166-参-財政金融委員会-9号 平成19年03月29日 平成十九年三月二十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      広田  一君     田名部匡省君  三月二十八日     辞任         補欠選任      田名部匡省君     広田  一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         家西  悟君     理 事                 沓掛 哲男君                 中川 雅治君                 野上浩太郎君                 大久保 勉君                 峰崎 直樹君     委 員                 泉  信也君                 金田 勝年君                 岸  信夫君                 椎名 一保君                 田中 直紀君                 舛添 要一君                 山下 英利君                 池口 修次君                 尾立 源幸君                 大塚 耕平君                 富岡由紀夫君                 広田  一君                 西田 実仁君                 山口那津男君                 大門実紀史君    国務大臣        財務大臣     尾身 幸次君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        山本 有二君    副大臣        財務副大臣    富田 茂之君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        外務大臣官房参        事官       伊藤 秀樹君        財務省関税局長  青山 幸恭君        財務省理財局長  丹呉 泰健君        農林水産大臣官        房審議官     佐久間 隆君        農林水産大臣官        房参事官     原口 和夫君        農林水産省総合        食料局食糧部長  皆川 芳嗣君        農林水産省生産        局畜産部長    本川 一善君        経済産業省貿易        経済協力局貿易        管理部長     押田  努君        国土交通大臣官        房技術参事官   林田  博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提  出、衆議院送付)     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党・新緑風会の富岡由紀夫でございます。  関税定率法の改正に関して質問をさせていただきたいと思います。  まず、後発開発途上国に関する特恵対象品目の拡大についてお伺いしたいと思います。  今回見直しされたことによりまして、LDCからの特恵対象品目にコンニャクが対象品目として加わることが案として出されておりますけれども、まず、この特恵対象品目にコンニャクを入れた理由を、尾身財務大臣、もし御説明いただければ教えていただきたいと思いますが。 ○国務大臣(尾身幸次君) 特恵関税の拡充に関しましては、十七年十二月のWTO香港閣僚宣言におきまして、九七%以上のLDC、いわゆる後発開発途上国の産品に対しまして無税無枠措置を供与することが国際的に合意されたところでございます。  我が国といたしましては、ドーハ・ラウンドが開発ラウンドであることも踏まえまして、LDCをできる限り支援するという観点から、LDC無税無枠措置の対象品目ができる限り一〇〇%に近い割合となるよう検討を行ったところでございまして、そういう中で、具体的な対象品目につきましては、政府部内におきまして、国内産業や消費者に与える影響等も踏まえつつ検討を行ったところであります。この結果、コンニャクイモにつきましても対象品目にされることとしたものでございます。  今般の特恵関税の拡充に当たりましては、緊急特恵停止措置の機動的な発動等も通じて、農林水産省等とも緊密に連携しつつ、コンニャクイモ生産を含め、国内産業に悪影響が生じないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 国内の産業に影響ないようにいろいろとお考えもいただいているという御説明だったと思うんですけれども、現状のコンニャクイモの生産量、生産額、関税率等々、簡単に、お分かりいただければちょっと御説明いただきたいと思います。 ○政府参考人(佐久間隆君) お尋ねのコンニャクイモの収穫量、農業産出額、生産農家数でございますけれども、現在、コンニャクイモ生産につきましては、まず収穫量でございますが、平成十八年の作物統計によりますと、全国で六万八千九百トンでございまして、このうち、主産県でございます群馬県が六万一千九百トン。農業産出額につきましては、平成十六年の生産農業所得統計によりますと、全国で百十一億円、このうち群馬県が九十七億円。生産農家数につきましては、二〇〇五年の農林業センサスによりますと、全国で四千百八十四戸、このうち群馬県が二千二百七十二戸となってございます。 ○富岡由紀夫君 ちょっと群馬県については次にお伺いしようと思ったんですけど、先に言われてしまったんでちょっと手順が変わっちゃったんですけど。  今お話ありましたように、群馬県がこのコンニャクイモの生産、日本国内における比率が非常に高いということで、私も群馬県出身なんですけれども、尾身財務大臣もよく御存じだと思っておりますので。ちょっとローカルな話になりますけれども、ただ、ローカルといっても、今、これからは地域が非常に大切な時代を迎えておりますので、ちょっと群馬県について、群馬県の影響というのは日本の影響そのものでありますから、このコンニャクイモに限ってはですね、ちょっと議論をさせていただきたいと思います。  今ありましたように、収穫量は約八九・八%が群馬県ということでございますね。農業産出額でいうと八七・四%ぐらいが群馬県が占めているということで、このコンニャクイモの輸入、この関税を、税率を特恵対象にすることによって、影響というのは、やっぱり群馬県が一番大きな影響を受けるというふうに思っておりますけれども、この辺の影響の受ける見込みについて尾身財務大臣はどのようにお考えを持っていらっしゃるでしょうか。 ○国務大臣(尾身幸次君) 私もこの生産地の出身でございますから、この問題が大変重要な問題であることはよく承知をしておりまして、農林水産省とも緊密に連携をしつつ、コンニャクイモ生産を含めて国内産業に悪影響が及ばないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 今の現状のコンニャクイモの関税率はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。 ○政府参考人(青山幸恭君) コンニャクイモでございますけれども、関税割当て制度の対象になっております。これはウルグアイ・ラウンドでいわゆる関税化された品目でございます。  関税率でございますが、関税割当てを受けて輸入されるものが四〇%、それ以外のものが二千七百九十六円、キログラム当たりということでございますが、二千七百九十六円ということでございます。 ○富岡由紀夫君 パーセントでいうとどのぐらいになりますか。 ○政府参考人(青山幸恭君) 従価換算でいきますと一七〇六%という数字になってございます。 ○富岡由紀夫君 一七〇六%の非常に高い関税率を掛けているということは、これは取りも直さず、海外からのコンニャクイモの輸入が日本に与える、日本の農家、生産農家に与える、コンニャクイモの生産農家に与える影響が大きいということを、証左というか証明、そういうことを示しているわけでございますので、これだけ海外からのコンニャクイモの輸入に対して今非常に、現状は、何ですか、日本の国内、関税の面で非常に今対策というかそういう防波堤を高く掲げているのにもかかわらず、今回こういった形で特恵対象品目の中に入れてしまうというのが、私は非常に、ややちょっと理解になかなかできないところなんですけれども。  今まで一生懸命国内の生産農家を保護していたのにもかかわらず、今回いきなりこの対象品目に入れてしまったというのは、その辺の関係はどういうふうに考えたらいいのか、財務大臣、もし御意見あれば教えていただきたいと思いますけれども。 ○国務大臣(尾身幸次君) この問題は私が財務大臣就任以前のことでございまして、しかし、国家としては、先ほど申し上げましたように全体の無税無枠措置の対象品目を拡大するということが国際的に合意されているわけでございまして、そういう中で、他方、この拡充に当たりましては、緊急特恵停止措置の機動的な発動等も含めまして、農水省とも相談をしつつ、連携をしつつ、コンニャクイモ生産を含めて、国内産業に悪影響が生じないよう機動的に対応してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 今回、特恵対象品目にコンニャクイモが該当することになると、恐らくミャンマー等々からの輸入がされるというふうに見込まれますけれども、今回、このコンニャクイモが特恵対象品目に該当した場合のコンニャク農家に対する影響というのが、もし予測されているのであればお示しいただきたいと思います。 ○政府参考人(佐久間隆君) コンニャクイモの生産農家への影響ということでございますが、我が国のコンニャクイモ国内供給に占めます輸入品のシェアでございますけれども、平成十七年、精粉ベースにおきまして五%程度となっております。また、コンニャクイモは荒粉又は精粉の状態で輸入されるのが通常でございまして、現在、中国、ミャンマー及びインドネシアのこの三か国から輸入をされております。  このうち、LDCに該当いたしますのはミャンマーのみでございます。加えて、これまでの実績からいたしまして、当面ほかのLDCからコンニャクイモが輸入される可能性は極めて低いものと考えてございます。  さらに、ミャンマー産のコンニャクイモでございますけれども、山野に自生している芋を採取したものがほとんどであることから計画的な増産が困難であるということに加えまして、現地におきましても荒粉に加工する際の加工技術、設備が貧弱であるということから荒粉の品質が悪くかつ不安定であるということで、こうした理由から今般の無税無枠措置の供与によりまして我が国への輸出が直ちに拡大されると、このようには考えておりません。  なお、仮にの話でございますけれども、輸入が増加することによりまして群馬県を始めとしまして国内の産業に損害を与えるおそれがあると、こういう場合には、特恵の停止を行いますエスケープクローズを機動的に発動するということ等によりまして、その影響を回避することといたしております。 ○富岡由紀夫君 今の御説明ですと、ミャンマーはそういう生産を拡大して日本に輸出できる能力を持っていないというか、可能性は低いということだったんですけれども、それじゃこのLDCの特恵対象品目に入れた意味合いがないんじゃないんですか。要するに、ミャンマーの農産物の輸出を、何というんですか、促進するために、後発開発途上国のそういった農業の振興のために今回やっているわけでございますから、今の話だと全く意味合いがないというか、今回の対象品目に入れた意味合いがないということになってしまう話になってしまうので、その辺はちょっとやや論理的に矛盾があるのかなというふうに思っております。  多分、関税率が、この一七〇〇%の関税がこれ無税になるわけですから、無枠になるわけですから、よほど、何というんですか、全く気付かない人でない限りは、多分日本に対して一生懸命輸出できるように努力をされるんだというふうに思っております。  そういった意味で、今まで非常に高い関税率を掛けて保護していた国内産業の対象品目でございますから、私はそもそもこの特恵対象品目からコンニャクイモは除外すべきだというふうに思っておるんですけれども、この考え方に対して尾身財務大臣はどのようにお考えでしょうか。 ○副大臣(富田茂之君) 今先生の方で国別・品目別特恵適用除外措置をとるべきだという御指摘がございましたが、この措置は我が国市場におきまして高い国際競争力を有する特恵受益国の産品につきまして、より競争力の低い特恵受益国への特恵メリットの均てん化を図るという観点から、国及び品目を指定して特恵の適用を行わない制度でございます。  こうした国別・品目別特恵適用除外措置、いわゆる部分卒業措置のLDCに対する適用につきましては、まずLDCは一般特恵受益国に比べまして貿易を通じた開発を支援する必要性がより一層高い、またEC等におきましてもLDCは部分卒業措置の対象としていないこと、これらを踏まえましてLDCにはこれを適用しないこととしておるものでございます。  是非御理解いただきたいと思います。 ○富岡由紀夫君 今の話は一般特恵対象品目、対象国の話でありまして、そうじゃなくて、私が今お話ししたのは、LDC向けの特恵対象品目にこのコンニャクイモが入っているわけです、今回入れられるわけですけれども、そもそもそれを入れないで除外すべきだと、LDC向けの特恵対象品目からこのコンニャクイモは除外すべきだというふうに私は思っているんですが、この点について改めて尾身財務大臣に御意見を伺いたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 全体のこのLDC無税無枠措置の拡充に当たりまして、農林水産省とも協議をした結果、コンニャクイモなど対象産品の輸入の増加により国内産業の損害が生じた場合には、特恵関税の供与を停止するエスケープクローズについて機動的に発動を行うべく、その運用基準について明確化を図るところにしたところでございまして、こういう必要な対策を講じた上でこの今回の措置になったわけでございまして、しっかりと、コンニャクイモ生産を含めた国内産業に悪影響がないよう、今後機動的に対応してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 特恵対象品目から除外はする御予定はないということでございますか。分かりました。  今お話にありました、緊急特恵停止措置の発動基準のお話が出ましたけれども、これはやや基準が非常に抽象的に書いてありまして、明確な客観的な基準が示されてはおりませんけれども、この発動基準、この運用基準というか、について、これをどのようにとらえたらいいのか、何か主観的な抽象的な表現で書いてあるんですけれども、どこが、どこから、どういうふうになったら実際に適用が発動されるのか、お示しいただければと思います。 ○政府参考人(青山幸恭君) 御指摘のエスケープクローズの発動の点でございます。これにつきましては、基本的にはやっぱりケース・バイ・ケースで国内産業の損害というものの判断の必要があるんではないかというふうに考えております。一律的な数値基準になりますと、これは今申し上げました無税無枠と併せまして考えますとなかなか難しいという点と、あわせまして、やはり少しでも損害があればということも、もちろんそれはいろんな考慮の対象になるわけでございますから、そういう意味で数値基準は採用しておりませんけれども、その措置の機動的な活用のために、私ども運用に係ります基準ということで、私ども関税・外国為替等審議会において議論したところはございます。  具体的に申し上げますと、第一は、やはり特恵適用のその輸入の増加ということでございます。これは、国内の市場占拠率の増加。しかし、これもやはり何%増えたらという議論はなかなか言いにくいと思います。少しの場合であってもやはりまずい場合もあろうかと思います。  それから、二番目でございますが、国内産業の損害ということでございますが、これにつきましては、当然のことながら、国内の国産品の販売価格が低下するということもございますが、これもどういうふうに判断するかというのは必ずしも、それはあいまいという議論よりも、そこはやはりむしろその数値基準というのはあらかじめ示すことは多分できないのではないかというふうに思うわけでございます。  さらに、三番目でございますが、特恵の適用対象の輸入の増加と、それから国内産業の損害の因果関係と、こういうことで検討を行うということで、それが言わば基準になってございます。  いずれにいたしましても、私ども発動が必要と認められた場合におきましては、農水省とも相談いたしまして、原則二か月以内に調査を終了して政令でやってしまおうというふうに考えておるわけでございまして、速やかに政令でその当該の対象品目等を指定いたしまして、緊急特恵停止措置、エスケープクローズを発動するということになろうかと思っております。 ○富岡由紀夫君 国内の生産農家に影響のないように、このエスケープクローズの発動基準を明確に活用していただいて、していただいて、今ありました調査期間、これもできるだけ短縮していただいて、影響が、何というんですか、長引かないように早めに手が打てるように運用を是非お願いしたいと思います。この点を要望させていただきたいと思います。  さらに、今の現状のコンニャク農家に対する経営安定対策というのは、現状どのような対策が取られているのか、教えていただければと思います。 ○政府参考人(佐久間隆君) コンニャクイモ生産農家に対します支援でございますけれども、まずコンニャクイモにつきましては、中山間地域におきます特産物といたしまして、地域農業の振興でございますとか生産条件不利地域の国土保全に寄与している重要な農産物であると考えてございます。  他方、コンニャクイモの特性ということの中に関連しまして、担い手の高齢化でありますとか後継者不足といったような問題に加えて、気象災害に弱く収穫までに複数年を要するといったことなどがございまして、生産量の増減及び価格変動が激しいと、こういった課題がございます。  このため、従来より、強い農業づくり交付金等の各種の助成措置によりまして、品質、生産性の向上によります産地の生産体制の強化のための機械でございますとか施設の整備を図っていること、価格の安定を図るための計画的な生産や調整補完を行う、あるいは消費拡大を図るための消費者に対する啓発、こういったことについて支援をしてきております。  加えて、産地の構造改革を加速する観点から、平成十八年度補正予算におきまして新たに特定農産物産地構造改革対策事業を創設いたしまして、契約栽培の推進等によりまして産地強化対策を講じたところでございます。これらの対策を引き続き推進することによりまして、コンニャクイモ生産農家の経営安定に努めてまいりたいと思っております。 ○富岡由紀夫君 今のはコンニャク生産農家だけに適用されるものじゃなくて、一般の、広くそれ以外の、コンニャク以外の生産農家に対する、何というんですか、経営安定対策というふうにとらえることができたんですけれども、昨日の御説明だとコンニャク農家に対する経営安定対策はないということで御説明いただいたんですけど、それとちょっと矛盾するんですが、どういうふうに理解したらいいんでしょう。 ○政府参考人(佐久間隆君) 昨日御説明に伺った者からのことでございますけれども、御説明申し上げたのは、コンニャクイモの国内の価格支持といったような、そういうものはございませんということで、今申し上げました対策は、コンニャクイモの生産農家に対しまして具体に取られている、これはもちろん費目としてコンニャクという名前が付いているということではなくて、これを強い農業づくり交付金等々の中で対応しているということでございますが、具体にコンニャクイモの生産農家に対して実際に行われているものでございます。 ○富岡由紀夫君 コンニャクイモについてちょっと最後の質問なんですけれども、昨日ですか、ニュースでやっていましたけど、中国産の里芋が千葉県産ということで、そういうふうな販売をされたということが、それでいろいろと処分を受けたというニュースが出ておりました。  原産地証明というのが多分あるはずなんでしょうけれども、そういうのがなかなかこういう事例を見ると信用できないということが、まあそういうことになるんですけれども、本当にこういったコンニャクイモについても、中国からの迂回輸入とか、原産地証明が本当にそれがちゃんとしっかりしたものが、信憑性のあるものがちゃんと持てるのかどうか、それも心配でございます。  最後に、このコンニャクイモの経営安定について、再度、尾身財務大臣、今のいろんな原産地証明の悪用とかそういったことも含めて、そういった現象があるということも考慮してお考えをお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) LDC産以外のコンニャクイモ等がLDCを通じて迂回輸入されるということのないよう、輸出国の発給する原産地証明書の提出を義務付け、そして税関により証明書の確認を厳格に行うこととしております。また、輸入に際しまして適切な検査、分析を行うとともに、仮に輸入許可後において疑義が生じた場合につきましても事後調査の実施をするなどの対応を行ってまいりたいと考えております。  このような取組によりまして、LDC無税無枠措置を悪用した迂回輸入につきましては、これを水際で厳格に措置すべく万全を期してまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 次に、EPAについてちょっとお伺いしたいと思います。  今、オーストラリアとのEPAが議論されておりまして、農水省さんの試算によりますと、小麦、砂糖、乳製品、牛肉の四品目の関税が撤廃された場合八千億円ぐらいの国内の生産額が減少するという見方もされているようでございますが、この四品目の関税が撤廃された場合、砂糖は群馬県はないんですけれども、群馬県もかなり影響を受けるというふうに思われますが、このオーストラリアとのEPAが締結されて四品目の関税が撤廃された場合の群馬県への影響について教えていただきたいと思います。 ○政府参考人(原口和夫君) 豪州から輸入されます農産物の多くは我が国農業にとって重要な品目であり、仮に日豪EPAによって関税が撤廃されましたならば、群馬県の農業始め我が国農業に大きな影響があるというふうに認識しております。  群馬県の農業への影響でございますが、これにつきましては群馬県庁の方から試算が公表されておりまして、関税撤廃が行われれば小麦、牛肉、生乳の三品目の生産が合計で三百五十三億円減少するという結果が出ているというふうに承知しております。 ○富岡由紀夫君 群馬県だけで三百五十何億円ということで、非常に日本全体にするとかなり影響が大きいと思いますので、私はこの四品目はこの関税撤廃の対象から外すべきだというふうに考えておるんですが、この除外すべきだという考え方について、財務大臣、どのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。 ○政府参考人(原口和夫君) 日豪EPAにつきましては、日豪の政府間共同研究を行いました。そこの報告書におきまして、今申しましたような重要品目の重要性にかんがみまして、交渉に当たっては除外及び再協議を含む我が国農業を守る上で必要なすべての柔軟性の選択肢を取りそろえるということで報告がなされております。  EPA交渉に当たりましては、このような報告を土台といたしまして、国内農林水産業への影響を十分踏まえまして、守るべきものはしっかりと守るという方針の下、政府一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 今回のオーストラリアとのEPAの締結もそうですけれども、WTOとかFTAとかいろんな交渉がされるとき、いつも犠牲になっているのが日本の農業だというふうに思っております。日本の農業の犠牲の上に日本の輸出産業が成り立っているという見方もできるのかなという感じがしますけれども、ただ、余りにも農業ばかり非常に犠牲が大変強いられているという状況は私は行き過ぎじゃないかなというような思いがしております。今ありましたオーストラリアとの影響は非常に大きな影響も含んでおりますので、今後のこういったWTOの交渉とかEPAの交渉の中で、やっぱり農業については日本も守るべきことは、今お話ありましたように、しっかりと守るということで議論していただきたいというふうに思っております。  改めて、再度、尾身財務大臣に、日本の農業を守るという観点から今後の交渉についてのお考えをお示しいただければと思います。 ○国務大臣(尾身幸次君) 今のWTOドーハ・ラウンド交渉やあるいはEPA、FTA交渉に当たりましては、食料安全保障の確保とかあるいは農林水産業の多面的な機能、我が国農林水産業の構造改革の進捗に十分留意することが必要であると考えております。EPA、FTA交渉につきましては、攻めるべきは攻め、守るべきは守るという考え方の下に、我が国と相手国双方の共存共栄が図られるよう戦略的かつ積極的に取り組んできております。WTOドーハ・ラウンド交渉につきましても、本年交渉が本格的に再開されたところでありますが、同様の方針の下で交渉の早期妥結に向け積極的に取り組んでいるところでございます。  今後とも、これらの交渉に当たりましては、我が国農林水産業の構造改革の進捗等に十分配慮しつつ、我が国として最大限の利益を得られるような政府一体となって交渉を進めてまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 先日、テレビでドキュメンタリーというか特集があって、WTOでどういう交渉が行われているのかという話がされて、放映されていましたので私も見たんですけれども、それを見ると、先進国が自国の農業はしっかりと補助金を出したり輸出奨励金を出したりして産業を育成して保護しているわけでございますけれども、だれが犠牲になっているかというと、開発途上国が非常に被害を受けているといった内容でございました。農業に対する関税を撤廃して、本来であれば開発途上国というのは国が成長をするためにはまず農業基盤をしっかりと成長させていかないといけないわけですけれども、その開発途上国の農家が先進国からの農産物の輸入によって非常に大打撃を受けていると。先進国は輸出補助金とか農業補助金、いろんな奨励金を出して自国の農業はしっかりと守っていると。それで、開発途上国の農家は非常にその輸出品に抑えられて、自国の産業として農業が成り立たないといった状況が出ておりました。もう先進国は非常にそういったエゴをむき出しにして開発途上国の農業を食い物にしているというか、そういった内容のドキュメンタリーでございました。  是非、そういったことのないように、日本もこの先進国の中でリーダーシップを発揮していただいて、そういった開発途上国をいじめるような農業政策、関税政策を、貿易政策を取るんじゃなくて、しっかりとリーダーシップを発揮していただいて、本当に開発途上国、特に後発開発途上国に対してしっかりとした支援ができるような議論をしていただきたいというふうに思っております。  最後に、今のお話を受けて、尾身財務大臣の、もしそういったお考えをお伺いできればと思いますので、よろしくお願いします。 ○国務大臣(尾身幸次君) 開発途上国の経済の発展を支援するということは極めて大事であり、また基本的には自由貿易の方向に行くということが大きな世界の流れであると考えております。  ただしかし、そういう中で、やはり国内の農業を守っていくということも、我が国の自給率の問題も含めまして非常に大事な国家としての基本的な課題でございまして、そういうことも含めましてしっかりと対応していきたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 時間になりましたので、これで質問を終わります。