169-参-財政金融委員会-7号 平成20年04月18日 平成二十年四月十八日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月十五日     辞任         補欠選任      簗瀬  進君     川合 孝典君  四月十六日     辞任         補欠選任      石井みどり君     林  芳正君      坂本由紀子君     中山 恭子君      西田 昌司君     尾辻 秀久君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         峰崎 直樹君     理 事                 大久保 勉君                 辻  泰弘君                 円 より子君                 愛知 治郎君                 田村耕太郎君     委 員                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 川合 孝典君                 川崎  稔君                 富岡由紀夫君                 平田 健二君                 水戸 将史君                 森田  高君                 横峯 良郎君                 尾辻 秀久君                 小泉 昭男君                 椎名 一保君                 田中 直紀君                 中山 恭子君                 森 まさこ君                 荒木 清寛君                 白浜 一良君                 大門実紀史君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    参考人        中央大学法科大        学院教授     森信 茂樹君        東洋大学経済学        部教授      高橋 洋一君        一橋大学大学院        法学研究科法務        専攻教授     水野 忠恒君        慶應義塾大学経        済学部准教授   土居 丈朗君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人の出席要求に関する件 ○平成二十年度における公債の発行の特例に関す  る法律案(内閣提出、衆議院送付) ○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出  、衆議院送付) ○揮発油税等の税率の特例の廃止、道路特定財源  諸税の一般財源化及び地方公共団体の一般財源  の確保のための関係法律の一部を改正する等の  法律案(直嶋正行君外七名発議) ○所得税法等の一部を改正する法律案(直嶋正行  君外七名発議) ○租税特別措置法の一部を改正する法律案(直嶋  正行君外七名発議) ○揮発油税等の税率の特例の廃止に伴う調整措置  の実施に関する法律案(直嶋正行君外八名発議  ) ○租税特別措置の整理及び合理化を推進するため  の適用実態調査及び正当性の検証等に関する法  律案(直嶋正行君外八名発議) ○派遣委員の報告     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。  今日は、四参考人の皆さんにはお忙しいところをお越しいただきましてありがとうございます。  いろいろと埋蔵金の問題、今この委員会で大きく議論されておりますので、高橋参考人にまず最初お聞きしたいところなんですが、いろいろと今、土居参考人等々のお話聞きましたら、ちょっと一言まずお話を申し上げてから質問をさせていただきたいと思っております。  土居参考人と水野参考人は政府税制調査会の専門委員に加わっていらっしゃいまして、多分その中で議論されたことが今回のいろんな税制改正案なんかにも反映されていらっしゃると、そういう意味で、水野参考人は今回の税制改正案は適正だというふうにお話しされたんだと思いますけれども、ちょっとその点について私、若干疑問があるものですから、一言、二言お話しさせていただきたいと思います。  今、土居参考人のお話の中で、埋蔵金はストックなんだからストックに戻す、戻すんだったらストックに戻すべきだというお話ありましたけれども、例えば財政融資特会の今あるストック、積立金は、これは今はストックですけれども、元々フローもありまして、フローの積み上げであるわけですね。ですから、例えば毎年のフロー、二兆、三兆、四兆ありますから、そのフローの分を一般会計に入れるとか、そういった使い方を私はできるんじゃないかなというふうに思っております。  それと、先ほど金利変動リスクをゼロにできないんじゃないかというお話ありましたけれども、これはまさしく政府が言っているんですけれども、もうゼロに近づけるんだと、財投改革によってやるんだということを言っているわけなんですね。財投貸付金額もこれ今までみたいに何十兆じゃなくて、もう九兆とか八兆とかそのぐらいのレベルでございまして、それと貸付計画、貸付けの返ってくる償還計画も全部分かっています。そして、いろんな国債の発行している部分の、財投債発行している部分の償還計画も全部出ています、預託金の戻る金額全部出ていますと、全部コントロールできるわけなんですね。  私、銀行にいたんですけれども、そういうときはもうほとんどコントロールできて、金利変動リスクがゼロに抑えることができるというか、逆に、しないと、それこそ何やっているんだということで株主代表訴訟で経営者が訴えられちゃうわけですよ。ですから、金利変動リスクがゼロにはできないかもしれませんけど、限りなくゼロに近づけることはできるんです。ここまで明らかに資金管理ができていればできるというふうにちょっと付言させていただきたいと思います。  それと、あといろいろ気になったので、消費税のこの資料をいただいたものなんですけれども、これ所得に応じて消費に全部回るという前提で書かれているんですけれども、私もつたない銀行員生活十六年やっていましたけれども、お金持ちのほど、所得がいっぱいある人のほど貯蓄性向高いです。消費できるだけ抑えます。全部銀行に預金でたまってきちゃうんですね。ですから、消費税払いません。そういう意味では、逆進性がないというふうにお話ありましたけれども、理論的には、経済学上はそうかもしれませんけれども、現実社会ではお金持ちの人ほど貯蓄していて消費に使わないという、そういう傾向がありますから、是非今後の税制調査会の中での議論で参考にしていただきたいというふうに思っております。  そして、是非高橋参考人にお伺いしたいと思いますけれども、今日は非常に新しい提案で、埋蔵金じゃないんだと、これは露天掘りだというお話でありましたけれども、これは本当にすばらしいことかなと…… ○委員長(峰崎直樹君) 富岡さん、ちょっと先にお伺いしますが、今の土居参考人に対するのは質問ですか。 ○富岡由紀夫君 ちょっと後で聞きます。  露天掘りのことについてお伺いしたいんですが、今、先ほどお話出ました、私は、二十兆円二十年度末で出てくる、そのうち九・八兆円は国債の圧縮に使うので残った十兆円を今まで暫定税率の税収不足に充当できるんじゃないかという議論をしていたんですが、その九・八兆円自体をそういった税収不足の分に充当できるという今日はお話あったものですから、それは非常に私はすばらしい発想だなというふうに思っております。  全部、国債整理基金に九・八兆円を戻すんじゃなくて、三兆円ぐらいは、二・六兆円相当分ぐらいは一般会計に入れるということができるというお話なんですけれども、これは手続上どういったことが行えばできるのか、お伺いまずしたいというふうに思っております。 ○参考人(高橋洋一君) 政策論ですからいろんなやり方があるのかもしれませんけれども、多分一番簡単なのは、ただ単に国債を三兆円出せば全く経済効果は全く同じですね。ですから、国債を三兆円更に出して、それを一般会計に入れて、それで九・八兆円償還すればいい。  ですから、まあやり方は多分たくさんあります。しょせんお金の話なんで、お金に色は付いていないと言っちゃいけませんけれども、補正を組むもいいし、いろいろとやり方はある。もうテクニカルにたくさんあって、頭に浮かびませんけれども、多分一番簡単なのはただ単に三兆円国債を出せばそれで終わると思います。 ○富岡由紀夫君 本当にすっきりいたしました。ありがとうございます。そういうことでやろうと思えば幾らでもできるというふうに理解いたしました。  それと、先ほどちょっと詳しくお話しいただけなかったんですけれども、外為特会の埋蔵金、いや間違えました、露天掘りですか、について、これも十八兆円ぐらいあると。で、今問題になっているのがその借入れしていて、それでドルで持っているわけで、今円高で含み損があるからそれは使えないんだということで財務大臣なんかはおっしゃっているんですけれども、その含み損の関係と埋蔵金の関係、あの露天掘りの出ている宝の山に対してその辺の関係はどういうふうに考えたらいいんですかね。やっぱりその含みがあるとそれは使っちゃいけないものなのかどうか、それは含みを実現するためには清算するわけですけれども、そういったことを想定した上でそういった議論が財務大臣は、政府はやっているのかどうか、その辺はどういうふうに整理したらいいのか、お伺いしたいというふうに思います。 ○参考人(高橋洋一君) 外為の場合は、多少ちょっと議論が複雑になるのはそのとおりだと思います。  ただ、その外為がなぜあるのかって考えますと、これは為替の急激な変動がなくなるためですね。ですから、元々どうして為替がそのように変わるのかって考えますと、ちょっといろんなアイデアが出てくると思うんですが、一番為替が大きく変わる、長期的に大きく変わる要因というのは、実は、為替というのは元々通貨の交換比率ですから、それぞれの通貨の維持、価値とかそういうのに依存する。ということは、要するにそれぞれの国の金融政策に結構依存する話なんですね。  それで、海外なんかは実は余り外為資金を持っていないというのは、ほとんど似たような金融政策をする、結果的にすると、余り動かないというのがあります。  それで、日本だけ見ますと、実はその物価の上昇率が結構為替に影響がある、長期的にはあるんですけれども、日本の物価の上昇率だけ十年間は余りにもなくてほかの方があるんですね。こういうのをずっと放置しておきますと、実は潜在的には円高になり得るんです。  ですから、どちらかというと、余り為替が動かないようなマクロ経済政策というのを取る方が実は簡単だと思います。ですから、そういうのを取った上でこれだけ必要なのかどうかというのを議論しながらやっていくというのが多分王道だと思いまして、私の印象ではきちんとしたマクロ経済政策があれば、余り円高とか、余り円安というのはなくて、そういう状況の下で考えれば、埋蔵金というか、それを資産、負債を整理していって圧縮していった段階で出る可能性はあるのではないかなというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 政府は、今回、積立金、財政融資特別会計の積立金の準備率というか、それを一〇%から五%に引き下げましたけれども、私は参考人のお話を伺っていますと、まだそれでも高いなと思っているんですけれども、今の財投特別会計、財政融資特別会計のこういった今の資産・負債バランス、いろんな資産のALMの状況、そういったものを考えたときに、本当に必要な金利変動準備率というか、率は大体どのぐらいで足りるか、もしお分かりになれば、三月まで財務省にいらっしゃったんで一番詳しいと思いますので、お伺いしたいと思います。 ○参考人(高橋洋一君) 財務省はかなり前に辞めております。ここ十年間はいませんでしたのでよく分かりませんけれども、まさしくそこが問題で、この資産・負債差額というのは民間企業でいけば繰越利益に相当するわけですね。  ですから、そのようなことをどのように、あったときに、それをどのように処分してどのように決めるかって、実は普通の民間だったらこれは株主が決める話ですね。  ですから、まさしく国会の中で、この場合は多分株主って国民だと思うんです、私は。ですから、国民がこういうふうにリスクを取ってくれということを決めれば、政府はその代理人ですからそれに従うしかないんだと思うんですね。  ですから、何%が適切になっているかというのを聞くんじゃなくて、実は何%という金利リスクをこういうふうにしろということを政府に命ずるというのが本筋じゃないかなと思います。  例えば、銀行でそれぞれ執行人が、自分たちがこうだと言ったときに株主が駄目と言ったら終わりなんです。ですから、この埋蔵金の議論云々というのは実は国民の方が決めるべき問題で、さっきも申し上げましたけど、リスクを取らないでくれ、だからこのようにしてくれということを、政府というのは国民の代理人ですから、そこに命ずるなり頼むということになるんじゃないでしょうか。  今現状でどのようになっているかというと、私はちょっと正直言ってデータがないから分からないです。分からないですけれど、理屈だけ言えば、さっき、財投債というのがありますので、それは財投債というのは貸付期間と調達期間が理論的には同じにできるんです。ですから、すごく少なくできる。その財投債がなくてもかなりリスク管理ができるんですから、それが財投債という言わば究極的なリスク管理の手法があれば、それはかなりゼロに近づくことはできると思いまして、そのリスク管理の量と実は積立金というのは連動しているんです。金利リスクの量と積立金が連動していて、ある確率で金利リスクがあったらこれだけ必要だという形になるんですね。  ですから、それはマネジメントとして政府にどうしろというのは、実は国民の方が政府に要求するような問題じゃないかなというふうに思っております。 ○富岡由紀夫君 私も非常にそういうふうに同感でございます。  私も、ゼロにしておいて、本当に金利がミスマッチで、金利の損失が出てきちゃったら、そういった発生した場合は、よく民間の企業だと余分なお金を寝かせておかないんですよね。当座貸越し枠、クレジット枠をつくっておいて、そういったときに一時的に借りられるような枠をつくっておいてそこで充当するというやり方があると思うんですね。国も同じように、別に積立金を残しておくんじゃなくて、当座貸越し枠をつくっておいて、例えば政府短期証券を一時的に発行するとか、それでつなぐとか、そういったことも十分考えられる、私は、というふうに思っています。  そういった考え方をこれから国会の中で議論して、それはやっぱり法案の改正が、予算の見直しとかそういったところが必要になってくると思いますけれども、そういった考え方について、高橋参考人、もし御意見あればお伺いしたいと思います。 ○参考人(高橋洋一君) 今のもテクニカルには一つの解になり得ると思います。  ただ、もうちょっと単純な話もあると思いまして、実は民間企業でしたら、債務超過になったらこれは大変なんです。ただ政府は、債務超過になっても帳簿上繰越し損失を立てればそれはそれで回っていくという考え方もあり得ます。ですから、逆に言うと、いつも積立金をなくした状況で一年間のパフォーマンスを見るという考え方に立つと、いつもゼロにしておいて、パフォーマンスを見て、それがプラスかマイナスだけ見ていくという考え方も理論的にはあり得るんじゃないかなと思います。  ですから、これはまさしく、どのような形で国会が政府をガバナンスするかということに依存するんですね。ですから、お金を与えておいてそれでその範囲でやりなさいと言うか、全部お金を取っちゃってあときちんと面倒見ますよと言うかというやり方の差のような気がいたしますので、そこはまさしく政府をどのようにガバナンスするかというやり方の問題だと思うので、理論的にはたくさんあって、どれでも私は結構まあ回るというか、きちんとうまくいくんじゃないかなというふうに印象を持っております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  あと、ほかの参考人にも質問させていただきたいと思いますけれども、森信参考人にお伺いしたいと思うんですが、環境税の問題をお話しいただきましたけれども、今回の道路特定財源の暫定税率の引下げとは私も切り離して環境税の問題はやっぱり考える必要があるというふうに思っているんですけれども。今回は、ガソリンに関する、自動車に関するところだけなんですけれども、環境税という話になってくると、やはりいろんなCO2の発生源というか、いろんな産業、ほかの産業界とか、いろんな家庭でもそうですし、いろいろありますけれども、その辺の議論をどういうふうに展開すべきなのか。今回のガソリンの問題とやはりある程度関連付けた中で議論すべきなのか、それとも、全く真っ更にしてゼロから議論すべきなのか、その辺をお伺いしたいというふうに思います。 ○参考人(森信茂樹君) 私の今の段階の考え方をお話ししたいと思います。  今おっしゃいましたように、まさに環境税といいましても大きく分けて二種類あると思います。  一つは、既存のエネルギー税を集大成して、これが高いことによって環境にいい影響を与えるという意味での環境税。それから、先ほど申しましたが、まさにCO2の排出量に応じてもっと、あらゆるCO2を出すものすべてに網をかぶせていくという北欧型のやり方があると思います。  私はこの問題、二つの問題があると思いますけれども、時間軸が、来年度の暫定税率相当分の税収をどうするかというところが一つ大きくあろうかと思いますので、この抜本の中で議論する時間は当面限られているのではないかと。そうしますと、これは私の考え方ですが、当面は、ドイツとかイギリスとかやっておりますような既存の税目を環境税として位置付けていくというやり方でやっておいて、同時に本格的なCO2税という形で再来年度以降の議論につないでいくべきではないかというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございました。  水野参考人にお伺いしたいんですけれども、あと土居参考人にもお伺いしたいんですが、政府税調のいろんな大綱なんかをまとめたものを見させていただくと、いろんなやっぱり格差が出てきているというお話がありまして、その中で、その格差を是正するために所得税の累進税率、今まではずっと弱められる傾向がありましたけれども、少し戻してもいいんじゃないかと、そういった議論もある。また法人税についても、法人税、また地方法人二税、ずっと下げられてきておりますけれども、そういったものも見直してもいいんじゃないかというふうな議論もあったかと思うんですけれども、今の個人の所得格差、そういったものを是正する意味で、所得税の累進税率の見直し若しくは相続税の累進税率の見直し、ずっと弱められてきている傾向にありますけれども、そこら辺のまた見直しについてどういうお考えを持っているのか、お伺いしたいというふうに思っております。  暫定税率引下げでここ数年は一時的なそういった財源の問題を考えないといけないわけですけれども、ただ、長い目で見ると、そういった税の抜本的な見直しによって日本の税制の在り方をやはり構築していかないといけないと思っていますので、そういった観点でお伺いしたいというふうに思っております。 ○参考人(水野忠恒君) 税率をどうするかという問題、特に最近言われております格差の社会というんですか、先生がおっしゃいますように、やはり税率は非常に重要な問題ですので、だんだん比例税率化しつつあった所得税が、これは住民税との関係もありまして五%から四〇%までという、累進が以前よりも強まっておりますが、この方向はしばらく続けるべきではないかと思っております。  それから、法人税は直接格差につながるかどうか難しいところですけれども、以前は四二%が基本税率でありましたけれども最近は三〇%に下がっている、こちらの方ですが、これは国際的競争力その他我が国の経済情勢を見ますと、これについて税率を上げたりする、これはちょっと今の状況では私は無理で、あえて言えば、するべきではないと考えております。  以上でございますが。 ○参考人(土居丈朗君) 御質問をいただき、ありがとうございます。  私が考えておりますのは、所得税の累進度というのは先生がまさにおっしゃいましたように下がってきていますから、当然、この所得格差是正ということを図るには、やはり所得税の累進度を上げるということによって直接的にそういう問題を解決するということはあります。ただ、さはさりながら、別の意味でも所得格差是正ができるんじゃないかと考えているのは、低所得者に対する税額控除を認めるということは、別途これは考えられると思います。  つまり、今ですと課税最低限以下になる所得の方だと、何の恩恵も受けずに単に所得税がゼロになるというだけで終わってしまうわけでありますけれども、税額控除という方法を使いますと、しかるべき還付が受けられるというようなことだとか、例えば児童税額控除を受けられるというようなことを設けますと低所得者に対しての配慮がなされると。累進税の税率の問題もさることながら、そういう税額控除なども活用して所得格差是正に対応するということは考えられると思います。  さらには、相続税のことにもお話が及びましたけれども、相続税も当然しかるべき相続税をきちんと取るということは必要だと思っております。むしろ、その課税ベースを広げて税率を下げながら実効性のある形で相続税を設けるということはあり得ると思います。  先ほど先生がお触れになりましたけれども、お金持ちほど貯蓄をすると。でも、お亡くなりになるときには結局は相続税という形で取れるということはありますから、確かに消費税では取れ漏らしがあるかもしれませんけれども、そこは相続税でその税収を取るという形で対応するという方法もありまして、そういう意味では格差是正というところも消費税を用いても相続税でカバーできるのではないかというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  私も所得税とか相続税の税率の変化についてずっと注目して調べてみてきているんですけれども、例えば相続税、平成十五年度の税制改正ですと、相続評価額が二十億円以上の人が今まで七〇%の税率が五〇%に下がったんですね。これはもう政府税調さんのいろんな意見が出てきて、それが税制改正につながったわけですけれども。  ただ、そのときに、相続評価額二十億以上で七〇%だった税率が五〇%になってその恩恵を受けられた人が年間どのぐらいいるかということを財務省さんに聞きましたら、年間三十人ぐらいしかいないということなんですね。だから、日本の要するに超お金持ちの三十人ですよね。一億二千七百五十万人のうちの三十人の人のために大幅な相続税の引下げをやっているというのは、これは金持ち優遇以外の何物でもないのかなと。税制調査会の皆さんはお金持ちだからそういう議論になるのかもしれませんけれども、ちょっとややその辺が偏った議論なのかなというふうに思っております。  今言ったように、貯蓄をためていた人が相続のときにちゃんと是正されれば、格差是正されれば、それはもちろんこしたことはないんですけれども、そういうことが今弱められてきているというところが私は問題だと思っているんですね。  あと、水野参考人が先ほどお話ありましたけれども、企業の課税については国際競争力の観点からいかがなものかというお話ありましたけれども、とはいっても今史上空前の日本の一部の大企業は利益を上げているというのも事実でございまして、課税所得額、去年一年間で五十七兆円ですか、一番過去最高の利益を上げているということで、そこから私は税を取るべきだというふうに思っているんですね。担税力のある、ちゃんと税金を負担できるところに税負担をお願いするというのが基本的な考え方だと私は思っておりまして、ただやみくもに法人税率全部上げるんじゃなくて、所得税の累進税率と同じような形で、法人税にも所得金額、要するに利益ですね、に応じて税率を変えていく必要も、そういった考え方もあるのかなと思っております。  今も中小企業に対しては税率が軽減されていますから、八百万以下ですか、のあれについては法人税率は変えてありますから、それと同じように、そんなに全部一律に上げるんじゃなくて、例えば所得が年間百億以上とか三百億以上とか、一千億以上とか五千億以上とか、要するに一般の中小企業では到底もうそんな利益を上げるなんということは想定できないんですけれども、ただ一部の大企業はそういうことを、実際に利益を上げているわけですから、そういったところにある程度税負担をお願いすると。今まで、昭和六十二年ぐらいですか、までは四三・三%の法人税率、今三〇%に下げてありますから、それをある程度段階を踏んで引き上げるということも私は必要になってくるのかなというふうに思っております。  企業の国際競争力上がって、国民みんなが幸せになればいいんですけれども、今そうじゃないんですね。その企業だけが利益を上げて、それはどうやって上げているかというと、下請の中小企業とか従業員に負担を押して給料を下げたり、正社員から非正規社員に変えたり、あと、中小企業に対していろんな下請の価格をたたきにたたいて、原材料を入れる会社にもそういった納入価格を下げて、そういった中小企業に、どちらかというといじめながら大企業だけが利益を上げていると。そこはやっぱりある程度税率を高くして、税金が高くなってくれば私は、税金払うぐらいだったら従業員に給料払おうとか、税金払うぐらいだったら、よく接待費ありましたよね、どこか飲みに行こうとかそんなのありますけど、そういうインセンティブにつながっていくんじゃないかなと。税金を払うぐらいだったらもっと下請の企業にもうけさせてやろうと、そういうことにつながるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういった法人税の税率の引上げ、見直し、もう全部じゃないですよ、中小企業をいじめるんじゃなくて、本当に一部の何百億円も毎年利益を上げているような企業に対して、段階的に応じて上げる必要があるのかなと思っているんですけれども、その点を改めて水野参考人と土居参考人にもお伺いしたいと思います、法人税率に限ってお伺いしたいと思います。 ○参考人(水野忠恒君) 今先生のおっしゃった御意見ですけれども、私も決して反対ではございません。日本が景気低迷しまして十年間でしょうか。そのために、例えば税制調査会の中で経済界、いわゆる経済団体の方々は必ず法人税率を下げてくれと、そういう意見を言われていまして、私は毎回反対してきたんですけれども、三〇%まで下がって、それでその先どうするかという議論のときに、研究開発減税とかいったように、政策的に集中して負担の減少を図った方がいいのではないかと、そういうことで研究開発減税それから情報機器の減税が行われたわけですが、どうもそちらの方が効き目があったなということで、ですから私、これ以上下げるかどうかということはまた議論があると思うんですが、税率については、これは何となく今現在、上げる場合には段階税率といいますか、幾つかの種類を設けてやるしかないのではないかというように考えております。  というのは、いわゆる経済情勢が読めないと申しますか、そういうことがございまして、三〇をじゃ今度は三五にしてみますかと、それはちょっと予測が付かないものですので、三〇、現在これより下げるのはちょっと困るけれども、この辺りで止まっているのが無難かなと、多少無責任で申し訳ございませんが、失礼いたしました。 ○参考人(土居丈朗君) 今御質問いただきましたけれども、私自身といたしましては、特に雇用との関係をきちんと見た上で法人に対する税負担をどう考えるかというのを精査することが重要だと考えております。  確かに先生御指摘のように、大企業で税を減免したからといって雇用が増えないという可能性があるということは、そういう要素があります。他方、必ずしもそうではなくて、ある意味で雇用促進のための措置を講じた企業に対しては税を減免するという可能性で、それで大企業といえどもきちんと雇用を確保した上で事業を日本で営むという可能性もあると思っています。  その意味でいいますと、ただひたすら本則税率を上げれば、それで本当に大企業は日本から逃げずにそのまま税を払うということになるかどうかということになりますと、私は怪しいと思っております。私は、もちろん企業の内部の経営戦略については何も存じませんけれども、例えば大手の自動車メーカーが突然シンガポールに本社を移すなんというようなことがあれば、たちまち日本の税収は落ち込むということもありますし、さらには、せっかく税率を上げたということだったとしても、それは取りはぐれてしまうというようなことにもなりかねないという点は気を付けるべきだと思っておりまして、その税の掛け方と会社の雇用創出との関係、これをにらみながら法人税制の在り方を考えていくということが重要ではないかと考えております。 ○委員長(峰崎直樹君) 富岡由紀夫君、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。 ○富岡由紀夫君 今の日本の法人税率を上げれば海外に行っちゃうという話ありますけれども、日本国内で上げた利益については日本で課税するのが国際課税の決まりですから、逆にそれを要するに認めちゃうと、それが発生するということは課税逃れを、穴を認めちゃうという話ですから、そこはないように是非政府税調の中でも議論していただきたいと思います。  日本の国内で上げた利益は日本で課税されるわけですから、どこに本社を置いたって、上げられるわけですから、余り私は個人的には法人税率の高い低いが日本国内に本社があるかないか、余り関係ないんだというふうに思っております。  これで時間が参りましたので、質問を終わります。以上です。