166-参-政府開発援助等に関する…-8号 平成19年06月13日 平成十九年六月十三日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任         岡田  広君     野村 哲郎君      中村 博彦君     松村 祥史君  ツルネン マルテイ君     和田ひろ子君      松 あきら君     山本 香苗君  六月十三日     辞任         補欠選任         若林 秀樹君     那谷屋正義君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山崎 正昭君     理 事                 阿部 正俊君                 小泉 昭男君                 山下 英利君                 犬塚 直史君                 富岡由紀夫君                 浮島とも子君     委 員                 岩城 光英君                 太田 豊秋君                 神取  忍君                 岸  信夫君                 坂本由紀子君                 中川 雅治君                 中島 眞人君                 野上浩太郎君                 野村 哲郎君                 松村 祥史君                 朝日 俊弘君                 江田 五月君                 小川 敏夫君                 大久保 勉君                 加藤 敏幸君                 那谷屋正義君                 藤末 健三君                 和田ひろ子君                 山本 香苗君                 大門実紀史君                 近藤 正道君                 亀井 郁夫君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        外務大臣     麻生 太郎君    大臣政務官        外務大臣政務官  関口 昌一君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君        常任委員会専門        員        桐山 正敏君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       新保 雅俊君        外務大臣官房審        議官       佐渡島志郎君        外務省中東アフ        リカ局アフリカ        審議官     目賀田周一郎君        外務省国際協力        局長       別所 浩郎君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事        長        緒方 貞子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○調査報告書に関する件 ○中間報告に関する件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○政府開発援助等に関する調査  (ODA事業量の確保に関する件)  (ODAの戦略的・効果的活用に関する件)  (環境分野におけるODA増額に関する件)  (アフリカ支援に関する件)  (援助分野における人材育成に関する件)  (我が国のODA戦略と海外経済協力会議に関  する件)  (我が国の地域復興支援チーム(PRT)参加  に関する件)  (途上国の人権状況とODAの供与に関する件  )     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。  本日は大変お忙しい中、総理、外務大臣そしてJICAの緒方理事長御出席いただきまして、本当にありがとうございます。限られた時間でございますので、実のある議論をさせていただきたいと思いますので、ちょっと順番は、話の展開上、まず最初に緒方理事長にお伺いしたいというふうに思っております。  昨日の報道でも出ておりましたけれども、スーダンに対する国連そしてアフリカ連合の平和維持部隊が入るということが、スーダンが受入れを決定したということが報道されておりますけれども、まず緒方理事長に、スーダン、特にダルフールのジェノサイドは大変な問題でございますけれども、この御実態をもし御存じであれば教えていただきたいというふうに思います。 ○参考人(緒方貞子君) 緒方でございます。  ただいま御指摘のありましたように、確かに国連の平和維持活動とそれからOAUの活動とが一緒になってスーダンに、特にダルフール地域に展開されるというニュースを私も読んだところでございまして、詳細は承知しておりませんが、これでやっと進歩が出てくるかなという形で非常に期待は持っております。  ダルフールの状況というのは、ただいまのアフリカの多くございます紛争の中で一番結果が悪くて、四百万人の人が影響を受けていると申しますが、それに対する国際的な効果的な対応ができていないということで大変心を痛めておりましたので、是非この機会に何かダルフールに対してもいろんな対応ができるようにと期待いたしております。  スーダンはアフリカ一の一番大きな国でございますが、ここでの南北の和平合意というのは進んでいるというふうに承知しております。JICAといたしましては、何とかして北のスーダンの人々も南部の人々も和平ができたためにやはりいろんな恩恵があるという実感を得られるようにと思っておりまして、北の方には一応北東部に水、それからこれは職業訓練等の事業を進めたいと思っておりますが、南部におきましては、ジュバという町が、これがナイル川に沿ったところにあるんですが、そこの川の波止場というものを直しまして、そしてそこからナイル川を通してのいろんな物資の運搬などができるように、もうほとんど完成に近くなっております。そして、ジュバの町に職業訓練所を設けまして、国際機関と一緒になって、そして国際機関と一緒に日本のNGOもそちらで活躍しておられるので、国際機関、NGO、私どもで何とかしてジュバというところを中心にした南部の開発を試みております。  お心に掛けていただいて非常に私は喜んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。 ○富岡由紀夫君 国連やAUの部隊の受入れが非常に遅れたということは問題なんですけれども、ただ、一歩前進したということは評価すべきだと思いますが、この受入れと虐殺に対して中国がかなりの部分で、何というんですか、そういった、何というんですか、関与をしていたんじゃないかという議論が報道でもされております。アメリカ議会でも公聴会が開かれたりして制裁まで含めて議論がされているところでございますけれども、このスーダン、ダルフールを中心としたこの虐殺がこれまでずっと続いてきたということに対して、中国の関与についてはどのように見ていらっしゃいますか。緒方理事長にお伺いしたいと思います。 ○参考人(緒方貞子君) 私、直接中国側と本問題について話したことございませんので、あくまで新聞報道等で知っていることでございますが、中国はスーダンからたくさんの石油資源を確保しております。そして、このダルフール問題がなかなか解決いたしません中で、国際的な圧力もあって、中国はこのダルフール問題のための特別代表を指名されまして、そして交渉に当たったというふうに聞いております。  そういうことで、やはり国際的な各国挙げての努力というものが、多少今回の国連及びアフリカの平和維持軍の出動につながったのかということを期待はいたしておりますが、確証は持っておりません。やはり、国際的なすべての関係諸国の努力が結集しませんと今のようなスーダン問題、ダルフール問題はなかなか解決しないと思いますので、こういう進展は期待しながら見守っていきたいと思っております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  報道によりますと、今おっしゃられたように石油をスーダンから中国がかなり買っていて、そのほかにも武器も、ジェノサイドに使われている武器もかなり中国製のものが入っているといったようなことが報道をされております。その公聴会でもいろんな参考人の方がいろんな意見を言われたらしいんですけれども、そのほかにも、大統領の宮殿を造る資金を中国が支援をしたりして、要は石油資源、そういった鉱物資源の利権確保をするために、そういったところに中国は資源外交として、そういう反人道的な政府、そしてそういった部族に対する援助をされていたということが議論されております。  こういったことを踏まえて総理大臣にお伺いしたいんですが、今の緒方理事長の意見も踏まえて、日本政府として中国に対して何らかのこのスーダンの問題に関してアクションを私は取るべきだと、厳重注意なりいろんなことをすべきだと思うんですけれども、現時点での安倍総理のこの問題に関する御見解をお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) このスーダン・ダルフールの問題につきましては、ただいま緒方さんからお話がございましたように、二十万人が虐殺をされて、そして難民だけでも二百万人出ているという状況でございます。  その中で、国際社会が一致をしてスーダン側に圧力を掛けてきたところでございますが、ようやく国連、AUの言わば合同の展開を受け入れるということになったことは一歩前進であったと、このように思うわけでありますが、その中で、国際社会がスーダンに圧力を掛けている中で、中国、最もスーダンとの関係においては大きな比率を占めている、石油の輸入においても大きな比率を占めている中国の対応が注目を集めてきたところでございますが、しかし、中国がなかなか国際社会の懸念をよそに、スーダンへの支援の在り方について国際社会の要請を敏感に感じ取ってこなかったのも事実でございます。  そういう中にありまして、私も先般、四月来日をされました温家宝総理に対しまして、中国のスーダンを含めたアフリカへの支援の在り方について、透明性、そしてまた国際社会の規範に沿った形で支援を行っていくように要請をしたところでございます。今般のG8サミットの場におきましても、やはりアフリカの支援をしていく上において、ガバナンスの重要性を十分認識をしながら支援をしていくべきではないかという議論があったわけでございます。  今後とも、中国に対しましては、海外援助の在り方、特にスーダンに対してはそうなんですが、その透明性、そしてまた国際規範に沿った支援を行うように求めてまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  今、先ほど国連軍が受入れなったということなんですけれども、その国連軍の派遣とか平和維持軍の派遣とか、あと、経済制裁を国連が決議しようとしたとき、中国は安保理の常任理事国の立場を利用してそれに反対してきたといった経緯もございまして、アメリカの中で一部、来年の北京オリンピックについてボイコットすべきだといった運動も展開されておりますけれども、この北京オリンピックのボイコットに関して安倍総理大臣の御見解をお伺いしたいと思います。安倍総理大臣。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) スーダンにおける虐殺、そしてその関連において、中国が来年オリンピックを開催するにもかかわらず、スーダンへの支援を行っているという議論があるのは十分承知をいたしております。しかし、日本の立場は、スポーツはあくまでもスポーツであり、政治とは分けて考えるべきだろうと、このように思っているところでございます。  いずれにいたしましても、中国に対しましては、透明性、そして国際規範にのっとった支援の重要性について我々も中国によく申し上げていきたいと、このように思っております。 ○富岡由紀夫君 安倍総理が標榜されております美しい日本、美しい星、確かにそれを目指すべきだというふうに思っておりますけれども、この美しい星の中で今言ったような大量虐殺が行われていたり、現時点でも、後でまたお話しさせていただきますけれども、一年間に一千万人ぐらいの子供、五歳以下の子供が毎年死んでいると、貧困が原因で死んでいるといった事態がございます。こういったことが一方である、それを放置する姿というのは決して美しい星の姿ではないというふうに思っております。それを助長するような中国政府の今回のこの一連の行動を見てみますと、私は、確かにスポーツはスポーツ、政治は政治、切り離して考えるという考え方もあるかと思いますけれども、そういった美しくない星を助長しているような国に対してはあらゆる手段を使って制裁をしてそういったことを撲滅していく、こういったことが私は必要であろうかというふうに思っております。  こういった意味で、私は日本政府も何らかの形で中国政府に強力な圧力を掛けていくべきだと、そういった虐殺をなくす意味で、資源が欲しいから虐殺をしてもいいんだと、そういった非人道的な考え方を持っているような国に対しては厳しい態度で臨む必要が私はあろうというふうに思っております。  改めて、安倍総理に、そういった意味で私は北京オリンピックのボイコットも日本も考えていいんじゃないかというふうに思っておりますけれども、是非もう一度御見解をお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま富岡委員、大変厳しい御意見を承ったわけでございます。この参議院の委員会の場におきまして、有力政党である民主党の富岡委員からそういうお話があったということ自体は、これはやはり日本の懸念の一つの私は表明になっていくんだろうと、このように思うわけでございます。  政府といたしましても、ダルフールの現状を深刻に受け止めているわけでございます。緒方理事長からも御説明がございましたように、これは国際社会も大きな関心を持っているところでございまして、今後とも中国に対しましては、粘り強く、国際社会が一致してこのダルフールの問題を解決をしていく必要性、そしてそのためにも中国がより影響力を持っているということにも注目しながら、我々も中国とよく話をしていきたいと、このように考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 関連いたしまして、アフリカの支援について、緒方理事長にお伺いしたいと思います。  JICAでは新しい研究会を発足されたと伺っております。アフリカの貧困削減と紛争予防をテーマとする研究会を発足させたというふうに伺っておりますけれども、この設立された意義と目的について、簡単で結構でございますので、教えていただければと思います。 ○参考人(緒方貞子君) ただいま御質問のありました、貧困削減と紛争予防を関連させたような研究の事業についてお尋ねいただいたんですが、このたび、新JICAの法律の中には研究というものが私どもの仕事の本業の中に入っております。そのときに、どういう形でこの研究を進めていくかということの一つ、やはり研究そのものが私どもの仕事に実際に役に立つということが一つでございますが、もう一つは、研究から出てまいりますいろいろな戦略的な考え方あるいはその調査の結果というものを広く国際的にも知っていただかなきゃならないと、そういう形で今研究事業の検討をいたしておりますが、一つ具体的にただいま取り上げましたのは、開発援助というものが紛争の予防あるいは解決にどういう影響を及ぼすことができるんだろうかということを目的にいたしまして、ただいま国際的な研究者の方々と一緒に、アフリカにおける開発援助、貧困削減の事業等、それが実際に紛争の予防に役立つかというような検討を始めました。そして、この事業につきましてはだんだん結果が出てくると思いますが、今紛争が起こりそうなところ、あるいは起こっているところについても、実効のある提言が出てくるようにと考えております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  緒方理事長がJICAのこの年報の序文でODAの在り方について述べられていらっしゃる文章を読まさしていただきました。  その中で、ODAというのは開発途上国の持続的発展と安定に貢献し、もって世界の平和と発展という国際益の増進に寄与する使命を有しており、日本の国際社会への重要な貢献策ですということで、冒頭で述べられております。  これに対して、政府のODA大綱との違いが、私はちょっとニュアンスが違うんじゃないかというふうに思ったものですから質問させていただきますが、そのODA大綱には、ODAの目的については、国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することであると示されております。  JICAのその年報の中で緒方理事長が述べられた中では、ODAの目的は国際社会への貢献が目的だというふうにうたってあるのに対して、この大綱の書き方を見ますと、国際社会への貢献は、大綱の方では、我が国の安全と繁栄の確保という目的のための手段であるというように位置付けられているような形で読み取れられるんですけれども、この辺の違いは、あえて使い分けていらっしゃるのか、そういった日本のODAというのはどちらに重点を置いているのか、その辺のところを、もし意味合いがあるのであればお答えいただきたいというふうに思います。 ○参考人(緒方貞子君) 大変厳しい御質問だと思いますが、実は私自身はそれほどその二つの見解について大きな違いがあるというふうには考えておりません。  と申しますのは、日本のように、国際的に、安全の上でも経済の発展においてもすべて国際的な相互依存の中にどっぷりつかっている国にとっては、日本の国の安全とそして発展のためには、国際的な安全と発展を保障するような状況、そしてそれに貢献することが不可欠だというふうに考えております。両者を一体のものとして考えておりまして、どうも、きっと年報などに書きますときはそこまでよく考えを詰めないで書いたのかも分かりませんが、私としては、ほとんど日本は国際的に非常に依存度の高い国であると、したがって、国際的な平和と発展というものに貢献していくことが日本自身の国の安全と発展に資するものであるというふうに考えております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  確かにそのとおり、どちらかをやれば済むという問題じゃないというふうに思いますけれども、是非、ちょっと注文なんですけれども、安倍総理に注文というか御提言させて、生意気なんですけれども、させていただきますと、要は国際貢献を日本はODAを使ってやっているわけでございますけれども、その目的が、あたかも日本の安全と繁栄のために手段として使われているというような文脈で読み取られるような大綱というのは、私は、日本の政府として余り美しい政府の在り方じゃないんじゃないかなと私は思います。  要は、自分のためにやっているというふうに、手段としてやっているんだったら、何かいやらしい感じがしまして、こそくな感じもするんで、そこはやはりODA、先ほど麻生外務大臣もおっしゃいましたけれども、世界第二位の経済大国ですから、何だかんだ言っても。ここはやっぱり人道的な観点で日本はやっていくんだと、結果として自分たちのそういった繁栄にもつながってくると、これはもう当然でございますけれども、ですから、そういったところを余りいやらしい書き方をしない方が、私は美しい日本のためにはプラスになるんじゃないかというふうに思っておりますけれども、その点について安倍総理の御感想をお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) その御指摘は正に私はそのとおりなんだろうと、このように思うわけでございまして、私ども、この日本、そしてまた先進国には特別の責任というのがあるんだろうとこのように思うわけでございまして、先進国は先進国のみで今のこの地位をそして豊かさを築いているわけではなくて、また豊かさを維持をしているわけではない。多くの途上国、またアフリカの国々、アジアの国々の営みがあって初めて私どものこの豊かさがある。そういう中で我々は我々の責任を果たしていかなければならないんだろうと、このように思うわけでございますし、また特に日本は、私はG8の場でも申し上げたわけでありますが、敗戦でほとんど産業も灰じんに帰した中において、世界の国々の好意、援助によって今日の豊かさを築いてきたわけでございます。一九九一年まで我々はこうした海外からの支援に対する返済を続けてきたということでございまして、そういう日本であるからこそ、やはりこれから発展していこうという国々に対して手を差し伸べていかなければならないんだろうと、このように思うわけでございます。  と同時に、一方、やはりこのODAを支えている国民の皆様に対して、言わば国益の観点からもこれは資するものですよという、そういう説明もやはり必要であろうし、またこのODAが持続的に続いていくためにも、これはやっぱり私たちのためにもなっているんだという理解を進めていくということも大切であろうと。このバランスが極めて重要であろうと、このように考えているところでございます。 ○富岡由紀夫君 続きまして、今回、調査報告書をこの委員会で出させていただきまして、その中で提言させていただいております人間の安全保障センター、これ仮称でございますけれども、の創設を提言させていただいております。この点について、是非総理の御見解をお伺いしたいと思います。  具体的には、外務大臣の方で推進されていらっしゃいます寺子屋構想とか、あと防衛省で今進めておられます平和協力活動にかかわる研修センターの問題とか、あとJICAさんの方でこれ従来から行われておりました様々な研修、実務研修等々を総合的に一体化して、省庁の縦割りをなくして一体化して、研修体制の整備、強化をこれ提言しているわけでございますけれども、この提言に対して、是非推進していただきたいというふうに要望しているわけで、我々は思っているんですけれども、安倍総理大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本日、委員会から御提言をいただいております援助分野におけます人材の育成につきましては、今後とも我が国がODA実施体制の強化を図る上で極めて重要であると考えています。  その中で、御指摘のような機関を設置する可能性については、今後の検討課題でございますが、国際社会共通の課題に対処をしていくために、国内外の関係諸機関とも連携をしながら、政府全体として幅広い分野で人材の育成、交流を進めていきたいと、このように思っているわけでございまして、既に存在する機関等々も考慮に入れながら、御趣旨に合うためにはどうすべきかということについてよく検討をしていきたいと、このように考えております。 ○富岡由紀夫君 是非強力に、検討をして推進をお願いしたいと思います。  続きまして、日本のODAに対する対外的な公約を幾つかされておりますけれども、そのうち幾つかについて、現在までの進捗状況と今後の達成見込みについてお伺いしたいと思います。  まず一点目は、二〇〇五年四月、アジア・アフリカ首脳会議で今後三年間でアフリカ向けのODAを倍増すると、その中身については贈与を中心とするといった公約がございますけれども、このまず現在の進捗状況と達成見込みについてお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国にとってODAは、先ほども申し上げましたように、最も重要な外交手段の一つであるという認識の下にODAに精力的に取り組んできたわけでございますが、平成十七年に表明したODA事業量の百億ドル積み増しの国際公約達成に向けて現在取り組んでいるところでございます。  そういう中におきまして、来年は何といっても洞爺湖サミットを開催するわけでございますので、来年もこの洞爺湖サミットの前にはTICADWを開催するということもございまして、このアフリカ問題もテーマの一つになるのは間違いないということでございます。  そんな観点からも、今後とも我が国にふさわしい事業量の確保に努めていかなければいけないと、このように認識をいたしております。 ○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたアフリカの部分でありますけれども、アフリカのODA三年で倍増という件のところだと思いますが、公約は二〇〇七年の実績で約十七億ドル、一千八百億円を目指すものになります。したがいまして、公約にあります贈与の部分には、技術協力のほか、無償協力等々、国際機関への出資、債務救済等々も含まれておりますが、私ども、御存じのように厳しい財政状況にもございます。したがいまして、いろいろ問題は抱えておりますけれども、特にアフリカ向けの案件を積み上げるということにつきましては、例の骨太二〇〇六においてこの点は明確にいたしておりますので、責任ある国際社会の一員として、一応この話は公約みたいな形で申し上げておりますので、私どもとしてはこの達成に向けて努力をしておりますが、ほぼ達成できる見込みで今鋭意努力をさせていただいておるというところであります。 ○富岡由紀夫君 今、安倍総理にその百億ドル積み増しの公約について先にお話しいただきましたけれども、この問題についてちょっとお伺いしたいんですけど、この中身が私は問題だというふうに思っております。いわゆる、何というんですか、純粋に日本から技術供与、若しくはそういった資金の無償提供、そういったものであればもちろんいいんですけれども、今までの状況を見ますと、債務救済、要するに借金棒引きですね、でかなりの部分を公約の、何というんですか、達成のための手段として算入しているわけですけれども、こういう状況は余り好ましくないんじゃないかなと本来の趣旨からいって思いますけれども、こういったことを含めて、その百億ドルの積み増しの目標の問題と。  あともう一点、二〇〇五年六月の九州・沖縄サミットの世界基金構想五周年シンポジウムの中で、エイズ・結核・マラリア対策の基金拠出、これを当面五億ドル行うというふうに公約されておりますけれども、これを見ると、今年度の予算はまず八十六万ドルしか計上されていなくて、このままでいくと達成が危ぶまれるんじゃないかというふうなちょっと心配もしているんですけれども、この二点について安倍総理及び麻生大臣にお伺いしたいと思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については後ほど麻生大臣から御説明申し上げます。  債務免除につきましては、日本は国際社会との協調の中でこの債務免除について日本として対応しているところでございます。しかしながら、言わばアフリカの国々がオーナーシップ、自助努力の下に国を発展させていくように我々も促していかなければならないと、このように考えているところでございます。  そしてまた、これは九州・沖縄サミットにおいて言わば設立をいたしたと言ってもいいと思うわけでありますが、このグローバルファンドにつきましては既に六・六億ドルを拠出をしているわけでございまして、そして先般、小泉総理が五年間で五億ドルということを公約をし、それは順調に積み上がってきているのではないか。また、詳細について外務大臣から御説明をいたします。  このサミットが始まる前にロックスターのボノから私に手紙が参りまして、日本はアフリカへの約束を確実に守っている数少ない国であると、今後ともアフリカへの支援についてリーダーシップを発揮をしてもらいたいと、このような手紙が来たことも御紹介させていただきたいと思います。 ○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありました分ですけれども、確かに債務救済で早い話が帳じりを合わせておるんではないかという御指摘なんだと存じます。  これは多くの国々が、これはお断りしておきますが、合法的なことであって、非合法なことをやっているわけではないと。いかにも、伺っていると、日本がインチキしているかのごとく言われると、ちょっとなかなか問題なところだと思いますけれども。ただし、それは債務救済と新たな真水の積み足しとでは意味が違うではないかという御意見なんだと思いますんで、その点は私らも、さよう、そうだと思ってはおります。  ただ、平成十九年度、御存じのように、ODAの一般会計当初予算というのは確かに対前年度比マイナス四%という形になっておりますんですが、円借款の事業規模というものを見ますと、これは七千七百億円といたしまして最大限の活用をすることにいたしておりますし、平成十八年度の補正予算と合わせますと前年度プラスということになっておりますので、ODAの事業の押し上げにつながっておるんだと思っております。  また今、エイズの、例の〇五年の六月のサミットのときに行われましたエイズ・結核・マラリア対策基金ということで、拠出金を増額して当面五億ドルの拠出を行うという点を御指摘なんだと思いますが、この点につきましては、〇六年に一億三千万ドル、〇七年に一億八千六百万ドルということになりまして、約三億一千六百万ドルというものになっておりまして、今年度中の達成ということを、達成できる予定にいたしております。 ○富岡由紀夫君 是非、公約の達成をしていただきたいというふうに思っております。  今、総理からボノさんからの手紙の話がありましたけれども、私もボノさんに代わって質問しようと思ってたんですね。ボノさんが、だれか安倍さんに聞いてくれというふうにマスコミで報道されていましたので聞こうと思ったんですけれども。今度の、来年の洞爺湖サミットでアフリカ問題を是非議論してくれということでありましたけれども、それは議論するということでおっしゃっていただいたんで、もうボノさんに代わって聞くまでもないんですが、そのほかにボノさんはこういうふうにも言っているんですね。  先ほどのアフリカの問題でございますけれども、地球温暖化で来年から子供が一千万人ずつ死ぬとなったら多分、温暖化で子供が毎年一千万人死ぬとなったら大騒ぎするはずだと思うんですね。ところが、温暖化じゃないこのアフリカの問題では、もう既に現実の問題として毎年五歳未満、五歳以下の子供が一千万人も死んでいると。これ計算すると三秒に一人死んでいる計算になるんですね。もうこうしている間にも何人もの子供が飢餓、病気、貧困、そういったことが原因になって亡くなっているわけでございますけれども、これはもう温暖化は確かに大きな問題で、将来大変な問題ですと。陸地もどんどんなくなってくると、我々のいろんな生態系も変わってくると、人類のいろんな生命、将来にも大きく影響してくる、これ大変な問題です。これが現実化したらもう大騒ぎになる、確かにそうだと思います。ところが、一方で、既にもう現実化しているアフリカの問題については、この温暖化のようには余り取り上げられてないと。こういった問題がボノさんは指摘しております。  私もこれは大変な問題だというふうに思っております。二〇五〇年のあるべき姿、これも大変重要ですけれども、現実の毎年一千万人の子供が死んでいるという問題は、これもっと切実な重大な問題だというふうに思っております。是非この点について強力な、来年サミットの議長国でございますから、リーダーシップを発揮していただいて、温暖化、クールビズ、クールアース、これも確かに大切な問題かもしれませんけれども、是非このアフリカ問題、積極的に御検討をいただきたいと、直視をして対処していただきたいと思いますので、改めて御決意をお伺いしたいと、こういうふうに思います。 ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回のG8におきましても、言わばアフリカの国々は我々のパートナーであるという認識の下に、そしてまたアフリカの国々はやはりオーナーシップを持ってこの国の建設に努めていくと、いくべきであると、そういう議論がなされたところでございます。そしてまた、先ほど御議論があったように、中国など新しい新興のドナー国も建設的な関与をしていく、建設的な役割をしていくよう我々も求めていかなければいけないという議論もございました。そしてまた、感染症対策や保健システム強化のために、G8として少なくとも六百億ドルを提供するよう努力をしていく、努めていくということが成果文書に盛り込まれたわけでございます。  私も、アジアにおいての成功体験ということもお話をいたしました。そのためにはやはり良い統治が必要であるということでございます。しかし、そもそも良い統治を求める基本でございます、言わば人間の尊厳が守られているかどうかという点においても、感染症において言わば国をつくっていくという根本のところでなかなか厳しい状況にあるのも事実でございまして、こうした感染症対策にも全力を我々尽くしていかなければならないと、こう思っています。  エイズだけではなくて、マラリアの問題については、日本は一千万張の蚊帳を、これは防虫剤を練り込んだ蚊帳を寄附をするということを既に目標としております。八百七十万張が大体寄附されるんだろうと、このように思います。そしてまた、これは住友化学が作っているわけでありますが、タンザニアにこの技術を無料で提供して、タンザニアはこの技術を使って同じ蚊帳を作って、また工場を造って人も雇うことができるということでも貢献をしているわけでありますが、この一千万張を送ることができれば二千万人の子供たちをマラリアの蚊から守ることができるということでございます。  こうした日本の技術、また資金も使いながら、こうした感染症対策にも全力を尽くしていきたいと。そして、アフリカの問題の解決なくしては世界の平和と繁栄はないという考え方の下に、アフリカの問題についても取り組んでいきたい。そして、今回ハイリゲンダムで議論されたことをまた基に、来年の洞爺湖サミットにおいても主要な議題として議論をしていきたいと、このように考えております。 ○富岡由紀夫君 今、これまでちょっとアフリカ問題について中心に議論をさせていただきましたけれども、先ほど来お話ありましたけれども、来年はJBICの機能がJICAに移されて新JICAが誕生するわけですけれども、今まで以上に役割と期待が大きくなるというふうに思っておりますけれども、こういったことを踏まえて、私は是非アフリカの一千万人の子供たちの問題を最重要のテーマとして扱っていただきたいというふうに思っているんですけれども、こういった今の議論を踏まえて、緒方理事長に来年の新JICA誕生に向けての意気込みを是非お伺いしたいというふうに思っております。 ○参考人(緒方貞子君) 御質問に沿いまして、これからのアフリカ支援をどういうふうに考えているかということを少し具体的に御報告させていただきます。  従来、やはり貧困対策ということ、それからもちろん環境問題も、それからいろいろな医療関係のもございましたんですが、どちらかというと教育、医療、農村開発、水、そういうものを中心とした事業をしてまいりましたが、これからのアフリカとしては、かなりこれはサミットでも議題になっていることでございますが、やはりインフラというものをもう一度見直して、アフリカ大陸内の縦貫道路、あるいはその縦貫道路を、二つの国を越えるときに、今の状況では大変荷物も人もうまく通せなくて、非常にその辺が隘路になっているというようなことがございまして、そこを通すための一つの貨物それから人の一つの共同のポストを造りまして、そこを通していく、そしていろいろな物が動くようにする、そういうことが一つの考え方として出てきておりまして、これは国際機関もやはりインフラというものをもう一度見直そうという動きがございまして、タイアップしてやっております。  それから、アフリカの中からも、やはり大きな経済の成長ということをごらんになっているんだと思うんですが、やはりIT関係の事業をもっと手伝ってほしいという要求が出てきております。これは、やはり日本の非常な経済の発展というものがこういう高度の技術によるものであるというお考えから来ているんだと思うんですが、私どもは、この間もルワンダの大臣が来られて、いつまでもただ援助にだけ頼っていたくないんだと、ちゃんと円借のようなものを借りて、そして自分たちは経済も発展させたいと、そのためには是非IT関係の大学を六か所造りたいのを手伝ってほしいというような要求も出ているわけでございます。  ですから、日本側だけじゃなくて、国際社会だけじゃなくて、アフリカ側からも経済を発展させたいと、そして自立の道を見付けたいというような動きがございまして、それにもこたえていかなければならないというふうに考えております。ですから、ある意味では楽しみなこともたくさん出てくるんですが、やはりアフリカの大陸の国々のほとんどが、経済社会発展の指標から見ますとほとんどボトムにある国々でございますから、そうすると、やはり向こうの期待にこたえつつも、やはり日本のODAだけでなくて、日本の企業の方の方々からのいろんな投資も出てくるような状況をつくっていくというようなことも、今度無償資金だけじゃなくて円借も入ってくる新JICAにおいては心掛けていこうというようなことで計画を練っております。  どうぞよろしくお願いいたします。 ○富岡由紀夫君 ちょっと時間がないんですが、是非最後一問だけ外務大臣にお伺いしたいんですけれども、JICAのいろんな制度を使って海外のそういった援助をされる方々、NGOの方々とか青年隊の人とか、民間部門でもそういった協力している人とかいますけれども、やはりそういった、行ったはいいんだけど戻ってきたら仕事がないと、次のキャリアパスが全然見当付かないといった方が非常に多いというふうに伺っております。  是非その点、志ある人が戻ってきてもちゃんと経済的な基盤が成り立つような、そういったキャリアパスの制度とか、若しくは民間企業も今は最高収益を上げている企業は大企業たくさん出ておりますので、こういった国際貢献にちゃんと寄与するような、寄附金の税制控除だけじゃなくて、そういった青年協力隊を毎年企業それだけ利益出しているんだったら出せよとか、そういったことを総合的にもっと人材の確保とともに、大切に育てるといった観点で主導権を是非発揮していただきたいと思うんですけれども、その点についてちょっと御見解をお伺いして、私の質問を終えたいと思います。 ○国務大臣(麻生太郎君) 誠にごもっともな御指摘であります。  これは、もう海外青年協力隊というのは始まってこの方、多分その点が一番の問題でずっとこれまで来たんだと思います。特に、終身雇用が非常に主流でありました当時の日本におきましては、帰ってきた人が経験が生かせないというところが、新しくみんな退職して出ていくというのが非常に難しかったという時代が長く続いておりました。  今、青年会議所の話等々で、これはこういう人たちは主に優先して雇った方がいいと、少なくとも国際経験豊かなのを雇った方がいいのではないかというところで、随分途中入社やら何やらいろいろさせてもらったというのは事実でありますけれども、今はそれをもっと組織的にということで日本の国の費用でいろいろ国際機関にまず出す方の訓練をこちらでやった上で出しましょうと。行く意欲はある、けれども、どうやってというつてがない、何がないという人に対しては、あなたのその資格じゃ駄目です、こういった資格が要るんです、だからこれを取るためにはというような組織的なあれをやっておりますのが一つ。  それから、向こう側から帰ってきた人に関して、私どもとしては、実はそういった人を欲しいという企業も、最近は海外に出ていかれる企業が増えましたので、そういった企業からの要望を受けて、こういう人が今どこどこで、例えば群馬なら群馬でどこどこで遊んでいますよとか、何もしていませんよという情報を我々の方から提供するという、いわゆるネットワークというのが一番大事なんだと思ってそういったものの普及というのに努めさせていただいております。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございました。終わります。