165-参-財政金融委員会-8号 平成18年12月07日
平成十八年十二月七日(木曜日)
午前十時開会
参考人
社団法人全国貸
金業協会連合会
会長 石井 恒男君
アコム株式会社
代表取締役社長 木下 盛好君
全国銀行協会企
画委員長 平野 信行君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(家西悟君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
○委員長(家西悟君) 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として、社団法人全国貸金業協会連合会会長石井恒男君、アコム株式会社代表取締役社長木下盛好君及び全国銀行協会企画委員長平野信行君、以上の三名の方々の御出席をいただいております。
それでは、まず石井参考人からお願い申し上げます。石井参考人。
○参考人(石井恒男君) ただいま御紹介にあずかりました社団法人全国貸金業協会会長の石井でございます。
貴重な時間をいただき意見を言う機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
このたび、貸金業業界におきまして、多重債務者問題等の問題、まあ言わば業界の病理と申しますか、それを解決するために、貸金業規制法が貸金業法ということで改正される運びとなりましたが、この中に盛り込まれました参入規制、つまり悪質業者の排除のための参入規制、それから資金需要者の人権を守るための行為規制、それからそういうもろもろの環境を実現するために言わば業界のインフラ、つまり自主規制団体であります貸金業協会の改革とそれから個人信用情報センターの整備、それからクレジットをうまく使えない方々のためのカウンセリング機構の充実ということで、社会的なインフラがこれからつくられようとしている。これについては、私どももむしろ業界として提案してきたことでありまして、これが取り入れられたということについては、まず間違いなく多重債務者等の問題の解決に非常に役に立つと、こういうふうに思っておるわけであります。
ところが一方、同時に今回、三年後に導入しようとしております、言わば普通の商行為でいいますところの価格規制、つまり金利規制、それから融資の総量規制と、この二つの問題につきましてはどうしても私どもは異論を申し上げなければいけない。
このたびのこの金利規制は、百万以上は一五%、これは行政罰、これを超しますと行政罰が用意されているわけであります。それから、十万円以上は一八%、それから十万円未満の貸付けについては二〇%を超すと非常に重い刑事罰、つまり罰則が、普通の、今現存する消費者金融でいえば、二千万人の利用者がいる、それ以外の事業者、日賦も含めて、四、五十万社が扱っていると、事業者が、この分野がすべて罰則の対象になるということでございます。これは、はっきり言って、現下の貸金業者においては九〇%以上、いや、あえて言えば九九%の業者がこの価格規制の下ではビジネスモデルをつくり得ません。
もう既に、この法律ができる前に、現在、この法案がもう骨格をあらわにした段階で、相当の業者が撤退ないしは融資を停止しております。著名なところでいいますと、もう既に公表しておりますから、新聞等が、あえて言いますけれども、丸井の子会社でありますゼロファーストというのがもう撤退を決めました。それから、上場会社でいえば、北海道に上場していますアースという会社がもうこれを停止しました。それから、そのほかにもございます。そういうふうに、上場会社といえどもこのビジネスモデルの中で商売できないと。一体どういうことがこれから起きるんでしょうか。極めて私どもは心配しております。
利限法以上の金利で、消費者金融でいえば二千万人が使っている。多重債務者と言われる方、つまりこのうまく使えない方はそのうちの恐らく五%ぐらいであろうと。九五%の方々は、今こうして金利が高いと多くの方が言って、なおかつマスコミがそろって、大新聞がそろって貸金業者を高金利ゆえに攻撃しているという状況の中であっても、その利用はやめることがないんです。日々それを使っているという状況の中で、どうしてこれを犯罪の領域に、罰則の領域に普通の商行為をするのか、私は全く理解ができません。
価格規制というのは、歴史をさかのぼれば失敗の連続であります。しかし、これほどの規制は私は歴史に例を見ない。あえて言えば、百年さかのぼって、アメリカの禁酒法です、禁酒法。これは一八五一年だと思いますが、メイン州ですね、一部の、メイン州という州がありますけれども、そこの州で、つまり酒を飲んで暴れる亭主、酒乱の亭主、非常に困った。これに対する対策で、婦人活動家の活動の成果で禁酒法が成立する。ところが、この活動がどんどん全国的に広がって、ついに一九二〇年、全国的な規模で禁酒法が成立すると。
ところが、一体どうなったか。これは皆さん、昔、有名なアンタッチャブルという、FBIの、あの映画でよく御存じだと思うんですが、飲酒をするというごく普通の行為を禁止されて、でもこれはみんな、この法律をばかにするんです。皆守らない。飲む。しかし、供給者は、まじめな供給者はこのマーケットから退場させられてしまう。つまり、供給者は密造酒、あるいは密輸入者、つまりマフィアです。結果的にアル・カポネを代表とするマフィアの世界に膨大な富とその勢力を付けただけなんです。で、結局、大衆はこの法律を守らない。それでもこの法律が改正されるのは一九三三年、十三年掛かるんです。
恐らく、私は非常に心配しているのは、この法律できた後に物すごい弊害が、もうこれは供給者がいなくなりますから。銀行以外はいなくなります。そのときどうですか、皆さん。百万円を必要とする、一月。一万二千五百円以上取ったら罰則の対象になるんです。ところが、一月二万円払っても三万円払ってもそういう需要は全国津々浦々幾らでもあると思うんです。私はこの法律の実効性について極めて疑問を持っておりますし、お酒を飲むと同じような行為、つまり二%、三%払ってもお金を借りると、資金調達をしたいという普通の人の自由な選択を全部奪ってしまうと。極めて、何と申しますか、私どもの今置かれた世界的なマーケットメカニズムの中からは極めて遠い法律であると。
最後に申し上げますが、アメリカ、英国においては、アメリカや英国においては、イギリスですね、においては上限金利規制はございません。これは過去に上限金利規制をした結果、大変な弊害が出た。その結果、上限金利規制はない。それから、カナダは六五%か六〇%かその程度であります。オーストラリアでも四〇%以上であります。お隣の韓国でも六〇%台であります。それから、ドイツ、フランスにおいても、手数料等を含めれば、場合によっては三〇%、五〇%という金利が規制であります。
そういうことをもちまして、もうそろそろ私のあいさつを終えますけれども、金利規制については慎重にこれから見守って、結果、この法律ができた後が私は大変だと思います。
よろしくお願いいたします。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。
次に、木下参考人にお願いいたします。木下参考人。
○参考人(木下盛好君) ただいま委員長から御指名いただきましたアコム株式会社の木下でございます。
本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に際しまして、私どもの意見を述べさしていただく機会をいただき、感謝申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
意見を述べさせていただく前に、まず、消費者金融会社である弊社について説明さしていただきます。
弊社の創業は昭和十一年に呉服商を開始したことから始まり、対物信用である質屋業を経て、人を信用し、人から信頼される対人信用で融資を行う消費者金融事業を昭和三十五年から開始し、今年創業七十年を迎えました。営業開始以降、米国の消費者金融会社への視察や研究、試行錯誤を重ね、今日の消費者金融事業の形を構築してまいりました。
弊社は消費者金融事業の開始以降、五十年弱で八百万人を超える方に御利用いただいており、本年九月末現在で融資残高は約一兆五千七百億円、会員数で約二百八十万人のお客様に御利用いただいております。
私どもの事業は、お客様から申告いただいた情報に基づきお客様の信用を測り、信用力に応じて無担保無保証でタイムリーに資金を提供するものであり、現在、年間の信用供与額は約十兆円と言われる消費者金融マーケットは、こういった事業形態が多くの方々に支持されてきた結果であると思っております。
それでは、今回の法案につきまして四点ほど私の意見を述べさせていただきます。
今回の法案に関しましては、多重債務問題という社会問題の解決と、消費者金融市場をより健全なものとするために、貸金業者の業務の適正化から信用情報センターやカウンセリング機関の充実といったところまで、貸金業制度を幅広く見据えた実効性のある内容だと認識しております。
一点目は、このカウンセリング機関についてですが、カウンセリング機関の充実は多重債務問題に大変有効だと考えております。
この問題に対しましては、私が会長を務めさせていただいております消費者金融業界の任意団体であります日本消費者金融協会、JCFAにおきましても、返済困難になった債務者の無料相談窓口として、平成九年に東京と大阪で金銭管理カウンセリングサービスを開始しております。この金銭管理カウンセリングサービスは、債務整理を行うのではなく、金銭管理、家計管理のアドバイスを行うことに加え、心理的なアプローチから原因を探り、根本的な生活改善を図ることを重視して相談者のサポートを行うものであります。業界といたしましても、以前よりこの問題の重要性を認識し、微力ではございますが、取り組んでおります。
カウンセリング機関の充実につきましては、今後、内閣府に設置する多重債務者対策本部において御検討されるということであります。カウンセリングには、多重債務に陥らない予防的なもの、これは金銭教育と深くかかわる問題でありますが、これと事後の再発防止に向けたカウンセリングがございます。この両面での充実に期待するところであり、微力ではございますが、弊社及びJCFAともに協力することが必要だと認識しております。
二点目といたしましては、やみ金への取締り強化、参入規制の強化につきましても大変重要な対応だと認識しております。
現在、日本において借金返済が困難になった場合、個人版民事再生や自己破産など、救済方法は確立されており、消費者は各人に適した方法で債務整理が可能となっております。しかしながら、こういった制度を御存じでない方の平穏な生活がやみ金によって害されることが多重債務の問題を大きなものにしていると考えております。また、まじめに貸金業を営む気のない者が簡単に登録業者となり、違法な行為を行っている事例もあると言われております。これは、消費者にこの業界を正しく理解していただく障害ともなっており、消費者が貸金業者とやみ金との区別が付かなくなり、やみ金の被害に遭うという悪循環にもつながっております。したがいまして、違法行為への取締り強化や参入規制の強化は、健全な市場を維持するためには必要な措置だと考えております。
三点目は、みなし弁済規定の廃止についてであります。
昭和五十八年に成立した貸金業規制法において、小口金融を健全に育成することを目的とし、利息制限法を上回る利息についても一定の要件を満たすことで出資法で定める利息まで法的に認められることが定められました。これがみなし弁済規定でありますが、近時の最高裁判決においてこの法規定に極めて厳格な解釈がされ、みなし弁済を主張することが困難な状況に陥っております。特に、本件の影響といたしましては、最近では利息返還金、いわゆる過払い金の返還請求が急増しております。また、こういった状況に伴い、公認会計士協会による利息返還金に対する引当金の算定方法も変更され、将来発生が予測される返還金に対して一括で引き当てを行うこととなりました。これに伴い、弊社の今期の純損失は二千五百八十七億円の赤字を予測しており、経営に与えるインパクトは大変大きなものとなりましたが、法の安定化を図る意味で、当該みなし弁済規定を廃止するという判断をされたことは重要なことであると考えております。
四点目でありますが、規制金利の引下げの水準、貸出し総額の規制の在り方につきまして、これらの水準によっては多くの消費者のクレジット利用枠、つまり信用供与額を大幅に引き下げることになり、状況によっては日本経済へも影響するものだと考えております。
このようなクレジット利用枠の減少、つまり信用収縮がどのように発生するかでありますが、まず、今回の改正によって経営状況が著しく困難な貸金業者が多数廃業になり、供給サイドが減少いたします。また、金利引下げに見合った貸倒れコストの抑制策として融資対象者の限定や融資額の引下げが行われ、信用収縮が発生します。そして、こういった資金供給を閉ざされた消費者の一部がやみ金に流れる懸念もあります。
弊社といたしましては、急激な与信引締めにより市場を混乱させることのないように、慎重な対応を行っていく必要があると認識しておりますが、法案に盛り込まれているこれらの規定の施行までの期間において、公的支援制度等のセーフティーネットの拡充などの対応をお取りいただくことをお願い申し上げます。
また、今回の規制金利水準は、いわゆるゼロ金利下の議論であり、将来的には市中金利の上昇局面を迎えることなどから、今後は経済状況を勘案の上、柔軟に見直していただくことが市場の安定化につながるものと考えております。
最後ではございますが、弊社といたしましては、本法案における貸金業の適正化、過剰貸付けの防止などの改正の趣旨を十分認識し、コンプライアンスのより一層の強化と常に利用者の立場に立った業務を遂行することで消費者金融業界の健全な発展に努める必要があると認識しております。
諸先生方におかれましては、様々な見地での御研究を踏まえ御議論いただいていることは、消費者金融に携わる者として大変感謝しております。厚くお礼申し上げます。
以上をもちまして、私の意見陳述を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。
次に、平野参考人、お願いいたします。平野参考人。
○参考人(平野信行君) ただいま委員長から御指名をちょうだいいたしました、全国銀行協会企画委員長の平野でございます。
本日は、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案の御審議に際しまして私どもの意見を申し述べる機会をいただき、心より感謝申し上げます。
さて、今回の法案は、多重債務問題という社会問題の解決の重要性及び貸金業の社会的役割を勘案し、大きく三つのポイント、すなわち貸金業の適正化、過剰貸付けの抑制、金利体系の適正化といった課題に幅広く対応する内容であると認識しております。全体として、消費者信用市場及び業界をより健全、適正なものにする大きな改革であると認識しております。当委員会の諸先生方は本法案の内容をよく御存じでいらっしゃいますので、繰り返しになって大変恐縮ではございますが、私ども銀行界として十分理解をし対応しなければいけないポイントを中心に以下述べさせていただきます。
まず、貸金業の適正化に関する規定では、参入要件の厳格化、行為規制の強化、監督の強化などが盛り込まれており、いずれも重要な内容であると思います。このうち、参入要件の厳格化では、純資産を最終的には五千万円まで引き上げることや、法令遵守の助言指導を行う貸金業務取扱主任者に資格試験を導入し営業店ごとに配置することを求めております。また、勧誘に関する規制や取立て規制など、行為規制を強化することで利用者により安心して御利用いただける手当ても講じられております。さらに、貸金業協会の自主規制機能を強化し、広告や過剰貸付け防止等の自主ルールを当局が認可することとしております。
このように、業者及び業界サイドの自己規律を強化すると同時に、金融行政の事後チェック機能を強化する枠組みも用意されております。これまで、貸金業者に対しては、登録取消しや業務停止というある意味で最終的な措置のみが用意されておりましたが、今回の改正により、銀行に対してと同様、業務改善命令が創設され、貸金業者の業務運営を機動的に改善、適正化することが可能になるものと考えます。
次に、過剰貸付けの抑制では、総量規制が導入されるとともに、借入総量の把握を可能とするための制度整備として指定信用情報機関制度が創設されます。このうち総量規制では、貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務付ける、総借入残高が年収三分の一を超える貸付けなど、返済能力を超えた貸付けを原則禁止するといった内容が盛り込まれております。
融資実行に際して、借り手の返済能力を調査し、返済能力を超える貸付けを抑制するということは、貸手にとって基本的な行動であります。しかし、特に個人のお客様の場合には、法人とは異なり、そのバランスシートなどを容易には把握できないというのが実態でございます。今回、指定信用情報機関による残高情報等の交流が義務付けられたことは適正な与信判断に大いに資するものであり、多重債務問題の解決に向けた一つの有力な措置ではないかと思います。
第三に、金利体系の適正化についてでございますが、これまで、出資法と利息制限法という異なる金利規制の間にいわゆるグレーゾーン金利が存在しておりました。このことは、利用者にとっても業者にとっても、分かりにくさやあるいは法的不安定さなどの面で課題があったと認識しております。今回の法改正は、これまで五十年以上にわたって存在してきた二つの上限金利体系を一本化し、いわゆるグレーゾーン金利を撤廃するという大改革でございます。上限金利の引下げが、貸金業の適正化や過剰貸付けの抑制と相まって、多重債務問題を中心とした消費者信用市場をめぐる問題の解決に向けた重要な対応であると認識しております。
なお、本法案の最後の部分には、「政府の責務」として、関係省庁相互間の連携強化により、資金需要者が借入れや返済に関する相談、助言、支援を受けることができる体制の整備等に努めるという規定が置かれております。多重債務問題の解決には、貸手に対する抑制と合わせて、借り手自らが自分自身の返済能力を十分に把握、勘案した上で借入れを受けることが必要であり、その意味で本条文も重要な内容であると思います。
さて、銀行は従来、個人のお客様とは預金取引が中心、融資業務は法人のお客様との取引が主体でありました。しかし、我が国のマネーフローが大きく変化する中で、個人のお客様の資金ニーズは拡大しており、それにしっかりとおこたえしていくことが銀行の社会的責務であると考えております。
本法案は貸金業界に対する法律ではありますが、個人のお客様の資金ニーズにしっかりこたえていく上で、銀行業界としてもこの法律の趣旨を徹底的に理解し、認識を共有し、コンプライアンスの遵守は当然のことながら、より健全、適正な消費者信用市場の育成に役立てるよう努めていくことが重要であると考えております。そのため、本法案が成立いたしましたら、全国銀行協会として、今回の法律の趣旨を会員銀行に周知徹底してまいります。
さらに、より健全、適正な消費者信用市場を育成する上でますます重要になると思われます消費者相談機能についても、全銀協の取組を強化したいと考えております。全銀協では、従来から銀行とお取引のある方との相談窓口を設定しております。しかし、今日の多重債務者問題、より健全、適正な消費者信用市場の育成に貢献するとの観点から、その機能強化が必須であり、検討に着手したところであります。
最後に、繰り返しにはなりますが、消費者信用市場の適正な発展に向けて本法案は誠に重要なものであると認識しております。本法案を御審議いただいております諸先生方にお礼を申し上げまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○委員長(家西悟君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫と申します。
三参考人の方にはいろいろ貴重な意見をいただきまして、ありがとうございます。早速、短時間ですので、質問をさせていただきたいと思います。
今、聞いていて、ちょっとどう理解したらいいのか今悩んでいるんですけれども、石井参考人と木下参考人が今おっしゃったんですけれども、貸倒れのある可能性の人には貸さないんだと、融資を断るんだと、それが当然だということでお話しいただいておりまして、そのとおりだと思いますね。焦げ付きになるような融資というのは、それは当然やらないだろうというお話だと思います。
その一方で、最初の陳述のときに石井参考人等々から、今回、出資法の金利が引き下げられると信用収縮が起きると言っておりました。要は、融資をできる人が減ってしまうと、若しくは融資のできる金額が減ってしまうというお話いただいていたんですけれども、その話だとすると、逆に出資法が下がらなければそういう人たちには融資ができるということだと思うんですけれども、要は、もし金利が下がれば、返済能力が非常に心配だから、貸倒れの可能性があるから融資の対象から外そうという人が出てくるというお話なんですけれども、金利が高ければそういう人たちに対して高い金利で融資を行えるというふうに説明からすると理解できるんですけれども、これはどうも納得いかない、私としては理解できないんですけれども。
要は、金利が下がれば与信ができなくなるような対象の人に対して、金利の高い今では融資ができると、返済能力の低い人に対して高い金利で融資ができるというのが、それが非常に理屈に合わないというか、どう理解したらいいのか分からないんですけれども、その辺について木下参考人、教えていただければと思います。
○参考人(木下盛好君) 庶民金融といたしまして、やはりリスク・ベースド・プライシングということだと思います。やはり、金利に合わせて、例えば、おっしゃるとおり、リスクの高い方、貸倒れ率が高い方に対して融資をお断りした方がいいということだと思いますけれども、そういった、庶民金融といたしましては、やはりリスクのある程度ある方に対しても、お金が必要な場合は融資をしていくということが必要ではないかなと、こういうふうに思っております。
○富岡由紀夫君 まあ、よく分からないんですけれども。というか、全くよく分からないんですけれども。
石井参考人、何か今の件でお話ありますか。
○参考人(石井恒男君) 貸倒れというのは、貸す段階では貸倒れになると思って貸す人はいないんです。将来起きるんです、貸倒れは、それは。貸倒れになると思えば貸さないんです。でも、それは起きる。ある意味では、貸倒れになるということは、これは返さなくていいという、一種の救済ですね、それは。御認識が違うかもしれませんけれども。
ただ、例えばリスクの高い方、私ども中小業者は貸倒れ率が六・五%。百人借りると、まあ数字ベースでいきます、これは金額ベースの話ですけれども、簡単に借入人ベースでいいますと、百人借りると六・五人は返さないということに、裏を返せば、九十三・五人はきちっと返すと、こういうことです。
じゃ、この人たちに貸さなければいいじゃないかというお話になりますと、九十三・五人は資金調達の道がなくなると。その人たちに商人として金銭的な提供をすることが悪いのかどうか。これ、やっぱり融資するのが、商人としてはお客様の需要にこたえるという意味では、これ立派なことだと思います。貸倒れは初めから予測できるものではないと。
○富岡由紀夫君 まあ、今ので納得しろといってもなかなかちょっとよく理解できない、私はできないんです。──ちょっと、いいです、いいです。要は、信用収縮の対象になるような人に対して現状では高金利で、高金利である現状では貸せますよという、そういう話ですから、要は、信用収縮なるような返済能力の乏しい人に対して高い金利で現状は貸していると、なおさら貸倒れの可能性高くなるんだと、私はそういうふうに今、今日の説明聞いてそういうふうに理解したんですけれども、まあ、もう今日は議論する場じゃないんで、これは後の、来週の委員会の中でまた議論したいと思っておりますけれども、そういうふうに思います。
あと、ちょっと平野参考人にお伺いしたいんですが、この法案は大変重要だということで御認識されて、法案の趣旨もよく理解して、全銀協傘下の銀行にも周知徹底するというような意見発表がありました。この法案の趣旨がよく分かっていると、施行期間も三年近くあるということなんですけれども、法案の趣旨からすると、この三年の経過期間というのはこの信用情報機関の整備のためというところがあるわけでございまして、何というんですか、法案の趣旨からいうと、出資法の金利をすぐにでも下げるべきだというふうに理解するのが普通だと思うんですけれども、いろんな、今日いらっしゃる木下さんのアコムさんもそうかもしれませんけれども、この経過期間の間は利息制限法を上回る金利でもまだ融資をし続けるというような衆議院の参考人質問なんかでも、意見陳述なんかでもあったというふうに理解しているんですけれども、この点について平野参考人はどういうふうにお考えいらっしゃいますか。
○参考人(平野信行君) お答えをいたします。
これは、全国銀行協会の立場といたしましては、経過期間中の各貸金業者の対応については、各業者が個別に判断されていくのではないかという以上のことは申し上げられませんが、個別行といたしまして、三菱東京UFJグループとしてはどうかということでございますれば、経過期間が最終的に設定された場合には、私どものグループとしては、グループ各社の判断はもちろん優先いたしますが、その判断に至った事由等を見極めて、グループ各社とも協議の上で対応してまいりたいというふうに考えておりまして、例えばグループの中にダイヤモンドクレジットカードというのがございますけれども、ここではキャッシング金利を二〇〇六年、今年の八月十六日以降、新規分から利息制限法の範囲内に既に引き上げております。それから、UFJニコスというカード会社もございますが、これも今般の法改正に伴う上限金利引下げが固まったところで、経過期間を待たないで新規分からの金利引下げを検討している等の対応を行っているところでございます。
以上でございます。
○富岡由紀夫君 たまたまなんですけれども、今日、一番三菱UFJ銀行さんに近いと言われるアコムさんがお見えなんですけれども、あるいは事前の資料では、アコムさんには役員も、代表取締役副会長等々、あと取締役の方等がいらっしゃったり、出資も一二・九九%されていたり、あと融資、バックファイナンスというか、ファイナンスも取引もあるということで、三菱さんにとっては非常に親密な関係にあると思うんですけれども、アコムさんに対してはどういった指導というか、この法の趣旨を踏まえて、施行前でも利息制限法を超える金利ではやらないように指導するのか、そういうサジェスチョンをするのか、最終的には自主判断というお話だったですけれども、非常にこういう関係が深いということをかんがみて、どのようにお考えでいらっしゃるのか、参考までに意見あればお伺いしたいと思います。
○参考人(平野信行君) お答えいたします。
この問題につきましても個別行として御回答を申し上げます。
アコムさんと私ども三菱東京UFJ銀行との関係につきましては、先ほども御説明申し上げたとおりで、銀行には消費者金融の市場に関するノウハウがないということで、業務展開をするに当たって、与信のノウハウを豊富に持っておられるアコムさんと提携することで、より健全な消費者金融業務を展開して社会的なニーズにこたえていこうと、こういうことを元々始めた経緯がございます。
ただ、アコムさんは、今先生も御指摘のとおりで、上場会社でございまして、かつ私どもの出資率も全部合わせますと約一五%になるんですけれども、限られておりますので、基本的にはアコムさんの御判断を尊重するというのが私どもの方針でございます。
ただ、例えば、平成十三年八月にアコムとの合弁事業といたしましてスタートをいたしております現在のDCキャッシュワン、これにつきましては、今既にお客様に対しては利息制限法の範囲内で無担保ローン商品を提供しております。というようなことで、各事業に応じた判断があってしかるべしというふうに考えております。
以上でございます。
○富岡由紀夫君 議論する場じゃないんであれなんですけれども、一五%が高いのか低いのか、低いという御判断であればそうかもしれませんけれども。
ちょっと、あともう一点、融資の返済能力についてお話があったんで平野参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、過剰貸付けを抑制するために総量規制が導入されたということで、大変評価するという、三つの評価の中の一つでお話あったんですけれども、返済能力を評価するときに残高、年収をベースにして比較するときに残高って関係あるんですかね。私は余り意味ないんじゃないかと思うんですよね。
要は、年収と比較するんであれば、年間の返済金額、元利含めて、それが年収に対してどのぐらいなのかという比較で融資の与信を判断するんなら当然分かるんですけれども、残高が多い少ないでその人が返済できるかできないかという判断は、少なくとも私が銀行にいたころはそんな指導、教育は受けたことないんですけれども、急に変わったんでしょうかね。
あと、この法案はいろいろ議論なされているんですけれども、住宅ローンの残高が無視されていると。ということは、当然のことながら住宅ローンの年間返済額も無視されているということで、それで本当に融資判断、与信判断が適正なものとしてできるのかどうか。甚だ私は疑問なんですけれども、私がいたころと銀行の与信判断が変わったんであればまた別ですけど、その辺いかがでしょうか。
○参考人(平野信行君) それでは、お答えをいたします。
今二つお尋ねをいただいたと思いますが、まず、前者の問題についてでございます。残高だけで与信判断ができるのかと。誠に適切な御指摘だと思います。本来、返済能力と申しますのは、年収、個人の場合であれば年収その他、収入から支出を差し引いて残った余裕の中から借入れの返済をすると、こういうことでございますので、基本的にはキャッシュフローがあるかどうか。かつ、そのキャッシュフローが当該年度、あるいは借入れの期間に見合ったキャッシュフローになっているかどうか。今年、例えば三十万円返さなければいけないのであれば、三十万円資金の余剰が生じるかどうかというところで判断するのが正しい見方でございます。
現に、まあこれも個別行でございますけれども、私どもの個人のお客様に対する住宅ローンの貸出し等のお申込書を見ていただくと、今どういうお借入れがあってという残高と、どういう御返済のスケジュールに今なっているのかということも併せて教えていただくようになっております。ただ、この今回の法律改正に当たっては、やれるところから手を付けていく、それから、これは信用情報の機関の整備の問題もございますけれども、集められる情報から集めていく、残高だけでなくて、返済予定金額までもちろん全部集められればそれが最も望ましいんでしょうけれども、そこまでやるのは難しいというところでまず残高から入っていくというのは、最初の一歩としては一つの考え方、現実的なアプローチではないかというふうに理解をいたしております。
それから、二つ目でございますが、済みません、二つ目につきましてもう一度、恐縮でございます。
○富岡由紀夫君 いえ、もういいです。
まあ第一歩として残高で押さえようということですか。分かりました。もう本当にどうか、これは今度の議論でやります。
それと、さっきアコムさんとの関係を議論させていただきましたけれども、三菱さん以外の住友さんグループなんかもそれぞれノンバンク、貸金、いろいろこういう業界に、消費者金融の業界に資本提携なりいろいろされて進出されておりますけれども、今回、いろんな今回の出資法の見直しの問題も、この法案もそうですけれども、先ほどお話ありました社会問題がきっかけになったという認識をお示しされたんですけれども、非常に、一杯挙げれば、もう皆さん御存じだと思うんですけれども、多重債務者の問題、自殺者の問題とか、保険を掛けている問題とか、いろいろ大変重大な社会問題がきっかけになったわけでございますけれども、この社会問題のきっかけになっている業界に対して都市銀行が、今言ったように、業務提携なり、出資なり、バックファイナンスを付けるなり、そういったことをされているということは、都市銀行の今までやってきた信用第一の経営方針というか、そういったことに対してどういう説明の仕方ができるのか、これからまたどういう説明をしていくのか、教えていただきたいというふうに思っております。
○参考人(平野信行君) それでは、お答えをいたします。
今二つのお尋ねがございまして、一つは提携、もう一つが貸出しということであろうかと思います。
提携につきましては、先ほどの御質問でもお答えをいたしましたけれども、例えば個別行である私どもを取ってみれば、本来であれば育成すべき健全な消費者金融市場、ここに金融機関の一つの業態としてやはり貢献をしていきたいと。一方で、ノウハウが余りにも不足している、かつて何度か試みたことはありますけれども、必ずしもうまくいっていない中で、先ほど木下参考人からも御指摘があったような様々な取上げ、それから途上与信管理、それから回収等のノウハウの蓄積を持っておられるアコムさんと提携をするという形でこの分野に参入をしていくという考え方でやっているわけでございます。
それから、二点目の融資の問題でございますけれども、融資につきましては、これは各金融機関においてそれぞれのクレジットポリシー、貸出しの方針に応じた貸出しが行われているというふうに考えております。各お借入人の経営方針あるいは信用状態、将来の成長性等を総合的に勘案いたしまして、その融資を実行するのかどうか、価格設定をどうするのかといった個別の審査の下に各金融機関がお取り上げになっているのであろうというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○富岡由紀夫君 もう次の質問に行きますけれども、木下参考人にお伺いしたいんですが、この前の参考人の質疑の中で、日弁連の新里参考人からお話あったんですけれども、払う必要のない金利があるのに払わすということはやっぱりやめた方がいいんじゃないかと。要は、利息制限法を受ける、施行前までの、利息制限法を超える金利での融資が法律上はあと三年近くはできるわけでございますけれども、ただそれは本人の、契約者との契約の合意があっての話なんですけれども、いろいろと裁判になれば、さっきお話ありました、返還しないといけないとかいろんな可能性のあるところなんですけれども、そういう払う必要のない金利があるのにあと二、三年は払わすという行為について、それこそ業界を代表する、コンプライアンスを重視するという、さっきのお話の中で表明されたわけでございますけれども、木下参考人としては社長としてどうお考えになるか、教えていただきたいと思います。
○参考人(木下盛好君) 当然、三年後に利息制限に引き下がるということでございますので、その間、やはりお客様が継続してお取引していただいている、それは当社との契約によるものでございますので、当然今の契約のお利息でお支払いをしていただくということが適切かと思っております。
それと、ただ、我々といたしまして金利をいつ引き下げていくかということでございますけれども、やはり情勢その他、また先ほど申し上げました経営改革の進捗状況、そういったものを見ながら、いつの時期がいいのか、またどういった方法がいいのか、そういったものは検討していきたいとは考えております。
以上でお答えといたします。
○富岡由紀夫君 質問終わります。