166-参-財政金融委員会-5号 平成19年03月20日 平成十九年三月二十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月十五日     辞任         補欠選任      岡崎トミ子君     大塚 耕平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         家西  悟君     理 事                 中川 雅治君                 野上浩太郎君                 大久保 勉君                 峰崎 直樹君     委 員                 泉  信也君                 金田 勝年君                 椎名 一保君                 田中 直紀君                 舛添 要一君                 山下 英利君                 池口 修次君                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 広田  一君                 円 より子君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 大門実紀史君    国務大臣        財務大臣     尾身 幸次君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        山本 有二君    副大臣        財務副大臣    富田 茂之君    大臣政務官        総務大臣政務官  土屋 正忠君        農林水産大臣政        務官       永岡 桂子君        経済産業大臣政        務官       高木美智代君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        内閣府審議官   浜野  潤君        内閣府大臣官房        審議官        兼内閣府計量分        析室長      齋藤  潤君        金融庁総務企画        局長       三國谷勝範君        金融庁総務企画        局総括審議官   中江 公人君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君        総務大臣官房審        議官       椎川  忍君        財務大臣官房長  杉本 和行君        財務大臣官房総        括審議官     勝 栄二郎君        財務省主計局次        長        松元  崇君        財務省主税局長  石井 道遠君        財務省理財局長  丹呉 泰健君        財務省理財局次        長        小手川大助君        国税庁次長    加藤 治彦君        社会保険庁総務        部長       清水美智夫君        社会保険庁運営        部長       青柳 親房君    参考人        国民生活金融公        庫総裁      薄井 信明君        国際協力銀行総        裁        篠沢 恭助君        日本政策投資銀        行総裁      小村  武君        日本銀行理事   山口 廣秀君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○平成十九年度一般会計予算(内閣提出、衆議院  送付)、平成十九年度特別会計予算(内閣提出  、衆議院送付)、平成十九年度政府関係機関予  算(内閣提出、衆議院送付)について  (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、国民生  活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀  行) ○平成十九年度における財政運営のための公債の  発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議  院送付) ○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出  、衆議院送付)     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫です。よろしくお願いします。  まず、尾身財務大臣にお伺いしたいと思います。  尾身財務大臣におかれましては、本当に、群馬県で同郷でおりまして、私の尊敬すべき、そして群馬県の誇りとする大臣でございますので、今日は尊敬の念を持って質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、所信表明の中で述べられたことについてお伺いしたいと思います。  財政の状況を述べられた中で、長期債務が非常に残高が大きくて先進主要諸国の中で最高水準にある一方で、国民負担率は非常に低いということで述べられておりまして、このような状況が楽観できることではないということで述べられております。  これをちょっと文脈から見ると、国民負担率が低いことが何か悪いことのように受け止められるんですけれども、この国民負担率が低いことは本当に悪いことなのかどうか、どういう御認識なのか、まず基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 日本の財政、残高ベースでGDPの一四八%でございまして、世界一高い、このGDP、国、地方の債務残高の高い比率でございます。二番目がイタリーで一二〇%、ヨーロッパやアメリカの国々は大体五〇%から六〇%程度となっているわけでございます。  そういう中で、この国民負担率でありますが、日本は三九・七%で実質的に世界一低い。日本より低いのが三二%のアメリカでございまして、これは国民皆保険がないためにそうなっておりまして、この国民皆保険を負担率に換算いたしますと大体八%ぐらいになるというのが定説でございまして、アメリカが要するに負担率約四〇%、日本とほぼ匹敵する水準でございます。他方、例えばイギリス四八%、ドイツ五一%、フランス六一%というようなことになっておりまして、いわゆる社会福祉の国スウェーデンは七〇%ということになっております。  したがいまして、所得百万円の方は、日本の場合には約四十万円を、健康保険の掛金とか医療保険の掛金とか雇用保険の掛金に払って、税金も払いますと四十万円で、残りの六十万円が可処分所得になるわけでございますが、いわゆる福祉の国スウェーデンは残りの可処分所得が三〇%しか、三十万しか残らないと、こういうことになっているわけでございます。  そういうわけで、財政制度審議会におきましても、日本は中福祉低負担の国であると、こういうふうに言われておりまして、この状況の中で、財政非常に厳しい折でございますので、歳入歳出改革を今後抜本的に推進をしていかなければならないと考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 端的に言うと、国民負担率が低いということがいいことじゃないと、少し上げた方がいいんじゃないかというお考えなんでしょうか。その辺を教えていただければと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 債務残高、国、地方を合わせた債務残高が一五〇%で世界一、国民負担率は実質世界一低いということになるわけでございますが、だからといって、直ちに負担増をするというのでは国民の皆様の理解と納得が得られない。したがいまして、今後とも財政については、厳しい切り込みをして無駄を省いていく等々のつらい仕事もやっていかなければならないというふうに考えております。  そういう中で、この秋口以降、十八年度の決算の状況が出ますし、医療保険制度改革の結果としてどのくらいの数値になるかという実績も出ます。それから、年金の国庫負担も三分の一から二分の一に上がるという二兆五千億の負担増もあるわけでございまして、そういうことを踏まえまして、抜本的な歳入歳出改革を進めていきたいと考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 国民負担率を一気に上げるのは国民の納得が得られないので、まず歳出の改革でできるところからまずやっていこうという、本格的な議論は秋口からということでございましたので、分かりました。  今出ましたその秋口の改革についてなんですけれども、税体系の抜本的な見直しを行うということでお話をいただいております。この抜本的な改正をどのような形にするのかということをちょっと教えていただきたいなというふうに思っております。  具体的には、税制改革法案を平成二十年度の税制改正案としてもう提出するところまで具体的に話を考えていらっしゃるのか、それとも、何というんですか、概要というか、ある程度の結論を見いだすだけで終わってしまうのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 基本方針二〇〇六、それから、これからの進路と展望におきましても財政再建のプロセスについていろいろと議論をし、方向性を出しております。  今そういう状況の中で、二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化し、二〇一〇年代の半ばにGDP対比の比率を下げるという方向で財政再建を進めていきたいと考えている次第でございまして、社会保障の見通し、あるいは国民年金に対する国の国庫からの注入なども含めまして議論をしているところでございます。  これをどういう内容にするかということについては、これはまだ方向性が出ておりません。しかしながら、歳入歳出を一体として考えた抜本的な対応はこの秋口にかけて中身を詰めてまいりたいと。詰まった上で、これに対する考え方を提示していきたいというふうに考えております。そんなに私ども時間的ゆとりがあるとは考えておりません。 ○富岡由紀夫君 今のはどういうふうに理解したらいいのか、ちょっとあれですけれども、二十年度の税制改正にも織り込む可能性があるということでございますか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度を目途に消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく取り組んでまいりたいということでございまして、今後法案の提出につきましても、このような方針の下で具体化してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 まだ明確にお答えいただけないということだというふうに思います。  ちょっと話はそれるというか、変わるんですけれども、この税体系の見直しを行うところがどこで行うのかという、抜本的な見直しをどこで行うのかということをちょっと教えていただきたいなというふうに思っております。  いろんなものをいろんな人から聞いたり、いろいろと教えてもらったりすると、政府の税制調査会というものと自民党の税制調査会というのがありまして、自民党の税制調査会でいろいろ議論されたことが大綱として出てきて、それがそのままほとんど同じような内容で政府の改革案、税制改革案になってくるというふうになっておりまして、辞められた本間前税調会長なんかも、本当にそういう形が望ましい形なのかどうかといったことをいろんなところでお話をされていらっしゃるんですけれども、その自民党の税調と政府の税調とのまず関係について、どういう関係なのか教えていただきたいなと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 政府税制調査会では、学者や実務家を中心に選ばれた委員によりまして、主として理論的、専門的見地から税制のあるべき姿について調査審議が行われているわけでございます。  他方、自民党と言うよりも与党と言った方がいいかもしれませんが、与党の税制調査会におきましては、国民から選ばれた国会議員の方々によって、納税者の理解と納得が得られるかという観点も踏まえまして、具体的な税制改正案について御審議をいただいているものと理解をしております。こういう政府それから与党の税制調査会の審議を踏まえまして、税制改正法案を政府として決定し、国会に提出しているところでございます。  なお、こういう委員会の場を通じましても、是非委員の皆様の今後の税制についての御意見などを率直に聞かしていただければ、私としては大変有り難いと考えております。 ○富岡由紀夫君 順番はどっちが先なんですか。与党の改革案が出てきてから大体政府の税調が出てくるというふうに認識しているんですけれども、そういうのというのはおかしくないというふうにお考えなんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) これはどっちが先かというのもなかなか難しいんでございますが、ほぼ同時期に考え方がまとまってくるということでございます。これを総合的に考えて政府としての提案をしていくと、こういうことでございます。 ○富岡由紀夫君 同時というのはまああれなんですけど、ちょっとほかのいろんな部門、いろんな法案なんかも見てみますと、大体政府が法案、改正案等々を出されて、それで各党が、まあ与党もそうだと思うんですけれども、いろいろと具体的なその中身について議論されたり審議をしたりするというのが普通のパターンだと思うんですけれども、この税制だけはちょっと違うような感じがするんですけれども、その点について何か改めた方がいいという、まあ本間さんなんかは言っていますけれども、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 私も財務大臣就任以前は自民党税制調査会の副会長でございまして、十数人の副会長の一人としてずっともう十数年にわたりまして税制改正の議論に携わってまいりました。ですから、政府税制調査会の方があえて言えば理論的、専門的見地からの意見を取りまとめるのに対して、与党税制調査会の方は、むしろ払う人の立場をかなり、有権者といいますか、そういう方々の立場をいつもいつも考えながら議論をしているように私自身は感じております。  いずれにいたしましても、これは国家の根幹にかかわる問題でございまして、与党、野党を通じた幅広い議論を聞かしていただきながら方向を決めていきたいというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 ということは、いろいろとこの場でのいろんな意見等々もある程度酌んでいただけるということで理解させていただきたいと思います。  ちょっと財務省さんの、大臣というよりは財務省さんとの自民党の、与党と言ったらいいんですか、自民党の税制調査会との関係なんですけれども、多分あそこまで自民党の改正大綱ができるのは、まあ自民党さん力があるからできるのかもしれませんけれども、かなり財務省さんなんかも初期の段階から携わっているんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、そういったことはないんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) もちろん財務省の職員の皆様、官僚の皆さんも国家の在り方として極めて真剣にどういう税制がいいかという議論、勉強したり取り組んだりしているところでございますが、要は、国民の代表である国会がこの点について最終的に決めるというのが私自身も考えている基本でございまして、そういうことを視野に入れながら、しかし私たちの子供や孫たちに借金のツケを残すわけにいかない、そういう点をこれからも皆様に訴えながら方向付けをしていきたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 是非、自民党の税制調査会の幹部の人たちだけで決まるというんじゃなくて、広く皆さんのいろんな方面からの声も聞いていただいて、税制改正に反映していただきたいなというふうに要望いたします。  続きまして、先ほど基本方針の二〇〇六の中で、今お話出ていましたけれども、二〇一一年度にプライマリーバランスを黒字化させると、そのためには要対応額というのが示されておりました。ところが、昨今の税収のいろんなものを、反映を見直してみますと、要対応額というのが十六・五兆円から十三兆円になったということが報告をされております。この要対応額、十六・五兆円だったのが十三兆円になったと。十六・五兆円をどうやって対応するかということが示されていたのが、歳出削減で十四・三兆円から十一・四兆円、するということが当初示されておりました。今年度も、平成十九年度も三・五兆円の改革を行うということを示されております。  この分でいくと、歳出削減だけで十四・三兆円ぐらいできちゃうということになると、要対応額十三兆円ですから、歳出削減だけで済んでしまうんじゃないかというふうにも理解できるんですけれども、そういうふうに見てよろしいんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 進路と展望について今いろいろと議論をし、経済成長なくして財政再建なしということで、経済の活性化、発展を非常に重点を置きながら、いろいろとこの枠組みを考えているところでございます。  進路と展望におきましては、今の数字、プライマリーバランスがどうなるかという計算をしておりますが、この前提条件がどういう前提かというと、高齢化が相当進むという点が一点、それから、年金の負担を、財政の方から三分の一から二分の一に年金の国庫負担を増やすと、これで二兆五千億掛かるわけでございますが、その二点を中心として、あと成長率とか物価がどうなるかということを含めまして議論をしているところでございます。  さはさりながら、実はこれに二つの要因を私は考えていかなければならないと考えておりまして、一つは少子化対策でございます。  少子化対策については、今、人口問題研究所等で試算をいたしますと、このまま何もしないでいると、今一億二千八百万の人口が五十年後には九千万を切る、百年後には四千五百万を切ると、こういう想定になっているわけでございまして、これをこのまま放置しておくわけにはいかない。人口増加といいますか、少子化対策に抜本的に取り組まなければならない。  よく調べてみると、三十年前には日本とフランスの出生率は同じ水準でございました。ところが、三十年後の現在になると、フランスの出生率は二・〇、日本の出生率は一・二四というようなことで、三十年間に物すごく格差が開いて、フランスは人口がわずかながら増加をしている、日本は減少しているということになってきております。  どこが違うんだと。いろんな制度の違いがございますけれども、一つは、やっぱり財政支出、どのくらい負担をしているかということの違いもございまして、フランスはGDPの三・〇%を少子化対策に使っております。日本は〇・七%しか使っていない。つまり四分の一しか使っていないというのが実情でございまして、少なくとも、フランスまで行けるかどうかは別として、人口対策、少子化対策を抜本的にやるためには、やはりこの財政負担をある程度覚悟していかなければならないという点が一点でございます。  それから、先ほど来お話にありますように、金利の動向でございますが、日本は公定歩合が非常に低い中で、世界的な金利の動向から見ると非常に低い水準にあります。長期的にはこの金利はもうちょっと上がるということを想定をしていかないと、長期にわたる財政の問題は考えられない。今、五百兆を超える債務があるわけでございますから、金利が一%上がりますと、それに見合って幾らか借換えでいきますから、すぐすぐにはいきませんが、五兆円ぐらいの、一%で五兆円の負担増になる、二%上がれば十兆円の負担増になるということでございまして、この点も長期的には我々として覚悟していかなきゃならないというふうに考えております。  その金利の点と少子化対策の点を考えると、現在の日本の財政状況は、長期的な観点から見て決して安心できるものでないというふうに考えておりまして、これらを総合的に考えて、例えば百年後の日本の国の姿が人口四千五百万でいいのかどうかということも含めて、そういう中で全体として国の姿の在り方を検討した上で財政再建をその中に織り込んでいくと、こういうふうにしなければいけない。財政だけで、お金だけが国、将来にツケを残してはいけないということだけではなしに、子供の数が少なくなって人口が減るというツケも将来に残していくわけにいかないということでございまして、そういうことも含めて、総合的、立体的な国の在り方も含めた財政健全化路線を貫いていきたいというふうに考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 そういうことは、増税が不要だという考えだけでは済まされないだろうということだというふうに理解いたしました。  政府の内閣の中にも大田経済財政担当大臣なんかは増税なき財政再建を目指すということを言われたり、中川自民党の幹事長なんかも増税は要らないんじゃないかといった声もありますけれども、財務大臣のお考えとしては、今言った少子化対策とか金利の上昇リスクを考えてやはり増税というものは必要だということで整理させていただいてよろしいんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 今の段階でそれを申し上げますとまたいろいろと問題も起こりますので、歳入歳出一体改革の中で国の在り方も含めて、是非、与党、野党を問わず、国民全体として真剣に考えていただきたいということを申し上げているわけでございます。 ○富岡由紀夫君 よく分かんないんですけど、煙に巻かれたような、まあ余り、同じ意見なんでそれ以上言いませんけど。  あと、二〇一〇年代半ばまでにGDP対比の公債残高の拡散を防ぐようなことも同じ計画の中で述べられていらっしゃるんですが、このときまでの要対応額というのはまだ出されていらっしゃらないんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) これは、今進路と展望、経済財政諮問会議でもいろいろ議論をしておりますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたプラスアルファの二つの要因も考えて要対応額を考えていただきたいというのが私の考えでございますが、これはまだ政府部内で固まった考え方ではございません。これから政府部内におきましても、予算委員会あるいはほかの委員会における審議の状況、またいろんな方の御意見を踏まえた上で方向を出していきたいというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 秋の抜本的な改革の前に今ありました基本方針の見直しというのがあろうかと思うんですけれども、例年、これ七月に出されているんですけれども、今年もやはり七月の、具体的に言うと参議院選挙の前に出していただくのかどうか、その辺はお伺いできればと思いますが。 ○国務大臣(尾身幸次君) この進路と展望につきましては、大体今年の半ば、六月ごろには出すということに現在なっておりまして、内容どういうふうになるかまだ決まっておりませんが、いろんなことを議論しながら、そういう方向性を出していきたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 やはり税制の、税収のところは二〇〇六と同じように、具体的な中身はちょっと描けない、秋口の抜本的な改革までは描けないという中で出されるということだと思いますけれども、それはそうとして、次の質問に参りたいと思います。  具体的な今回の提出された法案の公債の速やかな減債に努めるという第二条第四項についてちょっと質問させていただきたいと思います。  これまでの議論の中でもありましたけども、建設国債の残高を赤字国債が今上回っているというような状態の中で、この赤字国債の償還ルール、これが六十年償還、一般の建設国債と同じ六十年の償還ルールが適用されておりますけども、これを見直す御予定はないんでしょうか。この二条第四項の精神をどのように理解したらいいのか。それを理解すると見直しもあり得るのかなというふうに思うんですが、その点の関係をお伺いできればと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) これは建設公債につきましては、財政法四条で、財政健全化の原則の下で公共事業など国の資産を形成し、その資産から受益が長期にわたるものに限るというふうにされておりまして、それ以外の公債の発行は認められておりません。一方、税収及び税外収入等に加えて、このような建設公債を発行してもなお不足する一般会計歳出の財源に充てるために、赤字国債を財政法の特例として、毎年度法律をもって国会の議決をいただいた上で発行しているところでございます。  近年、この特例公債の発行額は、高齢化の進展や社会保障関係費の増加によりまして、あるいは景気の低迷に対応してかなり大きくなってきているわけでございまして、この公債の着実な縮減が財政健全化のために極めて重要であると認識しております。  ただし、建設国債につきましても、過去の公共事業に伴い発行された公債の利払いとか償還のための税収が確保されない場合には、その財源はまた特例公債によることになることにも留意する必要があるわけでございまして、財政健全化に当たりましては、公債発行額全体の縮減に努めていくことが大切であると考えております。 ○富岡由紀夫君 公債の残高をそういった縮減に向けて厳しく考えていくというのは、おっしゃるとおりだと思いますけども、今の状況だと、毎年、この赤字国債が国会の中で法案提出されて、残念ながらまた私どもが反対してもやはり与党の賛成でどんどんどんどん通ってしまうと。実質的な赤字国債の残高の縛りがないというのが今現状かと思いますけども、この辺の赤字国債、もう建設国債の残高を超えているほどの赤字国債の残高、そして建設国債の利払いの足りない分もまたそちらで今補うという必要があると、そういった不足の追加分もあるといったことでなかなか、赤字国債がどんどんどんどん増えることがもうしようがないんだみたいな感じがするんですけども、そういったものに対して何らかの縛りを入れるようなお考えは財務省として、財務大臣としてお持ちでないのかどうか、その辺をちょっとお伺いできればと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 私どもも縛りを掛けたいんでございますが、これは毎年の、ここのところ数年、夏のいわゆるシーリングで、例えば公共事業を三%以上減らすとか、ODAを四%程度減らすとか、社会福祉についても二千二百億円減らすとか、そういうようなことでやってきておりまして、道路予算も道路特定財源の見直しをやるというようなことでございまして、かなりの削減をしてきていると思っております。  この今国会におきますいろんな議論、福祉を切り捨て過ぎるではないかと、高齢者をどうするんだとか、サラリーマンに対する税をどうするんだとか、あるいは道路をちゃんと自分のところに造れとか、教育費をしっかり出せとか、あらゆる議論がほとんどお金があれば全部解決することばかりでございまして、他方、財源をちゃんとつくる必要があるというような議論は実は余り行われておりませんで、何か私一人が財源が大変だ大変だと言っているような状況でございます。  しかし、国全体として見ると、これは財務省の問題ではございませんで、やはり国全体として考えていかなければならない、そういうふうに考えているわけでございまして、この辺りにつきましても、この国家財政を健全にして、本当に必要なところにお金を使えるような体制を一日も早くつくり上げなければならないと考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 今、国の財政が非常に厳しいと、健全化が必要だというお話なんですけれども、平成十九年度末の国全体の債務残高、これをまずお伺いしたいと思います。これは、財投債とか政府短期証券とかも含めた金額をお示しいただければと思います。 ○政府参考人(小手川大助君) 国、地方の長期、短期債務の合計額についてでございますが、まず最初に、一般論といたしまして、国及び地方という言わば公的主体が負うものにつきましては、税財源でこれを償還すべきもの、それから貸付金の回収金で償還すべきもの、それから一時的な資金繰りのもの等いろいろ入っておりまして、またそのほか重複もあるということから、債務残高の全体のいわゆるとらえ方につきましては多様なものがあるということをまず御理解いただければと存じます。  それを前提にしまして、まず国の債務でございますが、国の債務としまして、普通国債、財投債、借入金、政府短期証券等の残高見込みの単純合計額、これを予算参考書類でございます国債及び借入金現在高によって申し上げますと、平成十九年度末には約八百九十二兆円というふうに見込まれております。これに、地方債等の地方の長期債務残高につきまして、これは総務省の方からの聞き取りによりますと、平成十九年度末の見込みは約百九十九兆円でございます。このうち国との重複分が平成十九年度末で約三十三兆円となる見込みでございます。  したがって、これらを単純に合計し、国と地方の重複分を差し引きますと、平成十九年度末につきましては一千五十八兆円というふうに計算されるところでございます。 ○富岡由紀夫君 単純に今の数字をGDPと比較すると約二倍という残高でございます。これが財政赤字の深刻さを一番物語っているんじゃないかなと思いますけれども。  やっぱり是非、私はよく、国民の皆さんにお話しするときには、この残高というのは大変なんだよと、財政赤字は大変なんだよというお話とともに、ただこの赤字は何でできたのかと、どこにこのつくった、赤字のできた責任はあるのかということもやはり考えてみる必要が私はあるんじゃないかなと思っております。そういった反省がないと、同じ過ちをまた繰り返す可能性もあると。  ヨーロッパなんかはマーストリヒト条約ですか、財政の規律に対するいろんな条約も締結したりしているんですけれども、日本にはそういったものがございません。こういった、何というんですか、もう天井知らずの、毎年赤字国債の発行の法案が出てくるということはどうなのかなというふうに思っておりまして、その辺の是非縛りみたいなものも御検討いただければというふうに思っております。  ちなみに、今年度の、何というんですか、十九年度の一般会計の利払い費というのは、一応改めてお伺いしたいと思いますが、幾らになるんでしょうか。 ○委員長(家西悟君) だれが答えるんですか。どなたがお答えになられますか。 ○富岡由紀夫君 じゃ、すぐ出てこないから、私も調べたので一応確認した数字で申しますと、間違っていたら言っていただきたいんですけれども、九兆五千百四十三億円でございますか。  この金額を、非常に、何か九兆円といっても、九兆五千億円といってもなかなかぴんとこないんで、今まで財務省さんは、これを一日当たり幾らとか一時間当たり幾らという数字は示されていたんですけれども、今年の資料にはなかったんで自分で計算してみたら、また改めて確認したんですけれども、一日当たりにすると二百六十億円ですね。一時間で十億円、一分で千八百万円という金額でございます。今、私、今回九十分いただいておりますけれども、九十分の間で十六億二千九百万円の新たな利息が発生しているという現状でございます。この数字を具体的に見ると、本当にやっぱり大変なんだなという感じはいたします。  先ほど、それで、尾身大臣は、一%金利が上がると五百兆の場合は五兆円だと、二%で十兆円だと、三%で十五兆円、そのとおりだと思います。GDPが一%増えてもそれだけ税収が増えるかと、それに見合うだけ増えるかというと、決して増えないんじゃないかなと思います。そういった意味で、金利上昇リスクというのは非常に厳しいと。それで、先ほど言った増税が不要だということはないんだというお話になるのかというふうに思いますけれども、その辺のところもしっかりと議論をして、更に、何というんですか、財政の悪化が進まないようにしていただきたいなというふうに思っております。  この話はおいておきまして、今年度の、十九年度の税制改正と格差の問題についてお伺いしたいと思います。  いろいろなところで、答弁の中でお話を伺っているんですけれども、改めて整理してこの十九年度の税制改正と格差是正との関係について教えていただきたいと思います。尾身大臣に。 ○国務大臣(尾身幸次君) 税制改正につきましては、所得税は累進税率になっておりまして、公平、簡素あるいは活力という点でバランスの取れたものになっておりますが、一つは、所得再配分効果というのがあります。つまり、累進課税になっているわけでございまして、いわゆる所得の格差を累進構造で是正する効果がある。他方、格差の是正を、ある程度は必要だと思いますけれども、しかし余りにも、何といいますか、平等、結果の平等ということになりますと、例えば勤労意欲が失われてくる、そういうことも考えていかなければならない。その辺りのバランスをどう取るかということが大変大事だと思っております。  それから、格差の問題について言いますと、社会保障制度がございまして、これは支出の方でございますが、支出の方でやはり恵まれない人に対する支援をいろんな形でやっているわけでございまして、税における累進構造とそれから社会保障支出とを総合的に考えて国としてどの程度の格差に対する手当てをやるか。それから、他方、どう経済あるいは生活の、国全体としての活力を維持するかという、その辺りのバランスをどう取るかということが大変大事なのではないかというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 今の税の関係でいうと、累進税率のところが今年度の、十九年度の税制改正が格差是正に寄与するということでよろしいんでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) この所得の税をどうするかというのは、先ほど言いました所得税そのものが累進課税になっておりますが、これと活力を維持するということとのバランスをどうするかということで、今私が例え話を申し上げたんでちょっと誤解を招いたかもしれませんが、この所得税の在り方、法人税の在り方あるいは資産課税、消費税などなど全部一体としてどう考えるかということで議論をしたいというふうに思っておりまして、格差是正が税の目的であるというふうには考えておりません。いろんなバランスを考えた上で、どういうふうにあるべきかということを外国の状況も踏まえながら適切に決めていくというのが私どもの今の考え方でございます。 ○富岡由紀夫君 十九年度税制のところは格差とは切り離して考えていらっしゃるということなんですか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 私自身はそのとおりだと考えております。 ○富岡由紀夫君 今回の税制は格差是正に全く関係ないということですか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度税制というのは、つまり税制改正という意味で申し上げますと、所得税についてはほとんど改正をいたしませんでした。法人税についても、幾つかの改正ございましたが、法人税については減価償却を外国並みに九五%までしか認めていなかったのを一〇〇%まで認めたということと、それから中小企業の留保金課税について撤廃をしたと、こういうことがございます。ただ、所得税とか消費税とか資産課税とか、そういうものについては今年の税制改正では大きな変更はないというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 分かりました。  今までのいろんなところのちょっと資料を見たら、格差是正に寄与するというような御答弁もあったように思ったんでちょっと聞いたんですけれども、一応今回は切り離して考えていらっしゃるということでございますね。    〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕  ちょっと、それでは、先ほど、今出ました所得税の累進税率についてお伺いしたいと思いますけれども、定率減税が廃止されまして、元に戻ったわけですけれども、定率減税が導入されたときに、所得税の今大臣がおっしゃられました最高税率、これが五〇%のところが三七%、そして四〇%のところも三七%に引下げが行われましたけれども、このそれぞれ、五〇%から三七になった人、四〇%から三七%に所得税が引き下げられたそれぞれの階層の人が何人ぐらいいるのか、教えていただきたいと思います。また、全人口に対する比率も併せてお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(石井道遠君) お答えを申し上げます。  今御指摘のとおり、平成十一年度の税制改正におきまして、個人所得課税について、その改正前の所得税、住民税合わせた最高税率の水準が六五%と主要先進国の中で最も高い水準となっておりましたので、これが個人の勤労意欲を阻害しかねないと指摘されていたことを踏まえまして、最高税率を六五%から五〇%に引き下げたところでございます。所得税につきましては最高税率を三七%にしたということでございます。  今お尋ねのその数字でございますが、平成十七年度税務統計を基に推計をいたしますと、所得税の最高税率三七%の適用を受けている人数は全体で二十七万人程度でございます。このうち、五〇%から三七%に引き下げられたこととなる階層に属する人数は約八万人程度、それから四〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数は約十九万人程度と見込んでおります。 ○富岡由紀夫君 それは、日本、一億二千七百五十万ですか、人口に対して比率はどのぐらいですか、それぞれ。 ○政府参考人(石井道遠君) 全人口に占める割合でございますが、平成十八年九月一日の推計で人口が一億二千七百七十四万人で今の数字を割り算をいたしますと、三七%の適用を受けている人数全体で〇・二一%程度の割合。それから、その内訳といたしまして、五〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数の割合が〇・〇六%程度、四〇%から三七%に引き下げられたことになる階層に属する人数で〇・一五%程度と見込んでおります。 ○富岡由紀夫君 これ引下げがなぜ行われたかというと、勤労意欲をそがないようにというお話でしたけれども、勤労意欲をそがないように引き下げられた人たちというのは、五〇%から三七に下がった人は八万人、国民全体からすると〇・〇六%、そして四〇から三七に下げられた人は十九万人で〇・一五%ということでございます。  こういった人たちは、要は非常に大金持ちですよね。本当に限られた日本の上位〇・〇六%の所得の大金持ち、そして次の〇・一五%の大金持ちの方ということでございます。こういうお金持ちの人のところだけを勤労意欲をそがないようにという理由で下げられた。このことはどういうことなんでしょうか。お金持ちだけ優遇したということにこれはなるんですか。  財務大臣、もしお答えいただければお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 十九年度の税制改正でございますが、これは最高税率を下げたのは、日本の最高税率がほかの国と比べて極めて高い水準にありましたのをほかの国並みにというか、並みまで行っていないんでありますけれども、したと。こういうことでございまして、例えば、先ほど申しましたように住民税、所得税を合わせて五〇%にしたわけでございますけれども、アメリカはそのときに四五%、イギリス四〇%、ドイツ四七%、フランス四八%ということで、下げた結果におきましても所得税の税率は日本が一番高いと、こういうことに、まあほかの国に近寄ってまいりましたけれども高いということになっているわけでございまして、そういう意味で恒久措置としての最高税率の引下げというのをやったということでございます。 ○富岡由紀夫君 諸外国に、何というんですか、照らし合わせるということでという説明なんですけれども、結果だけ見るとお金持ちの人だけ優遇されたと、最高累進税率が引き下げられたということしか私は、ということはそれは紛れもない事実だというふうに思いますので、これはもう本当にお金持ちの人は非常に優遇されたということでございます。  一方で、低所得の人が、何というんですか、いろいろとそういった税の低減措置がとられたり、若しくはそういった人たちが非常に所得が増えるようないろんな政策が取られているんであれば、まあこれも何も文句を言うことはないんですけれども、今言われているように、もう格差、一生懸命働いても働いても所得を上げられない人がたくさん出てきていると。そういった中で、このお金持ちの人たちだけを優遇するような恒久税制改正が行われたということは、私はちょっと、国民の立場から国の在り方を考える政治家として、これは決して好ましいものじゃないんじゃないかなと私は思っているところでございます。  ちなみに、ちょっとお伺いしますけれども、平成十五年度のときに相続税率の最高税率も引き下げられました。七〇%のところが五〇%に引き下げられましたけれども、これも同じように、この階層の人が年間何人いたのか、そして全人口に対する比率を同じように、同様に教えていただきたいと思います。 ○政府参考人(石井道遠君) 今お話ございましたように、平成十五年度の税制改正におきまして、相続税に関しまして最高税率が、個人所得課税の最高税率との格差、あるいは諸外国の最高税率の例を踏まえまして七〇%から五〇%に引き下げられましたほかに、税率の刻み数全体を簡素化するなどの税率構造の見直しも行っているところでございます。  今お尋ねの数値について申しますと、これは平成十六年度の税務統計を基に推計をいたしますと、相続税の最高税率に関しまして、七〇%から五〇%に引き下げられたことになる階層に属する人数は、法定相続人ベースで年間五十人程度でございます。したがいまして、全人口一億二千七百七十四万人でこれを割りますと極めて僅少な率になるということでございます。  それで、今お話しの全体の相続税のそのときの改正でございますけれども、これは最高税率の引下げの効果が及ぶ者の数からいえば少ないことは事実でございますけれども、今申しましたように、個人所得課税の最高税率を下げたこととのバランス、あるいは全体の税率構造につきまして、税率の刻み数につきましても九段階から六段階に簡素化をいたしております。したがいまして、全体として、その上の階層のみならず、全体として税負担が緩和されるような税率構造の見直しを同時に行っておるわけでございまして、一部の富裕層のみの方を優遇した引下げではございません。 ○富岡由紀夫君 今、最高税率が七〇から五〇に引き下げられて、恩恵を受けた人が五十人というお話を伺いました。日本全体のうちの五十人のためにこれをやったということでございまして、これで本当にいいのかと。五十人の人たちは、お金持ちの人たちは非常にこれは有り難い話だと思いますけれども、五十人の人のためにそういった税制が行われたということでございます。  これが金持ちの人を優遇する政策でなくて何と言ったらいいのか教えていただきたいと思いますけれども、今事実だけお伺いしましたので、ちょっと私がお配りした参考資料、この間、去年のときも使った資料と同じでございますけれども、これはアメリカの格差でございます。アメリカは本当にごく一部の、日本の格差よりはるかに比較にならないぐらい非常に格差が広がっている社会だと私はこれを見て思いました。三億人の人口がいるんですけれども、そのうち上位一%ですね、三億人のうちの世帯、一億一千万世帯の一%の人がアメリカ全体の富の三三%、三分の一を占めていると。金融資産に至っては三九・七、四割を所有しているというのが実態だということが読み取れます。上位五%まで、この図でいうと@とAを含めますと、富の全体でいうと約六割、金融資産でいうと約七割近くが、わずか百人のうちの五人の人がこの資産を占めていると。極めて私は偏った社会だと思います。さっき尾身大臣がお話ありました所得の再分配機能とか資産の再分配機能というのがアメリカで本当にこれで機能しているのかというふうに思います。  それもそうだと思いますけれども、いろいろとレーガン大統領以降、累進税率というのはどんどんどんどんアメリカは下げられてきております。累進税率のカーブが緩くなってきております。お金持ちが優遇されるような、そして相続税もブッシュ大統領はもうなくすということが決定しているというふうに伺っております。要は、そういった資産や所得の再分配機能が機能していない。アメリカはどんどん低下していると。その結果がこういう社会になっているんではないかなと思っております。  それと併せて、今お話ありました国際的なイコールフッティングということで、日本もそれに合わせていろんな税制改正を行ったというお話でございますけれども、このまま行くと日本もアメリカと同じような格差社会になってしまうんじゃないかというのが当然考えられるわけでございますけれども、この点について財務大臣はどう御感想をお持ちいただいたのか、伺えればと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 先ほどの相続税につきましても、最高税率を下げましたけれども、この刻みを九段階から六段階にして、全体としての引下げをやっております。したがいまして、一番上の層だけを最高税率を下げたということではございませんので、この点については付け加えさせていただく次第でございます。  日本における格差につきましては、ジニ係数で見ますと、今、日本は中くらいというようなことでございますが、高齢化の進展に伴いまして、どうしても高齢者の場合には格差が大きいという特徴がございまして、それに伴いましてジニ係数がやや上がっているということであるというふうに聞いております。  それから、資産の格差につきましては、実はいろんな調査がございますが、おしなべて日本は資産格差が一番少ない、世界的に見て少ない国であるということでございまして、ほかの国と比べて、もちろん格差がないとは申しませんが、少ないという点の全体としての特徴はあるように私は考えております。  それから、格差については、結果の平等、だれでも平等であるという、そういう意味の格差をゼロにするという考え方は安倍政権は取っておりませんで、機会の平等が必要である。それから、格差が不公平、不公正な原因によって格差が生まれることは良くない、それからまた格差が固定することは良くない、したがって、再チャレンジをしたり活性化をしていくということが大変大きな流れの中で大事であるというふうに考えて、そういう方向でやっていきたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 相続税率、最高税率だけが引き下げられて、その階層の人たちだけが恩恵を受けておられないということを今お話しいただいたんですけれども、そもそも相続税が課税される人というのは今四%台しかいないんですよね。元々資産を持っている人たちが亡くなられても、相続税が非課税の人がほとんど、九五%ぐらいいる中で、わずか五%の人を今の議論で、何というんですか、相続税率の軽減が行われたということですけれども、それ自体余り胸を張って、お金持ち優遇、お金持ちの人だけを優遇したんじゃないということで、意味合いで胸張って説明をいただけるような内容ではないんじゃないかと私は思っております。  それはそれとして、今ありましたように、おっしゃられた、安倍総理大臣もおっしゃっておりますが、いろいろ機会の均等というか、そういうチャレンジするときの格差がないようにする、それは当然だと思います。ただ、余りにも富が偏在してしまうという形になると、これはもう予算委員会でもさんざん議論されておりますけれども、お金がある人はちゃんと塾行ったり高等教育を受けられますけれども、お金がない人はそういった機会もなくて、そもそもスタート台に立つときから、もう最初から、何というんですか、格差が出ているというのが実態だと思います。  それをなくすために、先ほど尾身財務大臣もおっしゃられたように、所得税の累進税率とか相続税の累進税率、これによっていろいろな資産の所得の再分配が行われる、それが国の果たす役割、税の果たす重要な役割の一つだと思っておりますけれども、それが今非常に低下させられてきていると。これ世界的な潮流でそうなってきているということを、私はこれは問題だというふうに思っております。  ほかの国が、アメリカがそうだから日本もそれでいいんだという形になると、地球全体がアメリカと同じような富の偏在国家になってしまうおそれが私はあるんじゃないかなと思っております。アメリカのお金持ちの人は何兆円という一人で資産を持っている人がいると。そういった人たちが、まあ後で質問したいと思いますけれども、ヘッジファンドにお金を出したり、いろんなMアンドAにヘッジファンドを通してお金が回ったり、そういった形で経済の攪乱にも、そういったところまでいろいろと影響を及ぼしておるということを考えると、全世界的にこの資産再分配機能の低下、これは私は改める必要があるんじゃないかなと思っております。  G7、G8等でもしそういう機会があれば、是非、私はこの世界的な富の偏在、富の一部の人たちに集中する、これをなくすために先進諸国が同じような土俵で、この累進税率の見直し、所得の再分配機能の見直し、これを是非私は提案していただきたいなと思っております。    〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕  ほかの国がやっているから日本もそれに合わせる、そうするとどうなるかということを踏まえた上で、そうならないように、世界的な議論の中でこれを私は是非取り上げていただきたいなというふうに思っております。アメリカが累進税率を低下させているから日本もそれに倣ってやればいいんだと、相続税も日本もどんどん簡素化、簡素化というんじゃなくて、税負担を少なくすればいいんだと、そういう議論になっちゃうと、世界的なところが私は非常に心配だというふうに思っております。  そういった意味で、そういった観点で、諸外国、ただ右へ倣えでやるだけじゃなくて、日本が世界を逆にリードするような税の提案とか提言をしていただきたいなと、是非そういったことも議論していただきたいなと思っております。尾身大臣であれば、そういった機会をたくさん持っておりますので、是非それは要望としてお願いしたいと思います。  もし御意見賜れれば、お願いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) いろんな種類の税目につきまして、先ほど申しました、公平、公正、中立そして簡素という原則を踏まえまして、また関係の皆様の御意見も聞きながら適切な結論を出していきたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 済みません、金融担当大臣にもお伺いしたいと思いますけれども。  今の格差に関連して、株式売却の今回の税制改正の中で、二〇%を一〇%にするという税制が一年延期されたわけでございますけれども、これがやはりお金持ちの人の優遇じゃないかという御議論がありますけれども、これに対してそうじゃないということを、ちょっと御意見あれば伺いたいと思いますが。 ○国務大臣(山本有二君) 委員おっしゃるように、富の偏在というのは理想からすればできるだけ是正した方が私は公平感があっていいだろうというように思います。特に、生活に困窮するというような方々がいるとするならば、必ずそこに分配機能が働いてほしいという願いはございます。  さて、そういう理想とまたこの税制とが現実社会で必ずしも一致するわけではございませんが、その証券税制において、一〇%について延長をいただきました。このことは、貯蓄から投資へという政府の基本的な方針があること、また配当、譲渡益の二重課税の問題があること、諸外国の金融・証券税制との比較等踏まえて、我が国金融・資本市場の国際的な競争力を確保するためにも証券税制の軽減税率の延長が必要であるということから実現したものだというように思います。このことは、金融・証券・資本市場の我が国の機能を低下させないという意味においては、私は大事なことであろうというように思います。  他方、これによって富を更に得られる人がいた場合に、さて、先ほどの理想を追う、富の再分配機能、こういった観点からすれば、更に考えを尽くして、すべての人たちが貧しさから解放されるという世界をつくり出すということはもちろん考えなきゃならぬことだろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 株式売却の所得を確定申告した人の調査結果が、先日発表されました。これは、国税庁さんの申告所得税標本調査という結果が出ておりますけれども、これを見ると、確定申告した所得金額二兆六千五百十八億円のうち一兆二千七百二十八億円、四八%、これが総所得二億円超の人、人数でいうと二千百三十三人ということで、この標本調査の中のわずか〇・七%の人でございますけれども、ものであったといった結果が出ております。  要は、わずか〇・七%の人が株式、そういった売却によって得た所得の四八%を占めているといった実態でございます。これだけを見ると非常にお金持ちの、こういった人たちは非常に今言った税制の軽減が、恩恵が受けられるわけですけれども、要は、そういった二〇%とか一〇%下げられたり株式のいろんなところが恩恵を受ける人は、結果としてやっぱりお金持ちの人だけがいい思いをしているというか、恩恵を受けることが金額ベースでいうと非常に大きくなっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。どうお考えでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 実際、この証券税制において四八%の富を担う人がいるようでございますが、多角的に考える必要があろうというように思っております。単にキャピタルゲインによって短期的な投資で富を得たならば、それについては私は再配分の必要があろうというように思いますし、この中身については創業者利得であったり様々な要因があるというようにも聞いておるところでございます。その意味におきましては、ジャパンドリームというようなことにおいて、更に夢を持って企業活動に邁進しようとする経営者が何人も出てくるという効果もあろうというようにも思っております。  しかし、いずれにいたしましても、富岡委員のおっしゃるとおり、富はきちっと貧しさから解放されるように分配される必要があろうというように私も思っておりますので、こうした国際的な資本市場、また東京の金融機能というのが十五年前よりも三分の一以下に低下している中で、さらに、アジアの方がどんどん活況を呈している中に証券税制における税率構造というものもあるということを考え合わしたときに、一つの調和点、言わばベストポイントを探しながらそういった点の調整を図っていくということは大事だろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 私は別に、ちょっと誤解していただきたくないんですけど、全員が同じ、何というんですか、所得というか資産になれということじゃなくて、やっぱりそういった勤労意欲というか、一生懸命努力したり才能を磨いたり、努力された方はそれなりの報酬を得るのは、それは当然だと思っておりまして、ただ、それが一人で年間に百億円を稼いだり、まあ何十億円稼いだと、そういったところについては課税を強化してもいいんじゃないかなと、そういう意味合いでございます。  まあちょっとイメージからいうと、年間の所得が一億円以上の人は累進税率をもう少し上げた方がいい、部分については上げた方がいいんじゃないかとか、五億円については更にもう一段階上げると、十億円以上については更にもう一段上げると、そういうレベル感でございます。だから、今一億円未満の人のところまで一遍にばっと上げるというんじゃなくて、ある程度の日本全体のレベルからいって、何というんですか、特に高額所得者と言われている人たちに対してはそれなりの応分の国に対する責任も果たしていただきたいと、そういう思いでございますので、是非そういったことも頭の中に入れていただければ有り難いなというふうに思っております。  あと、この間の貸金業法の改正のときに山本大臣からお話しいただいた株式の、参加、株式投資をしている人たちが、個人投資家のうちの二五%が専業主婦だとか、二六%が高齢者というお話がありまして、貯蓄から投資へということで非常にいい方向に行っているということでこういうお話をいただいておりましたけれども、ちょっとこれも注意していただきたいなというふうに思っております。  これは参加人数であればそうかもしれませんけれども、投資金額の額からいうと、さっき言ったように一部のお金持ちの人が大量にお金を入れておりまして、一部の人がお金をマーケットから引けばかなり市場も攪乱されると、混乱するということがありまして、結果としてだれが一番被害を受けるかというと、一般のそういった主婦であったり高齢者であったり、そういった余り今までそういった株式投資等々に経験のなかった人が結局はばばを引くというか、損害を被るということがありますから、野方図にだれでもかれでも貯蓄から投資へということでお勧めするのも私はいかがなものかなというふうに思っております。あのライブドアの判決出ましたけれども、あれもいろいろと損害を受けた一般の人たちがたくさんいますので、そういったことも踏まえて、そういった観点で、貯蓄から投資への流れについても一方的にだれでもかれでもやりなさいよというんじゃなくて、そういったところは注意しながらやるようにということでお考えいただきたいなというふうに思っております。  もし、そういった何か御意見あればちょっとお伺い、御感想でもいただければと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 富岡委員御指摘の、私の以前申し上げました個人投資家の二五%が専業主婦、二六%が高齢者という数字は日本証券業協会の数字でございます。また、そうした人たちが保有する資産額についての数字はございません。恐らくそれ以上に機関投資家のシェアが大変高いだろうというようにも思っております。また、証券市場、もうかったときについては非常に華やかでございますが、また損失を受けた人たちも大勢いるわけでございまして、その意味におきましての考慮も必要なのかもしれません。  また、そうした意味で、我々としましては、常に政治家としての考え方としては貧困からの脱却というものは何より大事なことでございますので、そうした富の配分における税制あるいは予算というものに対しては、委員おっしゃるような大所高所からの判断が必要だろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございました。  ちょっとまた税制改正の中身についてちょっと戻ります。質問させていただきたいと思います。  再チャレンジ支援金、再チャレンジ支援寄附金税制とありますけれども、ちょっと簡単に概要をお伺いできればと思います。 ○政府参考人(石井道遠君) 今回の十九年度税制改正におきます再チャレンジ支援寄附金についてでございます。  これは、国民一人一人が持ち味を十分発揮し、努力した人が報われる公正な社会を構築していくことが重要な課題であると。このため、多様な機会が与えられ、仮に失敗しても何度でも再チャレンジができ、勝ち組、負け組を固定させない社会、また働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化された社会の仕組みが必要であるという基本的な考え方に基づきまして、十九年度税制改正におきまして、地域において障害者の雇用など再チャレンジ支援に取り組む民間企業等に対する寄附について税制上の優遇措置を設けることといたしております。これによりまして、民間による自発的な形での再チャレンジ支援の取組が促進されることが期待されるところでございます。  本税制の対象となる寄附金でございますけれども、高齢者等の雇用に積極的な企業に対する寄附金あるいは若者の採用機会の拡大に取り組む企業等に助成を行う公益法人に対する寄附金というものに対して税制上の、寄附金上の優遇措置というものを与えることにしております。 ○富岡由紀夫君 今の説明の中で障害者とか母子家庭のお母さんの雇用に対する企業についてお話なかったんですけれども、この点についてはどうなんですか。 ○政府参考人(石井道遠君) 今申し上げましたが、企業が実際に行われるその事業の中身といたしまして、高年齢者の定年延長、積極的雇用を行う企業のほかに、障害者を積極的に雇用する企業あるいは母子家庭の母を積極的に雇用する企業、こういう企業に対して寄附金が拠出される場合に寄附金の優遇対象とするという仕組みでございます。 ○富岡由紀夫君 財務省さんに事前にこの話を説明受けたときに、障害者とか母子家庭のお母さん、母親を雇用する企業に対する寄附金が税制の優遇が受けられるというお話だったんですけど、何でこれが再チャレンジなのかなと。今のお話ありました再チャレンジというのは失敗した人に再チャレンジの機会を与えるという話ですけれども、これは障害者とか母子家庭の母親を再チャレンジというお話ですと、非常にこれは失礼な表現ではないかと私は思うんですけれども、これをもってして再チャレンジという表現は私は改めるべきだというふうに思うんですけれども、財務大臣、いかがでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 再チャレンジという表現が適切かどうかはちょっと確かに別でございますが、やはりこういう恵まれない状況にあっても頑張る人を支援することについての税制をつくる、それを支援しやすいようにするということは全体として大変大事なことであると考えております。 ○富岡由紀夫君 これは是非必要なことでありますけれども、これは安倍総理大臣が再チャレンジと言ったから、何でもこれも再チャレンジに当てはめちゃえばいいというような安易なところが透けて見えるもんですから、是非それは、当該者にしてみると非常に気分を害する話も多々あると思いますので、是非その辺は注意していただきたいなというふうに思います。  続きまして、一人オーナー会社の役員給与の損金算入の適用除外基準が引き上げられましたけれども、これはそもそも、一人オーナー会社の損金算入の適用除外というか、これはなぜ導入されたのか。そもそもその適用、何というんですか、除外をするということを導入した当初の目的はどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。 ○政府参考人(石井道遠君) 御指摘の今の一人会社オーナーの件でございます。  これは、個人事業主が、いわゆる法人成りを行うことによりまして、法人段階でオーナーの給与、これは損金算入されるわけでございますが、一方でそのオーナー給与に更に給与所得控除が適用をされるという、いわゆる経費の二重控除が発生いたします。この二重控除に対応する措置といたしまして、昨年度の、平成十八年度の税制改正におきまして、個人事業主との負担の公平を図るための課税の適正化措置ということで設けたものでございます。  この本措置の導入に当たりましては、昨年五月施行の会社法におきまして、資本金一円でも株式会社の設立が可能になると、設立が非常に容易になるということを踏まえまして、このような個人事業者の節税目的の法人成りのインセンティブを抑制するという観点から制度設計をいたしました。  具体的には、個人所得課税と法人課税の税率構造が違います。所得税率が累進税率であると。一方、法人課税の場合には基本的に比例税率であるということから、所得水準がおおむね七百万程度以下の場合には所得税率が低いために法人成りのメリットが生じないということを基本といたしまして、それに中小零細企業の配慮も加味いたしまして、法人所得とオーナー給与の合計額が八百万以下の場合には本措置の適用対象から除外をするということを昨年度の税制改正で決めていただいたわけでございます。  一方、今般、この十九年度の税制改正におきましては、この八百万以下という基準を千六百万ということに引上げをいたしております。その引上げの考え方でございますけれども、これは、昨年七月の経済成長戦略大綱等におきまして、地域や中小企業の活性化に思い切って取り組むことが重要であるとの指摘がなされていることなども勘案いたしまして、中小企業の活性化に重点を置いた改正を行う一環として、この起業の更なる促進あるいは活力ある中小企業の負担軽減ということをより重視いたしましてこのような引上げを行ったわけでございます。  具体的なこの千六百万という水準でございますけれども、これは、一人オーナー企業におきまして節税メリットが発生したといたしましても、法人所得とオーナーの給与の合計が黒字中小企業の平均的な水準に達するまでの対象につきましては本措置の適用除外にするということから、現在統計を見ますと、資本金二千万以下の黒字中小企業の平均の法人所得とオーナー給与の合計額が約千五百七十万でございますので、この黒字法人の中小企業の平均値まではこれを除外、新たにしようということで八百万を千六百万に引き上げたというのが今回の改正でございます。 ○富岡由紀夫君 引上げ前の実績は、課税額と対象人数は幾らですか。 ○政府参考人(石井道遠君) これは、昨年度の税制改正、要するに十八年四月一日から開始する事業年度の法人について適用があるものですから、実績はまだ出ておりません。  そこで、昨年、制度導入時におきまして、この具体的な適用対象の見込みを私どもこの場でも申し上げております。今般の改正前における本制度の適用対象企業数は約五、六万社、税収額は約二百九十億円ということを昨年、制度導入時には申し上げた経緯がございます。  今回、先ほどのように、八百万を千六百万に引き上げることによりまして、適用対象企業数はこの五、六万社から約二、三万社に減ると、それから税収も当初二百九十億と見込んでおりましたのが約百六十億円ということになるものと見込んでおります。  したがいまして、適用対象企業一社当たりの平均課税額につきましては、この今の税収額を対象社数で割りますと、一社当たり平均で、制度改正前が四十八万円から五十八万円と見込んでおりましたが、改正後は一社当たりの課税額の平均が五十三万円から八十万円程度になるというふうに見込んでおります。 ○富岡由紀夫君 十八年度決算を見て秋口に税の抜本的改革をすると。これは、十八年度決算の実績を見たり社会保障給付の実績を見たり、そういったものを踏まえて本年度の秋以降見直しをするということで先ほどお話ありましたけれども、今のお話ですと、この一人オーナー会社の損金算入のところはまだ実績も出ていないといった中で見直しをするというお話でございますけれども、何かどうも納得いかないんですけれどもね。導入したばかりでまだ実績も出ていない、そういった中で見直しをする、非常に理解し難いんですけども、財務大臣、この点についてはどうお考えでしょうか。財務大臣にちょっと、今数字の中身はお伺いしましたんで、その実績がない中での今回の改正に出てきたというお話、秋口の見直しとの関係でどういうふうに考えたらいいのか教えていただきたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 今般の改正は、中小企業の活性化をより重視するという政策の下、本制度の適用除外基準を見直すものでございまして、制度の影響度合いについての昨年の見込みが間違っていたから改正を行うものではないというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 いや、見込みじゃなくて実績が出ていない中で改正するという理由を教えていただきたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 昨年の経済成長戦略大綱におきまして、構造改革の中で経済状況や成長力の回復に遅れが見られている地域や中小企業の活性化に思い切って取り組むということが重要であるという指摘がなされていること等も勘案をいたしまして、中小企業の活性化に重点を置いた十九年度改正の一環として、起業の更なる促進や活力のある中小企業の負担軽減の観点をより重視した結果でございます。 ○富岡由紀夫君 活性化、今のお話ですと、そもそも、じゃこれを適用しなかった方がよかったのかというようなふうにも理解できるんですけども、その辺のところがよく理解、どういうふうに整理したらいいんですか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 我が国の経済を担う中小企業の活性化という点が特に安倍政権において大きな課題になっておりますので、そういう点を踏まえて今回の改正をしたものでございます。 ○富岡由紀夫君 ちょっとよく、議論これしてもあれなんでもうやめますけども、要は、そもそもの課税逃れの導入目的と中小企業の活性化の今回の引上げというところがよく、余りまだ実績もない中で行われるということがどうなのかなといったことでちょっと質問をさせていただきました。  それと、ちょっともう時間もないんで、今回いろいろと減価償却制度の見直しありました。これ国際的なイコールフッティングということでいろいろな場面で御説明いただいておりますけれども、日本の、何というんですか、法人税率についても今いろいろと御議論がされていらっしゃるというふうに伺っておりますけども、この法人税率の引下げ若しくは引上げも検討の中に入るかどうか分かりませんけども、この法人税率の考え方について尾身財務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 企業が国を選ぶ時代になりました。つまり、経済がグローバル化する中で、どの国に経済活動の拠点を置くか、どこの国に本社を置くかということも含めまして企業が国を選ぶ時代になった。そのときに、日本という国家が企業活動の拠点として選ばれるような魅力ある国にならなければならない。これは外国の企業も日本の企業もそうでありますが、そういう考え方を取っているわけでございまして、そういう意味で、少なくとも税制については諸外国とイコールフッティングの税制を提供することが大変大事だというふうに考えております。  その観点から、現在四〇%を超えている法人税率を持っている国はアメリカと日本とドイツでございまして、ドイツはこれを近く三〇%程度に下げるというふうに決めているというふうに聞いております。そういう中で、特に経済関係者から税率を下げろという要望が昨年もかなり強くございました。  さはさりながら、私どもといたしましては、この財政厳しい状況の中で、現段階で基本税率を下げることは適切ではないと、下げるゆとりもないということで据置きということに判断をした次第でございます。 ○富岡由紀夫君 法人税率を下げろと、いろんな経済団体からのそういうお話もあったということなんですけれども、先ほどの格差に関連してちょっと、ちょっと質問をして答えてもらってからと思ったんですけれども、いただいた資料で見ますと、そもそも法人税を納めている企業というのがどのぐらいの数あるのかといったことをやっぱり考えておく必要があるんじゃないかと思います。  利益を上げている法人が、いろんな調査によって、昨日いただいた資料に見ますと、そもそも利益を計上している法人が三二%ぐらい、六七%、三分の二は欠損法人だといったことが、昨日いただいた国税庁の調査の資料ですか、いただいております。国税庁かな、税務署さんの、いただいた資料でいただいております。大体三割ぐらいしか利益を上げていないといったところでございまして、その利益を上げた企業だけが法人税率の引下げのやっぱり恩恵を得るということでございまして、何かあたかも日本全体が、中小企業がみんな法人税率の引下げを望んでいるかというと、私は決してそういう状況じゃないんだと思っております。  それより先にもっとやらなくちゃいけないことがあると。まずは、法人税を納めるだけ利益を上げるような環境にしてほしいというのが中小企業の私はもっと切なる望みだというふうに思っております。利益を上げていてもう利益処分に困っちゃっていると、そういったところは法人税率下がった方がそれはもう喜びますけれども、ほとんどはもうそんなことは全然関係ないんですね。七割ぐらいの企業はみんな赤字企業だと、これが実態でございますから、勝ち組だけを更に優遇するのもいいんですけれども、それよりまずこういった赤字企業をなくすような、解消するような、そういった仕組みづくりの方が私は必要じゃないかなというふうに思っております。  あと、これも今回質問しようと思ったんですけれども、雇用者報酬は二〇〇一年度から二〇〇五年度まで、いろんなところで議論されておりますけれども、減少しております。ところが、大企業を中心とした役員報酬とか配当金は、これは非常な高い率で増えております。これは要は、何というんですか、大企業の一生懸命利益を上げられる、どうして上げられるかというと、そういった雇用者、働いている人たちが犠牲になった上で利益を上げていると。利益を上げて、それがどこに行くかというと、役員の報酬に行ったり、株主の配当に行ってしまっている。これは非常にちょっと日本全体の社会を見たときにおかしな状況じゃないかなと思っております。  大企業の中では従業員は非常に痛手を負っているし、大企業と下請企業、中小企業との関係を見ると、下請企業はみんな、何というんですか、利益を出せないような、いろんな大企業からの圧力を受けているといったことがあろうかと思います。こういった日本全体の構造全体を私は見直さないと、幾ら国際競争力、競争力といっても、国民の、従業員の犠牲とか中小企業の犠牲の上に成り立つ国際競争力というのは、私は決して望ましい姿ではないんじゃないかというふうに思っております。  国際競争力の名の下にリストラが堂々とやられて、中小企業いじめが、下請いじめが堂々と行われている社会、これは決して私は美しい国ではないというふうに思っております。これを改めるもっと抜本的な観点からの私は日本の転換を図るべきだというふうに思っております。何でもかんでも、先ほどお話ししましたけれども、欧米とか、アメリカとかヨーロッパの国のやり方をまねしてやっていくだけで本当にいいのかといったところを、日本のやっぱり、日本独自で本当に目指すべき社会はどういうものなのか、こういった観点をやっぱり私は大切にしていかないといけないんじゃないかなというふうに思います。  この点を指摘させていただいて、最後、両大臣にちょっと御意見、簡単に御感想をいただきまして、私の質問を終えたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 経済を活性化していく、経済のグローバリゼーションの中で国際競争力を付けていくということが私は大変大事だと思っております。そして、そのことによって、いわゆる設備、債務あるいは雇用の過剰が解消して、経済が順調な回復過程に入りつつある。その結果として、失業率の低下、有効求人倍率の上昇に見られるように労働需給がタイトになりまして、それがそこで働く人たちの給料の上昇にも跳ね返り、それがひいては、また幅の広い消費増大を通じて経済が順調に進んでいくと、発展をしていくと、こういう状況が望ましいと考えておりまして、昨今、初任給の引上げや、あるいは雇用増大、特にニート、フリーターと言われている人が数が減りつつあるという好ましい現象が出てきておりまして、そういう状況が国全体に均てんをするということによって、日本社会、経済全体がバランスの取れた発展を実現をしていくということを私どもとしては期待しているところでございます。 ○国務大臣(山本有二君) 先生御指摘のように、配当や役員報酬に企業の蓄積された富が分配され過ぎて、雇用者に対しての労働分配率が低減するという傾向は全世界的なトレンドになりつつあります。そこに大きな批判があることも全世界的なことであろうと思っております。  特に、アメリカでも最近は極端な役員報酬に対する批判が出ておるわけでございまして、そんな意味で、どのような手段が各国あり得るのかというのはこれからの工夫の出し方ではないかなというように思います。  また、私の知るところによるグローバル企業の金融関係の企業では、ボーナスを八か月、去年の六月には空前の利益が上がったことに対してきちっと反映するということをやっておる企業がございまして、株主の会社でもない、そして役員の会社でもない、従業員の会社だと、堂々と社長さんが言われて、そういうことをやられる企業もございます。  そんな意味では、経営者の個別の判断でもありますけれども、そうしたことが大きな価値を占めていくような、そんな経済社会になっていくことが最も大事だろうというように思っております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございました。  これで質問を終わります。