてもまだまだ低い、まだ半分ぐらいであるというようなことからしましても、もう少し現金預金から離れる必要があろうというように思います。  また、現金預金をそのまま寝かすよりも、健全な投資をすることによって更に安定的な収益が得られたはずではないかという議論もございますし、また厚生年金の運用も株式市場で行われているというようなことも考えたときに、我々のこの社会が、安全、安心というものもさることながら、新しいクリエーティブな人たちへの資金調達、そのことによって社会が更に活性化するという面におきましては、直接投資、言わば銀行窓口で与信審査、これに受からなければ企業が起こせないという、こういう現実を打破する、そういうような活力ある社会というものは一つ、リスクマネーという、そういう向きで考えることができるのではないかというように思います。  幸い、日本における個人投資家の約二五%が専業主婦でございますし、また二六%近くが高齢者でございます。年収七百万円以下の方々がほとんどこの個人金融資産の保有者であり、かつまた半分以上が高齢者の資産であるということを考えましたときに、一応の効果は得られており、貯蓄から投資への動きはございます。その意味ではいい傾向でございますが、この傾向が更に進むことによって活力が出てくるということも私は否めない事実だろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 今、主婦の方とか高齢者の方がかなりそういう動きを加速されているというお話なんですけれども、それを手放しで喜んでいいのかなと私は思っているんです。確かにそういう、企業側からすると調達のあれが広がるということはいいかもしれませんけれども、何というか、預金者というか消費者の立場からいうと、余り主婦とか高齢者のように、そういう金融知識のない方が株式投資なり投資信託なり、どんどん入っていくというのはどうなのかなと思っているんですね。  さっき言ったアメリカなんかは非常に比率高いですけれども、比率が高いといっても、持っている人たちは、元々そういう金融知識の高い人たちがたまたまそういう成功して資産をたくさん持っていて、たまたまそういう人たちが投資をかなりしているということもこれから見ると考えられるわけでございますから、アメリカがこういうふうになっているから、ドイツがこういうふうになっているから、日本もやるべきだと、一般の庶民の人に、金融知識のない人にそういうことを働き掛けるというのはちょっと注意しないといけないのかなというふうに思っております。  そういった意味で、調達する側からするといろんな選択肢が増えていいわけですけれども、お金を出す側からすると非常にそういったリスクが伴うということがあるものですから、その辺はちゃんとしっかりとやっていかないといけないのかなと、いただきたいなというふうに思っております。  外国がこうなっているから日本もすべきだと、ちょっと待ってくださいよと、足下のところをよく見ないでそういう単純な議論はすべきじゃないだろうなと私は思っております。是非そういうことで、慎重に日本のそういう、何というんですか、社会の在り方も議論していただきたいなというふうに思っております。  ちょっと、感想でもいいんですけれども、アメリカが非常に富が偏在していると、一部に富が偏在しているという状況を見てどのようにお考え、どういう感想をお持ちなのか、若しくは原因は何なのか、もしそういったところまで今お話しいただけるようであればお伺いしたいというふうに思います。 ○国務大臣(山本有二君) アメリカをどう評価するかは二面性あって、駄目だと言う人もおればいいと言う人もいますけれども、私はある一定の努力をしている国であろうというように思っております。  特に、人口政策においては、およそ一%から三%の人口増というものを国家として認めて、そしてヒスパニックも入れながら、そして移民政策も取りながら頑張っているところであって、しかもその人たちに対して、ニューヨークではイエローキャブ、これのドライバーの免許は二十六か国語で受験できる、ほとんどの方がドライバーになり得る。そして、就職すれば必ずその人たちにはジニーメイという住宅金融機関が貸付けを出して持家を与えることができる。そのことによってまた子供たちを教育することができるというような、そういう一つの大きなシステムを持っております。  そして、住宅政策においては中古住宅市場が非常に成熟しておりまして、住宅価格が下げないようにまた努力しております。そしてまた一方で、住宅を下げ止まる、あるいは住宅価格が上昇すれば、株価につきましてはある程度見放すところがありますけれども、住宅価格が落ちたときには株価維持政策というものを取っているように思っております。そのことにおいて、個人の金融資産の価値を減らさないという重要な私は政策の中で消費を喚起しているという、そういうシステムは私は見るべきものがあろうというように思います。  日本の国内におきましても、リーディングカンパニーが国際的なものしか生み出せない今日においては、私は資産政策というものは非常にこの国でも、日本でも大事なことになってきたように思っておりまして、その意味では、株価、住宅価格、土地価格というものについて目を配っていくということは大変大事なことであろうと思っております。  ただ、アメリカについてのこの富の偏在というものは事実でございますし、その方々もまたそのことにおいて反省あるいはその位置付けの客観性から寄附という社会的な一つの傾向も見られるわけでございまして、日本におきましては所得階層の高い人たちの寄附というのが極めて少ないというようにも言われておりまして、その意味でも私ども、日本がまたアメリカに学ぶべき点、そのいいことも学び、また悪い面につきましては反省しつつ、我が国として、また材料として肥やしとして政策に反映していく必要があろうと思いますので、その点においては富岡委員と同一に考えている次第でございます。 ○富岡由紀夫君 アメリカにはもちろんいいところが一杯あって、お手本とすべきところもたくさんあるんですけれども、ただお手本とすべきでない点もあるということはやっぱり我々日本人はよく考えておかないと、認識しておかないといけないのかなと思っております。  今言った土地とか金融資産とか株とか資産価値を落とさないようにという議論は、それはそうなんですけれども、それはもう持っている人はいいですよね。だけど、アメリカで、これ見てみると、持っている人というのは本当に限られた人なんでございます。EとF、上位四〇%以下の人たち、ボトムの六〇%の人たちは金融資産で見るともうほとんどないわけですよね。EとFでいくと、一番下のところでDまで全部足すと九九%になっちゃうわけですよ。六割の家計は貯蓄がほとんどないといった社会でございます。これが本当にいいのかと。日本も貯蓄なし世帯が今二三%ぐらいですか、あると言われておりますけれども、それをはるかに超える六〇%ぐらいの家計は、アメリカの中で世帯は貯蓄がないという社会でございます。貯蓄を持っている人たちの資産価値を下げないというのは、それは確かに持っている人にとっては非常に都合がいい話ですけれども、固定化しちゃうことが私は非常に危険性があるんじゃないかと思っています。いろんな機会の平等で、だれでも能力があって努力すれば社会で成功できるという社会を目指すべきだと思うんですけれども、資産が固定化しちゃうとそれすらかなわなくなってしまうと、教育も十分受けられなくなってしまうと。  アメリカにおいては医療制度ですね、医療保険、日本みたいな健康保険制度みたいなものないですから、高齢者とか貧困層にはありますけれども、一般の人たちは民間で医療保険に入らないと駄目だと。それで、お金がなくてそういった医療保険に入ってない、民間の保険に入ってなくて、そういった保険を掛けてない人が約五千万人、三億のうち五千万人もいるということでございます。病気になっても医者にも掛かれないし、薬も買えないという人が五千万人もいると。これはある意味、非常に私は日本はまねすべきでないというふうに思っておりますので、そのいいところと悪いところをしっかりと識別してやっていかないといけないのかなと。アメリカのいいところだけを取り上げて、日本はアメリカのとおりやっていればいいんだという議論をしていくと大きな過ちを犯してしまうんじゃないかなと思っております。  これは財務大臣にお話しすればいいと思うんですけれども、これはやっぱり税制が大きく影響していると私は思っております。ブッシュ大統領は、二〇一〇年には相続税を廃止するということを決定しておりまして、資産の固定化というのが更に高まっていきます。ずっと、共和党のブッシュさん、レーガンさんのときから、所得税の最高税率の引下げをどんどんどんどん行っていきまして、資産の再分配機能がどんどん低下したことが原因の一つだと私は思っております。相続税のその最高税率も今度下げられてきているということで、資産が固定化しちゃって、今言ったように、下がんないのはいいんですけれども、特定の人たちにそれが固定化されてしまうということが私は大きな問題だというふうに思っております。  これ、つい先週ぐらいの新聞にも出ていましたけれども、これは世界的にこういう傾向が起きております。上位一%の人が四〇%の世界の富を占めているというような状況でございまして、これが世界的に固定化しちゃうと、一生懸命努力したくてもチャンスがないという人が一杯出てきちゃうんだと思うんですね。  ですから、今の富の偏りを、アメリカの中でも問題ですけれども、これを世界的に広げることは非常に私は大きな問題だというふうに思っております。先日、地方の格差のときにアフリカ化というお話ありましたけれども、本当にそういう状況が世界全体で広まることは非常に危険だと思っておりますので、早い段階で私は警鐘を鳴らすべきだというふうに思っております。  そういった意味で、是非日本の、やっぱり何だかんだ言っても日本は世界第二の経済大国でございますから、リーダーシップを取って、世界全体の経済の在り方というか市場の在り方というところをやっぱり私は世界をリードしていく必要があるというふうに思っております。  もう時間もなくなりましたので、最後、今ちょっと私がお話しした点について、山本大臣、何かお考えあれば御意見をお伺いしたいというふうに思います。 ○国務大臣(山本有二君) 好むと好まざるとにかかわらず、地球上をファンドが覆ってしまった現実がございます。ケイマンであれバミューダであれ、我々にとりましてはいかんともし難い地域があること、また、そのことによってイコールフッティングのレベルが非常に下がってきて、中国、香港、シンガポールと比べて我が国の税体系における高止まりということも逆に指摘されるわけでございます。  それとこれとの調整というのは非常に難儀な面がございますが、富岡委員がおっしゃるように、国民が、しかも弱い者が泣かないような形で税体系、そして金融政策、つかさどってまいりたいというように思います。 ○富岡由紀夫君 これで質問を終わります。