166-参-財政金融委員会-19号 平成19年06月19日 平成十九年六月十九日(火曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  六月十五日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     金田 勝年君      小泉 昭男君     舛添 要一君      藤本 祐司君     円 より子君  六月十八日     辞任         補欠選任      野村 哲郎君     山下 英利君      広中和歌子君     大塚 耕平君      柳澤 光美君     尾立 源幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         家西  悟君     理 事                 沓掛 哲男君                 中川 雅治君                 野上浩太郎君                 大久保 勉君                 峰崎 直樹君     委 員                 泉  信也君                 片山虎之助君                 岸  信夫君                 椎名 一保君                 田中 直紀君                 舛添 要一君                 池口 修次君                 尾立 源幸君                 富岡由紀夫君                 広田  一君                 円 より子君                 西田 実仁君                 大門実紀史君    国務大臣        財務大臣     尾身 幸次君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        山本 有二君    副大臣        内閣府副大臣   大村 秀章君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        田村耕太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        金融庁総務企画        局長       三國谷勝範君        金融庁監督局長  佐藤 隆文君        法務省民事局長  寺田 逸郎君        財務大臣官房審        議官       古谷 一之君        厚生労働大臣官        房審議官     間杉  純君        経済産業大臣官        房審議官     立岡 恒良君        中小企業庁次長  加藤 文彦君    参考人        日本銀行総裁   福井 俊彦君        年金積立金管理        運用独立行政法        人理事長     川瀬 隆弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○電子記録債権法案(内閣提出、衆議院送付)     ───────────── ○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いします。  今、大久保委員からの年金の質問がございましたので、ちょっと関連して、通告はしていないんですけれども、お答えできる範囲でお答えいただきたいというふうに思っていますが、山本大臣にちょっとお伺いしたいと思います。  今、宙に浮いた年金、どこ行っちゃったか分からない年金という問題が大変議論されておりますけれども、第三者機関をつくって、その中で、ある程度客観的な証拠があれば納めたということで認定してちゃんと給付をするように検討しようということで、政府の方でもういろいろと対策を練っていただいておりますけれども、私、その中で大きなポイント、かぎを握るのは、銀行の預金通帳の入出金明細、払戻し、入金、その過去の明細が非常に大きなポイントになるんじゃないかなというふうに思っております。  ところが、銀行は過去のそういう入出金明細の記録は余り昔の分までは取っていないんですね。十年ぐらいまでの分まではちゃんと保管してありますけれども、それ以上の前の分はどこか倉庫にあるかもしれないし、場合によっては、もう本当にひっくり返して探さないと出てこない可能性が非常に高いというふうに思っておりまして、要は、そういった過去の履歴、入出金明細を調べるのに、銀行にとっては、預金者から、お客さんからそういう要請があればもちろん調べますけれども、かなりお金と労力が銀行に負担として掛かってくると思うんですね。  ですから、これは何というんですか、年金を納めた人のそういった証拠を探すということで今回いろんな対策を考えていらっしゃるわけでございますけれども、銀行にかなり強力な要請をしていただかないと、そして、逆にいただくとそういったところも明らかになるんじゃないかなというふうに思っておりますので、そういった銀行に対する何らかの政府の支援なり援助なり補助なりそういったものが検討できないかどうか、ちょっと通告はしていませんけれども、もしお考えあれば、御感想でも結構でございますので、お答えいただきたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 年金記録を正確に再現するということが今、社会から問われているわけでございます。これにつきましてはあとう限りの措置を講じなければなりません。その意味におきます委員の御指摘は大変重要だろうというように思っております。今後、銀行の皆さんとも協議をしながら、いい解決方法を探ってまいりたいというように思っております。 ○富岡由紀夫君 いろんな領収書なんかを取っている人はほとんどいないと思いますので、預金の入出金が大きなかぎになるという方もかなりいらっしゃると思いますので、是非金融庁の方もしっかりとフォローしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。  質問に入らさしていただきますけれども、日銀総裁がこの後ちょっと御用事があるということなので、先に総裁に質問をさせていただきたいと思います。  日銀が決算を発表されまして、今回の決算でかなり為替差益若しくは含みがあるということで公表されましたけれども、実際に為替差益がどのぐらいあって、そして是非、直近の部分で含み益、為替の含みがどのぐらいあるのか、もしお分かりになればお答えいただきたいと、こういうふうに思います。 ○参考人(福井俊彦君) 日本銀行の持っております外貨資産につきましては決算期ごとに時価評価をしておりますので、まず十八年度決算では、為替差益と申しますか、それは二千十一億円と、これは時価評価による実現益であります。  そしてその後、十九年度に入ってからまた為替相場が変動しております。決算するまでの間は、それは為替が変動いたしましてもいわゆる含み益的な形で認識できるわけでありますが、仮に試算をいたしますと、六月十五日辺りの相場を取りますと二千三百億円程度の為替差益が出ていると。途中経時であります、今後どうなるかは分かりません。 ○富岡由紀夫君 非常に大きな益を出されて、また含みも今持っているということなんですけれども、その外貨保有高というのは大体どのぐらいお持ちなんでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 三月末決算時点で五兆円強でございます。 ○富岡由紀夫君 この五兆円というのは、日銀はどういう目的で保有されていらっしゃるのか、いつごろからお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 主としてこれは運用益が累積したものであります。元は、政府との間で外貨資産の売買取引を行ったことが過去にありまして、その元は全部政府に売り戻しております。したがいまして、基本的には運用益の累積と、こういうふうにお考えいただきたいと思います。 ○富岡由紀夫君 政府から、運用益というのは、ちょっと、もう少し詳しく教えていただけますか。 ○参考人(福井俊彦君) 日本銀行が外貨を持っております期間、これは海外で運用しておりますが、結果として利を生んでいると、その部分でございます。 ○富岡由紀夫君 その運用益が五兆円ということなんですか。今運用して、元本も含めて全体の額が五兆円ということなんですか。 ○参考人(福井俊彦君) 今持っております総額が五兆円強ということであります。 ○富岡由紀夫君 これはいつごろからお持ちなんですか。 ○参考人(福井俊彦君) たしか一九五〇年ぐらいまでさかのぼると思います、元々の外貨保有が始まりましたのは。 ○富岡由紀夫君 これは、一九五〇年のときの目的は、当初の目的は何だったんですか。 ○参考人(福井俊彦君) これは、政府の外為特会におきます円資金調達のため、時限的な措置として政府との間で外貨資産の売買取引を行ったと、そういうことでございます。これは全部売り戻しております。 ○富岡由紀夫君 あれ、売り戻しているんだけどまだ五兆円残っているということなんですか。政府には、外為の外貨準備高はまた財務省持っていますよね。それとは同源ということですか。ちょっとその辺を詳しく教えていただきたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 政府から買い取った部分は全部元に戻したということで、そういう元々の元本は全部政府に戻っております。日本銀行が持っております期間に生んだ収益が外貨として残ります。それはずっと累積運用しておりますので残高は増えていると、こういう形であります。 ○富岡由紀夫君 元本を戻したというお話なんですけれども、何でその運用益だけは残すと、戻さないんですか。これは戻してもいいんじゃないかなというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 運用益の部分は、これは政府の所有に係るものではありません。元々、売り戻すという条件付きで買い取った部分は売り戻していると、こういうことであります。 ○富岡由紀夫君 五兆円のその外貨は、じゃ政府には戻さないというお話なんですけれども、今後どのようにする予定なのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 最近は比較的途切れておりますけれども、中央銀行ベースで例えばBIS経由で国際的な資金協力をするような場合に、こういった資金はある程度中央銀行としても持っている必要がある、そういうふうなものでございます。 ○富岡由紀夫君 二千十一億円の今回益を出されたということなんですけれども、これは幾ら売って、どういう理由で売られたんでしょうか。外貨を売って益を出された、実現化したわけですよね。それは、幾ら売ってどういう目的で売られたのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 売ったわけではありません。帳簿上外貨を持っていまして、それを毎決算期末に時価評価をしていると。時価評価額が上がれば決算上益が出ると、こういうものでございます。 ○富岡由紀夫君 じゃ、毎回時価の見直しをしているということでございますか。これは売る予定はないんですか。 ○参考人(福井俊彦君) 予定というものは持っておりません。 ○富岡由紀夫君 続きまして、株式の売却益も同様にかなり計上されましたけれども、この売却益の金額と、今株が非常に好調なわけでございますけれども、直近の含み益をお伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 五月末時点で株式を評価いたしますと、含み益約一兆八千億円ということでございます。 ○富岡由紀夫君 売却益は幾ら三月期決算で出されたんでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 三月のときはたしか二千百億円ぐらいだったと思います。 ○富岡由紀夫君 この売却理由はどういった理由なんでしょうか。若しくは、今後の残っている部分は幾らぐらいあって今後どういうふうに売却する予定なのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 日本銀行が異例の対応として株式買入れを行いました後、まだ売却は開始しておりません。先ほど二千数百億という売却益が出ましたと申し上げました部分は、例外的に企業の方から自社株買入れの申入れがあった部分に応じた部分でありまして、日本銀行自身が積極的に株式の売却を開始するのは平成十九年十月以降というふうに初めから決まっております。そして、平成二十九年九月末までに終了することということも決まっております。 ○富岡由紀夫君 自社株の売却で二千百億売却益出たということなんですが、幾ら売られたのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 済みません、ちょっと今売却金額直ちに分かりません。申し訳ありません。 ○富岡由紀夫君 昨日、調べておいていただきたいということで御通告させていただいたんですが、もし分かったら後でも結構でございますので教えていただきたいと思います。  今年の十月から積極的に売却されるというお話なんですけれども、幾らぐらい今保有されていらっしゃるんでしょうか。売却した残り、自社株の対応に売却した残りを幾らお持ちなのか。 ○参考人(福井俊彦君) 今現在の残高、正確にちょっと分かりませんが、平成十四年十一月から平成十六年九月にかけて、銀行から累計株式の買入れ額二兆百八十億円であります。自社株買いで幾らか戻っておりますが、そんなに大きな額じゃありませんので、二兆円前後のものは持っているというふうに思ってください。 ○富岡由紀夫君 十月から積極的に売却されるというお話なんですけれども、株式市場に対する影響はどのように見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 三月末で持っております額がちょっと正確、先ほど二兆前後と申しましたが、一兆七千六百七億円と、これが正確な額でございます。  それから、株式の処分に当たっては既に二つの大きな方針が決まっています。一つは、処分時期の分散に配慮すると。株式市場に与える影響を極力回避すると、日本銀行が株を売ることによって市況に影響を与えたくないということでありますので、処分時期の分散に配慮すると。したがって、売却期間も今後十年間という非常に長い期間を取っているのはそのためでございます。もう一つは、日本銀行の損失発生を極力回避することと。中央銀行の帳簿に株式の売却で大きな穴を空けてはいけないということがございます。  その二点は決まっておりますが、具体的な処分方法はこれから検討を進めて成案を得たいと。成案が得られればこれは公表する予定でございます。 ○富岡由紀夫君 分かりました。是非市場への影響を最小限にしていただきたいと思います。  先ほどの為替差益というか、外貨保有は、一九五〇年代、政府が持っていた部分を一時日銀が協力して保有していた部分が残っているというお話なんですけれども、先ほどファンダメンタルズのお話もありましたけれども、政府は百兆円ぐらいまだ持っているわけですよね、外貨、保有しているわけなんですけれども、一般的には、市場で為替というのは、経済全体のファンダメンタルズを反映して為替の水準が決まるというふうになるというのが好ましい姿だと思うんですけれども、政府が百兆円も持っているということはファンダメンタルズをゆがめているんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう考えもあるかと思うんですけれども、この点についてどのように考えたらよろしいんでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 過去におきまして、政府におかれて、為替市場におきます相場の余りに急激な変動に対処するという趣旨で為替市場に対して介入措置を講じられ、結果が累積したものがその額だと承知しておりますが、最近は全く市場で介入が行われておりません。日本の為替市場における為替相場の形成については、そういう人為的な介入による相場への影響は全くない相場形成だというふうに思っております。 ○富岡由紀夫君 政府で一般のマーケットとは、何というんですか、市場、まあ政府も市場参加者の一人といえば一人なのかもしれませんけれども、一般の経済活動とは違った意味合いで百兆円ぐらい持っているわけですから、これは経済の、為替のかなりバランスを崩しているんだというふうに思うんですけれども、そういうふうに、崩している状況だという認識ではないということでお考えなんですか。 ○参考人(福井俊彦君) 日本に限らず、外貨準備をたくさん持っている国の政府、場合によっては中央銀行が持っている国もありますけれども、いずれにしても、そういう外貨準備をたくさん持っている金融当局は、今のこのグローバル経済、そしてグローバル化された金融資本市場の状況を前提にいたしますと、政府と申しますか、金融当局の為替に絡んだ行動が金融資本市場にひずみを与えかねないと、そのリスクについては従前に比べますと相当強くこれを意識して行動するようになっております。国によってそれぞれ実際の行動パターンは少しずつ違うと思いますけれども、時の経過とともにそういう意識を強く共有しながら市場に臨んでいると。  日本におきましては、外国為替市場への介入は政府の権限でありますが、日本政府もそういう強い判断の下に行動され続けているんではないかというふうに思っています。 ○富岡由紀夫君 是非そういうことで、リスクが、この間の、先週の答弁のときも、かなり偏在してきているということで、そういうところを注意すべきだというお話いただきましたけれども、そういうふうにしていただきたいと思います。  先週質問させていただいたときにもそういうお話をいただいたんですけれども、今かなり円からユーロなり、ユーロ高になったりドル高になったりして海外に行っているわけですけれども、これは要は、外貨で持っているということは、急に円高になったら外貨評価額が下がっちゃうわけで、非常に危険な状況だなと。だけどあえてそういうふうにやっているということは、しばらく円高にはならないんだろうという、市場参加者がかなりそういう思いを持って外貨にシフトしているわけですけれども、なぜこういう市場では見方が強くなっているのか、どのように分析されていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 先回ももしかしたら同じようなことを申し上げたかもしれませんけれども、世界経済全体として先行きの成長に対する見通しが比較的高水準で安定していると、それからインフレのリスクというふうなことを、程度の差はあれ、幾ばくか感じている国は存在いたしますけれども、世界経済全体としてはインフレ期待というものは過去に比べると比較的より良く抑制され続けていると、これが市場参加者の共通の認識になっているというふうに思います。    〔委員長退席、理事峰崎直樹君着席〕  したがいまして、株式市場を見ましても債券市場を見ましても為替市場を見ましても、大きく見れば非常に市場の相場変動の可能性が総体的に少ない市場になっています。我々用語で言いますとボラティリティーが低い市場になっていると。そういう中では、金利差が従来よりもより強く働いて、金利の低いところから高いところへ資金や資本が流れやすい状況になっていると、このことは金融政策当局者がすべて認識しているところであります。私どももここは強く意識しております。  委員御指摘のとおり、先行きの見通しが良好であるときほど、安心して、それじゃ、偏った投資の仕方あるいはリスクの取り方ということが起こりがちであるということは確かでありまして、そういうリスクが累積していないかどうかと、こういう厳しい目で市場をモニターし続けているのが現状でございます。  なかなか難しいバランスなんです。資金や資本が円滑に流れる方が資源再配分機能が効率的に行われて世界経済全体の成長を保障するというプラスの面もありますけれども、安心し過ぎてリスクが偏って取られますと将来大きな反動が来ると。コインの裏表、裏の面は非常に怖い面が潜んでいるということは十分承知の上で、各国の金融政策、注意深く行われているというふうに思っています。 ○富岡由紀夫君 じゃ、続きまして、金融調整についてお伺いしたいと思いますけれども、無担保コールの金利は〇・五%を目指してやっているわけですけれども、しばらく〇・五%を上回る状況がずっと続いていたといったことが現象として起きております。新聞によると、やや手を抜いたんじゃないかというような感じのトーンで書かれている新聞もあるんですけれども、意図的にそういうふうに、〇・五%以上に誘導した部分があるのかどうか、まあないというふうにお答えになると思いますけれども、そういった懸念はないのか、そういう見方がされているということに対してどのようにお考えでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 市場レートを意図的に金融政策決定会合で定められました方針のライン以上に金利を引き上げるというふうなことで操作をしているということは全くございません。  市場レートの運用目標は、今〇・五%前後ということになっています。毎日の市場レートをちょうど〇・五にするということは不可能なんでございます。どこの国の中央銀行でもそういうことはできておりません。それは、日々のレートは、個々の金融機関の資金運用とか調達のスタンスによってかなり振れを伴うものでございます。その振れをなるべく小さくするように、つまり誘導目標からの振れというものが余り大きくならないようにいろんな工夫をしながら調節をしているというのが実情でございます。  今委員が御指摘になられましたのは、恐らく、振り返ってみますと六月初め、五月の末から六月初めにかけてだと思います、無担保コール翌日物の加重平均レートが誘導目標の〇・五%を若干上回る日が続いたと。下回る日というのが時々入るというんではなくて、上回る日が若干続いたときがございました。これは、国債発行日、五月二十五日、三十日、資金不足の大きい日であります。それから、続いて六月四日に税金の引上げの日というふうに、資金不足の山が三つも見えていた時期でありまして、資金の出し手の間で資金運用スタンスを慎重化させた月が見られたということによるものでございます。  そのプレッシャーをある程度オフセットするような調節をやっておりますけれども、多少やっぱりその波は防ぎ切れないと。事実、六月四日の税金の引上げの後は、準備預金の積み最終日の十五日にかけまして、むしろ逆に資金余剰感が幾ばくか強まりまして、誘導目標を下回る日が見られていると、こういうふうな状況であります。この程度のアップダウンは、資金需給の振れ、それを目掛けた金融機関の資金繰り態度の変化によって微妙に変わるものでございます。また、その微妙な変化というのが個々の金融機関の資金繰りの技能を向上させる動機にもなるわけでありまして、まあ市場が生きているというのはなかなか難しい概念ですが、振れは余り大きくしないように、だけれども振れの中で資金繰りのオペレーションの能力を高めてもらいたいという気持ちも我々の方ではございます。  なお、日本銀行では、短期金融市場の機能向上に引き続きいろんな努力をしておりまして、例えば去る四月からは、準備預金残高見込みの公表時刻というのを、従来、朝の九時二十分ごろにやっておりましたが、これを八時ごろに早めました。その結果として、市場参加者はその日のマーケットの状況を読みやすくなったということで、無担保コール翌日物の日々の加重平均レートの振れはそれまでよりも小さくなっております。 ○富岡由紀夫君 〇・五をずっと上回り続けて、一か月ちょっとずっと続いているわけなんですけれども、そのぐらいは誤差の範囲内だということのお話だと受け止めをさせていただきます。  続きまして、中小企業の景況判断についてお伺いしたいと思いますけれども、前回の質問に御答弁いただいた中で、中小企業もちゃんと調査しているというお話の中で、日銀短観で調査できないところを国民金融公庫の調査とか中小企業金融公庫の調査を引用しているというお話なんですけれども、中小企業金融公庫、国民金融公庫については調査対象について詳しく御説明いただいたわけですけれども、中小企業金融公庫のその調査というのはどういったところを対象に調査したレポートを参考に日銀はしているのか、改めてお伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 前回申し上げました例えば国民生活金融公庫の調査などは、中小企業の中でも一番規模の小さなところ、この辺の業況感がどうかということをよりよく知るために私ども利用させていただいている資料でございます。  中小企業金融公庫の調査も活用させていただいております。これは、恐らく国民金融公庫がカバーしておられる調査よりはもう少し規模の大きな中小企業かなというふうに思っております。中小企業金融公庫の取引先のうち一万三千三百二十三社だというふうに伺っておりますが、この業況感は、二〇〇二年から改善し、二〇〇四年以降は好転と悪化がほぼ拮抗しているというふうな状況であります。国民生活金融公庫のお答えは、まだ、業況判断、良い、悪いという比較をしますと、悪い超幅がまだ大きい状況で推移していますが、中小公庫との間では違うと、これは対象とされている中小企業のスケール、内容が違うんだろうと。  そういうふうに、段階的にいろんなデータをきめ細かく利用させていただいているということでございます。 ○富岡由紀夫君 日銀短観でカバーできない資本金二千万円未満のところを、国民生活金融公庫とか中小企業金融公庫の調査を使って判断しているというお話だったんですけれども、国民生活金融公庫のところは前回の御答弁でよく分かりました。  今お話ありました中小企業金融公庫の調査、日銀の短観で捕捉できない資本金二千万円未満のところはどの程度その調査をしているのか、お伺いしたいと思います。    〔理事峰崎直樹君退席、委員長着席〕 ○参考人(福井俊彦君) 中小公庫の中小企業の範囲でありますけれども、これは中小企業基盤整備機構というのがありますけれども、そこで定義されている、そこで中小企業の景況調査というのを四半期ごとに行われておりますけれども、そこで言う中小企業、つまり、具体的に申し上げますと、中小企業基本法第二条第一項に定められている中小企業の概念でありまして、製造業、建設業、それから運輸業につきましては資本金三億円以下又は従業員三百人以下と、それから卸売業につきましては資本金一億円以下又は従業員百人以下と、小売業につきましては資本金五千万円以下又は従業員五十人以下と、サービス業につきましては資本金五千万円以下又は従業員百人以下と、こういうふうに細かく定義をされております。 ○富岡由紀夫君 定義は私も知っているんですけれども、その二千万円未満、日銀が調査できないところをこれを使って捕捉しているというお話だったんですけれども、二千万円未満の企業はどのぐらい調査対象にあったのかということをお伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) これらの公庫等でそこまで細かい内訳は公表されておりません。したがって、そこまで細かくは把握いたしておりません。 ○富岡由紀夫君 調査対象が分からないのに、二千万円未満をこれを使って捕捉したということはどういうことなんでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 単一の調査ではなくて、国民生活金融公庫、それから中小企業基盤整備機構による調査、それから中小企業金融公庫による調査、さらには商工中金による調査、存在しますすべての調査は利用させていただいておりまして、それぞれ内容が、傾向としては業況判断は改善しているけれども、レベルはやはりそれぞれ違いがあると、その中から対象とされている中小企業の規模によって業況判断にかなり差があるという判断に到達することは私どもとしては十分可能であります。 ○富岡由紀夫君 しっかりと調査対象を、いろいろアンケートする場合でもよく調べて使っていただきたいなと思います。これは前から申し上げていますけれども、いわゆる地元の、特に地方の中小企業は全くそういった、景気が良くなったという実感がないもんですから、あえて申し上げさせていただいているということですので、是非再度御確認をお願いしたいと思います。  総裁にちょっと最後の質問なんですけれども、村上ファンドの清算が終わったというふうに伺っておりますけれども、具体的にどのように最後清算されたのか、お伺いしたいというふうに思います。 ○参考人(福井俊彦君) 私自身の出資につきましては、昨年八月以降、四回にわたって払戻しを受けました。その都度、これは公表いたしております。今年の三月にすべて払戻し手続が終了しております。 ○富岡由紀夫君 具体的に、トータルでどういう清算方法を取られたのか、お伺いしたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 払戻し額は通計で約二千二百万円でございます。その元本部分を含め寄附をするとあらかじめ申し上げておりましたとおり、既に慈善団体に対して寄附を終了済みでございます。 ○富岡由紀夫君 トータル二千二百万円というのは、それはあれですか、元本も含めた金額ということでございますか。それを全額寄附されたということでございますか。改めてちょっとお答えいただきたいと思います。 ○参考人(福井俊彦君) 納税をした部分を除いて、厳密に申しますと残り二千万円を寄附していると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。 ○富岡由紀夫君 前、大門議員もお話しされたと思うんですけれども、なぜ元本まで寄附する必要があったんでしょうか。何か後ろめたい思いがあって元本までやってしまったのか、ちょっとその辺を。元本は取っておいて私はいいと思うんですけれども、どういうお考えなんでしょうか。 ○参考人(福井俊彦君) 元々ファンドに資金拠出をするに当たっては様々なことを考えているというのは既に御説明をしておりますけれども、私としては、元本が返ってこなくなる可能性もあらかじめ覚悟しながら拠出をしていたということだったと思います。  ファンドへの拠出については国民の皆様方から大変厳しい御批判をいただいた。私としても、これは引き続き真摯に反省しているところでございます。こうした反省を踏まえますと、自分なりに本件に対するしっかりとしたけじめを付けなきゃいけないということで、元本も含めて寄附をすることとしたわけであります。  委員御質問のとおり、理屈を言えばキャピタルゲインを寄附すれば十分ではないかという理屈があり得るかなというふうに思います、そういう御質問を受ければですね。思いますが、あとは自分の気持ちの問題であります。 ○富岡由紀夫君 気持ちの中で、元本まで寄附されたわけですけれども、やっぱりさっき、そういったことで何か後ろめたい気持ちがあってやったのかというようなふうに思っちゃうんですけれども、今回の出資は何がいけなかったんですかね。いけなかった理由、世間からいろんな今批判を受けたというお話だったんですけれども、なぜ批判を受けたというふうにお考えですか。 ○参考人(福井俊彦君) やはりあれでしょうね、私募ファンドというふうに必ずしも透明性が十分でないファンドに対する出資を、恐らく、これは恐らくです、私もよく正確なところは自分でも分からないところがありますけれども、総裁就任の時点でそれを解約しなかったということは、振り返ってみて一番重要な反省点だというふうに思っています。 ○富岡由紀夫君 何で解約しないといけないんですか、総裁就任と同時に。 ○参考人(福井俊彦君) 先ほども何回もこれはお答えしておりますけれども、内規に反するものではないし、元々村上ファンドというのはコーポレートガバナンスの改善のために先頭を切って活動するという、その当初の志というものをやはり私は尊重していたという面があったというふうに思います。 ○富岡由紀夫君 今、村上さんは裁判でやっているわけですけれども、村上さんの、何ていうんですか、コーポレートガバナンスを改善するというか、そういう意気込みに賛同して出資したわけなんですけれども、心情的には村上さんは無実であってほしいというふうな感じなんでしょうか、今の思いとしては。 ○参考人(福井俊彦君) 司法手続は公正に進められると信じておりまして、結果にはやはりそれはきちんと服従してもらいたいと、そういうことであります。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございます。  総裁の質問はこれで終わりでございますので、御退席いただいて結構でございます。 ○委員長(家西悟君) 福井総裁、御退席いただいて結構でございます。 ○富岡由紀夫君 それでは、大臣にお伺いしたいというふうに思っております。  今回の法案のニーズはいろいろと先ほど御説明いただきましたけれども、具体的にニーズの中で中小企業が資金繰りが付けやすくなるといったことがございましたけれども、その辺の理由を改めてちょっと、どういった手続によって資金繰りが取れるようになるのか、お伺いしたいというふうに思っております。 ○国務大臣(山本有二君) まず、事業者の間では、企業間信用の手段として長年にわたり手形が活用されております。受け取った手形を銀行に持ち込むことにより資金調達が行われてまいりました。近年、紙媒体であることに内在するリスクやコストの問題から、手形の利用が減少してきているわけでございます。  その額について申し上げれば、平成二年の受取手形が七十二兆円ございましたが、平成十七年では三十一兆円でございます。また、平成二年の売掛金全体は百七十八兆円ございましたが、十七年では二百一兆円。売掛金は増えているけれども、決済手段としての手形は三十一兆円と非常に小さくなっております。  従来から、いわゆる受取手形は金融の手段とされているわけでございます。この観点からしますと、従来四割ぐらいがこの金融手段を持っておった方々が、現在では言わば二百兆のうちの三十一兆ですからかなり低い割合に、二割以下になってきていまして、そう考えていきますと、そもそもの金融手段が、手形だけ考えてみましても非常に小さなものになってきておりまして、この手形での金融の道が閉ざされているということがまず言えようかと思います。  その観点からすれば、この電子記録債権がこういった問題を救済する道になるし、強いて挙げれば、この二百兆における売掛金を、売掛金担保という道を考えたときに、仮に、二百兆のうちこの電子債権で五割もし賄えることがあり得るとするならば、百兆円の融資手段が新たに提供できることになるというように考えるところでございます。  またさらに、この電子記録債権制度の利点をあえて申し上げますと、事業者にとっては指名債権も、債権の存在を確認するコストや二重譲渡のリスク等の問題があることから手形を受け取れない中小企業者は結局早期の資金調達が難しい状況にございます。先ほど申し上げましたように、そうした観点から、中小企業者が積極的に早期の資金調達の道を開いていくことができるツールになるというように思っているところでございます。 ○富岡由紀夫君 ありがとうございました。  今お話ありました、二百兆円の売掛金が半分でもなればというお話だったんですけれども、全銀協なんかは、売掛金のところまで一気に交換機関の、今回の法案を利用した記録機関の設立を検討しているのかなというと、なかなかそうじゃないような感じを受けます。今ありました三十兆に減った手形の代替機関型のそういった交換機関を検討しているようなふうに受け止めるんですけれども、それであれば、今言ったような資金化のニーズにはこたえ切れないことになりますけれども、今、山本大臣のお答えですと、一気に売掛債権のところまで電子化して登録機関の方に参加させようと、そういうお考えですか。 ○国務大臣(山本有二君) そこまでたどり着くには紆余曲折が当然あろうかと思います。  現在の受取手形の代替措置としての機能が、恐らく決済手段としての機能が現在考えられている第一義的機能であるとするならば、直ちに新しい金融の道が中小企業に開かれているわけではないというようにも思います。しかし、理想からすれば、そうしたことが可能になる社会を実現する一歩であろうというような認識でございます。 ○富岡由紀夫君 今回のこの法案の審議に先立って、経済産業省は五月にアンケートを取られたというふうに報道で受けております。それによると、このアンケート、この法案ができて電子手形にすぐ利用するかというアンケートなんですけれども、それについては内容を見極めてから考えたいと、利用するかどうか今現状ではまだ判断できないといった企業が多数を占めているといった経過が出ております。  そういうことを踏まえると、今言ったように、この制度そんなに急ぐ必要はないのかなというふうにも考えられるんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 中小企業者の皆さんは、印紙税についてのコスト縮減ということもありますし、さらには紙によるリスクということも避けられるというように思っておられますし、また、様々な形での金融商品の提供ということも認識されておられるようでございますし、中小企業あるいは商工関係、経済関係の団体の皆さんはこの電子記録債権制度を待望されておられます。  そういうことからすれば、実務者の側からすれば、この実現によって新しい分野、融資あるいは決済あるいは新商品というような形での新規分野を期待される向きが多いというように思っておりますので、これは独り金融機関だけが言わば安全に決済ができるというニーズだけにとどまらない部分が開かれるものと期待するところでございます。 ○富岡由紀夫君 具体的なイメージがなかなかつかみづらいんですけれども、最初は手形代替機関という形で普及するんだと思うんですけれども、今、手形交換所は全国で何十も何百もありますけれども、今回、そういった形で、それぞれの地域ごとにそれに代わるような形でできてくるのかと、そういうイメージで考えてよろしいんですか。 ○国務大臣(山本有二君) でき得るならば、そうした自由な設立、また自由な競争によって利用者の手数料も減額されるというようなことをイメージしているわけでございますが、ただ、申し上げますように、基礎的財産についてということを考えたとき、またシステムを購入し、またそれをワークさせるというコストの大きさからしますと、手形交換所と全く一緒の地域に一緒の姿でこれが将来存在するかどうかについては、少し疑問なしとしないところでございますが、私どもの考え方としては、自由につくっていただいて競争があり得るというように理想として考えておるところでございます。 ○富岡由紀夫君 自由につくってもらうという思想で今お考えだという話なんですけれども、今の手形の取引、扱いについては、ちゃんとフォーマットが決まって、ちゃんと要件を決めて、必要事項はちゃんとやってくれということでルールが決まってあるわけですけれども、これは、今回はそういった電子記録機関ごとの統一的なルールというのは、そういうのはお作りになる御予定はあるんでしょうか。 ○国務大臣(山本有二君) 今のところ、統一的なものを作るかどうかにつきましても、民間のこうした電子記録債権を考えておられる電子債権記録機関の皆さんと将来検討し、定めていくというようなことになろうかというように思っております。 ○富岡由紀夫君 やはり一番心配なのは、民間でどんどんできるのはいいんですけれども、先ほど供託金とか資本金のところでいろんな、何というんですか、トラブルが発生したときの対応はするという話なんですけれども、一取引についての保証なら五億円とか供託金で済むのかもしれませんけれども、その電子記録機関全体がシステムトラブルに陥った場合とか、そういったときには計り知れない影響が出てくると思うんですけれども、そういった場合はどのように対処、対応するのか。具体的に、損害賠償責任が発生した場合どのように対応したらいいのか、お考えを伺いたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) システム障害等につきましては、記録機関自身がまずはしっかりと対処することが基本でございます。記録機関はその業務を行うに当たりまして、システム障害時のバックアップ体制の構築を始めとするセキュリティー対策を講じる必要がございます。したがいまして、万が一、システム障害等を原因として電子記録が消失したといたしましても、記録機関は、隔離された場所にバックアップされた記録原簿や発生記録等の請求の際に提供された情報を基に速やかに復旧を行うことが求められております。  金融庁といたしましては、システム障害等の突然のトラブルが発生した場合にも、速やかに復旧できるような適切なリスク管理体制の確保に向けまして、記録機関の対応状況を指定申請時の審査や日常の検査監督を通じまして適切にフォローしてまいりたいと考えるところでございます。 ○富岡由紀夫君 大臣政務官につきまして、何か御予定があるということなんで、もしあれでしたら、御退席いただいて結構なんですけれども。  続きまして質問させていただきますけれども、先ほど大久保委員からもお話ありましたけれども、今回のこの電子記録債権は原則として金融商品取引法の規制対象外になるということでございますけれども、ただ、例外的な場合は対象にするといったことがありますけれども、どのような場合を想定していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) まず、電子記録債権法と金融商品取引法との関係について御説明を申し上げたいと思います。  電子記録債権は、一つ一つが記録番号で管理されております。個別の権利として認識されるものというところでございます。しかし、電子記録債権に個別性があるといいましても、社債のように同じ内容の多数の電子記録債権を発生させる場合など、電子記録債権が広く投資家からの資金調達を目的として利用されることも十分考えられます。このような場合には、投資家保護の要請は通常の社債の場合と異なるところはございません。  今般の法案による改正後の金融商品取引法は、社債券等の有価証券と同視し得るような電子記録債権を有価証券とみなした上で、発行者に対する開示規制や、仲介者に対する業規制、行為規制などを課することとしておるわけでございます。  そう考えましたときに、この電子記録債権の適用対象ということをどう考えていくかということになりますけれども、電子記録債権のうち、流動性その他の事情を勘案しまして、社債券その他の金融商品取引法上の有価証券とみなすことが必要と認められるものとして政令で定めるものにつきましては金融商品取引法が適用され、それ以外は適用外ということになるわけでございます。政令で規定する要件につきましては、当該電子記録債権の流通性その他の事情を勘案して定める必要があると考えておりまして、今後、電子記録債権の活用ニーズ等も見極めながら検討を深めてまいりたいと考えております。 ○富岡由紀夫君 今回の記録機関のビジネスモデルについてお伺いしたいと思いますけれども、専業としているわけでございますけれども、専業とすることで、このビジネス、取扱手数料で、収入でやっていくことになると思いますけれども、ビジネスとして本当に成り立つのかどうか、ちょっと大前提になると思いますので、その点についてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) まず、電子記録債権を利用する際の手数料でございます。  記録機関の経営判断により決まるものでございまして、記録機関の取り扱う電子記録債権の量やシステム開発、維持費、現在の手形利用に掛かる諸経費等様々な要因を勘案した上で設定されるものと言うことができようかと思います。  また、この記録機関の設立コストの面でございますが、記録機関の設立コストは今後具体的な設立作業が進む中で明らかになってくるものと考えられておりまして、現時点でどの程度の費用が必要かを明確に述べることは困難でございます。  あえて申し上げれば、電子的な記録を取り扱う他の組織の例としましては証券保管振替機構がございます。同機構は株券等の大規模な取引を取り扱うものでありますことから、単純な比較はできないものの、株券等の電子化に向けた新規設備投資として約七十一億円を予定していると承知をしております。  また、経済産業省の報告では、全国の預金取扱い機関との連携を前提に記録機関のシステム構築に係る概算見積もりが行われておりまして、リスクに幅広く対応する堅牢な設計の場合の費用として、システム構築経費八十二億、運用経費二十一億、より低廉な設計の場合の費用として、システム構築に四十二億、運用費用として十二億との概算が示されているわけでございます。  こういうような観点の支出また手数料という収入、こうしたことからして十分に収益が上がり持続可能であるかという、そういう御質問であろうかと思いますけれども、ここらにつきましても、今後この法案が成立しまして、制度的に万全を期していただくべく、行政庁としましても応援をしていきたいというように思っておりますが、今のところ、金融機関等の設立の準備につきましては、その経費について心配があるというようにはこちらの方までその話は来ておりません。 ○富岡由紀夫君 今お話の中で引用されたのは、経済産業省の報告なんかも引用されたと思うんですけれども、経済産業省さんのシミュレーションについてお伺いしたいんですけれども、これは、全国でこの機関が幾つあるという想定で作った、幾つできるという想定で作ったシミュレーションなんでしょうか。 ○政府参考人(立岡恒良君) お答えいたします。  今御指摘いただきました、私ども、この五月に発表いたしました報告書の中で、ある種の幾つかの前提を置いて試算をしたわけでございますけれども、その前提としては、これは一つの機関ということで計算をしております。  すなわち、全国の金融機関がつながって、といいますのは、ある種、中小企業から見てどこでも同じような対応ができるということを想定をして、そういった形で行った場合に、リスクに対応できるような堅牢なシステム、それからより簡易なシステム、先ほど大臣からお答えがあったとおり、ある種の幅の中で、先ほど御答弁がございましたようなある種の試算というのを行わさせていただいた次第でございます。 ○富岡由紀夫君 先ほど山本大臣とお話ししたときは、幾つか今全国にありますけれども、それぞれ拠点拠点でできるようなイメージも伺ったんですけれども、経済産業省さんは、一か所でこれできるという、逆にいうと、そういう事業者のニーズは一か所でセンター的に、全国で一か所でこれが全部取りまとめしてほしいと、そういうふうにお考えなんでしょうか。 ○政府参考人(立岡恒良君) お答えいたします。  幾つつくるかということを予断したものではなくて、仮に一つつくるとした場合にどうなるかということをある種の前提を置いて計算したというふうにお受け止めいただければというふうに存じます。 ○富岡由紀夫君 この試算は、確かに全国で一個、全事業所の三分の一、五十万社が利用するという前提でありますけれども、仮に地域地域でやるとすると、それぞれの一か所の、何というんですか、利用者が、利用件数が減ってくるわけですから、この収益シミュレーションというのはまた成り立たなくなってくるというふうに思うんですけれども。  全国で今交換所、何というんですか、手形の交換枚数というのが大体どのぐらいですか。そんなにないんですよね。一億数千万枚ですか、全国合わせて、百四十か所の交換所を合わせても一億数千万枚しかないのに、そのうち、これはもう六百万件も全部集中して計算しているわけでございますので、非常に採算ベースとしては、もし一か所でできるんだったらこれは成り立つかもしれませんけれども、地方地方で行うということになると、若しくはいろんな業界同士でつくるとなると、非常に採算が厳しいということになろうかと思うんですけれども、先ほど山本大臣は、こういったことに対して、金融庁はいろんな何らかの経済的な支援は行わないようなお話だったんですけれども、経済産業省さんとしても、そういったことはやっぱりこれはもう民間ベースなので、国の関与というか補助というか、そういったものは全然考えていらっしゃらないんでしょうか。お伺いしたいと思います。 ○政府参考人(立岡恒良君) 幾つつくるかについては、先ほど申し上げましたように、予断するものではないというふうに思っておりまして、私どもといたしましては、仮にある種の前提を置いて、一つつくるとすればどうなるかということで試算をさせていただいたところなわけでございます。  それで、実際じゃ、この記録機関がどう機能していくかということにつきましては、正にどういうようなルールができるかとか、あるいはどれぐらいの使いやすさになってどれぐらいの利用率が上がっていくかと、いろんな要件に絡んでくると思いますし、またシステムの方でも、試算でお示ししましたように、ある種どれぐらい手間暇掛けたシステムをつくるかどうかと、いろいろ変わってまいりますので、そういったところについて、私どもといたしましては、よく事業者側のニーズを酌み取ってそれを関係方面によくお伝えをして、そういう中で検討を深めていくというようなことで対応させていただければというふうに思ってございます。 ○富岡由紀夫君 今言ったように、ある程度の参加者、取扱件数が見込めないと、この手形交換機関というか記録機関というのは設立が難しいと、採算ベースでは難しいということなので、是非その点はしっかりと政府も何らかの支援なり対応を考えていただきたいと思いますので、是非その点について山本大臣に最後お伺いして、質問を終えたいと思います。 ○国務大臣(山本有二君) 法律ができ上がりましても、記録機関が十分国民の信頼に足り得るようにワークしなければなりません。そうした観点から、財政面につきましてしっかりとした注視をしてまいりたいと考えております。  以上です。