166-参-政府開発援助等に関する…-5号 平成19年03月14日 平成十九年三月十四日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  二月二十七日     辞任         補欠選任         藤本 祐司君     若林 秀樹君      柳澤 光美君     藤末 健三君      小林美恵子君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山崎 正昭君     理 事                 阿部 正俊君                 小泉 昭男君                 犬塚 直史君                 富岡由紀夫君                 浮島とも子君     委 員                 岡田  広君                 神取  忍君                 岸  信夫君                 中村 博彦君                 野上浩太郎君                 朝日 俊弘君                 江田 五月君                 大久保 勉君                 加藤 敏幸君             ツルネン マルテイ君                 藤末 健三君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 大門実紀史君                 近藤 正道君                 亀井 郁夫君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    参考人        神戸大学大学院        国際協力研究科        長        高橋 基樹君        国連人口基金東        京事務所長    池上 清子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府開発援助等に関する調査  (外交戦略の視点から見たアフリカ支援と貧困  削減に関する件)     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。  今日は、両参考人に貴重な御意見をちょうだいいたしまして、本当にありがとうございます。  まず、お二方にそれぞれの立場からお伺いしたいと思います。  先ほど高橋参考人、池上参考人からお話ありましたけれども、アフリカのこういう非常に貧困に苦しまれている人たち、病気に苦しまれている人たち、こういう人たちを救うのはやっぱり人道的観点から、人間として、やっぱり外交戦略とかそういうのを云々にして、やはり必要な部分があろうかなと私は思っております。ただ、さっきいろいろ意見の中でも出ましたけれども、日本のやっぱり国家予算というものも厳しいのが現状でございますので、そことの兼ね合い、国民の理解をどうやって得るかというのが必要な問題、必要な大きな重要なテーマだと思っております。  ですから、私は、もっと国民に、テレビなりいろんなメディアを使って、アフリカで本当に苦しまれている人たちがこんなにいるんだと、こういう窮状にあえいでいる人が一杯いるんだということをもっともっと日本の国民に知ってもらう必要があるんじゃないかなと思っているんですね。そうすれば、人間としてだれかが救わなくちゃいけないと、そうなったときに、日本は何だかんだ言ってもまだ世界第二位の経済大国でございますから、この日本がやらないでだれがやるんだという気概を持って、国民の理解も私は徐々に得られるような形に持っていくのが私も含めて政治家の役割であるし、皆さんがその現場と、いろんなそういった人たちを輩出されている立場の人たちの共通の役割だと私は思っておりますので、そういった観点で、まだまだ課題が多いと思いますけれども、どういうことを更に取り組んだらいいかということをまずお伺いしたいと思います。  それと、あと、先ほどアフリカの食料の自給率の問題がお話ありましたけれども、私もあるテレビでドキュメンタリーで見ましたけれども、アフリカが本当に食料輸入国になってしまっているということでございます。貧困をなくして経済的自立をそういう後開発国が、開発途上国がやるためにはまず農業基盤、食料の意味からも、食料自給の意味からも農業基盤、農業の産業としての農業が確立しないといけないと思うんですけれども、なかなかそれができない。海外から、しかもそれが先進国から食料品が輸入されていると。先進国は輸出補助金を付けたり自国の農産業に補助金を出したりして、結果的には安い農産物がアフリカ諸国に入ってしまっているといった報道もございました。また、WTOのいろんなかさを着せて経済の自由化を先進国が迫っているんだといった報道もありました。  今、アフリカ諸国は、そういった政治的には国際的なグローバル化という名前の下で自由主義経済の中に組み入れられて、関税もいろいろと下げられたり、いろんなそういった側面があろうかと思っています。アフリカのこの自立に当たって、経済の自由化というものが本当にうまくスムーズに機能できるのか。要するに、もう前提として、開発途上国というのはもう最初から不利な初期条件の中で競争、世界のグローバル化したマーケットの中で競争をさせられるというのはこれは甚だ最初から無理な話でございますので、そういったところをどうやって考慮したらいいのかといったところもお話しいただければというふうに思います。 ○参考人(高橋基樹君) ありがとうございました。  非常に重要な問題かと思います。国民の意識を変えるというのは大変おこがましい言い方でございまして、私はどちらかというと、国民一人一人の中には、御自分の生活で大変苦しく、目先のことでやっぱり政府が助けてくれたらいいと思うようなところもあれば、同時に海の向こうの非常に気の毒なことに思いを致す、そういう両方の面を持っているのが普通の方々ではないかと思います。  私、アフリカに最初に行ったのは二十七年前でございますが、そのころはもううちの祖母などは、もうどこか何か地獄の果てにでも行くような感じで思っておりました。しかし、うちのゼミ生などはもう女性を先頭にどんどん気軽に出掛けてまいります。これも円高のおかげかと思いますが、同時に、世界に対する視野というのが非常に広く広がってきている。これは日本にとって非常に大きなチャンスであろうかと思います。  その中で、先生おっしゃったとおり、アフリカに気の毒なことがあるのはもうそのとおりでございまして、例えば都市のスラムに行って、カメラを持ってちょっといい格好をしていると子供がたくさん集まってまいります。本当に楽しいんですね。一緒に写真を撮りますと、いい写真が撮れます。ただ、思うんですが、その生まれた子供たちの五人に一人、スラムですから衛生状況悪いので、場合によっては四人に一人は五歳まで生きられないという状況がある。こういうことをよくよく我々は中学、高校辺りから開発教育ということで教えていく必要があるのではないか、これは私が強く思うことでございます。その点では、やはり教育研究機関の中で一番新しく知見を開拓していかなければいけない大学院の教師の力の足りなさというのを非常にしみじみ思うところでございます。  同時に、もう少しメディアの方にも勉強をたくさんしていただきたい。そのように、アフリカが非常に悲惨なところばっかりある、その問題に取組があるということが報道されないんですね。一つ、飢餓観光という言葉がございます。あるいは大飢饉があると、サイトシーイング、観光のようにメディアが出掛けていって、物見高いいろんな人を連れていって見せて、これがアフリカの全体であるというイメージを言ってしまう。これでは多分、本当のアフリカのイメージというのは、もちろん非常に悲惨な、世界の最も悲惨なことを伝えることは必要なんですが、それだけではアフリカの抱えている問題の難しさというのは分からないんだろうと思います。非常にショッキングなことを知らせることも重要でありますが、同時にアフリカの問題をもっと立体的に構造的に知らせていく、教育をしていくということが中学、あるいはもしかしたら小学校辺りからの教育で重要であり、日々のメディアの報道で必要のように思います。  さて、農業基盤の話がありました。全く我が意を得たりでございます。アフリカの今後の発展のためにはまず農業、これを浮上させなければいけない。  この中で、御指摘のとおり、先進国からの食料援助、これは非常に役に立っているように見えて、実はアフリカにとって役に立っていない面がある。というのは、たくさんの食料を持ち込んで、これを飢えている人の口に、開けている口にそのまま運ぶわけではございません。やはり市場で売るわけです。何が起こるか。アフリカのそれぞれの国の国内市場で食料の値段が低下します。もう言うまでもなく、そこで起こることは生産者の方々、アフリカの生産者の方々のインセンティブが阻害されてしまうということであります。  今、援助の最先端で取り組まれているのは、それだけのお金を使って先進国から食料を運ぶのであれば、同じお金を現金で困っている人に渡す。まあ日本人にはちょっと抵抗のあるやり方かもしれませんが、そうすれば国内の生産者から食料を買うという回路が開かれます。こういうことがなかなか日本のメディアなり研究の場でも余り話されませんので大変残念なことに思っております。  もう一つ、日本として是非とも必要なのは、やはりアフリカから少しずつ出てきています有望な輸出製品、これに対する市場、これをほかの先進国と同じように扱うのではなく、やはり優遇して買っていただければ、これは既にクリントン政権下のアメリカであるとかEUがやってまいった政策でありますけれども、是非ともそういう形でアフリカの生産者、額に汗をして働いている人たちに機会を与えていただきたい、このように思います。  以上でございます。 ○参考人(池上清子君) 御質問ありがとうございます。  三つほどお話ししたいなというふうに思いますけれども、確かに今ODAに対しての私たち一般の、私たちというか皆さんはそうではないんですけれども、例えば娘のような世代の理解というのは非常に難しいというか、ないと言った方がいいのかもしれないんですけれども、それについての説明責任というのはもちろんあると思います。  ただ、その説明責任のやり方というのは幾つかあると思うんですけれども、先ほど高橋参考人おっしゃられたのと同じことなんですが、例えば皆さんに事前の資料として開発途上国の妊産婦の死亡率が全く下がっていないと、逆に上がっているところがあるんだということを、先日、NHKの「視点・論点」というところで話をさせていただいて、その原稿を事前に資料として配らせていただきました。  実はその放送のときに、娘と一緒にそれを見ていて、娘の友達からその返事が来るんですね。それを見て、いろんなコメントが入ってくるんです。私は私なりにできることを伝えたいと思って話をしてきているんですが、いやアフリカ、いやアジア遠いよねという、そういうコメントが、娘二十五歳なんですけれども、そこの世代の人たちから入ってくるんですよ。そうすると、すごい私はがっかりしてしまって、何が問題なんだろうか、若い人たちは確かに全部自分が欲しいものがある程度入るような時代に育った、私が育ったときと違う状況で育っているというふうなこともあるかもしれませんけれども、途上国に対して、又は自分の国以外の国に対する理解というのが余りにも、又は想像力が乏しいのかなという気がしたんです。  それで、そのときに思ったことというのは、イギリスで、これ直接ODAとは関係ないんですけれども、ODAの理解を促進するという一つの役に立つかなと思って申し上げるんですが、ギャップイヤーというのがありまして、一年間、大学や専門学校に入る前の一年間を何をしていてもいい。つまり、高校を卒業してすぐ大学や専門学校に行かなくても一年間はいいというのがギャップ、その間のギャップがある、それを認めるという意味でギャップイヤーというシステムがあります。  そうしますと、イギリスの若い人たちはそのギャップイヤーを使って何をしているかといいますと、自分のおじさんやおばさんがいる開発途上国に行ってみたり、友人と何人かで隣のヨーロッパの違う国に行ってみたりとか、様々な体験をするんですね。そういうことを通じて自分の国でないところがどういう状況かということを理解する、体験するということが可能な教育制度になっているんです。  ですので、実は私は文科省の方にも何回もギャップイヤーというのは一つの方策ですから是非取り入れてくださいというふうにお願いをしてきているんですけれども、なかなかまだそれができていないんですが。そういった方策というのは、説明責任を受取側として説明をどう理解できるのかというところを上げていくというのに役に立つかなというふうに思います。  二番目の点なんですけれども、これは日本の国内の問題を考えてみますと、少子高齢化ということで、好む好まざるにかかわらず海外からの労働力に依存しなければいけない社会というのがついそこまで来ていると思います。  そうしますと、一番最初は日本の国内にいる女性が家庭に入っているという、その女性たちに少し社会に出て活躍してもらいたいというところが一つありますし、高齢者の方たちのまた再度いろいろな形での労働というか仕事というのもあると思うんですが、少なくとも海外からの労働者の方が入ってくる、つまり国際人口移動というのがある。  そうすると、今の国際人口移動として多くの方が日本に入った場合、日本の受入れ体制というのはまた全然できていないような気がするんです。それはやはり原因は何かというと、説明責任というのもありますけれども、逆に外に対しての理解というのがまだ根付いていないのではないか。共存するという形の理解、特にそこが欠けているのかなというふうな気もいたしますので、やはりこれは説明責任と同時に受取側の一人一人の意識をどう変えていくかというところも重要な点ではないかなというふうに思います。  三番目の点ですけれども、アフリカの場合、確かにマーケット、市場経済に乗らないというか、それに、市場経済に乗っていることによってマイナスというふうなことも多々あると思うんですね。  その対応策として、先日ノーベル平和賞ですか、ノーベル賞をいただいたユヌスさんというバングラデシュの方がグラミン銀行というので経験がございます。これグラミン銀行だけではなくてマイクロファイナンスというふうな形でまとまっていると思いますけれども、そういう形で、資金をマイクロファイナンスという形で皆さんに使えるような形、信用供与ができない人たちに信用供与なしでもお金が借りられるという状況をつくっていって、一人一人が自分のお金をどうやって稼いでいくのかという認識をアフリカの村レベルで一人一人が持つというところにも支援ができるのではないかなというふうに思います。 ○富岡由紀夫君 どうもありがとうございます。  次に、また両参考人にお話伺いたいんですけれども、我々がODA等々でそういったアフリカの貧困にあえいでいる人たちに援助をするわけでございますけれども、通常、窓口としてその国の政府が一義的には窓口になろうかと思うんですけれども、ただ、その政府が本当に機能している政府なのかどうかというところはアフリカの場合はよく見極めないといけないんじゃないかなと思っているんです。独裁政権もあれば、いろんな民族紛争を抱えたところもあれば、優秀な人が海外に行っちゃって勉強はしたはいいけど戻ってこなくなっちゃったとか、そういった形で非常に、やや機能として本当に十分果たせるかどうか疑問なところがあるわけでございますけれども、そういったところに対して我々の日本の行政としてどういうふうに対応していったらいいのか。先ほどお話ありましたけど、草の根の現地のNGOの人たちといろいろ協力するとか、要は政府を通さないで、その国の政府を通さないで直接草の根のいろんな支援をやるという方法もあるのかどうか、そういったところもちょっと教えていただければというふうに思っております。  あとそれと、先ほど人道的観点からやっぱり支援は必要なんだと、そういう観点からの支援も必要なんだというお話をさせていただきましたけれども、とはいってもほかの国が、援助をする国がやっぱり外交戦略という位置付けでやってきているところもあろうかと思うんですね。  先ほど、一つの国に一杯、援助をする国が一杯殺到しちゃっていてはんらんしているというお話ありましたけれども、そうなってきたときに本当にその援助国同士でうまく話合いが持てるのかどうか、協調ができるのかどうかと。中国なんかも今盛んにアフリカに戦略的なODAというか援助、支援をしているという話もこの調査会の中でもいろいろと勉強させていただきましたけれども、そういったところとさっき言ったような人道的な観点でやっている国との調整というのがどうやったら付けることができるのか。そういった観点で、その辺のところをお話しいただければというふうに思います。よろしくお願いします。 ○参考人(高橋基樹君) ありがとうございます。  政府が機能していない、これは非常に厳しい現実でございますけれども、アフリカの多くの国はそういった状況があると認めざるを得ません。そういう状況を前にしたときに、私どもには幾つかの選択肢があろうかと思います。  その選択肢を申し上げる前に一つ申し上げておかなければならないことは、サハラ以南のアフリカに四十八の国がございますが、すべての国が同じように脆弱なわけではございません。例えば、日本の主要援助対象国であるタンザニアのように、独立以来、平和を維持し、どちらかというと難民の庇護国として大きな役割を果たしてきた国もございます。その中では、大学も発達し、官僚制というか行政機構もだんだんと根付きつつある、こういった国から、ほとんど国家が崩壊状態に陥ってしまって、お巡りさんや軍人と見れば泥棒のような状況になっている、そういう国もあるわけでございます。  つらいことでありますが、どちらを助けなきゃいけないか。人道的観点といえば、それは後者の方になるかと思います。しかし、そういう国に貴重な国民の税金を大量に注ぎ込んでも恐らく効果は薄い。我々は、まず第一に、それなりに頑張っている国というのを選択せざるを得ないという非常に厳しいジレンマを乗り越える必要があるかと思います。選択というのはまずここでしなければならない。  次に、重要なことは、そういう国を選んだ上で、やはり例えば日本のように千年以上の国家行政機構の歴史がある、そういう国家とは違いますので、様々なことをこれから国家建設としてやっていかなければいけない。我々はそのことをよく理解してさしあげる必要があると思います。例えば、個人所得税はほとんど取れてない国ばかりでございます。そうすると税収基盤が弱くなり、当然援助依存をせざるを得ない。こういうところをどうやって打開していくか、自立のためには何をするか、そういうことを根本的に一緒になって考える、そういうことが重要になると思います。  それから、草の根とかアフリカ・ビレッジ・イニシアティブといって、末端に届く援助というのは非常に重要なのですが、短中期的には私はそれはあるべきアプローチだと思うんですけれども、やはりODAというのは最終的には相手の国の政府が中心になって自分の国の地域社会、草の根のことを自分で面倒を見れるような体制をつくっていかなければいけない。多くの場合は、援助機関が政府行政機構をバイパスして直接に相手の草の根の面倒を見てしまうと、その国の政府行政機構の怠慢を招くことになります。これは、援助が開発を代替してしまう、差し替えてしまうという、代わりになってしまうという言い方を我々しておりますが、長期的な形としては、やはり相手の国の組織のキャパシティーをつくっていくという発想が私は重要になるというふうに思います。  外交戦略については、先ほど申し上げたとおり、ODAだけではアフリカとは付き合えないということをまず最初に申し上げておきたいんですが、一つお隣の大きな国、中国との関係について申し上げたいと思います。  ここにノルウェーという小さな国がチャイナ・イン・アフリカというスタディーをある研究所にさせたレポートがございます。できれば日本もこういうアフリカにおける中国というレポートをきっちりと作ってやっていただきたい。アジア経済研究所などで中国と交流するという、そういう試みはあるようですから、是非御支援をいただきたいと思うんですが、読んでおりますと、やはり中国は背に腹は代えられず、資源が足りないので必死になっているという面もあるように思います。  そして、ヨーロッパで非常に疑念がありますのは、中国がワシントンやパリでつくられている現先進国の中のコンセンサスを崩すことをねらいとしてアフリカにチャレンジしているのではないか、アプローチしているのではないかというふうに思われるんですが、多分そこまで中国というのは非常に大きなデザインでもってアフリカを今後どうするかというようなことを考えていると、私は必ずしもそうは思いません。むしろ、そこを崩してしまって先進国全体と援助競争をすることに中国は果たして関心があるかどうか、非常に疑問であります。むしろ、日本は中国と西側の国々をつなぐ微妙な位置にある。そこで日本自体の難しさもあるわけですが、私がヨーロッパの友人に言っていますのは、日本こそがそれを生かせる立場にあるので、私は東京の方々をそのように、頑張るように説得したいというふうに言っております。  同時に、もう一つ考えなければいけないのは、韓国その他のアジアのドナーです。彼らもアフリカのことを考えています。そして、中国もそうですが、調和化、援助のハーモナイゼーションというところに中国も韓国もサインをしております。一緒にやろうということになっているわけで、枠組みとしてそれを崩してしまうというわけではないわけであります。日本としては、むしろそれぞれの現場において、あるいは国際場裏において中国を国際的なコンセンサスの中にうまく入ってきてもらうように呼び掛ける、微妙なスタンスを生かすことこそ日本の外交的利益になるように私は思います。  素人の考えとして聞いていただければ幸いでございます。  以上でございます。 ○参考人(池上清子君) ありがとうございました。  政府の機能ということについては、おっしゃるとおり、やはりガバナンスをどういうふうにするかというところがすごく重要だと思うんですけれども、その場合、日本のODAでどういうことができるかというふうに考えを進めてみますと、日本が持っている地方自治の能力というのはかなり高いのではないかなと世界的に見ても思うんですね。そうしますと、地方行政体の中で、例えば国際協力というふうな形でそういった、さっき出ました税制の問題もそうでしょうし、それからもうちょっと、計画をし、実行し、それを評価するというふうな、そういった行政のプロセスなどを伝えていくという専門家みたいな形でアフリカに対応していくということは一つ可能だと思うんですね。ただ、やはりなぜその行政能力が弱いかというところはもうちょっと別のところに理由がありそうなので、そちら、つまりもっと言えば貧困の問題と関連してくると思いますので、そこを根元を絶たないと、グッドガバナンスだけをどうこうしようというふうに言うのはちょっと難しいのかなという気も一方でいたします。  二つ目の点ですけれど、それに関連して、ローカルなNGOとの連携を私はしてほしいというふうに申し上げました。アメリカは、特に保健医療の分野ではほとんどの国で政府をバイパスして市民社会のNGOに直接お金を出しています。そうなった場合、NGOのところではかなりノウハウが積み重なっていくんですけれども、NGOが例えば連合体になったとしても行政と同じことはできないんですね。ですから、広く浅くという行政と、NGOが実際にしている点で、ですけれども非常に深くという、その両方の組合せができるような、そういう援助にNGOに対する援助というのもやっていくのがいいなというふうに思います。  最後の中国やインドの話なんですけれども、やはり援助協調の中で、中国やインドの情報開示というのが非常に遅れているために、何をしているのかというのがほかのドナー国に分からないというのが状況です。そうしますと、あるとき突然情報が入ってくると、ええ、中国やインドはそういうことをしていたんですか。とすると、ダブりを防いだり、それから途上国の国として抜けている部分というのが見えてこなくなってしまう、これが開発にとって非常にマイナスになってきているというのが現状だと思います。  何ができるかといいますと、さっきもお話出ましたけれども、国際的な情報交換の場、ドナー会議などにもうちょっとしっかりインドや中国が参加できるような、そういった外交努力というのをしていただく、国連機関などを通してもそういうことをなるべく伝えていくというふうなことができるかなというふうに思います。 ○富岡由紀夫君 時間が来ましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。